本記事は、BizHint にて掲載された記事を一部リライト転載したものです。
若手の採用・育成は多くの企業が抱える課題の一つ。一方で、若手とベテランとのコミュニケーションに微妙なズレが生じていることもまた事実です。東京・品川に本社、名古屋と仙台に事業所を構え、全国各地において電気設備工事やLAN工事、施工管理業務を行っている株式会社ネクストは、この課題を見過ごさず真摯に向き合いました。組織若返りのために若手の採用と育成を進めるなかで、若手の意見に耳を傾けLINE WORKSを導入。組織全体の活性化と若手社員の採用実績に繋がっています。
本事例のポイント
- 若手社員の意見を尊重しLINE WORKSを導入
- 会社全体の意思決定や業務がスピードアップ
- 高卒社員の採用と定着に活用
御社の事業内容を教えてください。
田所さん:
当社は東京・品川に本社を構え、企業向けの電気設備やネットワークの工事、またその施工管理業務を行っています。オフィスビルのほか、病院やショッピングモール、公共施設など全国に豊富な実績があります。
社員数は60名ほどおり、数年前までは社内の高齢化が課題だったのですが、7年前から毎年高卒採用を続け、しっかりと育成・定着が進んでいます。
LINE WORKSの導入以前はどんな課題がありましたか。
田所さん:
当社では「社員にいかに力を発揮してもらえる環境を作るか?」ということを念頭に様々な施策を行っています。充実した研修制度はもちろん、社員旅行や社内外を巻き込んだサークル活動の補助などにも積極的に取り組んでいます。社員どうしの仲はとても良いと思います。組織の関係性をよくすることは、社員一人ひとりのパフォーマンス向上にも影響すると考えています。
ある時、若手社員から本音を聞く機会がありました。「仕事中に先輩に電話をかけづらい」「電話をかけるタイミングがわからない」というものです。工事の現場では、他の社員と離れた場所で作業することが多く、先輩社員に電話で質問や相談をすることがあります。
しかし、電話先の先輩が忙しければ迷惑になる、かかってきた電話に出られなくても迷惑をかけてしまう。「ちょっと聞きたいだけなんだけど」という場合に、若手はためらってしまうようでした。
私やベテランの職人にとっては、電話連絡は当たり前の行動ですし、正直最初はピンと来ませんでした。しかし、話を聴いてみると、彼らは現場で、電話ではなくプライベートのLINEで連絡を取り合うケースがあったのです。LINEであれば、ちょっとしたことが聞きやすく、相手の作業を妨げません。最近の若手は、電話よりLINEのほうがコミュニケーションしやすいということがわかりました。
しかし、LINEというプライベートのツールで業務上のやり取りを行うのは、セキュリティの観点から会社としては推奨できません。加えて、社員のプライベートに仕事が入り込んでしまうというのは、会社としては本意ではありませんでした。
LINE WORKS導入の経緯を教えてください。
田所さん:
LINEで行っていた業務上のやり取りを別の手法に置き換えたかったため、知人から紹介されたLINE WORKSを導入することにしました。
当時、働き方改革の一環で、現場の生産性を高めるためにスマートフォンを支給するタイミングだったので、LINE WORKSを予めインストールして全社員に支給しました。
LINE WORKSの定着もスムーズでした。若手は全く違和感なかったようで、ベテランも最初の設定でいくつか質問があったくらいでした。LINEと同じなので、メッセージを見る・送るという基本かつ最重要な部分では難しいハードルはなく、誰でも使えています。
LINE WORKSをどのように利用していますか?
田所さん:
現場ではたらく若手と先輩、ベテランの社員とのコミュニケーションが活発になりました。
写真や動画を撮影して送ることも簡単なので、現場の状況が詳しく、スムーズにわかるようになりました。口頭での説明がいかに難しかったかということは、電話が当たり前だったときには気づきませんでしたね。
若手からの質問・相談も、電話だと1人にしか聞けませんが、LINE WORKSであれば社内全員に同時に聞くことができます。わかる人がすぐに回答するので、疑問の解決がとても早いです。またそういったやり取りを、私含め社内全員が見られるのも、それぞれの社員や現場の状況が見えて安心できます。
本社や事務所ごと、部署ごとといった単位でトークグループをつくり、情報を共有しています。社内のやり取りはすっかりLINE WORKSになりました。
経営層として感じるLINE WORKSの活用による効果はありますか?
田所さん:
社内のやり取りがLINE WORKSに統一されたことは、決裁者でもある私にとってもメリットがありました。私には、社員から急ぎの相談や決裁を求められることが多くあります。
以前、相談や決裁申請はメールで行っていたのですが、メールはDMや社内外含め色々な方から送られてきます。あまりにも大量に届くので、無意識のうちに「メールは後で見る」という習慣がついていました。
一方で、LINE WORKSの利用は社内のみとしているので、スマホに届くLINE WORKSからの通知は、必ず社内からとわかるので、すぐに確認して返事をする癖がつきました。会社全体の意思決定・業務スピードが上がっていると実感しています。
フランクにやり取りできることもメリットだと感じます。メールで社内連絡を行うと少々堅苦しいやり取りになりがちですが、LINE WORKSであれば、定型の挨拶もいりませんし、用件だけをシンプルに送れます。社内のコミュニケーションの雰囲気が柔らかく、明るくなりました。
他に、活用しているLINE WORKSの機能はありますか?
田所さん:
LINE WORKSのホーム(掲示板)は、「社員全員が見られる場所」として、当社のサークル活動で便利に使っている機能です。会社がサークル活動として容認する条件の一つに「全社員に声掛けをすること」があります。ホームを使い、効率的に条件を達成できるようになりました。
サークル活動の運営には、社員のスキルアップが目的でもあります。現場では複数のパートナー企業と協業することがあります。当社の社員には知識や技術はもちろん、主体性やリーダーシップ、調整力も必要になります。サークル活動の運営を通して、ツールを活用することと、実務で活かせるスキルを自然と培ってほしいと考えています。
採用活動でもLINE WORKSの導入をお伝えしているようですね。
田所さん:
当社は高卒採用に力を入れており、工業高校に採用の打ち合わせに伺ったり、高校生向けの会社説明を実施しています。
そこでLINE WORKSというビジネス版LINEを取り入れ、社員との業務連絡で使っていることをお伝えすると「若手に理解のある会社」という印象で受け止めていただけるようで、当社の評判が口コミで伝わったり、応募数が増えたりと採用活動にも効果を感じています。
今後のLINE WORKSの活用について教えてください。
田所さん:
社員にはどんどん自分の意思や思いを仲間に発信して、お互いに刺激し合い成長してほしいですね。そのための場所として、LINE WORKSがもっと機能してほしいと思っています。
また、今後は社外のパートナーも巻き込んだ形での事業成長を考えています。そういった場面では、生産性やセキュリティなどの面から、もっとLINE WORKSを有効に活用できると構想しています。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した当時のものです。
※本記事は2021年2月24日にて公開されたBizHint 編集部 作の記事をリライト掲載したものです。