大橋金型工業株式会社
2020-03-06
業種
製造・メーカー
目的・効果
従業員間の連絡 スマートフォン活用
主な活用機能
トーク
お話を伺った方
代表取締役社長 角間 大さん
製造部 工場長 原田 美香さん
業務部 業務2課 アシスタント 森下 実野里さん
ホームページ

機密情報となる金型の写真をセキュアな環境で速やかに共有し、お客様への対応力が強化。相手の仕事を中断する電話がチャット(トーク)に置き換わり、製造・営業・事務担当者間の情報連携がスムーズになりました。

研削加工による金型の製作を主事業とする大橋金型工業株式会社は、製造・営業・事務の各担当者が迅速に業務連絡や情報共有をするためにビジネスチャットの導入を検討。操作がしやすく、セキュアな環境で利用できることから、LINE WORKSを選定しました。運用開始後は電話やメールがトークに置き換わったことで、担当者間の連絡がスピードアップ。その結果、お客様への対応力が以前と比べて増したことを実感しています。同社の皆さんに、LINE WORKSの具体的な利用シーンをお話しいただくとともに、今後の活用について展望していただきました。

 

本事例のポイント
  • 秘匿情報のやり取りに私用SNSを使うことへの不安感を払拭
  • 社員間の連絡・相談・確認に要する労力や時間が短縮
  • 営業-工場-事務所間のスムーズな連携で取引先への対応スピード向上

御社の事業と、皆さんの主な業務内容をご紹介ください。

角間さん :

当社は研削加工による金型の製作を主事業とし、治工具や製缶機械およびその部品の製作も行っています。清涼飲料水や蚊取り線香の缶を作るための金型を、大手製缶メーカーに納入するほか、一点もののオーダーメードにも応じています。缶はふた、胴、底の各部に圧力を加えて接合するため、その金型は精密に製造されなければなりません。清涼飲料水などの缶の仕様は年々薄くなる傾向で、メーカーからは厚みをミクロン単位で指定されますが、当社はそれに応える高度な技術を有しています。

森下さん :

業務部 業務2課のアシスタントである私は、納期管理のほか事務系業務を全般的にサポートしています。

 

原田さん :

私は製造部の工場長として、工程や品質など製造工程全体を管理しています。

御社が直面していた課題と、LINE WORKS導入に至った経緯をお聞かせください。

角間さん :

営業や製造、事務など、社内の各部門の担当者どうしをつなぐ連絡手段は、以前は電話かメールしかありませんでした。例えば、外出している社員の行動を知りたければ、事務所のホワイトボートを見に行くしかない。修理依頼を受けて得意先を訪問した営業担当者が帰社するまで、金型の状態が製造部門に伝わらないなど、迅速な意思疎通や情報共有ができず、業務効率を妨げる大きな要因となっていました。

 

そうした状況を改善するために、社員どうしの業務連絡にLINEが使われるようになりましたが、それに伴って秘匿すべき業務情報や個人情報を第三者に誤送信してしまうリスクが懸念されるようになりました。得意先には大手製缶メーカー様などもあり、当社のような規模が大きくない会社でも、セキュリティには万全を期す義務があります。また、個人のLINEアカウントを取引先や協力会社に伝えることで、社員のプライバシーが侵される危険性がありますし、退職した社員が業務関係者とのつながりを持ち続けることも、セキュリティ上のリスク要因だと感じていました。

 

そこで、安全に使えるビジネスチャットとしてLINE WORKSを知りました。多くの社員が使い慣れているLINEと操作性が似ていながら、利用者のアカウントを管理側でコントロールできるなどセキュリティが万全であることから導入を決定。一部の社員に支給しているスマホやPCにアプリをインストールして運用を開始しました。

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。

角間さん :

LINE WORKSでは、社員全体、事務部門、幹部などのトークグループを作成し、個人対個人、個人対多数の業務連絡に利用しています。LINE WORKSのカレンダーに各自がスケジュールを入れるようになったため、わざわざ事務所のホワイトボードを確認しなくても、お互いの行動予定を把握できるようになりました。

 

原田さん :

LINE WORKS導入後は、受注した金型が完成すると、製造担当者がその写真を直ちに営業担当者に送信するようにしています。外出先で写真を受け取った営業担当者は、得意先で完成品の写真を示して問題がないかどうかを、すぐに確かめてくれるようになりました。

 

また、修理依頼を受けると営業担当者が得意先に赴いて金型の状態を確認し、帰社後にその様子を口頭や写真で私に報告していましたが、LINE WORKSを導入してからは、得意先から不具合の詳細が写真とともにトークで送ってもらえるようになりました。修理の可否や修理に要する期間などを判断して、営業担当者に即答できるので、得意先への対応力が高まったと感じています。

 

金型の写真は得意先にとって重要な機密情報ですが、アカウントが会社によって管理されているLINE WORKSなら、部外者への誤送信が生じる心配がないので、安心して情報をやり取りすることができています。

 

製品や部品に関する情報を写真で確実に共有

 

森下さん :

当社は1階が工場、2階がオフィスというフロア構成です。2階にいる事務担当者が工場の担当者に連絡事項を伝えるために電話をかけると作業を中断させることになりますが、トークでメッセージを送れば手すきのときに見てもらえます。

 

原田さん :

逆に工場から必要な部材の手配などを依頼する際、トークなら事務担当者の仕事を中断させることなく、数量などを確実に伝えることができます。

 

森下さん :

営業・事務・工場の各担当者間の意思疎通がスムーズになり、用件に対してスタンプで手短に返信できるのも便利だと思います。

 

角間さん :

社員間のコミュニケーションに要する労力や時間が短縮されるとともに、セキュリティ面が強化されたことに満足しています。

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させていきたいですか。

角間さん :

セキュアな環境でチャットができることを目的とした導入だったので、現時点ではトークしか活用できていませんが、LINE WORKSには多彩な機能が搭載されているので、これからは積極的に活用していくつもりです。

 

その一つがカレンダーです。部門単位や全社単位などで各社員の行動予定を共有できるようになれば、より便利だと思います。スマホの操作に不慣れな年配の社員もいますし、現状ではまだトークとホワイトボードを併用していますが、全員がLINE WORKSを利用できるようになれば、ホワイトボードに予定を記入したり、それをわざわざ見に行ったりする煩わしさから解放されるでしょう。

 

当社には外国人の社員も働いています。LINE WORKSで日本語でトークができるほど習熟していない従業員もいます。トークには翻訳機能がありますし、これを活用してチャットによる意思疎通ができるようしたいとも思っています。

 

会社からの通達や通知をホームで周知したり、グループでファイルやフォルダを共有したりすることで、社員が業務情報に簡単にアクセスできる環境も整えたいですね。

 

最近、生産管理システムを導入して製造工程の進捗状況を可視化できるようにしました。チャットボットを活用して、その日の進捗や在庫状況を自動的にLINE WORKSに通知するといった仕組みも構築できればと思います。多機能なLINE WORKSを、コミュニケーションだけではなく製造管理の効率化にもつなげることが、今後の目標です。

 

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2019年12月当時のものです。