毎年3月に福岡県の博多の森テニス競技場・春日公園で開催される全国選抜高校テニス大会。日本テニス協会、全国高等学校体育連盟共催のもと、全国選抜高校テニス大会実行委員会によって運営される同大会では、全国200人以上の関係者と連携を取りながら大会前後の準備や当日の運営を実行しています。これまで、メールや電話で行っていた連絡や、年に5回しか開催できなかった現地会議をLINE WORKSに置き換え、速やかな情報共有やオンライン会議の毎月開催が可能に。大会当日は速報の共有に活用するなど、よりよい大会にするためにLINE WORKSを役立てています。大会運営における使い方について全国選抜高校テニス大会実行委員会 チーフアドバイザーの宮崎さんに話を伺いました。
本事例のポイント
- 一人ひとり電話でしていた連絡をLINE WORKSで一斉配信、事務局業務を効率化
- 個人単位の既読確認で未読者のみリマインド。確実な情報伝達が可能に
- オンライン会議によって現地会議のためにかかけていた移動費・宿泊費が不要に
- 速報をトランシーバーから置き換えリードタイムの短縮と正確な共有が実現
2022年で44回目を迎える全国選抜高校テニス大会と実行委員会の組織について
宮崎さん:
福岡県で毎年開催され、「選抜から世界へ」を合言葉にした、インターハイと並ぶ高校テニス大会の2大大会の1つ。今回44回目を迎え、全国大会を勝ち抜いた男女46校が出場し、トーナメントでナンバーワンを目指す熱い大会。7日間の大会中は2万人ほどが観戦する大規模なテニス大会です。
この大会の組織は、福岡県にあるテニスの名門校 柳川高等学校の校長兼理事長の古賀賢大会会長を中心とした組織で、日本テニス協会や高体連テニス専門部の先生方、テニスに関わりの深い方々でできた実行委員会が一丸となって活動しています。福岡にある高校のテニス専門部にもご協力いただいており、審判は福岡の高校生が行うため、審判育成にも力を入れています。
アナログな連絡手段、連絡が届いてるか不明な状況に戸惑いと不安を抱えていた
宮崎さん:
以前の実行委員のメンバーや事務局など大会の関係者との連絡手段は、メールや電話といったアナログなものでした。大会終了後には休みなしに翌年の準備が始まるので、1年を通して日々関係者は連絡を取り合っています。その準備に関わる人の年代は、幅広く60歳を超える方もらっしゃいます。会長や事務局長、実行委員長など主要な方とアドバイザーが、「今後どうする」「実行委員会の議案どうしましょう」と個別にメールや電話でご意見を伺っていました。事務局に対する作業依頼や進捗の確認も同様でしたので、多くのメンバーがいますので、情報の伝達がとにかく大変でした。
学校の先生方は通常の校務がありますので多忙ですし、なかなか返信が来ない方も多かったです。見ていないのか、見ているのに返信しないだけなのか、非常に戸惑ったこともありますし、メールを見ただけで返信はせずに自己完結される方も多くて、必要な情報が本当に届いているのか、認識してもらえているのか、すごく不安でしたね。
また、実行委員会は毎年100人くらいメンバーが入れ替わります。毎年の地区大会で全国選抜高校テニス大会の出場権を獲得して新たに出場してくる高校の監督の立場からすると、大会について細やかな情報も知らず、コミュニケーションも十分に取れていません。実行委員会と監督との距離が遠かったり、迅速な情報共有ができない点が本当に大きなハードルでした。
先生方は部活もやっていて本当にお忙しい中でも運営に協力してくださっていると理解しているので、ご負担がないように情報共有やコミュニケーションを円滑にするにはどうしたらいいのか悩んでいました。
LINE WORKSの既読機能が、大会準備に関わる連絡をとにかく楽に
宮崎さん:
LINE WORKSを知ってから、その使いやすさや馴染みの良さから、大会の公式コミュニケーションツールとして導入することを決めました。現在は、実行委員会、事務局、全国の常任委員と呼ばれる高校の役員の先生や出場校の監督、試合の速報だしなど、総勢200人近くで活用しています。
導入後は多忙な先生方との連絡がスムーズにできるようになり、電話で何人にも同じ情報を連絡したり、メールが届いたか確認したりといった、ムダな時間がなくなりました。
グループトークごとへの一斉送信は送る側の手間が省けますし、情報の受けて側も、パソコンだけでなくスマホでも情報を見ることができるので、休憩時間に気軽に確認することができるようになりましたね。
個人単位でトークの既読確認ができる点は本当に大きな問題解決となりました。未読者のみに個別連絡ができるので、連絡の効率化が実現して運営がすごく楽になりました。
年5回の現地会議から、毎月のオンライン会議に。コストは削減、会議はより充実。
宮崎さん:
導入前は全国の役員が福岡に集まって会議を行っていたんですが、交通費や宿泊費などで予算的にも厳しくて、年に5回程度しか開催できませんでした。会議以外では、個別にメールや電話で連絡していたのですが、話し合いにはなりません。コミュニケーション不足を感じており、「もっとスムーズにより良い大会にするための話し合いをしたい!」と常に思っていました。
LINE WORKSを導入してからは、LINE WORKSのビデオ通話を使い、毎月のようにオンラインで集まって会議をしています。分科会も盛んに行われ、コミュニケーションの質が格段に上がりました。今は大きな輪の熱いコミュニケーションが構築されていると思っています。
大会をより良くするためにも、みんなの意見を聞くことはすごく大事で、LINE WORKSは意見を集約することにも役立っています。
リアルタイムに進行される大会の速報にLINE WORKSを活用
宮崎さん:
テニス大会の開催期間中は、大会の公式アプリで試合速報を配信しています。その速報を集約するために、今までは各現地にいるスタッフから試合結果の報告をトランシーバーで本部に連絡していましたが、聞き間違い等のミスが発生していました。トラブル発生時はつながるまで担当者に電話をするか、大きな会場で本部まで走って直接報告にきたりと、時間や負担がかかっていました。
そこで、速報でもLINE WORKSを活用したところ、情報共有のリードタイムが短縮され、正確になりました。日頃から使い慣れたLINEと同じUIなので、トークに試合結果を発信する時も打ち間違いがほぼなく、また発信前に自分の目でテキストを確認することができます。本部には、大画面のモニタにLINE WORKSのトーク画面を表示して各コートから届いた結果を確認するのでミスが激減しましたね。
LINE WORKSを最大限活かす方法は、「組織の問題から活用方法を考える」
宮崎さん:
大会にとってLINE WORKSを最大限に活かすための大切なことは、今ある組織の問題から活用方法を考えることだと思います。「こういう機能があるから、こうしよう」ではなく、「この問題を解決するには何をどういう風に使うか」と考えることが大事です。
また、我々の場合、関係者は全国のお忙しい先生方や各種団体の代表の集合体で幅広い世代なので、負担だと感じさせない加減を見ながらLINE WORKSをすこしずつ活用し、大きな成果を得たと考えています。例えば、導入当時からビデオ通話を使ってオンライン会議を実施していたわけではありません。まずはトークに慣れてから徐々に活用を広げました。現在は掲示板の活用も始めています。
組織の問題解決のためのツールという認識の上、焦らずゆっくりとご活用すると、最大限活用できるのかなと思います。
今年も開催されることとなった大正製薬リポビタン第44回全国選抜高校テニス大会でもLINE WORKSを活用しながら、大会を盛り上げたいと思います。
宮崎さんはLWUG(えるわぐ:正式名称 LINE WORKS USER GROUP)のイベントにてその活用についてご紹介しています。発表資料はこちらをご覧ください。
【お話を伺った方】
宮崎 愛枝代さん
イベント企画・制作・デザイン会社の代表。全国選抜高校テニス大会実行委員会 チーフアドバイザーとして広報やプロモーションなど大会運営に携わっている。
※掲載している内容、所属やお役職はイベント開催当時のものです。
【LINE WORKS 非営利団体向け特別プラン】が再リリース!
通常フリープラン(容量5GB・使用最大人数100名)の制限を緩和した、非営利団体向け 特別プラン(容量50GB・使用最大人数1000名)をご用意しました。