芋けんぴをはじめとするさつまいも菓子を製造・販売する澁谷食品株式会社は、拠点および工場や店舗との業務連絡をスムーズにする目的からLINE WORKSを導入しました。主な連絡手段だった電話、メールをトークに置き換えることで、社内のコミュニケーション速度が向上。本社からの受注情報が担当者に迅速に伝えられるようになったことで、工場の生産力もアップしました。同社の皆さんにLINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお話しいただきました。
本事例のポイント
- 本部・工場・店舗間の連携が強化され、生産業務が効率化
- 工場内から通話や画像送信ができることで設備不具合の早期復旧が実現
- 書類提出遅れの防止や経費精算に活用し、本社業務の生産性も向上
御社の事業内容をご紹介ください。
横田さん :
当社は芋けんぴや芋チップをはじめとするさつまいもの菓子を製造しており、直営店の芋屋金次郎や自社ECサイトで販売しているほか、量販店への卸売りもしています。当社の芋けんぴ生産量は全国シェア50%に上り、大手コンビニエンスストア、大手量販店などのプライベートブランド商品の製造も手がけています。
以前はどんな課題を抱えておられましたか。
・グループウェアは伝達が一方通行になりがち
・情報伝達の遅れにより生産ラインの生産効率が低下したことも
・急な大口注文に工場が対応できるかの返答がすぐにわからなかった
横田さん :
社員間の連絡が主に電話とメールで行われていたため、重要な業務情報をスピーディに共有できないことが課題となっていました。当社の製品は鮮度が大切なので、原料の仕入れから製造、出荷までの業務がスムーズに流れなければなりません。社内コミュニケーションを密にするためグループウェアを導入したのですが、情報発信が一方通行になりがちという課題を解消するには至りませんでした。
佐々木さん :
工場では、本社からFAXで送られてくる受注伝票を生産担当者に手渡ししていたため、受注情報が伝わるまでにタイムラグが発生していました。ある商品を生産している最中に、その商品の新たな受注情報が伝わればそのまま追加生産できたのに、情報の伝達が少し遅れたために別の商品の製造が開始されていた、といったことがしばしばあり、情報がタイムリーに伝達される環境が構築されることは、生産効率を高めるために不可欠だと感じていました。
畠山さん :
通信販売部には、Web・電話・FAX・郵便などで日々多数のご注文が寄せられます。思いがけない大口のご注文をいただいた場合などは、工場が対応できるかどうかを確認しなければなりません。電話をかけても担当者が多忙で応答してもらえないことが多く、メールでは返信がいつもらえるかもわかりません。担当者間でスピーディに情報を共有できる体制が整備されることは、通信販売部にとっても重要だと思っていました。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由と、導入までの経緯を教えてください。
横田さん :
そうした課題解消に向けていくつかのビジネスチャットを試したのですが、どのツールも満足できる使い勝手ではなく、社内で定着しませんでした。当社にマッチするツールをリサーチしていたところLINE WORKSの存在を知り、事務部門と営業部門で無償版を試用してみると、トークによって業務連絡がスムーズになされるようになり、ユーザーが別の部署にも拡大しました。
トークのほかに組織図の設定やホーム(掲示板)、アンケートなども使いこなすようになり、当社にとってなくてはならないツールとなりました。無償版でもコミュニケーションツールとして十分に機能していたのですが、やり取りされるファイルが増えたことから、ストレージ容量の大きい有償版に切り替えました。
現在のご利用状況を教えてください。
横田さん :
本社社員と直営店の店長、工場の事務担当者と係長以上の役職者のほか、店舗や出荷センターなど部門用のアカウントも発行しています。それ以外の社員が必要に応じてBYOD(個人のスマホ利用)も認めており、現在は約100IDを登録しています。
業務におけるLINE WORKSの具体的な活用シーンと導入効果をお聞かせください。
【トーク】追加受注分が工場へ即時に伝わり生産が効率化
【トーク】製造設備の不具合に対して早期の原因特定や復旧が可能になった
【ホーム】大口注文に対する工場の返答が以前より迅速になった
【カレンダー】社用車・会議室の空き、社員の予定を見える化し、予定調整を効率化
佐々木さん :
工場では本社からFAXで送られる注文伝票を写真に撮って、生産担当者にトークで送るようになりました。受注情報がタイムリーに伝わるようになった結果、生産ラインが追加分の製造に迅速に対応できる機会が増え、生産の効率化につながっています。また、原料の入荷状況なども工場内の担当者がスピーディに共有できるようになったことで、製造スケジュールの調整もしやすくなりました。
追加の生産指示や、原料の入荷状況などを担当者間で速やかに共有
製造設備に不具合が起きると、以前は担当者がデスクに戻って固定電話から内線で私に報告をしていましたが、LINE WORKS導入後はその場から音声通話で連絡がくるようになりました。担当者はトラブルが起きた場所から通話できるので、現場の状況を正確に説明できるようになっただけでなく、コミュニケーションをとりながら不具合が起きた機器の画像を送信してもらうことで、不具合となった原因の特定や復旧が早くなりました。
ほかに、例えば工場内のエレベーターの点検日を周知して承認を受けたり、社用車や会議室などを設備予約したりと、カレンダーも活用しています。
畠山さん :
通信販売部では、電話かメールで行われていた部内・本社・工場・店舗などとのやり取りの多くがトークに置き換わりました。大口の受注があった際に、工場のスケジュールを確認するためのメッセージは確実に担当者に伝達でき、以前より迅速にレスポンスを得られるようになりました。すぐに返信がなくても、既読が付けばメッセージを見てくれたのだという安心感を得ることができます。お客様からの返品を受け取った担当者が商品の写真を添えて私に対応を相談するなど、手軽に画像を共有しながら会話できることようになったことでも業務がスムーズになりました。お客様に関する対応がスピーディになることは、顧客満足度の向上にもつながっていくと思います。
また、カレンダーで他の社員のスケジュールをチェックしながら、部内のミーティングの日程を調整できるようになったことも、業務の効率化につながっています。
本社ではどんなシーンでLINE WORKSを活用されていますか。
【ホーム】部門ごとの書類提出状況を全体に提示することで、提出遅れを防止
【アンケート】電話で行っていた社員ヒアリングを簡便かつ可視化
【トーク】グループトークをつくり、経費精算の申請に活用
横田さん :
会社からの通達事項をホームに掲載することで、全社員へのスピーディな周知ができるようになりました。各部門の棚卸し・計上書類の提出状況などをホームにアップすることで、報告が遅れがちな部門に刺激を与えるといった工夫もしています。その結果、全体的に書類の提出が早くなりました。
社内の意見をヒアリングしたいとき、以前は各社員に電話をしていましたが、今はアンケート機能を活用しています。電話をかける手間がかからず、すぐに社員の意向を把握することができます。
経費精算の申請については、申請者・決裁者・経理担当者のトークグループでやり取りをするようになりました。グループ名を「精算・○○(氏名)」とすることで、スムーズな精算業務ができるようにしています。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
横田さん :
新型コロナ対策として、今後は事務担当者の在宅勤務を増やすことを検討しています。テレワーク時の社員が会社と連絡を取るためのツールとしても、LINE WORKSは十分に機能してくれると思います。また、botを活用してFAQを作成するなど、ナレッジ共有にも利用できればと考えています。
お話を伺った方
経理課 課長
横田 耕二さん
経理課長 課長と総務課 課長を兼任。社内に導入するIT機器の選定業務なども行う。
高知工場 製造2課 課長
佐々木 浩行さん
製造2課 課長として円滑な出荷に向けた製品の袋詰め作業を管理。
通信販売部 コールセンター 係長
畠山 紀子さん
コールセンター 係長として通信販売の受注業務に携わる。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2020年11月当時のものです。