地域経済・地域社会の発展を目的に発足された地域商社である株式会社SOTOBO ISUMIでは、異業種の企業・団体が集い、複数の事業が同時進行しています。日々の複雑な情報管理を支え、会えないときにもメンバー間のコミュニケーションを継続できるツールを求め、LINE WORKSを導入。社内の情報共有だけでなく、外部トーク連携を活用した社外取引先とのトークにより、円滑な事業運営を実現。LINE WORKSの導入から、ペーパーレス100%の状態を維持しています。
【本事例のポイント】
– 事業・業務ごとに作成したグループを積極的に活用
– 社内メールのやりとりから解放され、業務遂行がスムーズに
– ファイルや記録はすべてLINE WORKSで共有し、100%ペーパーレスを実現
– 外部の企業・団体のLINE WORKSやLINEとつながり連携を強化
御社の事業内容をご紹介ください。
– 藍野さん :
当社は京葉銀行とNTT東日本千葉事業部、千葉県いすみ市との連携をもとに、2020年6月に発足した地域商社です。主な事業には、地元の漁業協同組合のコンサルティングや、漁業協同組合が直営している飲食店事業の経営改革を担う漁業支援事業、そして、ICTを活用した地域活性化事業があります。
発足して1年、今では「無印良品」を経営する株式会社良品計画、地元の郵便局、地域おこし協力隊など複数の企業・団体が当社に参画しており、全体の情報共有をしながら地域社会の発展を目標に運営をしています。
– 山口さん :
私はいすみ市役所水産商工観光課に所属しています。SOTOBO ISUMIには外部から複数の企業・団体が参画していますので、市民が抱えている地域の困りごとに対して、どの企業・団体なら解決に導けるかなどをSOTOBO ISUMIへ投げかけるナビゲーター的な役割を担っています。
– 小路さん :
地域が抱える課題を ICT を活用して解決していく地域活性化事業として、2020年4月にいすみ市と提携し、いすみ市内の小中学校12校へのICT支援がはじまりました。私と最首はICT支援員として、月に一度学校へ訪問し、授業中に使用するタブレットの操作方法の指導や機器のトラブル対応などのサポートをしています。
業務上、どんな課題を抱えていましたか。
– 藍野さん :
当社を発足させるにあたり、メンバーとは個人のメールアドレスと電話を中心に連絡を取り合っていました。しかし、相手がメールを確認したかどうか、送信者はすぐにはわからないため、メールを送信した後に「確認してください」と電話をかけていました。また、複数の案件が重なるとメールの受信フォルダでは遡りにくく、情報整理が難しくなっていきます。メンバーもそれぞれが所属している企業・団体の業務があるので、常時、SOTOBO ISUIMの事務所にいるわけではありません。多岐に渡るプロジェクトを企画・運営していく中で、日々の情報伝達や意思疎通をどのように図るべきかが、発足前からの課題でした。
課題解決の手段としてLINE WORKSを選択した理由をお聞かせください。
– 藍野さん :
LINE WORKSのグループトークと既読機能が導入の決め手の一つでした。事業や業務ごとにグルーピングすることで、煩雑としがちな情報をきちんと整理し、把握・管理することができます。複数の事業を複数のメンバーが同時進行する当社の運営スタイルを支えてくれるだろうという期待がありました。また、LINE WORKSには相手が確認したかどうかがすぐにわかる既読機能があります。わざわざ相手に電話で確認しなくても、情報が伝わっているかがわかりやすくなると思いました。プライベートで使い慣れているLINEと使用感が似ているので、年配のメンバーでも使いこなせる点も魅力的でしたね。LINE WORKSを導入したのは当社を発足した直後だったので、低コストで運用できる点は経営面でも心強かったです。
LINE WORKSはどのように活用され、効果を出していますか。
【テンプレート】会議のアジェンダや議事録をわかりやすく簡単にまとめられる
【フォルダ】ファイルの共有場所が一元化、探す手間が省け確認がスムーズに
【カレンダー】メンバーの予定を可視化でき、空き時間を確認する負担が軽減
– 藍野さん :
まずは事業や業務ごとにトークグループを作成し、ファイルの共有や打ち合わせなどを各グループで進行しています。また、会議のアジェンダや議事録などは、ノート機能のテンプレートを利用してまとめています。
私も代表としてそれぞれのグループに参加しており、データの確認依頼や報告などを受けていますが、グループ分けをしたことで、それぞれの進捗状況などが非常にわかりやすくなりました。メールでやりとりしていた時期よりも事業や案件の把握にかかる時間が大幅に軽減されたので、自分自身の業務にも集中できています。
また、LINE WORKSで共有されるこれらのファイルや記録は、スマホやPCの画面からその場ですぐに内容の確認ができるので、印刷費や紙代などがかかっていません。当社はLINE WORKSを導入した発足当初から、社内の業務においては100%ペーパーレス状態を維持しています。
事業、業務ごとにグループ作成し、フォルダやテンプレートを活用。記録やファイルの把握が簡易に
– 山口さん :
事業によって参画するメンバーの人数は10名~20名以上と大きく変動しますので、スケジュール管理が複雑になることもあります。カレンダー機能を使いはじめてからは、誰が、いつ、どこにいて、何をしているかなどが可視化され、アポイントの調整や人員を派遣したいときに、逐一本人に連絡をしなくてもすぐに調整できるようになり、結果的に業務がスムーズに進行できていると感じています。
– 最首さん :
ICT支援事業の一環で近隣の高校のオンライン文化祭をサポートしたときにも、トークグループをかなり活用しました。密集状態を避けるため、体育館の中で開催された文化祭をライブ配信し、生徒たちが教室から観覧できるようにしました。当日は体育館と教室それぞれに当社のメンバーが待機し、常に映像と音声のチェック。開催中は声が出せず電話ができなかったので、トークルームのチャットのみのやりとりでしたが、「音は聞こえていますか?」「映像はカクカクしていませんか?」など、リアルタイムに連携が取れ、配信トラブルを未然に防げました。
– 小路さん :
小中学校へのICT支援の活動後には、教育委員会へ提出する報告書を作成します。作成した報告書は、ICT支援事業のトークグループのフォルダへ格納・共有し、メンバーからチェックを受けてから提出するようにしています。
メールへのファイル添付だと受信ボックスの中で他の情報に埋もれてしまいますが、LINE WORKSのフォルダ機能なら、きちんと整理して共有することができます。どこにどんなファイルが保存されているか一目瞭然なので、自分も探しやすいし、相手にも伝えやすくなりました。
– 藍野さん :
社内メンバーが集合できるのは週に一度の定例会のみですが、LINE WORKSは直接会えない間にも、こうした業務の進行やメンバーどうしのチームワークを継続することができる、コミュニケーションツールとしての役割も果たしています。
外部の企業・団体との連携において、LINE WORKSの外部トーク連携の活用はどのような効果がありましたか。
– 小路さん :
小中学校へのICT支援の現場で、タブレット本体の不具合やネットワークの管理上のトラブルなどが起きたときのために、専門企業の担当者のLINEアカウントとつながっています。授業中に電話をすることができないので、不具合の相談などはすべてトークルームでやりとりをしています。説明が難しい不具合の様子をスマホで撮影してそのままトークで送れますし、すぐに回答をいただけるので、その場でスムーズに対応することができています。
– 山口さん :
以前、ウィズ・コロナの時代を見据え、感染症対策を講じた食のツアーを実施した際、いすみ市内の酪農・野菜農家さんやレストラン、運営協力をいただいたほかの企業など、合わせて20社~30社の企業・団体との打ち合わせが必要でした。すでにLINE WORKSを導入していた企業とはLINE WORKSどうしで、LINEアカウントをお持ちの方とはLINEとの外部トーク連携ですぐにつながることができたので、大変便利でしたね。お互いの契約書、出納帳の管理など、すべてトークやグループフォルダでファイルを共有していました。それぞれからどんな発言があったかもトークなら残りますし、検索機能で簡単に情報を探すこともできました。
– 藍野さん :
日々、こうした外部トーク連携のメリットを感じています。導入当初はフリープランを使っていましたが、LINE WORKSを活用する幅をさらに広げていけるだろうと見込み、外部トーク連携でつながる人数や共有ストレージの上限を上げることができるライトプランにアップグレードしました。
LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。
– 小路さん :
教育現場の支援に関わる中で、外部トーク連携でつながった企業に助けていただくことがたくさんありました。これからもどんどん連携企業を増やしながら、支援事業をより強化していきたいです。
– 藍野さん :
LINE WORKSは現場のDXに大きく貢献してくれるという実感が持てました。ゆくゆくは漁業協同組合へのコンサルティングの一環としてLINE WORKSの導入を推進し、お互いの連携を強めていきたいです。
【お話を伺った方】
藍野彰一さん
代表取締役として事業の運営、プロジェクトの統括を担う。
山口高幸さん
いすみ市役所水産商工観光課職員としてSOTOBO ISUMIと連携し、地域の課題解決に取り組む。
小路直子さん
地域ICT化推進本部の支援員として、地域の小中学校へのICT支援を行う。
最首(さいしゅ)亜美さん
地域ICT化推進本部の支援員として、地域の小中学校へのICT支援を行う。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2021年11月当時のものです。