エレガントスタイルのメンズ・ウイメンズウェア、服飾雑貨などを扱う株式会社トゥモローランドは、個人LINEの業務使用に替わるオフィシャルの連絡ツールとして全社でLINE WORKSを導入。お客さまのLINEとセキュアにつながった店舗スタッフが、商品情報などを個々のお客様に直接かつタイムリーにお届けできるようになりました。主にメールで行われていた社員間の連絡もLINE WORKSに置き換わり、意思疎通の速度が飛躍的にアップ。さらに本社と店舗、店舗どうしの連絡も取りやすくなるなど、スムーズで快適なコミュニケーション環境を実現しています。
本事例のポイント
- お買い上げの御礼やお取り寄せ商品の入荷連絡などをお客さまと気軽に連絡
- 社員どうしの1対1のやりとりで、本社↔︎店舗、店舗↔︎店舗の情報連携を強化
- Botの活用で社内の問い合わせ対応を効率化
御社の事業内容をご紹介ください。
出口さん :
当社は1978年に設立されたアパレルメーカーで、メンズ・ウイメンズウェア、服飾雑貨、アクセサリーなどの企画、生産、販売、卸売、輸入業務を行っています。「時代を超えて受け継がれていく端正で洗練されたエレガントスタイル」をコンセプトに、オリジナルアイテムや世界からセレクトしたウェア、グッズを展開。アパレル関連事業にとどまらず、最近は飲食事業も手がけています。
LINE WORKSを導入する以前はどのような課題に直面していましたか。
出口さん :
おしゃれにこだわりのあるハイエンド層をメインターゲットとする私たちは、個々のお客さまとの接点を大切にしており、店舗スタッフの多くがお客さまのLINEとつながっています。お客さまからのお問い合わせに即応したり、新商品やイベントなどの情報を素早くご提供したりすることで、良好な関係を築けるのがそのメリットです。しかし、以前は店舗スタッフも個人LINEを使っていたため、退職した社員のスマホにお客さまに関する情報が残ったままになるなど、プライベートなコミュニケーションツールを業務で利用することに伴う課題がありました。
山縣さん :
当社は以前からグループウェアツールを運用していますが、そのメールアドレスは本社の社員と店舗用として一部のスタッフにしか付与していないので、本社から店舗スタッフへの個別の連絡は各店舗のスタッフから伝達するしかなく、スピーディな意思疎通をすることができませんでした。そのため、社内コミュニケーションにも個人LINEが使われることがあり、重要な業務情報がプライベートのツールに残ることなどの懸念がありました。
また、結婚による氏名変更や転居など身上異動に関して社員が人事総務部門に送ったメールを担当外の社員が閲覧できてしまうといった状況を改める必要もあったことから、社員と管理部門の担当者が1対1で情報を共有できる環境を整備することを検討。店舗スタッフを含む全社員が使えるオフィシャルなコミュニケーションツールを導入することになりました。
課題解決に向けてLINE WORKSを選定された理由と、運用開始までの経緯をお聞かせください。
山縣さん :
多くの社員が使い慣れているLINEとUIが似ているLINE WORKSなら、社員にストレスなく浸透することが期待されました。その上で、1対1の連絡が取りやすくなることと、外部トーク連携機能によって店舗スタッフがお客さまのLINEと1対1でセキュアにつながれることから、LINE WORKS一択で導入を決めました。
全社員と一部の派遣社員にアカウントを付与し、2018年に運用を開始。社内のコミュニケーション基盤として位置づけました。柔軟な活用を促すため特別な運用ルールは設けていませんが、外部トーク連携でお客さまとつながる店舗スタッフに向けては、最低限のマナーを守ってもらうためのガイドラインを策定して順守してもらっています。
LINE WORKSによってお客さまとの関係はどのように深まりましたか。
・店舗スタッフとお客さまが1対1のやりとりで親密な関係構築をサポート
・タグ付けによる的確な情報発信が誘客効果を発揮
出口さん :
店舗スタッフのLINE WORKSとお客さまのLINEが外部トーク連携でつながり、会社が管理できる環境で1対1のやり取りができるようになりました。発信するトークの内容は、お買い上げに対するお礼やお取り寄せ商品の入荷連絡などが主体ですが、キャンペーンやイベントなどのご案内も最適なタイミングで発信するようにしています。
ただし、お客さまのLINEと連携するかどうかの判断は個々のスタッフに任せています。Instagramや、自社のECサイトなどにアップしたスタッフスタイリング画像からお気に入りスタッフを登録できる仕組みなど、当社にはお客さまとつながるチャネルが複数あります。お客さまが望まれる手段を活用するべきなので、会社としてLINE WORKSでつながることを強制はしていません。とはいえ、友だち登録していただくことで誘客効果が高まるのは明らかで、LINE WORKSでお客さまとの厚い信頼関係を築けた店舗スタッフの多くが売上を伸ばしています。
当社独自の会員組織であるトゥモローランド メンバーズにご加入いただいたお客さまにはメールマガジンを発行していますが、百貨店の中には、テナント自身が会員を募集できないルールを設けているところがあります。そのようなショップでは、店舗のLINE WORKSアカウントでお客さまとつながり、セールやイベントなどのご案内を送信するための販促ツールとしても活用しています。
社内コミュニケーションはどのように改善しましたか。
・目的別のグループで業務情報をタイムリーに共有し顧客満足度向上に貢献
・メールアドレスを持たない社員との1対1の連絡が可能になり意思疎通が効率化
・LINE WORKSはログが取れるため、万が一のトラブルの備えに
出口さん :
私の勤務する店舗には30名ほどのスタッフがおり、店全体のグループのノートで毎日の売上目標や、セールに向けた準備の進捗状況などを共有。VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、販促、セールスといったチームごとのグループでも業務情報をやり取りしています。
売上状況や作業の進捗状況といった重要な情報は、店舗全体や店舗内のチームごとに設けられたグループのノートに保存し、常に最新の情報を共有できるようにしている
店舗全体のグループカレンダーでは、お客さまのご来店予定時刻を登録してスタッフと共有。どのスタッフも来店されたお客さまにお名前を呼びかけて挨拶ができるようにすることでCS(顧客満足)を高めています。
以前はスムーズではなかったイベント時のスタッフの融通や、レイアウトをリニューアルした店頭写真の共有など、店舗間のコミュニケーションが円滑になったのも大きな導入効果のひとつです。
また、商品の納期予定や、店舗間での商品移動に関する指示などが担当者に直接伝えられることで、本社と店舗間の情報伝達もスピーディになりました。
山縣さん :
管理部門から店舗スタッフへの連絡も本人にダイレクトにできるようになり、店舗のアドレスでメールをやり取りしていた頃と比較して、意思疎通の速度が飛躍的に向上しています。返信がなくてもメッセージを見てくれたことが分かれば安心できるという点で、既読機能があるのもメールにはない大きなメリットです。
情報システム部門には、社内システムに関する問い合わせがメールや電話に替わってトークで寄せられるようになりました。トークなら手の空いたときに対応できますし、画面の写真などを添付してもらうことで不具合の様子が把握しやすく、対処の仕方も即座に伝えることができます。
各店舗には固定電話や共用の携帯電話がありますが、個々の担当者に直接連絡できる利便性から、LINE WORKSの無料音声通話もよく使われます。
運用管理側としては、トークのログを監査できる機能によって社内外における万一のトラブルに備えられることも心強く感じています。
ほかにLINE WORKSのどんな機能をよく活用していますか。
【掲示板】全社員への情報周知を徹底
【アンケート】社員への日程確認などが簡便に
【Bot】問い合わせへの対応を自動化(検証中)
山縣さん :
管理部門が各種通達を発信するほか、商品説明の動画をアップしたり、買い付けを行うバイヤーチームがそのシーズンの商品情報を掲載したりと、社員全体への情報周知に掲示板がよく使われています。
アンケートは、総務部門が健康診断の希望日を確認したりするのに活用しています。
人事経理部門や情報システム部門が社員からの問い合わせへの対応を効率化するため、よくある質問への回答をLINE WORKSでBotが自動回答する仕組みをつくりました。今はまだ試用の段階ですが、緊急ではない問い合わせはトークで行うことが定着し、管理部門への電話での問い合わせ件数がかなり減ったことを実感しています。
LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。
山縣さん :
情報システム部門としては、 問い合わせ対応以外の業務にもBotの開発と活用を拡げて、さらなる効率化をはかりたいと思っています。
出口さん :
店舗としても、より多様な業務がLINE WORKS上で完結するようになることを望んでいます。
【お話を伺った方】
山縣 正嗣さん
本社や店舗で利用される基幹システム、ネットワーク、各種デバイスの開発・導入・運用管理に携わる。
出口 雄基さん
ルミネ新宿店でメンズサブマネージャー。会社認定のセールスエキスパートとして店長向けの研修なども行う。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年7月当時のものです。