株式会社ヤマザワ
2023-11-07
業種
小売・卸売 食品
目的・効果
従業員間の連絡 支店・店舗との連絡 BCP・安否確認 取引先との連絡 コンプライアンス・セキュリティ スマートフォン活用 LINEとの連絡 FAX削減・ペーパーレス 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
アンケート
お話を伺った方
取締役 人事教育部長 兼 情報物流部長 兼 プロジェクト管掌 山本 哲也さん(左2)
  生鮮商品部・グロサリー商品部 事務局マネジャー
若山 真一さん(右2)   情報物流部 業務サポート主任
新野 健司さん(左)   生鮮商品部 青果商品部 バイヤー
石山 諒さん(右)   山形南ブロック ブロック長
兼 松見町店店長 沼倉 英夫さん(左3)  
置賜ブロック ブロック長 兼 南陽店店長
原田 芳樹さん(右3)
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連結年商1,000億円の食品スーパー全体の連携を強化。本部と70店舗のスピーディな情報共有基盤としてLINE WORKSを活用。

山形・宮城・秋田の3県に70店舗のスーパーマーケットを展開する株式会社ヤマザワは、本部と各店舗、バイヤーの情報共有をスピーディにし、全体の営業力を底上げするためにLINE WORKSを導入。あらゆる情報共有の速度が以前とは比較にならないほど向上しました。魅力的な陳列アイデアなど店舗間で情報共有が進み、より効果的な販促活動を展開しやすい環境が構築されています。

 

本事例のポイント
  • 電話・メール・FAXをトーク(チャット)に置き換え、全体の情報共有が迅速化
  • 魅力ある店舗の売り場写真を共有し、店舗全体で販促効果の高い売り場づくりに貢献
  • 本社から70店舗へのアンケート配布・集計にかかる時間が10分の1に削減

御社の事業概要をご紹介ください。

取締役 山本さん :

1952年に山形県東根市に開業した「山澤薬局」に始まり、1962年に県内初となる本格的なスーパーマーケット「ヤマザワ」を山形市にオープンさせました。以来、山形県と宮城県を中心に商圏を拡げながら、2012年には連結年商1,000億円を達成。山形県の小売業としてトップクラスの売上を誇る企業に成長しています。2023年春には秋田県にも店舗展開を進め、山形県・宮城県・秋田県でスーパーマーケット、計70店舗を展開して地域の皆さまの暮らしをご支援しています。

以前はどのような課題を抱えていましたか。

商品部 若山さん :

店舗数が増えるほど店舗水準の維持が難しくなることは多店舗展開の課題です。同時に全体の営業力を底上げするためには、本部、エリアごとの店舗を統括するブロック長、各店舗の店長、バイヤーが連携して、タイムリーかつ緻密に情報共有をする必要がありました。しかし、以前の主な連絡手段は電話、FAX、メールだったため、生鮮食料品を扱うスーパーマーケットの業務に不可欠なスピード感のあるコミュニケーションを取ることができずにいました

 

 

青果商品部バイヤー 石山さん :

青果商品部のバイヤーは毎朝市場で買い付けた青果の写真を各店舗に送信し、それを見た店長が自分の店に仕入れるかどうかを判断します。以前はデジカメで撮った商品写真をPCのメールで送っており、添付ファイルのサイズ制限まで解像度を下げ、それをExcelに貼り付けるという手間がかかっていました。刻一刻と変化する商品の鮮度を管理する上では、各店長にはいち早く商品の情報を共有する必要がありました。

 

 

また、バイヤーは市場以外に生産地にまで出向きながら、社内や外部業者と常に連絡を取りながら業務をするので、スマホで手軽に情報伝達ができる手段があればと思っていました。

 

ブロック長 兼 店長 原田さん :

店長を務めながら複数の店舗を統括するブロック長でもある私は、バイヤーや別の店舗の店長と、商品や売り場状況、売上報告、在庫報告など日々さまざまな情報を共有しています。スーパーマーケットは時間ごとに売り上げが変わるので常に時間勝負の中、タイムリーな状況報告が大切です。店長は、自身の店の売り場を管理すると同時に、事務所PCのメールや固定の電話、FAXで報告や情報共有のために1日に何度となく事務所と売り場を往復し、時間のロスが生じていました。

 

 

情報物流部 新野さん :

店舗数が70店にもなると、通話料やFAX用紙代にもかなりのコストがかかります。また、個人LINEで業務情報を共有する社員も散見され、会社が管理できないツールで業務情報がやり取りされるシャドーITへの懸念もありました。そうした状況をどう改善するべきか検討していた時、社員に支給していたガラケーをスマホに切り換えることが決定。それを機に会社の正式なコミュニケーションツールとして、わざわざ堅苦しい文面を作成するメールより早く、同時に複数の相手と会話形式でやりとりができるツールを検討しました。

 

LINE WORKSを選ばれた理由を教えてください。

商品部 若山さん :

LINEに操作感が近く、多店舗でもスムーズな定着が期待されたことからほぼ一択で採択しました。また、スーパーマーケットは異動が多い業態なので、ユーザー登録や変更がCSVやExcelファイルを取り込んで一括で行えるのが便利だと思いました。

どのように全店舗へ展開されたかお聞かせください。

商品部 若山さん :

まず宮城の10店舗ほどのブロックをモデルケースとして、各店舗が商品陳列状況の写真をブロック長に送信するようにしたところ、情報共有が飛躍的に速くなることが明らかになりました。これを成功事例として徐々に導入店舗を増やし、最終的に全店舗でLINE WORKSが使われるようになりました。最初から全体に一斉導入するのではなく、スモールスタートで成功事例をつくり、社員の心理的な抵抗感を取り除いたことが、スムーズな浸透につながったのではないかと思っています。

LINE WORKSの活用によってバイヤーの業務はどう変化しましたか。

・買い付けた新鮮な商品写真を即座に共有し、店舗仕入れの判断や発送の段取りが迅速に
・劣化品の把握が迅速になり、他店舗への注意喚起や代替品の手配がスムーズに
・バイヤー間で市場に関する情報交換が活性化し、仕入れ時の価格交渉に有効

 

青果商品部バイヤー 石山さん :

買い付けた新鮮な商品をスマホで撮って、そのまま店長のトークに一斉送信することで、店長たちが店舗に仕入れるかの判断や意見をリアルタイムに確認することができます。各店舗に提案する毎日の業務が以前とは比較にならないほど迅速になり、発送の段取りなどがスムーズになりました

 

また旬の青果は短期間で変化するため、店頭の一等地に陳列してお客さまの目を引くことが重要です。その陳列の様子を各店舗から写真を集めトークで共有したりすることも、バイヤーから全店舗に指示を出すこともすぐにできます。

バイヤーが特に販促に力を入れたい商品の陳列の様子を各店舗が共有

 

仕入れた青果の中には、鮮度が落ちたり傷んだりした劣化品が含まれることがあります。そうした商品の報告も、店舗からトークで写真を送ってもらうことで、状態をリアルに把握でき、送られた写真を仕入れ先に共有することで、スムーズに代替品の用意を依頼できます。また劣化があったことを他の店舗にすぐに注意喚起することで、お客さまへご迷惑をかけることを未然に防止できる効果が生まれたと思います

 

商品の劣化状態を写真で伝えることで状態がわかりやすく代替品の手配も速やかに

 

対店舗だけではなく、青果商品部内での情報共有も進みました。バイヤーはこれまで各自が担当する市場の相場しか知りませんでしたが、各地の値段をトークで報告し合うことで、「向こうの市場ではもっと安いようだけど」などと仕入れ時の交渉手段にできます

店長・ブロック長として実感しているLINE WORKSの導入効果をお聞かせください。

・魅力的な陳列の事例をブロック内の店舗で共有し、売上げ増加に寄与
・店長どうしの報連相が活性化し、離れていても一体感が生まれる

 

ブロック長 兼 店長 原田さん :

ブロック長として一番ありがたく感じているのは、ブロック内の全店舗の責任者と一斉に情報共有ができることです。各店舗からは毎日、商品陳列の様子を示す写真を送信してもらい、販促効果の高そうな陳列事例を共有してもらっています。このような取り組みは、結果的に売上げの増加に貢献していると思います

各店舗の特長ある陳列の仕方をブロック内で共有しながらより魅力ある売り場づくりに活かしている

 

また、チャットのメリットは何といっても相手の業務を中断させることなく情報を伝えられることです。わざわざ電話やメールで伝えるほどでもないちょっとした報告も気軽にできるので、報連相が活発になりました。コミュニケーションが促進されたことで、店長間のチームワークもよくなったように感じますし、本来の売り場管理や接客業務にも更に力を入れられるようになりました。

本部では、店舗からの声はどのように拾っていますか?

商品部 若山さん :

アンケート機能をよく使います。同じ商品でも設定される売価は地域によって異なるので、それを把握するために毎週1回、全70店舗と周辺の競合店の主な商品の売価を調査。以前は紙のアンケートをFAXで送信・回収していましたが、アンケート機能であればすぐに配信・集計ができます。回答結果は、CSV出力ができるため、データを加工して二次活用するのも簡単です。

各店舗への調査やヒアリングはアンケート機能で実施。質問の配付と回収がスピーディに

 

他に新商品開発に際して社員の意見をヒアリングしたり、アンケートの作成や配布、集計に費やす業務時間は、以前に比べ10分の1くらいまで削減されているのではないかと思います。紙への記入からスマホでの入力になったことで、アンケートに回答する店舗側の労力も小さくなり、報告漏れもなくなりました。

協力会社との連絡でもLINE WORKSを使われているのですね。

青果商品部バイヤー 石山さん :

野菜・果物の箱詰め・袋詰めを依頼している協力会社の担当者ともLINE WORKSの外部トーク連携でつながり、外出先からでもスマホ上でパッケージングデザインの確認が手軽にできるようになりました。市場の仲買人ともつながり、頻繁に連絡を取り合っています。

 

協力会社の担当者のLINE WORKSとつながりパッケージングのプランを共有。対面して確認する手間が省けるようになった

LINE WORKSはBCP対策の手段としても機能しているそうですね。

商品部 若山さん :

2022年3月に宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測した地震が起きたとき、社員が自発的に各店舗の被害の様子を撮った写真を共有。電話やメールよりずっと速く正確な状況把握ができることが確認されました。

 

ブロック長 兼 店長 原田さん :

被災状況は刻々と変化するので、会話形式で新しい情報をどんどん発信できるチャットは非常時の連絡ツールとしても最適だと思います。地震に限らず、豪雨が発生した際の店舗の状況把握などにも役立てています。

 

 

情報物流部 新野さん :

災害時は回線がパンクして電話がつながりにくくなったりしますが、店舗のWi-Fiにつながれば接続するLINE WORKSの音声通話は、緊急時の連絡手段としても有用です。

 

LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。

青果商品部バイヤー 石山さん :

遠方の産地の生産者さんと仕入担当者がつながれば、青果の生育状況などをタイムリーに把握してより的確な仕入れができるようになるのではないかとも思っています。

市場関係者や実際の農家さんとの情報交換は鮮度第一の部門として必須条件です。お客さまにより鮮度の良い商品を届けるために欠かせないシステムとして活用したいと考えています。

 

取締役 山本さん :

こうした現場の社員からの声にしっかり耳をかたむけて、よりよいコミュニケーション環境を整備できるように努めていくつもりです。

 

【お話を伺った方】

山本 哲也さん

人事教育部、情報物流部を統括するほか、取締役として経営に携わる。

 

若山 真一さん

事務局マネジャーとして生鮮商品部・グロサリー商品部の業務を管理。LINE WORKS導入時の推進者。

 

新野 健司さん

情報物流部 業務サポート主任として社内DXなど業務改善を推進。

 

石山 諒さん

青果商品部のバイヤーとして青果の仕入れ業務を担当する。

 

沼倉 英夫さん

山形南ブロック ブロック長と松見町店店長を兼務。

 

原田 芳樹さん

置賜ブロック ブロック長と南陽店店長を兼務。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年8月当時のものです。