【労働時間に関する建設現場の実態・意識調査】

2024年4月からの残業規制について、昨年調査より改善したものの 建設現場で働く人の約7割が未対応と回答

適切な残業時間の管理が課題、施工管理者のアナログな仕事状況も垣間見える結果に

2023.06.05 Works Mobile Japan

ビジネス現場のコミュニケーションツール「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:増田 隆一、以下 ワークスモバイルジャパン)は、建設現場で働く施工管理者、作業員の方、計1,031人に対して、建設現場の実態・意識に関する調査を実施したことをお知らせいたします。

2024年4月より労働時間の規制※1が本格的にはじまる中、昨年に引き続き、建設現場の実態や働き手の意識改善状況を把握するべく、調査を実施いたしました。

※1 2019年4月に施行された改正労働基準法により、建設業においては2024年4月より時間外労働の上限が月間上限45時間、年間上限360時間に規制されます。

【調査結果サマリー】
1. 昨年に引き続き※2、他産業に比べて慢性的に働く時間・日数が長い・多いと言われる建設業の現場で働く人(施工管理者、現場作業者)に、2024年4月から適用される残業の上限規制について知っているか聞いたところ、昨年調査より改善したものの、「わからない・聞いたことがない」と回答した方は6割の結果に。また、残業の上限規制への対応については、「特に何も対応していない」が7割を占める。

2. 「残業時間が適切に数えられていない」と感じている人が44%を占め、残業時間管理に課題が残る結果に。

3. 残業時間月45時間以上の人の、転職・離職意向は約3割と、月45時間未満の人に比べて10ポイントも高い。

4. 建設現場の作業では、「写真整理を事務所に戻ってから実施」、「紙出力が多い」、「電話対応が多いがあてはまる」と施工管理者の4割以上が回答。アナログな状況・手段で働いている事が明らかに。

※2 ワークスモバイルジャパン 2022年6月13日プレスリリース 【建設業対象:建設現場の実態・意識に関する調査】建設業で2024年4月から施行される残業規制について建設現場で働く人の8割が未対応と回答
https://line-works.com/pr/20220613/

 

【調査概要】
調査時期  :2023年3月27日〜2023年3月29日
調査方法  :インターネット調査
サンプル数 :1,031名(施工管理者 501人、現場作業員/職人 530人)
調査対象  :男女20~69歳 建設業に従事する方で、施工管理者、または現場作業人/職人

【調査結果詳細】
1. 2024年4月から適用される残業の上限規制について、昨年(68%)より8ポイント改善したものの、「わからない・聞いたことがない」という建設業従事者は6割を占めている。

2.建設現場では、時間外労働の上限規制に抵触するケースもある中、はたらく人の約半数(44%)の方が、自身の残業時間が適切に数えられていないと感じている。

3. 月の平均残業時間が45時間を超える人は、転職・離職傾向が34%と、残業時間が45時間を超えない人と比べて、約10ポイント高い結果に。

4. 2024年4月から適用される残業の上限規制について、「特に対応していない」という建設事業者は約7割(70%)。昨年に比べて8%改善しているものの、まだ建設現場での働き方改革は道半ばの状況。

5. 施工管理者に現場の状況を聞いたところ、現場の写真を撮って、事務所に戻ってから整理している割合は57%と半数を超え、図面、報告書など紙での出力が多いと感じている割合も48%と半数近い結果に。また、3分の1以上が、「電話対応が多い」と感じ(40%)、対面形式での会議(38%)を実施している。

今回の調査について、「LINE WORKS」を導入いただいている株式会社第一建工 矢代様、株式会社ビッグルーフ 直井様、株式会社ネクストフィールド 科部様にコメントを頂いております。

株式会社第一建工 工務部 主査 矢代様
2024年4月から適用される時間外労働の上限規制は、建設業にとって大きな転換期になると感じています。昨年と比べて改善はしているものの、未だ7割の会社が「対策できていない」という結果は、”できていない”のではなく、”どうしていいかわからない”というのが正直なところではないかと思います。当社では「LINE WORKS」を導入することで、現場で飛び交う情報の共有を迅速に行うこと、の徹底を進めています。このスピード感が「手戻り」や「無駄」をなくす大きなヒントになります。今は主に社内や社外の商社とのやりとりで使用していますが、今後は協力会社など、社外との情報共有もより効率化できればと考えています。また、各種専用アプリとの連動を図ることで、更なる業務の効率化や作業工数の削減、時間外労働の削減に繋げていきたいと考えています。

株式会社ビッグルーフ プロジェクト管理部 直井様
当社は、一般的に言われる建設業界の平均残業時間よりも、残業時間は短いですが、月残業45時間の方の転職・離職率が高くなるという結果に改めて、働き方改革を推進する部署として、更に業務の効率化を推し進めていかなければならないと感じました。現場にいる社員も本社にいる社員も、ほぼすべての業務に『コミュニケーション』が発生しており、まずはこのすべての業務に関係するコミュニケーションの効率化をしようということで「LINE WORKS」を導入しました。導入して半年になりますが、実際の効果は想定以上の手応えがあり、日々の連絡、調整に掛ける時間がメールに比べ大幅に効率化しました。メールで長文を伝えるというところから、短文で要件を簡潔に伝えるチャットの性質上、時短になっただけでなく『現場の意思決定が早くなった!』という社内の声もあります。

【株式会社ネクストフィールド 取締役 科部 元浩氏】
中央大学大学院戦略経営研究科を修了しMBAを取得後、中央大学大学院戦略経営研究科博士後期課程で博士学位(経営管理・DBA)を取得。
1997年飛島建設株式会社に入社し、以降、建設現場の管理者として従事する。2006年~2007年には第48次南極地域観測隊に参加、2016年経営企画室新事業統括室課長に就任、2017年からは企画本部新事業統括部新事業開発T課長を務める。2022年4月に飛島建設株式会社とNTTグループにより、新会社(株式会社ネクストフィールド)が設立され、設立メンバーとして同社取締役に就任。

建設業界の残業規制の対応は実施まで1年を切っています。しかしながら本調査で明らかになったように、この1年間における建設現場の対応が十分だったとは言えません。その原因は、多様化した社会において効率的な手段があるにもかかわらず、旧態依然とした変化のない業務プロセスの運用にあることがわかります。例えば、紙や表計算ソフトでの対応、リアル(口頭・電話)のみのコミュニケーションなどが代表的です。紙や表計算ソフトによる対応は、インプット、アウトプット、集計、情報伝達に時間がかかり、その後の展開も非効率です。リアルでのコミュニケーションは関係性構築に重要です。ただし言った言わない、忘れる、あとで内容を確認することができない、解釈の齟齬などが発生します。電話などは双方の都合が考慮されずに時間を費やすことになります。
業務プロセスを変化させるためには、「LINE WORKS」の活用が最短であり効果的だと考えます。「LINE WORKS」は紙からデジタルへの変換、脱表計算ソフトへのきっかけ、デジタルでのコミュニケーションによる会話の見える化が可能となり、多くの作業時間を削減することができます。昨今、コミュニケーションの手段は多種多様です。プライベートのコミュニケーションではチャットツールが頻繁に利用され、情報交換が日常的となっています。同様に建設現場での「LINE WORKS」の活用は、確実な情報共有につながり、コミュニケーションが円滑に進みます。また業務の効率化はもちろんのこと、建設現場内に共感が生まれモチベーションの向上にもつながります。そして建設現場全体での活性化につながり、1年後に迫っている残業規制への対応も大きく前進すると考えられます。建設現場では、安全性を考慮した人間関係構築の観点からリアルなコミュニケーションが重要です。そのためチャットツールとリアルのコミュニケーションを使い分けることが重要でしょう。

「LINE WORKS」とは
チャットやスタンプはもちろん、掲示板、カレンダー、アドレス帳、アンケートなど、現場で活用できる充実したグループウェア機能を揃えたビジネスチャットです。コミュニケーションアプリ「LINE」のような使いやすさを保ちながら独自に開発・提供を行っており、ユーザーの教育も最小限に導入したその日から誰でもすぐに使えます。PCやタブレットのほか、スマートフォンだけでもほとんどの機能が使えるため、オフィスワークだけでなく、拠点や店舗などPCを使う時間の少ない「現場」での活用が進んでいます。無料版、有料版(スタンダード・アドバンスト)があり、無料でもほとんどの基本機能を使うことができ、顧客や取引先など社外とのやりとりにも活用していただけます。
富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2018〜2022年版」では、2017年度~2021年度まで5年連続で有料ビジネスチャット国内シェアNo.1を獲得しました。

■会社概要
社名:ワークスモバイルジャパン株式会社
本社:東京都渋谷区神宮前1-5-8 神宮前タワービルディング11F
設立:2015年6月
代表者:代表取締役社長 増田 隆一
資本金:55億2,000万円
URL:https://line-works.com/
※記載の会社名、製品名は、それぞれ会社の商標または登録商標です。
※本プレスリリース記載の情報は発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、予めご了承ください。