株式会社山形屋
2023-11-15
業種
小売・卸売
目的・効果
従業員間の連絡 支店・店舗との連絡 BCP・安否確認 非対面接客・営業 取引先との連絡 コンプライアンス・セキュリティ LINEとの連絡 会議・朝礼 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
アンケート
お話を伺った方
取締役総務部長 兼 BCP担当部長 伊荻 寿一さん(左)  
外商部 部付部長 兼 外商営業推進課長 川﨑 洋さん(右)
 
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電話やSMSによる外商員と店舗間の情報共有が、LINE WORKSの活用で飛躍的にスピードアップ。お得意さまのLINEに連絡ができることで、販売活動が活性化しています。

鹿児島市の老舗百貨店である山形屋は、得意先を訪問して営業活動を行う外商員と店舗の意思疎通をスムーズにする手段としてLINE WORKSを導入。外商員がどこにいても直ちに業務連絡や商品情報の共有をできるようにするとともに、外部トーク連携機能によってお得意さまのLINEと安全にやりとりができる環境を整えました。その後、店舗に勤務する各部門の管理職などにもLINE WORKSの利用を拡大。重要な業務情報が速やかに共有される、強固なコミュニケーション基盤を構築しています。

 

本事例のポイント
  • 外商員と店舗のタイムリーな情報共有が可能に
  • 店舗内のコミュニケーションを迅速化
  • お得意さまのLINEとのセキュアな連携を実現

御社の事業内容をご紹介ください。

伊荻さん :

当社山形屋は鹿児島市で百貨店を営んでいます。山形屋の歴史は古く、宝暦元(1751)年に始祖「源衛門」が紅花仲買いと呉服太物行商を始め、その後薩摩の地に移り呉服太物を商うことから始まりました。大正6年に株式会社山形屋呉服店に改組され、定款にデパートメントストアを明記し百貨店となり、以来「ふるさとのデパート」として親しまれています。別の法人になりますが、当社のグループ会社では鹿児島県と宮崎県に2店舗ずつ百貨店があります。

鹿児島市の天文館地区、電車通りに面する当店1号館のルネサンス調の外壁は、平成10年に大正初期のデザインに復元したものです。昭和初期の頃の大食堂の雰囲気を受け継ぐレストランでは1958年から提供されている「焼きそば」が人気で、年間約22万食が食されています。

 

LINE WORKSを導入する以前はどのような課題に直面していましたか。

川﨑さん :

法人や個人のお得意さまを訪問して営業活動を行う100名あまりの外商員には携帯電話を貸与していますが、お得意さまの個人情報を保護する観点からインターネットへの接続を制限していました。社内ではグループウェアを運用していますが、社外からの接続ができない環境にしていたため、出先にいる外商員が店舗と連絡を取る手段は電話かSMSに限られました。これではお得意さまからお問い合わせのあった商品に関する情報を販売部や仕入部などに確認するのに手間取り、商談スピードに影響が出てしまいます。

 

 

外商員は常に分厚い商品カタログを携行しますが、商品カタログに掲載される前の新商品に関する情報は別途、紙に出力して持ち歩く必要があるといった負担もありました。また、外商部の出張所が県内の各地に点在しており、そこに駐在する外商員との情報連携もスムーズではありませんでした。

 

伊荻さん :

そうした状況を改善するため、貸与していた携帯をスマホに切り換え、社内ルールを変更してインターネットに接続できるようにしたうえで、外商員がどこにいても手軽にやり取りできるチャットツールの利用を検討することになりました。

 

数あるツールの中からLINE WORKSを選定された理由をお聞かせください。また、運用に際してどんなルールを整えましたか。

伊荻さん :

外商員はお得意さまとも電話やSMSで連絡を取っていましたが、お得意さまの中にはLINEでやり取りすることを望まれる方がおられます。しかし百貨店では多数のお得意さまの大切な個人情報を扱うため、外商員が個人のLINEでつながり、万一にも誤送信などによる情報の漏えいが起きてはなりません。そこで、LINEとは異なるアプリケーションでありながらLINEと安全につながる外部連携機能を持つLINE WORKSに注目。まずは社内で運用するために外商部と、店舗の売り場を管理する販売部で導入することを決めました。

 

川﨑さん :

外商員にはICTツールに明るくない年配の社員もいますが、それでもプライベートではLINEを使い慣れているケースが多く、特別な導入教育を施さずに定着させられそうな点にも魅力を感じました。

 

伊荻さん :

運用ルールとして特に定めたのは、外商員がお得意さまのLINEと連携する場合は上長に承認を得るようにしたことくらいです。活発な利用を促すためにグループの作成などは自由にできるようにし、不適切な書き込みを抑止するために管理者がトークのログを監査する機能があることを伝えて運用を開始しました。

LINE WORKS導入後、外商部でのコミュニケーションにどのような変化がありましたか。

・外商員と店舗の連携が強化し、お得意さまのご要望にいち早く対応できる体制を構築
・お得意さまのLINEから発注のご連絡をいただけるように
・遠方の出張所への連絡や商品の品切れ連絡など、情報共有のタイムラグが皆無に

 

【グループ】部門の枠を超えたコミュニケーションを促進
【ビデオ通話】店頭の商品の様子をリアルに伝達

 

川﨑さん :

まず大きな効果を実感したのは、遠方地域のお得意さまを担当する出張所の外商員が、店舗との間で円滑に情報をやり取りできるようになったことです。これまでは、外商員がお得意さまから商品に関する詳しい情報提供を求められると、事務所に戻ってデスクのPCで店舗からカタログを取り寄せたりしていましたが、今は、外出先にいながら店舗の担当者に問い合わせるとすぐにカタログのページや店頭にある商品の写真をトークで送ってもらえます。

 

お得意さまがご希望された場合にのみ外商員との外部トークを行うようにしています。現状でLINE WORKSでつながっているお得意さまは全体の1〜2割ですが、以前よりずっとスピーディに情報をご提供できたり、トークからご発注をいただくなど販売機会の拡大につながっています

 

外部トーク連携でつながったお得意さまからの発注のご連絡。画像が一緒に送られることでお互いに商品の間違えを防ぐことができる

 

商品の様子をよりリアルにお伝えしたい場合は、売り場の担当者と販売員をLINE WORKSのビデオ通話でつなぎ、店頭で写してもらった商品の画像をライブでお得意さまにお見せするといった使い方もしています。

 

伊荻さん :

店舗から最も遠い奄美大島の出張所では、移動を伴った店舗とのやり取りに特に多くの時間を要していましたが、LINE WORKSを導入してからは、移動距離に関係なくすべての外商員がタイムラグなく情報を入手できるようになりました。

 

また、お中元やお歳暮の時期には、ギフト商品が品切れになることがあります。以前は外商員が承った品物が、実は品切れだったと発覚する事態がときどきありましたが、LINE WORKS導入後は商品が品切れになるのと同時に全外商員に一斉に通知できるので、お得意さまにご迷惑をおかけすることを未然に防げます

 

川﨑さん :

店舗で開催される催事ごとのグループも作成され、外商員や各部署のマネージャーなど、部門の垣根を越えたコミュニケーションが簡単にできるようになったのも大きな導入成果です。

 

外商部では、掲示板機能を活用して店舗で開かれる朝礼の内容を共有しています。出張所の外商員や休日の外商員も、朝礼で伝えられた内容を共有できるようになりました。

 

掲示板を活用すれば朝礼で伝えられた重要な情報も全外商員に周知させられる

 

また、アンケート機能を活用してお中元・お歳暮の時期にお得意さまに差し上げる粗品の候補の画像を外商員に送信し、人気投票をしてもらうといった使い方をしています。以前は、部内に現物を並べ、良いと思った品物にシールを貼ってもらいシールの数をカウントして決めていたため、出張所の外商員の意見を吸い上げられませんでした。今はLINE WORKSで全員の意見を反映させられます。

 

アンケート機能を活用し、手間をかけずに遠隔地の出張所も含む全外商員から意見を聴取

お得意さまにご案内する百貨店内のテナントのお知らせを効率的に共有しているそうですね。

伊荻さん :

百貨店内のテナントが、外商部のお得意さまに向けてアピールしたい特別な催事やセール、最新の商品情報などは外商部専用の掲示板に載せるようになりました。

 

川﨑さん :

これまではテナントからのそうした情報を私が取りまとめ、グループウェアのメールで外商部の各担当課長に送信。その情報が口頭や紙の掲示物で伝えられていたので、周知に時間がかかりました。今はLINE WORKSの掲示板にアップし、必読表示を設定することで全外商員に閲覧を促しています。そのおかげで、テナントによるお得意さま向けの特別なセールスなどのご案内が以前より活性化しています。

 

百貨店のテナントによる特別セールなどの情報を外商部専用の掲示板で発信。確実に目をとおしてほしい情報には必読設定をすることも可能

 

LINE WORKSを導入している一部のテナントとは外部トーク連携をしており、私自身が情報を入手する速度もアップしています。

 

LINE WORKSユーザーであるテナントとも連携してスムーズにやり取り

 

台風接近や豪雨警報など社員の帰宅に支障が出そうなときは、各部門の管理職グループを通じて退勤を促すなど、非常時の通達にも役立っています

 

社員の安全確保のための連絡も、グループウェアより速く伝わるLINE WORKSで発信

 

全社員に発信したい総務関連の通達などはグループウェアの掲示板で発信しますが、伝えたい対象が管理職レベルまでの情報発信にはLINE WORKSの掲示板で発信するという使い分けをしています。

 

社員に意見をヒアリングするにはアンケート機能が便利です。例えば企画部では、父の日にどんなギフトをもらったらうれしいかを質問し、その回答を売り場の商品展開の参考にしたりしています。

LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。

川﨑さん :

売り場の担当者には外商員のスケジュールが分からないため、休日にトークを送ったり電話をかけたりしてしまうことがあります。それを避けるためにカレンダーでスケジュールを共有できるようにしたいと考えています。

 

伊荻さん :

社員の勤務日程は自社開発した勤怠システムで管理しています。そのデータをエクスポートして、LINE WORKSのカレンダーに取り込むことを検討したいと思います。

 

 

【お話を伺った方】

伊荻 寿一さん

コンプライアンス推進部、庶務環境課、防災警備室、営繕課からなる総務部門を統括。

 

川﨑 洋さん

法人・個人の得意先を訪問する外商部員の営業活動を管理する。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年8月当時のものです。