株式会社 シマコーポレーション
製品・サービス
LINE WORKS OCR
お話を伺った方
EC課 責任者(課長) 高原 景太郎さん EC課 課長
筒井 悠さん
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帳票データの入力時間を6分の1に削減!LINE WORKS OCR×RPAを組み合わせ、手書き情報のデータベース化し、経理業務のブラックボックスを可視化

株式会社シマコーポレーションとは?

近畿エリアに11の店舗を構える金物・工具の小売専門店。スローガンである「私たちは職人さんの強力サポーターです」の言葉通り、建設現場のニーズに沿った商品の開発・販売を通じて職人を支えている。2014年よりEC部門がスタート。日本全国へ良質な金物・工具を提供し、職人のサポートを通じた社会貢献を目指している。

 

本事例のポイント

・導入以前の課題
– 業務拡大にともなう人的リソース不足を解消したい
– 紙の帳票データを管理ツールに手入力する作業を削減したい

  • ブラックボックス化した経理業務を見える化したい

・導入後の成果

  • 紙の帳票データの読み取り・入力を自動化し、作業時間を6分の1に削減
  • ビッグデータを扱う部署と連携を強化し、販売計画の改善に期待
  • DX事例の創出により、社内の業務効率化の意欲が高まる

EC部門の誕生により高まるDXの機運。RPA×OCRによる業務効率化を検討

御社の業務内容と、お二人の業務について教えてください。

高原さん

弊社は建築職人向けの金物や工具、作業着等の小売り販売を行う会社で、近畿エリアである京都・大阪・兵庫へ11の実店舗を展開しています。金物・工具の卸売りである株式会社島袋が本社であり、1995年にBtoCの小売り販売へと進出しました。

筒井さん

高原と私が所属するEC課は、2014年に設立されたネット販売を専門とする部門です。現在は楽天、Amazon、Yahoo!、auのショッピングモールに出店し、実店舗で扱っている商品を全国に向けて販売しています。

お二人が所属するEC課はどのような経緯で生まれた部署なのでしょうか。

 

高原さん

社長から「ネット販売を始めたい」という希望があり、当時実店舗で働いていた私に声がかかりました。特に実店舗の売り上げが不調だったというわけではなく、プラスアルファで何か新しいことを始めようという趣旨での立ち上げでした。当時大手の同業他社がネット販売に進出を始めており、順調に売り上げを伸ばしている会社もありましたので、弊社もその波に乗り遅れないようにということでスタートしました。

 

筒井さん

はじめは高原と常務の川満の二人でスタートし、1年半後に私が加入しました。高原と私は共にPCの知識に乏しく、勉強しながら少しずつ事業を拡大していきましたね。この業界はPCを活用した事業展開に積極的ではない企業が多いので、業界内では早く取り組み始めた方だと思います。その後もゆっくりと出店するモールを増やしながら部署が大きくなり、現在は社員9名、パート3名の全12名が所属する部署となっています。

OCRを導入しようと思われたきっかけを教えてください。

高原さん
OCRを検討する前に、実は元々私がRPAを使って業務の効率アップを試していました。ECサイトが好調で、出品アイテム数や出店モールが増えるにつれて、人的リソースが不足するようになってしまったんですね。しかしスタッフは簡単には増やせませんので、まずは日頃PCで作業していることを自動化し、他の作業に充てられる時間を増やそうと考えました。受注管理システムの操作やEXCELファイルへの入力作業など、日々のルーチン業務はRPAでかなり効率化できています。

この取り組みが社長の耳に入り、さらなる効率化に興味を持たれました。ちょうど社長と私が一緒に参加したセミナーで、他社の社長から「RPAとOCRを組み合わせるといい」という話を聞いたばかりでしたので、運用に成功しているRPAとOCRの組み合わせを具体的に検討してみようという運びになりました。

 

紙帳票の手入力作業が人的コストを圧迫。OCRで業務自動化による省コストに期待

当時の御社では、OCRを使ってどのような問題を解決したいと考えていたのでしょうか。

高原さん

我々の業界では、大手も含めて納品書や領収書は紙で発行するのが通例ですので、いただいた納品書の情報を自社の在庫管理システムに手入力するという業務が発生します。また、一時期メーカーさんの手違いで納品書に誤った単価が記載されることが続いていましたので、私が毎日チェックするという業務も発生していました。この2つの業務は納品書の枚数に比例して業務量が増えますので、時には他の業務のための時間を圧迫することもあり、できればOCRを使ってチェック作業を自動化・簡略化したいと考えていました。

 

<読み取っている書類例:納品伝票、出荷案内書>

 

筒井さん

もうひとつ、社長が考えていた課題として「経理部門のブラックボックス化」がありました。業務のデジタル化ができていなかったこともあり、経理の業務内容が外からは何も見えないという状態になっていました。社長はこの状態を優先的に解消したいと考えていたようで、RPAとOCRを組み合わせて経理を効率化させたという東京の会社を訪問したこともありました。

OCRの導入はスムーズに進んだのでしょうか。何か障害はありましたか?

 

筒井さん

最初に「そもそもOCRは実用に耐えうるのか」という問題が浮かび上がりました。納品書の数字を、サイトで検索したAIでない無料版のOCRで読み込んだところ、ほとんど文字化けのような出力しか得られなかったんです。では識字率の高いAI-OCRはどうかというとやはり高額で、課題解決へのコストが高すぎるという点に大きな課題が残りました。

 

圧倒的なローコストと識字率の高さが決め手。わずかな導入コストで紙帳票のデータ化を検証し、データ入力の自動化を実現!

そうした課題を踏まえ、LINE WORKS OCRを導入した決め手は何だったのでしょうか。

筒井さん

やはりコストパフォーマンスが決め手でした。単価間違いが続いたので伝票を全チェックせざるを得ないですが、手作業で確認するにはそれなりのリソースが必要となります。社長も経理の課題解決を含めてOCRの導入には意欲的だったのですが、他社さんを見学させていただいた際にも「AI-OCRは高い」という話を改めて聞いたので、できるだけコストを安く抑えられるAI-OCRを探していました。

 

そんなときに見つかったのがLINE WORKS OCRです。注目したのは、なんといってもコストの安さです。他社では1枚の書類の中にある項目ごとに料金が発生する従量課金制が多かったのですが、LINE WORKS OCRでは50項目までは1枚として計算する料金設定です。読み取ってほしい帳票の項目数が40項目前後と多いこともあり、1枚あたりの料金差は歴然でした。おそらくは2倍程度の差はついていたと思います。

最大の課題とされていた料金面がクリアできたんですね。その後は契約までスムーズに進まれたのでしょうか。

筒井さん

正直なところ、出力されるcsvやtxtの形を見るまでは不安でした。一度契約すれば最低1年間は使い続けなければなりませんので、可能な限り疑問や不安を払拭し、納得した形で契約したいと考えていました。

 

幸いLINE WORKS OCRはセミナーを頻繁に開催されており、実際の帳票を読ませて出力を見せてもらう機会がありました。出力したデータをEXCELのPowerQueryで整形すれば、十分扱いやすい形になるイメージもできました。残るは識字率の問題でしたが、出力されたテキストはほぼ100%正確と想定以上。料金面でも全く問題がありませんでしたので、LINE WORKS OCRの導入を決定しました。サポート面が手厚いのも安心できましたね。当初は初期導入がサポート対象と伺っていましたが、契約中もサポートを続けていただけるということでしたので、何かあっても「なんとかなるかな」と思えたのは大きかったと思います。

LINE WORKS OCRを導入されて以降、どのように活用されていますか?

筒井さん

主に出荷案内書と納品書の2つの帳票をデータ化しています。メーカーからいただいた出荷案内書に記載された品目・数量を確認し、問題がなければ在庫管理ソフトへ入力しています。これまで手入力していた作業が、PowerQueryで自動整形したデータを流し込むだけで済むようになりましたので、大幅な時間短縮になりました。具体的には、出荷案内書が5枚あると30分以上の時間がかかっていたのですが、今はOCRとPowerQueryを使って5分程度まで短縮できています。

<実際に利用しているPowerQuery>

 

納品書の単価チェックもほぼ全て自動化できており、手作業で行っていた従来の作業は全てLINE WORKS OCRとPowerQueryに任せています。また納品書の情報をデータベースに集約し、入荷数や出荷数、時期の分析による需要の把握ができる道筋が見えてきています。

 

実店舗に広がる業務効率化の可能性。LINE WORKS OCRでDX改革を促進する

LINE WORKS OCRを導入した結果、想定していなかった成果がでたというような事例はありますでしょうか?

 

筒井さん

現時点の成果は想定の範囲内ですが、OCRを通してPowerQueryで整形できるという成功事例ができたのは大きいと思います。また、これまでアナログな帳票にしかなかった数字や情報をデジタルデータ化できるようになりました。弊社にはビッグデータの扱いに長けた部署がありますので、将来的に有効活用してもらえることを期待しています。

 

高原さん

新しいツールがひとつ増えたことで「試しにこれをやってみよう」と行動を起こしやすくなったのは成果と言えるかと思います。実店舗で使えるポイントカードのお客様情報をOCRでデータ化できないかという話があり、実際に試してみたことがあります。結果として実店舗でお客様に情報を書いてもらうフローの改善が必要という結論になったのですが、そうした新しい発想と改善に繋がるきっかけが生まれやすくなったと感じます。

LINE WORKS OCRのさらなる活用に向けた今後の展望を教えてください。

高原さん

現時点においては、LINE WORKS OCRを活用しているのはEC課のみです。我々が実感しているLINE WORKS OCRによる業務効率化の波を、弊社の売り上げの大半を占める実店舗の業務効率アップに繋げていきたいですね。心配なのはコスト面ですが、複数店舗合同での導入なら実現性が高いと考えています。

 

筒井さん

私達だけでもこれだけの改善ができました。また紙ベースの情報をデータ化する事で、今まで社内で眠っていた貴重な情報を創出できると考えています。もしLINE WORKS OCRの活用が実店舗部門にも広がれば、業務改善に留まらず顧客属性増加や販売計画などへの活用など、可能性は計り知れないと思います。とはいえ、現場の諸業務にOCRを活用するというのもなかなかピンと来ないと思いますので、他部署を連携しつつ業務効率化の成功例を積み重ね、やがては全社規模のDXに繋げられるように現場改善への理解を深めていきたいと考えています。

 

高原さん

実店舗では今もあらゆるデータの手入力に多くの工数を割いています。また、現時点では社長がOCRに求めた経理の改善も果たせていません。私と筒井が体感したOCR×RPAの恩恵は、社内のあらゆる課題を解決する力を持っています。今私たちにできるのは、LINE WORKS OCRの有用性を証明し続けることです。これからも関係部署との連携を強めながらLINE WORKS OCRの実績を積み重ね、社内のDX改革の促進に力を注ぎたいと考えています。

 

【お話を伺った方】
高原 景太郎さん

ネット販売を専門とするEC部門の責任者

筒井 悠さん
EC課にて、2015年よりEC部門の拡大に携わる

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年5月当時のものです。
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