埼玉県西部を中心にHonda車の販売・整備を行う株式会社ホンダカーズ埼玉西。同社では、月例の店長会議をはじめとする多数の会議において、議事録作成にかかる膨大な工数が課題となっていました。2018年から全社導入しているLINE WORKSの新たな拡張機能として「LINE WORKS AiNote」を採用した結果、作成時間を約12分の1に短縮することに成功。従来のWordによる作成業務を廃止し、AI要約をそのまま議事録として採用するという大胆な運用改革により、会議の質の向上や情報の客観性担保にもつながった導入の経緯と効果について、代表取締役社長の中村さん、第一事業部長の笹川さん、デジタルIT企画・推進部長の河野さんにお話を伺いました。
本事例のポイント
- 会議後の議事録作成時間を60分から5分へと大幅に短縮
- Wordでの清書を廃止し、AI要約をそのまま公式の議事録として採用
- 主観が入らない客観的な記録により情報の透明性が向上
御社の事業概要と、社内のデジタル化への取り組みについてお聞かせください。
中村さん:
私たちは埼玉県西部エリアにおいて、Honda車の販売、整備、部品販売を行っている正規ディーラーです。現在、新車・中古車販売拠点およびサービスセンターを含め計10拠点を展開しており、約200名の従業員が働いています。埼玉県は全国でもトップクラスの販売台数を誇る激戦区ですが、おかげさまでここ10年で社員数は約1.7倍に増え、事業も拡大してきました。組織が大きくなるにつれて重要になるのが、情報の伝達と共有です。5年ほど前から、伝達スピードの限界や共有漏れといった課題を感じており、デジタルツールの活用を積極的に進めてきました。特にLINE WORKSは2018年に導入して以来、全社的なコミュニケーション基盤として定着しています。

河野さん:
当社は自動車ディーラーとしては珍しく、社内に専門のシステム部門を持っています。かつては紙や電話、FAXが中心だった業務をサーバー導入によるオンライン化で効率化し、さらにLINE WORKSの導入によって、社内外どこにいてもつながる環境を構築しました。現在はシステム開発からサーバー運用、さらには店頭POPやWebバナーの内製化まで行っており、変化の激しい市場環境においてスピード感を持って対応できる体制を整えています。

今回、「LINE WORKS AiNote」を導入された背景には、どのような課題があったのでしょうか。
河野さん:
最大の課題は、会議後の議事録作成にかかる「時間」と「労力」でした。当社では、店長会議、拡販会議、工場長会議など、主要な会議だけで月に10回以上開催されています。これまでは会議の主催者が議事録を作成していましたが、1時間半の会議に対して、要点をまとめて清書し共有するまでに同程度の時間がかかっていました。また、作成者によってフォーマットがバラバラで、重要な決定事項が抜け落ちてしまい、次回の会議で課題が追えなくなることもありました。

笹川さん:
私は営業会議などを主催する立場ですが、これまでは会議を進行しながら、同時にパソコンでメモを取るという「二重作業」を行っていました。記録することに気を取られてしまい、肝心の発言や議論に100パーセント集中できないことが悩みでした。また、会議が終わった後に「これから議事録をまとめなければならない」という作業が残っていること自体が、精神的な負担になっていました。会議が終わった瞬間の「ひと段落した」という感覚がなく、残業時間の増加にもつながっていたのです。

ほかの生成AIツールと比較して、AiNoteを選定された決め手は何でしたか。
河野さん:
いくつかの生成AIツールやボイスレコーダーアプリを比較検討しました。しかし、無料版のツールでは録音時間に制限があったり、セキュリティ面での不安があったりと、業務で本格的に利用するには課題がありました。また、単に文字起こしをするだけでなく、会議の内容を適切に要約してくれる機能が必要でした。最終的にAiNoteを選んだ最大の理由は、すでに社内インフラとして定着しているLINE WORKSとの連携性です。
ほかのツールでは、作成した議事録を共有するために別途メールを送ったり、ファイルをアップロードしたりする手間が発生します。しかしAiNoteであれば、LINE WORKSのアドレス帳と連携しているため、参加者をタップして選ぶだけで、録音データと要約内容を瞬時に共有できます。この「共有のしやすさ」と「導入のハードルの低さ」が決定打となりました。すでにLINE WORKSを使っている社員にとって、新たなアプリの操作を覚える必要がなく、ログインの手間もない点は非常に大きなメリットです。
実際にAiNoteをどのように活用されていますか。また、導入時の社内への浸透はスムーズでしたか。
河野さん:
基本的には会議の主催者が自身のスマホでAiNoteを起動し、録音を開始します。会議中はスマホを机に置いておくだけです。録音が終了すると自動的に文字起こしと要約が生成されるので、その後、PCのブラウザ版で内容を確認し、参加者にリンクを共有するという流れです。導入にあたっては、私が最初にテストを行い、その後、笹川に操作方法を伝えました。「録音ボタンを押して、終わったら停止するだけ」というシンプルな操作性なので、マニュアルを作成したり説明会を開いたりする必要すらありませんでした。直感的に使えるため、現場への展開は非常にスムーズでした。

導入によって得られた定量的な効果や、運用ルールの変化についてお聞かせください。
河野さん:
最も大きな変化は、これまでWordやExcelで行っていた議事録の作成業務そのものを廃止したことです。導入後は、AiNoteが生成した「AI要約」と「文字起こしデータ」へのリンクを共有するだけで、それを公式の議事録として扱う運用に切り替えました。これまでは作成者によってフォーマットや書き方がバラバラでしたが、AIに任せることで形式が統一され、誰もが同じ質の情報を共有できるようになりました。
笹川さん:
以前は1時間半の会議の議事録作成に、会議中と終了後の作業を合わせて約60分程度の時間を費やしていました。それがAiNote導入後は、自動生成された要約の確認と微修正、そして共有作業を含めてもわずか5分程度で完了するようになりました。時間にして約12分の1への短縮です。この効果は絶大で、空いた時間を本来の業務や店舗巡回などに充てることができるようになりました。以前のように必死にメモを取る必要がなくなり、参加者の顔を見ながら議論に集中できるようになったことも大きなメリットです。

中村さん:
経営者の視点から見ても、情報の「早さ」と「正確さ」が格段に向上したと感じています。これまでは担当者の主観や解釈が入った議事録が上がってくることがありましたが、AiNoteはAIが客観的に事実を記録・要約してくれます。発言のニュアンスも含めて音声データとして残っているので、解釈の齟齬がなくなりました。私自身は議事録を作成する立場ではありませんが、上がってきたレポートを確認する際に、要点が的確にまとまっており、非常にスピーディーに状況を把握できるようになったと評価しています。
笹川さん:
会議の質という面では、主観が入らない「客観的な記録」が残ることの意味が大きいです。「言った、言わない」の水掛け論がなくなり、前回の会議での決定事項や課題が明確に残るため、次回の会議での振り返りがスムーズになります。専門用語や車種名、例えば「N-ONE」が「N1」と変換されるような細かな誤変換はありますが、文脈で十分に理解できるため、実務上はまったく問題ありません。むしろ、修正の手間をかけて完璧な議事録を作るよりも、鮮度の高い情報をすぐに共有できるメリットの方がはるかに大きいです。
今後の活用展望についてお聞かせください。
笹川さん:
今後は、蓄積された会議データを活用して、期初に掲げた事業計画と現場の動きがしっかりと連動しているかを検証していきたいと考えています。毎月の会議での報告内容や決定事項をデータとして振り返ることで、単発の対処療法ではなく、年間目標の達成に向けて軌道修正がより的確に行えるようになると期待しています。
河野さん:
システム担当としては、テキスト化されたデータをデータベースとして蓄積し、分析に活用したいと考えています。経営的な視点や人材育成の観点から、会議での発言傾向やホットトピックを分析することで、組織の課題や改善点が見えてくるかもしれません。また、現在は社内会議を中心に使用していますが、今後は各営業拠点への展開も視野に入れています。セキュリティポリシーやお客様への配慮をクリアにした上で、将来的には商談の記録や振り返りにも活用できる可能性を探っていきたいと思います。
中村さん:
デジタル技術やAIは日々進化しており、それを活用することは企業としての競争力を維持するために不可欠です。しかし、最終的な判断を下すのはやはり「人」です。AiNoteのような便利なツールで業務を効率化しつつ、そこで生まれた時間を、お客様へのサービス向上や社員どうしのコミュニケーションといった「人」にしかできない付加価値の高い業務に注いでいきたいと考えています。
【お話を伺った方々】
中村 善昭さん
代表取締役社長。組織拡大に伴う情報共有の課題解決を推進。
笹川 武さん
取締役 第一事業部長。会議の質向上と現場の負担軽減を牽引。
河野 浩二さん
デジタルIT企画・推進部長。社内システムの構築・運用を統括。
※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2026年02月当時のものです。





