報連相とは|意味・やり方のコツ・できない原因と時代遅れと言われる理由

報連相とは、報告・連絡・相談の頭文字を取った言葉で、仕事の進み具合や困りごとを職場で共有する基本の行動です。   報告と連絡は情報を渡す行為、相談は助言や判断をもらう行為で、状況が変わった時点で結論から短く伝えます。

目次

    報連相とは|報告・連絡・相談の意味と違い

    報連相は報告・連絡・相談の頭文字をつないだ言葉で、仕事の状況や困りごとを一人で抱えず職場で共有するための基本の行動です。報告と連絡は相手に情報を渡す行為で、相談だけは相手に判断や助言を求める点が異なります。

    読みは「ほうれんそう」で、野菜のほうれん草にかけた呼び方です。企業の実務から広まった言葉のため、誰に何をどこまで伝えるかは会社によって少しずつ異なります。3つの要素は、目的と伝える相手が次のように分かれます。

    要素 目的 主な相手 例
    報告 任された仕事の進み具合や結果を伝える 上司・仕事を頼んだ人 「先方との打ち合わせが終わりました。次回は来週の月曜日です」
    連絡 決まったことや変更を関係者に知らせ、動きをそろえる チーム・関係部署 「明日の納品時刻が14時から16時に変わりました」
    相談 迷っていることについて助言や判断をもらう 上司・先輩・詳しい人 「A案とB案のどちらで進めるか迷っています。ご意見をいただけますか」

    どの話も「ご相談があります」と切り出すと、聞く側は判断を求められているのか分からないまま話を聞くことになります。報告なのか相談なのかを最初に伝えると、話が早く進みます。

    報連相の由来|1982年に山種証券で始まった社内運動

    報連相は、山種証券の社長だった山崎富治氏が1982年3月に始めた、ほうれんそう運動が起源とされています。山崎氏は組織を活性化させるには報告・連絡・相談を徹底させることが大切だと考え、全社員に野菜のほうれん草を配りました。1986年に出版した著書『ほうれんそうが会社を強くする 報告・連絡・相談の経営学』は、3年間で15万部が売れたと山崎氏自身が書いています(参考: ごま書房新社『原典復刊 ほうれんそうが会社を強くする』)。

    2024年の復刊版に編集部が寄せた解説によると、山崎氏は報連相を部下の努力目標ではないと述べています。山崎氏は、管理職が嫌な情報や好ましくないデータの公表を避けず、全社で改善していくことを挙げています。そのうえで報連相を、誰もが報告・連絡・相談しやすい風通しのよい職場をつくるための手段として勧めていました。

    報連相が重要な理由

    報連相ができている職場では、判断が速くなり、問題に早く対応でき、チームの中で助け合いやすくなります。現場の状況が早く伝われば、上司が人の割り振りや優先順位を早めに変えられ、ミスやクレームも小さいうちに共有されるためです。

    • 現場の状況が早く伝わり、上司が人の割り振りや優先順位を早めに変えられる
    • ミスやクレームのような言いにくい情報が小さいうちに共有され、謝罪や作り直しの手間が少なく済む
    • 誰が何をどこまで進めているかが分かり、手の空いた人が手伝える

    たとえば納期に間に合わないかもしれない案件を担当者が一人で抱えていると、上司が遅れを知るのは納期の直前になります。数日前に「このままだと2日遅れそうです」と一報があれば、担当を増やす、お客様に早めに相談するといった対応を選べます。

    報連相のやり方とコツ|タイミング・伝え方・手段

    伝える側は、状況が変わった時点で短く一報し、結論から話し、急ぎ具合に合った手段を選ぶと伝わりやすくなります。結果がそろうまで待つと、上司が遅れや問題を知るのが遅れ、選べる対応が少なくなるためです。話す順番は結論、経緯、相談したいことの順で、急ぐ内容ほど口頭や電話が合います。

    タイミング|結果を待たず、状況が変わった時点で伝える

    報告は、仕事が終わったときに加えて、予定から外れたときにも入れます。予定より遅れている、思ったより早く終わった、想定していなかった依頼や質問が来た、といった変化があれば、その時点で短く伝えれば十分です。

    ミスやクレームのような悪い知らせは、原因や対策をまとめてから伝えようとすると、その間に状況が悪くなることがあります。まず何がいつ起きたかを伝え、原因の分析や対策は上司やチームと一緒に考えたほうが早く動けます。

    伝え方|結論、経緯、相談したいことの順で短く

    話しかける前に「今、少しよろしいですか」と相手の都合を確かめ、最初の一言で何の話かを伝えます。そのあとは結論、経緯、相談したいことの順に話し、確かめた事実と自分の考えを分けて伝えましょう。事実、解釈、打ち手の順に話す型は、ソラ・アメ・カサと呼ばれます。空が曇っているという事実から雨が降りそうだと考え、傘を持っていくと決める流れにたとえた呼び方です。

    話す前に5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)がそろっているかを確かめておくと、聞き返しが減ります。場面ごとの言い出しの例は次のとおりです。

    場面 言い出しの例
    進捗の報告 「A案件の進捗です。予定どおり進んでいて、全体の7割が終わりました」
    遅れの報告 「悪いお知らせが1点あります。先方の確認待ちで、納期が2日遅れる見込みです」
    関係者への連絡 「明日の納品時刻が14時から16時に変わりました。対応は不要で、共有のみです」
    判断を仰ぐ相談 「5分ほどご相談させてください。A案とB案で迷っていて、私はA案がよいと考えています」

    相談には自分の考えや選択肢を添えて持っていくと、上司は判断に集中でき、一度のやりとりで決まりやすくなります。相談に乗ってもらったあとで結果とお礼を伝えておけば、次の相談もしやすくなるでしょう。

    手段|急ぎ具合と内容の複雑さで使い分ける

    口頭や電話、チャット、メールや会議は、急ぐかどうかと内容が複雑かどうかで選ぶと迷いにくくなります。

    急ぎ具合×複雑さ 合う手段 例
    急ぐ・単純 口頭・電話・音声通話 トラブルの第一報、来客の確認
    急ぐ・複雑 口頭で一報し、文字で補足 大きなクレームの初動対応
    急がない・単純 チャット 日々の進捗報告、簡単な連絡
    急がない・複雑 メール・資料・会議 提案書の確認、方針の相談

    迷ったら、急ぐ内容ほど相手に直接届く口頭や電話を選びます。チャットは記録が残る一方で、相手がいつ読むかは分かりません。

    報連相ができない原因|本人・上司・職場環境の3つ

    報連相ができない原因は、伝える本人だけでなく、受け取る上司の対応や職場の環境にもあります。本人の側では、いつ伝えるかの基準や話す順番の型を教わっていないことが背景です。上司が声をかけられても「あとで」と返したり、報告のたびに細かな点を指摘したりすると、部下は報告そのものを避けるようになります。

    原因のありか よくある状態 背景
    本人(伝える側) 結果が出るまで一人で抱える いつ伝えるかの基準を知らされていない
    本人(伝える側) 何から話せばよいか分からない 話す順番の型を教わっていない
    本人(伝える側) ミスや遅れを言い出せない 叱られる、評価が下がるという不安がある
    上司(受け取る側) 声をかけられても「あとで」と返す 部下は忙しそうな上司に話しかけにくくなる
    上司(受け取る側) 報告のたびに細かな点を指摘する 部下は報告そのものを避けるようになる
    職場環境 相手が離れた場所にいる フロアや拠点が分かれている、手がふさがる作業が多い
    職場環境 どこに書けばよいか毎回迷う チャット・メール・口頭の使い分けが決まっていない

    上司や職場の側の原因は、心理的安全性の問題として考えることもできます。Googleは社内の180チームを調べ、効果的なチームに固有の5つの力学のうち心理的安全性が圧倒的に重要だったとしています。心理的安全性は、無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だと信じられるかどうかを表します(出典: Google re:Work「『効果的なチームとは何か』を知る」)。

    Googleがチームでの話し合い用に作ったアンケートには、チームの中でミスをしてもそれを理由に非難されることはないと思えるか、という設問があります。ミスを報告しやすいかどうかは、この設問が尋ねている内容に近い問題です。

    部下の報連相を引き出す上司のポイント|おひたし

    部下からの報連相を増やすには、報告を受けたときの上司の反応と、話しかけやすい時間を用意することが大切です。おひたしは怒らない・否定しない・助ける・指示するの頭文字を取った言葉で、報告を受ける上司の心得として使われます。報連相が続くかどうかは、伝える部下と同じくらい、聞く側の姿勢にも左右されるためです。

    提唱者の山崎氏の著書にも、「トップの“聴く耳”が、社員の口を開かせる」という節があります。

    報告を受けたらおひたしで返す

    報告を受ける側の心得として、おひたしという言葉がよく使われます。怒らない、否定しない、助ける、指示するの頭文字を取ったもので、報告を受けた上司がとりたい対応を表す言葉です。

    声をかけられたら手を止めて相手を見て、聞き終えたら「教えてくれてありがとう」と返すと、部下は次も報告しやすくなります。ミスの報告には、まず共有してくれたことへのお礼を伝えましょう。原因の振り返りは日を改めて行うと、悪い知らせも早く上がってきやすくなります。

    1on1や定例で雑談の時間をつくる

    大きな相談は、雑談の流れで「実は少し気になっていることがあって」と切り出されることもあります。1on1や短い定例の最初の数分を雑談にあてておくと、部下は相談を切り出しやすくなります。

    報連相を職場の仕組みにする方法

    報連相を個人の心がけだけに頼らず続けるには、報告の基準と、口頭と記録の使い分けを職場で決めておきます。「必要なときに報告して」と伝えるだけでは、どんなときが必要なときなのかを部下が自分で判断することになり、かえって迷うためです。

    いつ・何を・どの手段で伝えるかを決めておく

    報告のタイミングは、週1回の定例、毎朝の一言、案件の節目のように決めておきます。トラブルや予定の変更が起きたらすぐ報告する、といった基準も言葉にしてチームで共有しておきましょう。

    報告の項目をそろえたテンプレートもあると便利です。案件の状況、その日の業務、週の進み具合など、業務ごとに項目を3〜5個に絞っておけば、新しく入った人も迷わず書けます。

    口頭の連絡を記録に残す

    口頭で伝えると早く届き、急ぎ具合や深刻さも声で伝わります。その一方で記録が残らず、その場にいなかった人には伝わりません。急ぎの一報は口頭で入れ、決まったことはチャットなどに書き残す、というように役割を分けておけば、伝え漏れが減ります。

    店舗や介護施設、工場のように手がふさがる職場では、画面を見て文字を打つ時間を取りにくいものです。そうした職場では、スマートフォンをトランシーバーのように使える音声アプリで一報を入れる方法もあります。LINE WORKSラジャーでは、ボタンを押して話すとグループのメンバーに音声が届き、アドバンストプランなら発話を自動で文字に起こして残せます。

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    報連相は時代遅れ?そう言われる理由と今の考え方

    時代遅れという批判の多くは形だけの運用に向けられたもので、情報を共有する役割は今の職場でも欠かせません。チャットやツールを使っていても、状況の変化や判断に迷う点を誰かが伝えなければ、チームは次の手を決められないためです。

    批判としてよく挙げられるのは、次の4点です。

    • 報告が許可取りや承認の手続きになり、判断が遅れる
    • チャットや共有ツールの普及で、仕事の進み具合を画面で確かめられるようになった
    • 指示を待たず、自分で判断して動ける人が求められるようになった
    • 報連相が部下の義務として扱われ、受け取る側の姿勢が問われてこなかった

    4つ目の批判は、提唱者の考えとも重なります。由来の節で紹介したとおり、山崎氏は報連相を部下の努力目標とは考えていませんでした。

    形だけの定例報告を減らし、判断に必要な情報が早く伝わる形に見直していけば、今の職場に合った報連相になります。

    おひたし・かくれんぼう・ざっそう

    報連相を補う言葉として、次のような語呂合わせも使われています。

    言葉 意味 考え方
    おひたし 怒らない・否定しない・助ける・指示する 報告を受ける上司の心得
    確連報(かくれんぼう) 確認・連絡・報告 先に方針を確認してから動き、部下が自分で判断する範囲を広げる
    雑相(ざっそう) 雑談・相談 雑談から気軽に相談できる関係をつくる

    報連相に関するよくある質問

    部下が報連相をしてくれないとき、どう声をかければよいですか?

    理由を問い詰めるより、次にしてほしい行動を具体的に伝えるほうが伝わります。「なぜ報告しなかったの」と聞かれると、部下は次の報告をさらにためらうからです。「次からは途中で一言だけでいいので状況を教えてください」のようにお願いし、自分が話しかけにくい様子を見せていないかも振り返ってみてください。

    テレワークや離れた職場では、報連相をどう進めればよいですか?

    厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトは、報告・連絡・相談はテレワークでも仕事を進めるうえでの基本だとしています。報告ではトラブルや課題が起きたらすぐに伝えること、連絡では文字だけに頼らず電話やWeb会議も内容と緊急度で使い分けることを挙げています。システム障害や災害時を含めた緊急時の連絡方法も、決めておくよう勧めています(出典: テレワーク総合ポータルサイト「テレワーク時の報告・連絡・相談はどのように進めれば良いでしょうか。」)。

    新人研修では、報連相の何から教えればよいですか?

    3つの違いと、すぐに報告するときの基準から伝えるのがおすすめです。そのうえで、場面ごとの言い出しを声に出して練習しておくと、現場で言葉が出やすくなります。受け取る側の上司や先輩にもおひたしを伝えておくと、研修で学んだことを職場で続けやすくなります。

    報連相と確連報は、どちらを使えばよいですか?

    経験に合わせて使い分けられます。確連報は先に方針を確認してから自分で進めるため、仕事の進め方が分かってきた人に合うやり方です。判断の材料が少ない新人のうちは、報連相でこまめに状況を伝えるほうが手戻りを防げます。

    まとめ

    報連相で押さえておきたい点は次のとおりです。

    • 報告と連絡は情報を渡す行為、相談は助言や判断をもらう行為
    • 伝える側は、状況が変わった時点で結論から短く一報する
    • 受け取る側は、おひたしの姿勢と雑談の時間で話しかけやすくする
    • 職場として、報告の基準と、口頭と記録の使い分けを決めておく

    まずは、どんなときにすぐ報告するかという基準を1つ、チームで話し合って決めてみてください。基準が1つ決まるだけでも、報告するかどうかで迷う場面は減っていきます。

    口頭の一報を記録にも残したい現場では、スマートフォンをトランシーバーのように使えるLINE WORKSラジャーも選択肢の一つです。フリープランは0円で試せます(会話は40分で一度切断)。有償プランは30日間の無償トライアルがあります。

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