「働き方が、昭和的」

2018.06.11

 

こんにちは、長橋です。
ワークスモバイルジャパンでカスタマーエクスペリエンスを担当しています。
普段はLINE WORKSの導入事例の取材という形でLINE WORKSを導入していただいたお客様にお話をうかがい、ストーリーを世の中に発信するという仕事をしています。

 

さて、冒頭の写真の広告を見かけた、という方もいらっしゃるかもしれませんが、LINE WORKSでは6月から電車・バスでの交通広告を開始しています。都内では山手線と地下鉄銀座線でお目見え中です。また一部の雑誌などでも同じタイプの広告を出していますので、こちらもご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。ということで今回は、広告のテーマである「働き方が、昭和的」について取り上げてみたいと思います。

 

平成はあと1年弱で終了!

 

「平成」が来年4月に終わり、5月から次の元号に移ることが決まりましたね。あと1年弱の「平成」ですが、いまだに仕事や企業文化、働き方については「昭和的な価値観」「昭和的な働き方」が残っているように思います。「働き方改革関連法案」の成立もあってか、以前にも増して連日のように「働き方」のキーワードがニュースや企業からのメルマガに踊っている今日この頃ですが、この「働き方に関する課題」の根底にあるのは、実は「昭和的な価値観」「昭和的な働き方」なのではないかと思います。

 

かつても、大正時代が終わって昭和時代が始まったとき、「いまだに明治時代を引きずっている」なんて揶揄された人たちがいたのかも・・・なんて思いを馳せたくなりますが、ともあれ、平成が終わってなお前々時代である昭和を引きずっていることに対しては、そろそろ危機感を抱かないといけない時期になっているのではないでしょうか。

 

昭和的な働き方って?

 

さて、それではどんな価値観や働き方が「昭和的」なんでしょうか?
かつて私が勤めていた日本の大企業での“暗黙のルール”を改めて思い返してみると、非常に「昭和的」だったなと今になって感じます。
例を挙げてみると、こんな感じ。

 

「朝は定時に全員必ず出社しないといけない(1分でも遅れちゃイカン!直行直帰はよほどのことがない限りNG)

 

「電話、メールはもちろんFAXも現役。メールを印刷してFAXで返信する人もいる。部長あてのメールは必ず印刷して机に(その方が早いでしょ?)

 

「自分の仕事が終わっても、上司が帰るまで一緒に残っていないといけない(いつ上司から指示が飛んでくるかわからないからね!)

 

「上司やお客様に対し、メールで物事を済ませるのは失礼に当たるので、直接会って説明しなければならない(対面が基本でしょ!)

 

「部門の会議では、若手は議事録取りに専念し、不用意に発言してはいけない(会議は偉い人のお言葉をありがたく頂戴する場です!)

 

例を挙げるとキリがないくらい思いついてしまったのですが、なんとなくわかりますかね?こういった価値観が残っている中で「働き方改革」を実現しようと、「隙間時間を活用して業務効率を上げる」とか、「外出先でも業務ができるようにシステムやツールを整える」ということをいくら頑張ってやっても、目先の効率化にしかつながらないのです。結果、出る効果としては「メールや会議時間を10%削減」とか「出先でも業務を進められるようになった」などの、「働き方改革プロジェクトの成果を出すために作り出した効果」になりがちです。

 

なぜ昭和的な働き方が根強く残っているのか?

 

ではなぜこういった「昭和的な価値観」「昭和的な働き方」が根強く残っているのでしょうか?やや批判的な見方にはなりますが、これまで私が聞いてきた様々なお客様の話からは、以下の3つのパターンの企業では「昭和的」が強く残っていると感じました。

(1) 高度経済成長期に誕生し、成功体験を引きずっている昭和生まれの企業

創業時に成功したやり方があり、それをそのまま続けている企業。今の日本の中小企業の多くに当てはまりそうです。問題はうすうす感じているものの、古参社員も多く、なかなかやり方を変えられないというケースが多いようです。こういった状況を変えようと、2代目社長がLINE WORKSを採用して働き方を変える取り組みを行うケースもあるということを「2代目社長がLINE WORKSを選ぶ理由」に書かせていただきました。

(2) 終身雇用と年功序列がから抜けられない大企業

終身雇用が保証されている大企業で、マーケットやお客様よりも社内のニーズを満たすことが先になってしまうと、現場で生産性を上げることへのインセンティブが働かないことが多いと感じます。平たくいうと、「時間と手間暇をかけて、暗黙のルールを守って社内調整をすることが重要」という仕事の仕方になってしまうのですね。また、「生活残業」という言葉もあるくらいで、長く働くこと=月収を増やすこと、に直結するので、単純に長時間労働の抑制が効きづらいということもあります。一方で、仕事のやり方や内容は変えずに残業だけを減らそうとして、サービス残業になるという誤ったケースも・・・。

(3) マーケットの変化に気づかず、危機感を感じないまま内輪で満足している業界

業界ごと沈んでいくパターン。最近の日本のメーカー大企業の凋落ぶりを見るにつけ、これが一番危険なのではないかと個人的には思っています。同じ業界の他社との争いが長くなると、皆同じやり方をしているので、業界全体が日本や世界の標準から遅れていることに気付かなくなってしまうのかもしれません。私などが論じるには重たいテーマなので、専門家にお任せしたいところではありますが、確実に「昭和的」が残っているパターンかと思います。

 

そんなに「昭和的」は悪なのか?

 

さて、ずいぶん偉そうに批判的なことを書かせていただきましたが、実は私は「昭和的=悪」と単純に割り切れる構造だとは思っておらず、「昭和的」にも実はいいところがたくさんあると思っています。
たとえばこんなところ。

(1) 「タバコ部屋トーク」「飲みニケーション」などのインフォーマルなコミュニケーション

ザ・昭和なコミュニケーションの代表例ですね。禁煙の進む最近は喫煙所も減りがちでしょうし、「飲みニケーション」は若者に嫌がられそうな企業文化ナンバーワンかもしれませんが、インフォーマルな場での暗黙知が組織の能力を高めることは、「トランザクティブ・メモリー」などの研究などからも分かっています。「タバコ部屋トーク」「飲みニケーション」に代わる、別のインフォーマルな場があれば継続できそうです。

(2) 「言わなくても分かる」阿吽の呼吸、「同じ釜の飯を食う」仲間意識

いわば「忖度」ですが、必ずしもネガティブな側面だけではありません。これらは上下関係だけでなく、横のつながりを強くすることにもつながっていると思います。対面で感情を伝え合い、同じ場を共有することで、チームワークが向上することは誰もが実感されていることでしょう。職場で感情を共有することが大事だという話です。
参考:職場での感情共有がチームの生産性を向上させるワケ

(3) 「ジャパンアズナンバー1」を背景とした、製造業を中心とする日本経済の安定成長

これを「いいところ」と言って良いものかどうかは微妙かもしれません。なぜなら、今は失われてしまった「かつての栄光」そのものだからです。とはいえ、全員が一つの同じ夢を共有し、未来に期待し、日々の成長を実感しながら邁進する“キラキラ感”自体はとても尊いと思いませんか?私は結構好きです。いつまでも成長を夢見たい!

 

変えるための第一歩

 

「昭和的」の悪いところも良いところも見てきましたが、それでは現状を変えるために何をすればいいの?という話が必要ですね。
「働き方改革」については、有識者の方がたくさんの知見を持って取り組んでいる問題なので、ここで何かの結論を出せることではないと思っています。
そこで、「働き方」についてあるお客様の声を紹介しましょう。

 

Q. LINE WORKS導入で働き方は変わりましたか?
A. 働き方を改善するぞ、と言って導入するのではなく、新しいツールを試すことで自然と改善されていくんだなと今回感じましたね。身の回りで始まっているサービスを少しかじっていくことで、自然と働き方が変わってくる、そんな流れになってきていると実感しています。(ミズノ株式会社)

 

働き方を変えようと思って入れたわけではないのに、結果として自然と変わっていった。こんな例もあるのだと思っていただければ幸いです。

 

さて、あなたの会社の「昭和的な働き方」、そろそろ変えてみませんか?

  • ※ 本掲載記事の内容は投稿当時の情報となり、2022年4月1日に改定された新料金プランとは一部異なる内容を含む場合があります。