近年、コンタクトセンターはサービス提供や問い合わせ対応など、企業と顧客の重要な接点となっていますが、その運営にあたっては、人材不足や顧客ニーズの多様化による業務プロセスの複雑化など多くの課題が存在します。
この記事では、近年のコンタクトセンターに関わる課題や顧客に求められているポイントを解説します。
自社の課題への対応や将来の計画策定にぜひお役立てください。
《目次》
・コールセンター
・コンタクトセンター
・課題①:労働力
・人材の採用難
・コンタクトセンター人材不足の背景
・コールセンター運営上の課題
・課題②:顧客の多様化
・複雑化するチャネル
・チャネル活用の実態
・お客様がコンタクトセンターに求めているものとは
・コンタクトセンターDXが求められる時代
◆コンタクトセンターとは?
コンタクトセンターとは電話、メール、チャット、ソーシャルメディアなど様々なコミュニケーションチャネルを通じて、顧客や消費者からの問い合わせ、サポート、問題解決に対応する組織や拠点のことです。
顧客に情報やサポート・サービスを提供することで、顧客満足度の向上や企業の信頼性向上を図る重要な役割がある!
ほか、対応した顧客の意見は商品・サービスの改善につながる貴重なデータとなっているため
収集した情報を社内に共有し分析することで新たな企画や商品開発など企業全体の成長に大きく貢献できます。
◆コンタクトセンターとコールセンターの違い
・コールセンター
主に電話を利用して顧客とのコミュニケーションを行う拠点です。
受信電話の応答や問い合わせの振り分け、解決策の提供に重点を置いており、顧客情報の統合管理には限定的なリソースを割り当てる場合があります。
・コンタクトセンター
顧客がいつ、どのチャネルから問い合わせても問題解決ができるようにコールセンターから進化したものがコンタクトセンターです。
電話だけでなく、メール、チャット、ソーシャルメディアなどの複数のコミュニケーションチャネルを統合し、顧客との接触を行います。
顧客サポートだけでなく、テクニカルサポート、カスタマーサービス、顧客関係管理など、より幅広い機能をカバー、顧客情報は統合的に管理し、ニーズに合わせたサービスを提供するために、CRMシステムやナレッジベースなどの技術的なソリューションを活用することが一般的です。
◆コンタクトセンターの課題
・課題①:労働力
人材の採用難
コロナ禍によって一時的な減少となりましたが、有効求人倍率は高止まっており、コンタクトセンターに限らず、新卒・転職とも空前の採用難と言われています。
また労働人口も10年後には600万人も減少すると言われており、わが国の人手不足は構造的な課題となっています。
コンタクトセンターも業界特有の課題として離職率の高さがあり、今後生産年齢人口の減少と合わせて、
「労働力不足」はコンタクトセンターの存続にも関わる最重要課題と言えます。
コンタクトセンター人材不足の背景
1.高い雇用需要の競争
コンタクトセンターは大量の顧客問い合わせを処理するために、多数の担当者を必要とします。
しかし、顧客サービス業界全体でコンタクトセンターの需要が高まっており、他の企業や業界も顧客サービスの専門知識を持つ人材を求めています。
このため人材の確保や競争力の維持が困難になっています。
2.高い離職率と労働環境
コンタクトセンターのオペレーターは、商品やサービスを理解するスキルと、
それをベースとした様々な顧客の問い合わせや要求に素早く的確に応えるスキルが必要とされるため大きなストレスにさらされることの多い業務となります。
長時間の勤務やシフト制度なども相まってライフワークバランスもとりにくくオペレーターの離職率が高まっています。
3.専門的なスキルとトレーニングの必要性
オペレーターには、顧客との円滑なコミュニケーション能力や問題解決スキル、製品やサービスの知識など専門的なスキルが求められます。
しかし、これらのスキルを持つ人材を見つけることや新人を短期間でトレーニングし必要なスキルを身につけさせることは困難です。
4.業界イメージの誤解
コンタクトセンターの仕事は、単純な電話応答や問い合わせ対応のイメージが一般的です。
このような誤解があり、人々がコンタクトセンター業界に興味を持たないことも人材不足の一因となっています。
コールセンター運営上の課題
2023年の調査結果によると、最も高い数値を示したのは「オペレータの採用・育成」で58.6%
以下、「品質向上」「オペレータ一人当たりの生産性の向上」「スーパーバイザーの採用・育成」の順となり、
全体的に採用難・人材不足を反映した結果となっています。
生産性と品質という、時として相反する2つの課題を達成するためには、人材の確保が最重要課題となります。
また2023年大きく伸びた問題が「カスタマーハラスメント対策」
こちらもコールセンターへの人材採用の大きな障壁となっている
これらの結果を含め今後も十分な確保が見込めない場合、テクノロジーの採用を含めた新たな対策が必要となります。
・課題②:顧客の多様化
昨今のコンタクトセンターでは、顧客の多様なニーズに対応するために
さまざまなチャネルを活用する必要性が高まっていますが、それに合わせて複数のチャネル整備を進めたため、プロセスの複雑化が生じています。
その背景と主な要因は次の通りです。
複雑化するチャネル
1.マルチチャネル対応の複雑化
電話、メール、チャット、SNS、ビデオ通話など、顧客が利用するコミュニケーションチャネルが多様化しています。
顧客は自身の嗜好や利便性に応じて、チャネルを選択することができますがコンタクトセンターはこれらのチャネルに対応する必要があります。
2.複数チャネルのシームレス化
電話で問い合わせをし、メールで追加情報を受け取り、最後にチャットで問題解決を終えるといったように、
顧客がチャネルを移動しても情報や履歴が共有されるようにする必要があります。
3.チャネルごとの専門知識とスキル
各チャネルは特有の特徴とニーズを持っています。
例えば、電話ではリアルタイムでの対話が求められ、チャットでは同時に複数の顧客とやり取りするスキルが必要です。
コンタクトセンターの担当者は、各チャネルに応じた専門知識とスキルを持つ必要があり、プロセスの管理やトレーニング面で複雑さが生じます。
4.チャネル別のデータ管理と分析
各チャネルには異なる形式やデータが存在し、それらを適切に管理し分析する必要があります。
複数のチャネルからのデータを統合し、顧客の行動や傾向を把握するための分析を行うためには、適切なデータ管理と統合プロセスが必要になります。
チャネル活用の実態
企業は顧客の問い合わせに対応するためのデジタルチャネルを複数設置しています。
しかしながら、電話とメールでの対応が100%に近い数字となっており、
SNSやメッセンジャーなどのデジタルチャネルを増やしても、うまく活用できていない実態があることがわかります。
◆これからのコンタクトセンターに求められるもの
・お客様がコンタクトセンターに求めているものとは
下記、コールセンターへの不満を聞いたアンケート調査の結果によると、どの業種でも
「オペレータにつながるまでの待ち時間が長かった」
「話中でなかなかつながらなかった」
「音声応答システムでの番号入力が面倒だった」
という内容が上位を占めており、問い合わせに対して、迅速かつ簡単に繋がるかが求められていることがわかります。
※出展:コールセンター白書2020(リックテレコム)をもとに作図
・コンタクトセンターDXが求められる時代
今後、コンタクトセンターの需要はさらに増していきますが、労働力確保が困難であり、高い離職率や賃上げへの対応も求められます。
また、顧客の多様性や嗜好に沿ったニーズの高まりにより、対応チャネルの増加とそれに付随する業務プロセスの効率化も求められます。
もはや単なる自動化や業務効率化だけでは難しい状態に直面していますが、
現代の技術を活用したAIや自動化技術を導入することで、これらの課題を解決することが可能です。
◆電話対応のデジタル化を実現するLNE WORKS AiCall
・LINE WORKS AiCallとは
企業のニーズや環境に合わせてシステム開発することでAIによる電話の完全自動対応を実現するボイスボットです。
顧客からの問い合わせを自動化することで、オペレーター不足、人件費高騰などコールセンターやコンタクトセンターの課題を一気に解決します。
また顧客がコンタクトセンターに求めている「問い合わせに対して、迅速かつ簡単に繋がり問題を解決すること」こちらもAIによる対応でスムーズなご案内が可能となり顧客満足度の向上に繋がります。
コンタクトセンターの運営、オペレーター人材採用にお悩みの方は
ぜひLINE WORKS AiCallをご活用ください。