本事例のポイント
-課題:
・既存サービスを凌駕する、新たなビジネスモデルの構築
・クライアントのDXを推進、新たな価値提供ができる方法の模索
-期待:・成熟市場にある自社事業の新たな柱となる事業を見つけたい
・AI技術を既存ビジネスと組み合わせることで、新たな価値を生み出したい
-成果:・LINE WORKS OCRと連携したことで、クライアントのニーズに応える新たなサービスを提供
・これまでアプローチできていなかったアナログ領域の多い業種との商談化や導入(DX)に成功
・自社の新たな事業となる可能性を伸長
・一部クライアントの業務を約1/3に削減
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社が提供する、『Magic xpa』とは?
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社は、イスラエル本社を中心に、全世界50カ国以上のビジネスネットを持つマジックソフトウェア・エンタープライゼス(NASDAQ:MGIC)100%出資による日本法人です。
ローコード開発ツール「Magic xpa」と、データ連携プラットフォーム「Magic xpi」の開発・販売を核に、
全国800社以上のパートナーを通じて製品を販売し、サポートおよびコンサルティング・サービスの提供とさまざまなソリューションとサービスの提供を行っています。
「Magic xpa」は、ビジネス・アプリケーション開発基盤として30年以上の実績と高い開発生産性を誇るローコード開発ツールです。日本国内では800社以上のパートナーを通じて、4万5000社以上の企業に「Magic xpa」で開発された業務アプリケーションが導入されています。
「LINE WORKS OCRは精度が高い」という評判から、すぐにFreeプランで精度を検証。その精度に驚いた。
西本さん :
弊社はローコード開発ツールとデータ連携のツールの開発・販売を行なっており、業務アプリケーション領域で35年以上、コンピューターの歴史でいうとMS-DOSの時代から取り組んできた実績があります。
ただ、既に成熟している市場であり、従来型のビジネスモデルである業務アプリケーション開発だけでは、今後厳しくなると思い、新たなビジネスモデルの必要性を感じていました。
特にOCRに限ったテクノロジー活用ではなく、それ以外のAIも活用したいと思っていたので、まずは、弊社パートナー様の次世代ビジネス支援として『AIコンソーシアム』を設立し、AIの取り組みをされている先進的なパートナー様と共同で導入でき、効果が得られやすいものを探し始めました。
そんな中、『AIコンソーシアム』で様々なAI-OCRサービスを比較し評価した企業様から、「LINE WORKS OCRの認識精度が素晴らしい」という話を耳にし、早速Freeプランで導入を決定し、その精度を試してみることにしました。
さまざまな文字が混在している資料や銘板、手書き文字の読み取りなどの体験をしたところ、人間でも読み違えそうな文字も正しく認識したのを見て、驚きと同時に「これは何か新しいビジネスを生み出せるのでは」という期待感を覚えました。
その時期に、ちょうどハンディターミナルを使い銘板を読み取り、自社システムへデータ連携したいという案件をクライアントからご相談いただき、早速LINE WORKS OCRが活用できるのでは、と思いました。
と同時に、Freeプランで精度の高さは実感できていたので、今後LINE WORKS OCRと連携したサービスの製品化と幅広くデモを行う必要性も考慮し、読み取り枚数や認識モデルなどで制限の少ない有償プランに切り替えようと考えました。
精度が非常に高かったため他社の検討は必要ないと判断して稟議を出したところ、費用も安価だったこともあり、二つ返事で有償プランへの切り替えが決まり、取り組んだ商談も受注することができました。
受注したクライアント、弊社のパートナー様からLINE WORKS OCRの類似サービスの評価を教えてもらったこともあったのですが、認識精度が低い、必要な項目の読み取りに必要な設定に手間がかかる、精度が高くても価格が高い、などの意見が多かったので、LINE WORKS OCRの精度の高さとコストパフォーマンスの良さにはとても満足しています。
自社サービスとLINE WORKS OCRを連携したことで、クライアントのニーズに応えやすく、アナログな業界のDX推進も提案できるようになった
西本さん :
LINE WORKS OCRは、弊社の『Magic xpa』というローコード開発ツールのデモスマホアプリと連携して利用しています。読み取った書類や銘板などが正しく読み取れているか、簡単にLINE WORKS OCRの精度を確認いただくことができ、どれだけ便利になるかを体験してもらうことができるため、商談の反応が非常に良いと感じています。
※LINE WORKS OCRと連携した『Magic xpa』の画面
また、デモを体験したクライアントから「あの業務にも、この業務にも使いたい」というお声をいただき、弊社は商談化のアイデアをもらえるという副次的な効果もありました。
一例を挙げると、銘板などの素材に書かれた手書き文字を含むシリアルナンバーを紙に転記し、さらに証明書を作成し、添付して納品するという作業が発生するクライアントから、「LINE WORKS OCRを利用したら文字の入力作業がなくなって、データ化された文字をシステムに蓄積できるし、さらにデータ化できているから文字検索をすることもできるようになる」というアイデアをいただきました。
実際に導入いただいた一部クライアントでは、約1/3程度に業務量を削減するなど高い成果をあげています。
これまで弊社の事業では「PCを使う現場」が商談化の条件のようになっていたのですが、LINE WORKS OCRを利用したデジタル化と弊社の強みである開発力の組み合わせで、「PCをあまり使わないアナログな業界や業種のDXを含む商談化も可能になった」ことに気づかされました。
自社サービスとLINE WORKS OCRを連携したことで、クライアントのニーズに応えやすく、アナログな業界のDX推進も提案できるようになった
※LINE WORKS OCRの提供形態は、API使用・ブラウザで利用できるOCR Readerの2パターン。
その中でTemplete・General・特化型と3タイプに分かれています。
(APIはすべてのタイプに対応、OCR ReaderはTempleteと特化型タイプの請求書帳票のみ対応)
西本さん :
弊社が利用しているのはLINE WORKS OCRのサービスはAPI連携ができる「Templete」と「General」タイプです。
「General」タイプは1回の読み取りで、すべての文字情報を正確にデジタル化できるため情報を取捨選択せず、画像や書類の文字情報をデータ化して蓄積したり、データ化した後に検索をかけたりと、汎用的に活用しています。
「Templete」タイプは、複数種類のある同じような項目が多い銘板などの読み取りに使っています。
「Templete」タイプの場合、読み取りたい項目を指定し設定するだけで、同じような項目の銘板を認識をしてくれるため、項目を動的に処理できる点、ロジック実装を少なくできる点が非常に便利だと感じました。
特にAPI連携ですと、実装がとても容易ということもとても良いと思います。私たちが導入するのも簡単なのですが、クライアント先へのカスタムも非常に簡単です。APIで簡単に連携でき、結果がJSON形式で戻ってくるので、シンプルな作業でカスタムができます。
LINE WORKS OCRの技術の素晴らしさ、実装の簡単さなどが導入ハードルをぐっと下げてくれるので、
今後さらにアナログ領域のDX推進をクライアントと一緒に進める商談が広がりそうだと、可能性を感じています。
クライアント・パートナーとネットワークを作ってビジネスを進め、一緒に未来を作っていきたい
西本さん :
弊社のクライアントは、中小企業が7割以上。実務で忙しくされているため、なかなかDXにも取り組めないという悩みを抱える企業様も多いです。また、パートナー様も業務で忙しく、新たなビジネスモデルを模索できていないというお悩みをよく耳にします。
そこで私たちが取り組みたいと感じたのは、LINE WORKS OCRのようなAI技術を発端とした新たなビジネスを見つけ、提供していくことです。
早速弊社では、2021年9月に、ローコード開発ツールのMagic xpaのプログラムからLINE WORKS OCRが利用できる『MOJIRU』という新たなコンポーネントサービスの提供を開始しました。LINE WORKS OCRの文字認識を利用するアプリケーション開発を可能にするもので、様々な業界で利用することができます。この新しいサービスを使ってクライアントのDX推進、パートナー様と新たなビジネスを作る活動に取り組みたいと考えています。
LINE WORKS OCRのようなAI技術は近年開発も進んでおり、AIが進化したからこそ、アナログな業務も簡単にデジタル化しやすい、新しい時代になったと感じます。
DXが進めば、クライアント・エンドユーザー様にとっても大きな価値が提供できるはずですし、パートナー様のビジネスが発展すれば、WIN-WINの関係が築けます。
まずはセミナーで啓蒙活動をしながら、タッグを組んでネットワークを作り、多くの方にAIの“体験”を広めていきたいですね。今後こうした活動に取り組んでいけば、パートナー様と一緒にビジネスの可能性を広げていけると確信しています。
LINE WORKS OCRの5つの導入利点
-自社サービスとの組み合わせにより、提供価値が向上。
-APIの連携・実装が容易かつ、導入ハードルが低い。
-読み取り精度が高いので、クライアントの業務負担軽減を実現できる。
-文字の読み取りニーズは高く、潜在層も多いので、あらゆる業種や業界にアプローチが可能。
-手書き文字の読み取りができ、スマホで撮影した画像の読み取りも可能。PCを扱っていない職場にも導入しやすい。
※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2021年10月当時のものです。