本事例のポイント
-課題:
・建設業界におけるDX推進をリードするポジションの確立
・すでに導入しているOCRよりも、読み取り精度が高く作業効率が上がるOCRに乗り換えたい
・社内にエンジニアがいないので、開発なしで、知識がなくても簡単に使いたい
-期待:・導入費用が安く、かつランニングコストを抑えられること
・RAPや自社システムと連携でき、作業の自動完了率を高めたい
・ITリテラシーが高くなくても活用できること
・AI-OCRの読み取り後の作業工程が簡素化できること
-成果:・読み取り作業のスピードが向上し、作業を効率化
・ランニングコストの削減
・慣れないPC作業や入力ミスへの心理的負担を軽減
株式会社七和とは?
昭和56年に沖縄県で創業し、主に道路舗装をはじめとする公共土木工事とアスファルト合材製造の2つの事業を行っている。沖縄の空港工事、道路工事、駐車場工事、アスファルト工事、無電柱化工事は30年以上の実績を持つ。社名に込められた7つの信念のもと新たな挑戦を絶えず繰り返す社風であり、DX化もその一貫である。
建設業界におけるDX推進の第一歩。製造に関わる各種伝票・特定書類の入力を自動化したい
山崎さん:
株式会社七和は、「未来と繋がる七和」をコンセプトとして掲げ、建設業界ではまだ珍しいDXにも、積極的に取り組んでいます。DXの第一歩として選んだのが、紙の書類を自動で読み取りデータ化してくれるOCR技術の導入でした。
建設業界はあらゆる場面で紙の伝票を用いたやりとりが多く、それらをデータ化して蓄積していくために、これまでは人の手で1枚1枚自社システムに入力していました。
他業種では最新のシステムを積極的に活用し、あらゆる場面での自動化が進んでいると思いますが、建設業界で働く人々の多くは、パソコン作業や最新システムに明るくないのが現状です。
七和がまず試してみることで、建設業界にとって使い勝手の良いシステムを見つけることができたら、との思いから、思い切って私が在籍している製造部から導入してみることにしました。
私たち製造部がAI-OCRで読み取りたい書類は、主に2種類ありました。
1つはアスファルトの買掛伝票で、「資材」購入時の伝票や「経費」・「運搬」伝票があり、月に500枚程あります。これは原価計算管理のために月ごと・年度ごとにデータを集計したいのですが、扱う伝票は業者ごとにフォーマットが異なり、さらには手書きとPC打ち込みが混在しています。
そのため、弊社独自のフォーマットを作成し、そこに伝票からデータを手入力することでまとめていました。
もう1つは、弊社で請け負う産業廃棄物の処理を証明する手書き伝票(マニフェスト)の帳簿付で、月に200枚程あります。マニフェストはA4横書きの専用用紙にみっちりと情報が書き込まれたもので、カーボン用紙7枚綴りの4枚目が弊社保有となるため、薄い文字などでも読み取り精度の高いAI-OCRを探していました。
※実際に七和様が読み取っている買掛伝票・産業廃棄物の処理を証明する手書き伝票。複写やテンプレートの異なる伝票を読み取っている
実はLINE WORKS OCRを利用する前に、2019年から1年間他社のAI-OCRサービスを利用していました。
私自身初めてのAI-OCRということでコストが手軽で試しやすいものを選びましたが、段々と使い勝手がわかってきた中で、さらに読み取り精度が高く、作業効率を高められるAI-OCRを探し始めた中で、LINE WORKS OCRと出会いました。
今まで手入力で行っていた伝票集計作業にAIの力を用いることで、入力ミスを減らしながら作業時間を短縮できるかもしれない。そういった期待を抱き、2021年4月よりLINE WORKS OCRを導入しています。
LINE WORKS OCRは以前導入していたAI-OCRより「早く」「安く」書類を読み取りデータ化できる。ランニングコストを抑え、読み取る量は以前の5倍!
山崎さん :
弊社では2020年11月に、使っている別のクラウドサービスの担当者の薦めでLINE WORKS OCRの存在を知り、2021年4月に導入を決定しています。LINE WORKS OCRに乗り換えるにあたって、特に比較した点は2点。
1つめは、帳票の種類を気にせず、一括で大量に読み取りができるかどうかです。
以前のAI-OCRは帳票ごとにボタンを押して読み取る必要があり、例えば種類の違う50枚を読み取りたい場合、50回そのボタンを押さなければなりませんでした。
LINE WORKS OCRは、読み込んだ書類をAIが自動で振り分けてくれるので、ボタンを1回押すだけで、一気に読み取ることができ、作業時間の短縮を期待できました。
2つ目は、ランニングコストです。
初めに月額料金だけを比較した際は、以前のAI-OCRの方が手頃に感じまし た。
しかし、月額料金以外でかかってくる金額があり、それらを合わせたトータル金額で比較すると、LINE WORKS OCRの方が安価でした。
これはどういうことかというと、1枚の書類を読み取らせたときに、前社は1項目(フィールド)ごとに課金され、対するLINE WORKS OCRは50項目まで月額料金内で読み取れるとの違いがあったのです。
おかげで、読み取る書類の枚数は以前の5倍に増えたにもかかわらず、ランニングコストを抑えられています。
買掛伝票の入力・手書き伝票ともにスピーディにデータ化ができた!本来集中したい作業に取り組め、他部署への展開も視野に。
山崎さん :
LINE WORKS OCRを導入したことで、買掛伝票の入力作業時間は2割減。
マニフェストの入力作業時間は1割減を実現しました。
導入前は「紙書類を自動でスピーディーにデータ化できること」が一番期待していたことではあるのですが、それ以上に、「間違えてはいけない」という自分たちのプレッシャーが減ったことが嬉しいです。
なぜなら、私たちは事務作業以外にも現場に出て建設作業をすることが多く、時には150度以上にもなるアスファルトの近くで現場仕事をした後にデータ入力作業をすることもあるので、集中力の持続にも限界があるからです。
AI-OCRにデータ入力の大枠を任せられるおかげで、人の力が必要なデータの見直しに集中できるようになりましたし、慣れないPC作業による目の負担軽減も我々にとっては大きな収穫です。
そういった部分でも、建設業界にもっともっとAIの技術を取り入れていけば、日々の業務が楽になるのではと期待が持てますね。
そして何より、AIの技術を業務に取り入れることで、未来を先取りしている満足度が高いです。
社内では、「次は総務部が取り扱う請求書を読ませたい!」と盛り上がっています(笑)。
ゆくゆくは他部署でも応用したいと考えており、最大1,500枚/月の書類を読み取れるようにしたいと考えています。
読み取りたい伝票の中には字が薄いなど、人の目でも判別しにくいものがあり、これらは伝票の書き方から見直す必要があると感じています。
しかし、LINE WORKS OCRを導入したことでAI技術の理解度が上がったこと、営業・CS担当者さんとやりとりをしていく中で、RPA作成時など他の技術への応用なども身につけることができ、さらにDXを推進していくための課題も見つかりました。
営業の担当者さんは、「CSVデータ出力後はエクセルにこうやってまとめたい」という要望にも応えてくれ、加工したエクセルも納品してくれました。
我々の現場に合わせたサポートをしてくださり、いつも相談しやすい距離感にいて、こちらからの要望に親身に向き合い解決策を見出してくれる姿勢に、安心感を覚えています。
PC作業が得意でなくても、AI技術への知見がなくても、LINE WORKS OCR ReaderならAI-OCRを簡単に使える!
山崎さん :
建設業界で働く人々は、PC作業への苦手意識を持つ人も多いですし、スマホではなくガラケーを愛用している人もまだまだ多いです。そういった方にとっては、DXと言われてもピンとこないかもしれません。
しかし、世の中の技術開発は進んでおり、実は自分たちの仕事を手助けしてくれる技術があるのに、それを活用しないままでいるのはもったいないことだと考えます。
「七和さんと付き合っていたら、最新技術について知ることができる、未来へと向かえる」そんな風に思ってもらえるように、我々がまずAI-OCRを使いながら、発展させていきたいです。
目指すのは、七和の発展ではなく、建設業界全体のDX推進です。
「LINE WORKS OCR Reader」は理系やエンジニアの人じゃなくても、PCや最新技術に詳しくない僕でも使えるツールですし、これからの技術開発にも期待しています。
七和としては、私たちと同じような事業をしている会社さんをはじめ、建設業界にとって役に立つ技術開発を進め、関わる人や会社の未来に役に立つサービスとして、提供していけたらと考えています。
LINE WORKS OCRの5つの導入利点
-LINE WORKS OCR ReaderはITリテラシーが高くなくても簡単に導入でき、DX推進できる。
-多種多様な伝票を一度で読み取り、自動で振り分けできる。
-資料1枚ごとの料金体系のため、ランニングコストを抑えられる。
-自社にとって必要な情報を効率よく得るためのカスタマイズが可能。
-現場仕事とPC作業、ハードになりがちな建設業界の作業負担を軽減。
※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年3月当時のものです。