本事例のポイント
-課題:
・レシートキャンペーンにおけるレシートの購買判定作業の工数削減
・応募が集中した際の、リソース不足・結果告知や配送の遅延
・コロナ禍も影響しリソース増員が困難
-期待:・レシートの読み取り精度の高さ
・導入コストやランニングコストを抑えたい
・購買判定スピードの向上
・API提供で自社のシステムと連携できるAI-OCR
-成果:・レシートの購買判定時の目視コストを最大50%削減(見込み)
・レシート応募時の処理枚数
・作業に関わる人員が減りキャンペーン運営にかかるコスト削減
・インセンティブ付与までの期間を短縮・エンドユーザーの満足度も向上
株式会社スコープとは?
1989年創業の総合広告代理店。30年以上にわたり、クライアントと生活者の接点にこだわったコミュニケーションを追求し続けている。「価値を創造して、実現しつづける、企画集団」をスローガンに掲げ、急速な変化を続ける社会においても新たな価値を生み出し、実現し続けている。2021年9月にキャッシュバックなどの送金を簡便化するラストワンマイル送金プラットフォーム「ウォレッチョ」をリリース。社会に向けた価値向上のため、広告やプロモーションにとどまらず、常に新しいチャレンジを続けている。
クライアント需要の高いレシートキャンペーン。しかし、リソース不足、結果告知・配送遅延などの課題解決にAI-OCRが必要だった
草刈さん :
弊社は、ナショナルブランドやメーカー様をクライアントに持ち、主にセールスプロモーション(販売促進)を多く手掛けている広告代理店です。
私が所属する事業部は食品・日用消費財業界のクライアントが多く、これまで数多くの消費者キャンペーンを行なってきました。中でもキャッシュバックは販促効果が高く、クライアントからのニーズも高い施策です。
しかし、BtoCの送金には郵便為替や商品券を用いた方法が一般的で、DXが進む時代にアナログな作業を強いられることが業界全体でも課題となっていました。
そこで、アナログな作業を削減し、キャッシュバックの受け取りを消費者がATM受取り・口座振込・電子マネーウォレット残高チャージから選べるようにすることで、よりユーザーフレンドリーな体験を提供できる仕組みを作ろうと考えました。(ラストワンマイル送金プラットフォーム「ウォレッチョ」)
今後は、さまざまな消費者キャンペーンに導入頂けるよう追加開発・機能改修予定ですが、まずは第一弾として、レシートキャンペーン向けにサービスをローンチ致しました。
レシートキャンペーンは消費者が購入レシート一枚で簡単に応募できることがメリットです。
しかし一方で、レシートチェックに事務局人員のリソースが割かれ業務上大きな負担になっており、応募数が数万件を超える施策をいくつも経験していく中で作業効率化・コストダウンは解決すべき課題として様々な検討を行ってきました。
ハガキ応募/Web応募との比較
- ※「Walletcho」にLINE WORKS OCRを連携いただき、人で行っていた工数を大幅に削減
草刈さん :
これまでは送られてきたレシートの購買判定をすべて人の目で行なっていたため、処理できる枚数には限りがありました。
キャンペーンによっては人員不足となる上、コロナ禍ということもあり無作為に人員を増やすこともできません。
その結果、判定に時間がかかり、応募いただいた方へのキャッシュバックが遅れ問い合わせをいただくことになる→その対応にも人手が必要となる…という悪循環に陥っていました。
この課題を解決すべく、着目したのがAI-OCRです。
レシートの読み取り精度が高く、かつ自社のシステムに組み込めるAI-OCRを探す中で、Web販促に関するイベントでLINEヤフー株式会社がAIを開発しており、その中でレシート解析に特化したソリューション(レシートに特化したAI-OCR)があることを知りました。まさに、弊社の課題解決にピッタリだと思いました。
決め手は、驚くほどの認識率の高さとレシートの読み取り枚数が増えても安心で手頃なランニングコスト
渡部さん :
この段階から私もプロジェクトに加わり、LINE WORKS OCRの他に複数のAI-OCRも資料請求をして、5〜6社比較検討しました。
LINE WORKS OCRが良さそうだなと思った理由は、認識率の高さです。
他社は当社比で認識率を提示しているところが多かったのですが、LINE WORKS OCRは外部機関(ICDAR)で証明された認識率を謳っており、信頼感がもてたことが大きかったですね。
その後、2〜3社のトライアルを経てLINE WORKS OCRの導入を決定したのですが、最終的な決め手としては、読み取り精度の高さ、自社システムとのAPI連携が可能だったこと、レシートに限らずさまざまな書類を読み取れる汎用性の高さ、サポート面での対応、セキュリティ面で安心できたことが上げられます。
検証期間では、わざとくしゃくしゃにしたレシートやマーカーで色付けしたレシートなど、条件の悪いレシートも試しましたが、想像を超える認識精度でしっかり読み取ってくれました。
この読み取り精度には正直びっくりしました。OCRという技術自体は昔からあるもので、私自身過去の印象から「使えないもの」というイメージを持っていたので、ここまで技術が進歩しているのかと驚きました。
トライアルの結果が想定以上に良かったため、社内の稟議もスムーズに進み、採用となりました。
草刈さん :
加えて、コスト面でのメリットも大きかったです。
他社と比べて導入コストが抑えられること、またランニングコストの試算がシンプルでわかりやすく明瞭でした。
他社は書類1枚の中でも何項目読み取るかによって金額が変動しますが、LINE WORKS OCRは書類1枚毎の金額で課金されます。
そのため見積もりの際に費用を反映しやすく、サービスに活用する上でも使い勝手の良い製品だと感じました。
また、すでに複数レシートキャンペーンで導入された実績があったことも、選定の決め手となりました。
新たな技術の導入をスムーズに行えたのは、開発時にも安心できるきめ細やかなサポートがあったからこそ
渡部さん :
正式契約後はまずアカウント作成し、いただいた仕様書を確認しながら、自社の「ウォレッチョ」システムとAPIでの繋ぎこみを実施しました。
その後、2〜3週間の検証期間を設けて、動作テストを行い、システムの正式リリースに至っています。
システム開発よりも検証に使うレシートの収集に時間がかかったと記憶しているくらい、スムーズに進んだと思います。
というのも、トライアルの時も感じたことですが、導入時も技術的な面で手厚いサポートをしていただけたので、とても心強かったですね。こういった先進的な技術を提供される企業さんは、メールベースでのやり取りが一般的だと思っていましたが、貴社の担当者さんは私たちのちょっとした疑問に電話で迅速に対応してくださいました。
API連携は、弊社側のつくりによってプロパティや返り値をどう設定して連携するかなど、いただいたマニュアル通りにはいかない場面も多々あります。そんな時も貴社の技術担当の方が直接サポートにあたってくださり、時にはZoomを用いて一緒に確認しながら作業を進められたので、とても助かりました。
草刈さん :
2021年9月に「ウォレッチョ」のサービスがリリースされ、2022年2月より導入いただいたキャンペーンがスタートしております。
現在準備中のキャンペーンも控えており、効果検証を重ねながら運用改善と精度向上を着実に実行していきたいと思います。我々にとっても新たな挑戦です。
このサービスの要となるAI-OCRには、活用していく中でAIの学習により更なる精度向上も期待しています。
「ウォレッチョ」消費者プロモーションイメージ
※CLOVA OCR → LINE WORKS OCR
目視コスト削減50%、読み取り枚数最大50%アップを目指す。クライアント・ユーザー・提供元、3者がメリットとなるサービスへ。
草刈さん :
これまで弊社で繰り返し行なってきた読み取り結果などをもとに試算した直近の目標数値として、目視コスト削減が最大50%、レシートの読み取り処理枚数が最大50%アップと予測しています。
これは、送られてくるレシートの約半分をLINE WORKS OCRで自動判定し、残り半分を人の目でフォローするという想定での試算です。これによって、作業に必要な人数を減らしながら作業スピードを上げることが可能になります。
人の確認作業が減るということは、その分人員コストを抑えることができ、結果クライアント企業様にとってのメリット創出につながります。また、購買判定のスピードが早くなることは、キャッシュバックまでの期間を短縮できるため、応募していただく消費者の方にとってもメリットです。
レシートキャンペーンを行いたいクライアント企業様にとってはコストの面で、運営する我々にとってはオペレーションコストの面で、それぞれが抱いていた課題をLINE WORKS OCRを導入することで解決でき、さらにエンドユーザーにとっての価値を向上させていくサービスができました。
私たちは広告代理店として、クライアント企業様とエンドユーザーの架け橋となる存在です。
クライアント企業様の代理としてキャンペーンを運営する以上、その作業を効率化していくことは、エンドユーザーの満足度をあげ、クライアントへの信頼を守る事になると自負しています。
今後、レシートキャンペーンを行う際に「ウォレッチョ」を導入いただくことで、LINE WORKS OCRを活用した作業効率向上と送金プラットフォームの利用により、返金リードタイムを約半分程度に短縮することが可能になります(※株式会社スコープシミュレーションによる)。
このサービスを皮切りに、生活者にとって利便性の高い体験を提供し続けます。
LINE WORKS OCRの5つの導入利点
-しわの入ったレシートやマーカーされたレシートからも読み取れる高い認識精度
-多種多様な伝票を一度で読み取り、自動で振り分けできる
-資料1枚ごとの料金体系のため、ランニングコストを抑えられる
-自社にとって必要な情報を効率よく得るためのカスタマイズが可能
-現場仕事とPC作業、ハードになりがちな建設業界の作業負担を軽減
※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年7月当時のものです。