株式会社トアイリンクス
製品・サービス
LINE WORKS OCR
お話を伺った方
ディレクター 井田 昭一さん
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アナログ文書オンライン検索システム構築にLINE WORKS OCRを採用。製品カタログの検索性が向上し検索時間が1/20に短縮。営業員が外出先でも即座に回答・提案が可能に

2010年9月創業。事業コンセプトは「新しい出会いを生み出す」。誰かと誰かの出会いの架け橋となるべく、人と人をつなぐ「婚活サービス事業」、企業と企業をつなぐ「レンタルオフィス事業」、人と企業をつなぐ「IT・Web関連事業」および「広告物制作事業」を展開している。

 

本事例のポイント
  • 紙の製品カタログをLINE WORKS OCRでデータ化し、スマホでも手軽に商品検索が可能なシステムを構築
  • 製品カタログの商品検索時間が従来の20分の1に短縮
  • 紙カタログを調べるために2時間かけて事務所へ戻ることがなくなり、1日あたりの営業件数が増加

 

「紙の製品カタログから商品を探し出すのが大変」という相談がきっかけで、LINE WORKS OCRに着目。決め手は読み取り精度の高さ

株式会社トアイリンクスについて教えてください。

井田さん:

当社は主に婚活サービス事業、レンタルオフィス事業、IT・Web関連事業、広告物制作事業の4事業を展開しています。当社の事業に共通しているのが、「人や企業とのつながりを作って、新しい出会いを生み出す」というコンセプトです。4つの主要事業を持ちながらも、例えば喫茶店の空間デザインを担当するなど、事業コンセプトに即した幅広いサービスを提供しています。

 

LINE WORKS OCR導入に至る経緯を教えてください。

井田さん:

当社のIT・Web関連事業では、お客さまのホームページ制作やシステム開発、社内インフラ整備、サーバー移転などのサービスを提供しています。今回、LINE WORKS OCRを活用しているのは、食品容器や衛生製品などの卸売業を営んでいる当社のお客さまになります。

 

経緯としては、お客さまとの商談時に、「メーカーから定期的に製品カタログやFAXが届き、それらを随時、紙の原本のままファイリングして管理しているが、ファイリングの作業自体に手間がかかり、また該当の商品情報を探すのにもかなり時間がかかっている」というご相談をいただいたのが、OCR(Optical Character Recognition)検討の始まりでした。

 

その話を受けて、紙の製品カタログの情報をテキスト化できれば課題が解決できると着想。後日、OCRを用いて製品カタログをデータ化し、Web上でテキスト検索できるシステムを提案したのです。お客さまから提案に快諾いただけたので、同システムの核となるOCRサービスをさまざまな角度から検討することにしました。

複数のOCRサービスを比較検討されましたが、LINE WORKS OCRを選んだ理由は何でしょうか。

井田さん:

今回構築したシステムは商品検索が目的ですから、紙の製品カタログのテキストを正確にデータ化する必要があります。近年AI技術が著しく進歩していることを踏まえ、100%に近い読み取り精度を持つ OCRがないだろうかとさまざまなOCRアプリやOCR APIを検討し、実際にいくつかのサービスを試用してみました。その中でもLINE WORKS OCRのAIによる読み取り精度は、ほかのOCRと比較しても極めて優れていることが確認できたため、同OCR APIを採用しました。

LINE WORKS OCRのコスト面はいかがですか。

井田さん:

コストパフォーマンスが優れていると感じました。加えて、買い取り型ではなく月額料金制であるため、初期費用を抑えられたのも良かったです。

 

今回契約したのは、読み取り枚数上限10万枚の「非定型(General)」プランです。お客さまからは、10万枚も読み取る必要はなさそうだから、もう少しコストを抑えられないかと言われましたが、実際に何枚読み取ることになるかは分かりません。そこで、LINE WORKS社との契約をお客さまではなく当社にして、今後OCRを組み込んだシステムを導入するクライアントを増やすことで、お客さまの費用負担を抑えられる仕組みを整えました。

 

製品カタログ情報を調べるために最長2時間移動していたが、現在の移動時間はほぼゼロ。問い合わせの即時回答も実現。

具体的にLINE WORKS OCRを活用してどのようなシステムを構築したのでしょうか。

井田さん:

一言でいうと、紙の製品カタログを電子化してスマホからでも商品を検索できるシステムです。具体的には、まず紙の製品カタログをコピー機でスキャンすると、JPEGデータとしてサーバーへ転送されます。その後、JPEGデータ内の文字がLINE WORKS OCRによりデータ化され、さらにデータベースに自動登録されます。これにより、お客さまの社内ポータル上から手軽に検索できる仕組みです。なおOCRとは別に、写真などは画面から手作業で登録することも可能です。

株式会社トアイリンクスが構築したアナログ文書オンライン検索システム。
コピー機からサーバーへの転送、LINE WORKS OCRによるテキスト化、データベース登録まで、すべて自動で行われる

社内ポータル上の検索表示画面には、実際にスキャンした製品カタログの画像も表示されます。製品カタログを読み込みOCRでテキストをデータ化するだけでも情報検索が可能にはなります。しかし、それでは利便性が高くありません。例え外出先でも営業員が手軽に検索できるように、UI/UXにこだわった上で、社内ポータルとしてシステムを構築しました。

お客さまからは、どのような導入効果があったと聞いていますか。

井田さん:

LINE WORKS OCR導入前と比べ、カタログ情報を検索する時間が20分の1程度に短縮されたと聞いています。今回のお客さまの営業範囲は新潟県全域です。新潟県は南北の海岸線で300km以上もあるとても広い県なので、場合によっては、営業員が出先より最長2時間かけて事務所に戻り、紙のカタログを調べることもあり、営業員の時間や体力、精神的な負担が非常に大きかったようです。

しかし、現在はスマホで社内ポータルにアクセスしてキーワードを入力さえすれば、外出先でも即座に製品カタログの該当画像が表示されます。その結果、営業員が商品を調べに事務所へ戻るといった移動時間はほぼゼロとなり、1日あたりの営業件数が増加したようです。加えて、商品問い合わせに対しても即時回答が可能で、その場で新たな提案もできるようになり、営業先との関係がより良好になったそうです。

 

今回構築したシステムをベースに個別サービスを開発し、紙の情報管理を行うお客さまの力になりたい

今回のお客さまとは、どのように運用する予定でしょうか。

井田さん:

今回のお客さまとは、過去5年分のカタログ情報を保存しておくというお話をしています。過去の情報を残しておくことで、廃盤品の検索も可能なので代替となり得る現在販売中の商品の提案にも活かせるのではないかと考えています。例えば、「前回頼んだアレ、またお願いできる?」というご相談に対して、パソコン画面を見せながら、「既に廃盤品なのですが、こちらが代わりの新商品です」というレスポンスがその場でできることを想定しています。

LINE WORKS OCR活用の今後の展望を教えてください。

井田さん:

今回は1社に向けてシステム開発を行いましたが、紙の情報を紙のまま管理している事業者は依然として多いはずです。今回のLINE WORKS OCRを用いたシステムをベースに個別サービス化を実現し、ほかのお客さまにも広くご活用いただける仕組みを整えたいと考えています。

最後に、OCR活用を検討している事業者へメッセージをお願いします。

井田さん:

OCRは紙書類のテキストをデータ化し、業務効率を向上させる素晴らしいシステムです。一方で、まずは紙書類をコピー機でスキャンしたり、カメラで撮影したりと、テキスト化にあたっては必ず人の作業が介在します。つまり、そこには人件費が発生します。そのため、OCRを活用する際には、OCR利用にかかる人件費や作業負担なども考慮しながら、最適な業務プロセス設計によるシステム構築を行うことが大切だと考えています。

 

【お話を伺った方】
井田 昭一さん

ディレクターとして、Web関連の業務に従事している。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2024年3月当時のものです。