八王子市立松が谷中学校PTA
2022-12-01
業種
教育・塾 NPO・団体等
目的・効果
従業員間の連絡 ノウハウ共有 プロジェクト管理 FAX削減・ペーパーレス 導入のしやすさ
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
アンケート
アドレス帳
お話を伺った方
会長 鈴木 研吾さん(左)  
会長付副会長 羽鳥 瑠美子さん(中)  
八王子市立松が谷中学校 副校長 市川 義文さん(右)
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PTA改革への第1歩にLINE WORKS。役員どうしや学校との連絡がスムーズになり、 煩雑だった年度替わりの引き継ぎ業務が改善されました。

東京都の八王子市立 松が谷中学校PTAは、約50名の役員の連絡を円滑にするため、1,000名まで無料で利用できるLINE WORKSの「非営利団体向け特別プラン」を活用。役職、部会・班、プロジェクトなど複数のグループを立ち上げ、それぞれのメンバーや組織全体、さらに教職員との情報共有をタイムリーにできるようにしました。また、活動報告書や関連資料をフォルダやノートに保存してナレッジを蓄積することで、役員改選にともなう引き継ぎ業務をスムーズに行える体制づくりも実現しています。

 

本事例のポイント
  • 役員どうしや教職員との情報共有体制を整え、PTA活動を見える化
  • 対面を減らしてLINE WORKS上で委員会活動やプロジェクトの進行が可能に
  • PTA活動に関する資料や記録をLINE WORKSに集約し、引き継ぎが円滑に
  • PTAのボランティア制や地域の中P連との連携強化も視野に

八王子市立松が谷中学校の特色をご紹介ください。

市川さん :

本校は東京都八王子市の多摩ニュータウンの一角に位置します。大学のキャンパスや緑豊かな公園がある周辺環境は学園都市的で、全377名の生徒は落ち着いた雰囲気の中で学業や行事、部活などに励んでいます。保護者の学校に対する関心も高く、学校側もPTAの活動に積極的に協力しています。

 

PTA活動にはこれまでどんな課題がありましたか。

鈴木さん :

当PTAでは約50名の保護者が役員を務め、会長と副会長は公平を期すためにくじ引きで選出されます。私が会長に就任することになってまず感じた課題は、PTA活動に関する資料が各部会や班ごとに保管され、誰が所持しているかわからないことでした。ようやく探し当てた資料には断片的な情報が記されているだけで具体的な活動内容までは把握できず、新任の役員が前任者から詳しいヒアリングをする必要がありました。当PTAの役員任期は1〜2年なので、毎年かなりの役員が改選されます。新しい役員がそれぞれの役割に円滑に取り組んでもらうには、まず引き継ぎをスムーズにするべきで、そのためには資料やナレッジをきちんと整えたうえで集約し、組織全体で共有しなければならないと考えました。

 

 

羽鳥さん :

たしかに役員就任時の引き継ぎにはかなりの労力を費やしました。「やっぱりPTA活動って大変なんだな」と思いましたね。私もそうですが、多くの保護者は仕事をしながらPTA活動に携わっています。就任してまず引き継ぎの段階で大変さを感じてしまうと、その後のモチベーションにも影響を及ぼしそうな気がします。

 

 

市川さん :

お二人がおっしゃるように、保護者の皆さんは実際に役員になるまで具体的な活動内容を知らず、自身の役割を前任者から聞いて理解するだけでも相当な負担になります。事前にある程度のことがわかればそうした負荷は軽減されるはずで、資料を整えることはとても重要だと私も思います。

 

鈴木さん :

もう1つの大きな課題は、組織内のコミュニケーションにありました。部会や班ごとに個人LINEのグループが立ち上げられて情報が伝達されていましたが、グループ間の横のつながりがないので、各グループでやり取りされた内容が組織全体で共有されていなかったのです。また、LINEは連絡先を交換した相手としかつながれないので、所属外のグループのメンバーに伝えたいことがあっても簡単に連絡できないといった不便さもありました。コロナの影響で大人数でのミーティングが開きにくい状況がいまだに続いていることもあり、会合を開かなくても全役員がタイムリーに情報を共有できる環境を整えたいと考えました。

課題解決の手段としてLINE WORKSの導入に至った経緯をお聞かせください。

鈴木さん :

PTAにはIT系が苦手な人も少なからずいるので、「使いやすさ」を最優先に最適なツールをリサーチしたところ、LINE WORKSが「非営利団体向け特別プラン」のキャンペーンを行っていることを知りました。最大1,000名までユーザー登録でき、データの保管に必要なストレージを50GBまで使え、しかも無料で利用できるというのはPTAのような団体にとって非常に魅力的です。多くの保護者が使い慣れた個人LINEとUIが共通するLINE WORKSなら容易に定着することも期待されたので、導入を決めました。

 

市川さん :

教職員も多忙なので、PTAとの連絡を効率化できるLINE WORKSの導入には学校としても賛成でした。ただしそうしたツールを校務用のPCにインストールするには許可が必要なので、校長が八王子市の教育委員会に利用許可を申請し、校務用のPCで使えるようになりました。現在は、校長、副校長、主幹教諭3名の計5名の教職員が利用しています。教職員は私有端末の連絡先を原則として公開できないことから、それまで保護者のLINEとつながっていませんでしたが、LINE WORKSでやり取りできるようになるのは画期的だと思いました。

保護者へのアカウントの付与とアプリインストールはどのようなかたちで行われましたか。

鈴木さん :

2022年度の役員となる保護者が最初に集まったミーティングでLINE WORKSの概要を説明し、大半の方にその場でQRコードによるアプリのインストールと登録をしてもらいました。そのミーティングに欠席されたりLINE WORKSへの登録を保留されたりした方には、副校長先生や各部会・班のリーダーから後日改めてその有用性を説明してもらったことが功を奏し、結果的に役員全員に登録してもらうことができました。

 

羽鳥さん :

新しいツールを使うことに抵抗を感じる役員もいなかったわけではありません。しかし操作はLINEに似て簡単なので、運用が始まるとすぐに全体に定着。私も含めて誰もが使い勝手のよさと利便性を実感しました。

LINE WORKSによって保護者間の連絡や情報共有のあり方はどう変化しましたか。

【グループ】役職や部会・班、プロジェクト単位で情報を速やかに共有
【アンケート】組織全体や対象者からスピーディに意見や意向を収集
【フォルダ・ノート】組織全体で共有すべき資料や記録を整理して保存

 

鈴木さん :

組織図に基づく役職のほか、組織を横断して各種の行事やプロジェクト単位でもグループを作成し、メンバー間での情報伝達が速やかに行われるようになりました。LINEを使っていた前年度までは会長が加わっていないグループもありましたが、LINE WORKS導入後は会長と会長付副会長をすべてのグループのメンバーにすることで、活動内容をリアルタイムに把握できるようにしています。

組織やプロジェクト単位でグループトークルームを開設し、情報が速やかに伝達される体制に
市川さん :

校長以外の教職員は、各部会の部長・副部長と各活動班の班長などで構成される運営委員会のグループメンバーとなっています。前年度までの運営委員会は基本的に対面で開かれていましたが、LINE WORKSによってその必要がなくなり、トークで意見交換や情報共有ができるようになりました。PTAの広報部は学校の活動を伝える広報誌を定期的に作成し、学校向け連絡網サービスで全保護者にPDFで配信されていますが、その原稿チェックのやり取りもLINE WORKSでできるようになったことで時間の節約につながっています

 

羽鳥さん :

今年の夏に、部活動での熱中症の発生を防ぐため、PTAの予算で安価なスポットクーラーを購入する案が挙がった際にLINE WORKSのアンケート機能を活用し全役員に意向を確認しました。アンケート結果から購入することが決まると、「スポットクーラー購入プロジェクト」のグループを設けて製品情報の交換などを行い、スムーズに購入することが出来ました。前年度までなら、まずは関係者のLINEや連絡先を聞いて回る必要がありましたが、LINE WORKSなら既にPTAのメンバーがつながっている状態のため、顔を合わせることなくスピーディにプロジェクトを進行できました。

対面せずにLINE WORKS上で情報や意見を交換しプロジェクトを進行

 

鈴木さん :

アンケート機能は全役員に是非や意見を問う以外に、会議や打ち合わせの日程決めなどにも活用しています。

多忙な役員への意見収集や日程調整も簡単にできる

PTAの運営にかかわる資料やナレッジはどのように共有していますか。

鈴木さん :

各部会や班による活動報告は全体グループのノートで共有しています。「どのグループが何をしているのかよくわからない」という以前の課題は改善されました。部会や班の活動だけではなく、警察署から提供される学校周辺エリアで確認された不審者情報などもノートに保存して役員がいつでも閲覧できるようにしています。

 

会長になって私が実感したのは、PTAは効率的な運営さえすればとてもやりがいのある活動だということです。そこで多くの保護者の「PTA活動は大変そう」という先入観を払拭し、「楽しそう」というイメージに変えて自発的に参加してくれる人を増やすためのプロジェクトチーム「新しいPTAを考える会」を立ち上げました。そのメンバーからのさまざまな意見を議題ごとのノートに書き込んでいます。

 

羽鳥さん :

部会や班で保管していた紙の書類や資料は、PDFにしてフォルダやノートに保存。以前は「あの書類は誰が持っていたっけ?」と部会や班のメンバーに尋ねて回ることがありましたが、今は必要なデータに瞬時にアクセスすることができます。

 

鈴木さん :

3学年しかない中学校のPTA活動のネックは役員が頻繁に入れ替わることですが、活動記録や資料をきちんと保存しておけば、新任者への引き継ぎが容易にできるようになります。チャットでタイムリーなやり取りができることに加え、データを整理して保存できることも、LINE WORKSの利点だと思います。

PTA活動に関する資料をノートに集約して保存することで、新任者への引き継ぎも容易。後から検索も可能

LINE WORKSは、他校のPTAでも活用可能だと思われますか。

鈴木さん :

「非営利団体向け特別プラン」は1,000名までユーザー登録できるので、保護者の数がその範囲内であればどのPTAでも活動を効率化できると思います。所属している八王子市の中学校のPTA で組織される八王子市立中学校PTA連合会(八王子市中P連)の中の中学校2校が、私たちの取り組みを知り、LINE WORKSの導入を決めて、現在運用に向けた準備を進めています。2校とも私たちと同様に役員の引き継ぎの大変さに悩んでおり、それを解消できることに大きな期待を寄せています。

LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。

鈴木さん :

いずれは役員だけではなく約300名の全保護者にユーザーになってもらい、PTA活動に関する情報を全体で共有することを計画しています。そのための運用ルールやガイドラインを練っているところです。

 

市川さん :

これまでは学校行事などで手を借りたいとき、全保護者にその呼びかけをすることが難しいため、PTAの役員を通じてお願いできる方に半ば強引に協力していただいていることがありました。全保護者がLINE WORKSでつながれば、ボランティアスタッフを募って自主的に手を挙げてもらうことが可能になるので、学校行事がより円滑に運営できると考えています。

 

羽鳥さん :

現在のところ掲示板には会則と組織図、LINE WORKSの基本的な運用ルールを掲載しているだけです。全保護者がユーザーになったとしたら、学年、クラス、部活といったさまざまなグループに向けた効率よい情報周知にも活用できるはずです。また、広報誌も学校向け連絡網サービスではなくLINE WORKSの掲示板にアップすれば、発信がよりスムーズになると思います。

会則やLINE WORKSの運用ルールなどを掲示板で周知。

今後は広報誌の発信などに利用することも検討

 

鈴木さん :

さらに将来的には、松が谷中学校に進学される近隣の小学校の保護者にも利用を広げ、両PTAが足並みを合わせて活動できるようにすることも視野に入れています。また、八王子市中P連もLINE WORKSを運用しているので、外部トーク連携機能でつながることで、密な情報共有を図りたいと考えています。

 

 

【お話を伺った方】
鈴木 研吾さん(左)

IT系の仕事に就いており、その知見をPTA でのLINE WORKS活用に活かしている。

 

羽鳥 瑠美子さん(中)

主に八王子市中P連関係の活動を担当しながら会長の業務をサポート。

 

市川 義文さん(右)

2020年に副校長に着任し、PTA活動の支援にも注力。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年10月当時のものです。

 

【関連情報】

・PTAに関するお役立ち情報ページ

 

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