グランドメゾン磯子(仮名)マンション管理組合
2023-11-24
業種
NPO・団体等
目的・効果
従業員間の連絡 コンプライアンス・セキュリティ 予定の見える化 業務の見える化 導入のしやすさ 電話・メールの削減
主な活用機能
トーク
グループ
掲示板
カレンダー
お話を伺った方
理事長 下端 豊作さん(仮名)  
会計 廣瀬 はるかさん(仮名)
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分譲マンションにおける住人で構成される管理組合の連絡体制をLINE WORKSでデジタル化。運営や活動に関する情報が滞りなく共有され、理事会や組合員の参加意識が高まりました。

※本記事は実在するマンションの事例ですが、マンション住民のプライバシーなどへの配慮から、架空のマンション名・仮名で表記いたします。

 

総戸数が300戸を超える横浜市磯子区のとあるマンションでは、管理組合の理事会活動を円滑にするため、1,000名まで無料で利用できるLINE WORKSの「非営利団体向け特別プラン」を活用しています。これまでは電話やメール、紙で行われていた連絡手段をLINE WORKSに置き換えることで、理事会の役員全員が運営や活動に関する情報を瞬時に共有できる環境を整えました。その結果、多くの役員が理事会活動への参加意識を向上し、コミュニティを活性化する効果も得られています。

 

本事例のポイント
  • 理事会内の連絡手段をLINE WORKSに置き換え、タイムリーに情報共有
  • 不具合等、管理人からの報告などを迅速化
  • 活動報告や議事録をノートや掲示板で公開し、理事会の活動を見える化
  • コミュニケーションが活発化し、理事会メンバーの参加意識が向上

マンションと管理組合の概要をご紹介ください。

理事長 下端さん:

横浜市磯子区にある当マンションは、1970年代に竣工した総戸数300戸を超える大規模な分譲マンションです。マンション管理組合は区分所有者で構成されており、その理事会は任期2年とし輪番制を採用しています。ただ、2年で総入れ替えするわけではなく、16名の役員の約半数が毎年交代するようになっており、2年目の役員は1年目の役員をサポートする役割も担っています。また、マンション管理組合とは別に、居住者によって運営される自治会もあり、私たちは連携しながら活動しています。

 

マンション管理組合を運営するうえで、以前はどのような課題がありましたか。

理事長 下端さん:

理事会内での情報伝達は、これまで主にメールと紙文書の配付を中心に行われていましたが、連絡事項をいつ見てもらえたか分かりませんでした。緊急で理事会役員の同意が必要な場合には電話をかけますが、これもタイムリーに応答が得られないことが多く、一つひとつの対応に時間がかかっていました。

 

会計 廣瀬さん :

スマホを持っていない高齢の理事会役員も何名かおり、ご自宅の固定電話にかけても、防犯上の理由から留守電に直通させるご家庭もありました。このため、相手が留守番電話を聞いてから折り返しの連絡を待つ必要があり、意思疎通に時間がかかっていました。

 

理事長 下端さん:

基本的に、組合に関する情報は理事長を通じてやり取りされるため、私や会計など特定の役員に情報が集約され、タイムリーに状況を把握していない他の役員に業務を振り分けることも難しく、負担が偏ってしまうことも問題でした。私のように普段は会社勤めをしている人にとっては連絡業務が負担に感じられることがありました。

また、多くの決めごとが積極的に参加する理事会の役員を中心に方向づけられるため、そうでない人が意見を述べにくいという雰囲気も存在しました。これらの課題は、組織内で情報を共有する仕組みが欠如していることに起因していると考えられました。

 

課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれた理由を教えてください。

理事長 下端さん:

LINE WORKSは、通常のフリープランでは最大100名までの利用が可能ですが、「非営利団体向け特別プラン」では1,000名までの利用が可能であり、ストレージ容量も5GBから50GBに拡張されています。あるPTA団体がこの特別プランを利用して効率よく運営しているという記事をネットニュースで知り、私たちの組織でも活用できるのではないかと考えました。

個人LINEを使う手もありますが、その場合は理事会としてではなく個人間のやり取りとなり、運用ルールを徹底させるのが難しいという不都合が生じてしまいます。一方、LINE WORKSなら管理組合がアカウントを管理できるので、マンション管理組合のことは「LINE WORKS上で」とアプリ内で活動を完結させることが可能であり、公式ツールとして組合員も安心して活用できるように思われました。

 

会計 廣瀬さん:

理事会のメンバーは管理組合を運営する大変さをよく理解しているので、導入に対する反対の声は上がりませんでした。また、私も含める60代以上の世代でも、LINEの普及が進んでいるため、操作性が似ているLINE WORKSならば誰でも簡単に使いこなせると考えました。

導入決定から運用開始までの経緯をお聞かせください。

理事長 下端さん:

アカウントは理事会の全メンバーや管理室に常駐する管理人と管理会社の担当者に発行したほか、自治会役員や任意で利用を希望する外部区分所有者にも付与しています。また、スマホを持っていない数名の理事会役員にはタブレット端末を用意し、LINE WORKSアプリをインストールしてログインできる状態で貸与しました。メンバーの表示名は原則「部屋番号+苗字」とし、どこのだれであるかが一目で分かるようにしています。

 

初期設定ではLINE WORKSの通知の受信時間が7時~22時となっていたため、これを運用ルールとして採用しました。特別な禁止事項などは設けていませんが、今後はより多くの区分所有者、居住者にアカウントを提供する予定であり、必要に応じて詳細なルールを整備していく予定です。

 

LINE WORKSの具体的な活用シーンと導入成果をお聞かせください。

 

・大規模修繕委員会など役割毎にグループを作成し、運営や活動の共有が迅速化
・設備の故障などは写真を添付して分かりやすく説明
・管理人やマンション管理会社との連絡もスピードアップ

 

理事長 下端さん:

理事会の全メンバーが所属するグループに加えて、会計、大規模修繕委員会、子供会役員、自治会など、組織や役割に応じたさまざまなグループを運用することで、情報の伝達速度が飛躍的に高まったことを実感しています。

 

理事会全体のグループと役割ごとに作成された各グループで、活動に関するありとあらゆる情報を素早く共有

 

アジェンダを事前に送信することで、会議も効率的に進行できるようになりました。また、言葉だけでは説明が難しい設備の不具合や故障の状況も、写真を添付することで一目瞭然になります。以前は写真をプリントして確認してもらっていましたが、現在はそのような手間をかける必要もなくなりました。

 

設備の不具合は写真とともに報告
会計 廣瀬さん:

私ともう1人の担当者の2名で会計業務に携わっております。メールや電話で確認していた頃と比較して、LINE WORKS導入後は理事長の下端さんを含む3名での情報共有が格段にスピードアップしました。返答がすぐに来ない場合でも、既読が付くことで「情報が伝わった」と安心できるのは、LINE WORKSの大きなメリットです。

 

2名の会計担当者と理事長の下端さんが会計グループを構成し、連絡事項をタイムリーに伝達

 

各グループの投稿を見ていれば「近く出金がありそう」といった予想が立ちます。そのため、要請があった場合にも素早く対応できるように準備しておけるようになりました。投稿から支出の内容も事前に把握することで、精算手続きも円滑に進むようになりました。

マンション管理会社の方とはどんなやり取りをされていますか。

理事長 下端さん:

管理室には、管理人が使用するパソコン、スマホがあり、設備の不具合などに気づいたときに連絡をしてもらっています。以前はメールを使用し、緊急性の高い場合には電話でやり取りしていましたが、LINE WORKSに置き換わったことで報告の受け渡しをより迅速に行えるようになりました。管理会社の担当者とも、理事長の私と管理人の3名で情報を共有したり、理事会への提案事項を事前に送信してもらうなどすることで、会議の合間のコミュニケーションを円滑にしています

ほかにLINE WORKSのどんな機能をよく使われますか。

【ノート】植栽活動報告などを共有して、いつでも閲覧可能に
【掲示板】予約投稿を活用して理事会の議事録案を掲載
【カレンダー】組織の予定を共有して参加意識を高める
理事長 下端さん:

最近では、マンションの植栽活動に参加できなかった方にも活動の様子を知っていただくために、理事会全体のグループトークのノートに植栽担当の役員が活動報告を共有してくれるようになり、いつでも確認できるようになりました。コメントやリアクションを通して他のメンバーから労いの言葉をもらうことも増え、理事会全体の活動がより活発になることに期待しています。

 

ノートを活用して活動の様子を全メンバーに周知

 

理事会の議事録は掲示板に掲載して、全員に周知するとともに、修正すべき点があれば担当者からコメントで指摘してもらうようにしています。議事録の掲載が遅れてしまっても、翌朝の時刻を指定して予約投稿できる機能が非常に便利です。

理事会の議事録は掲示板で共有。修正すべき点があればコメントとして書き込んでもらうことができる

 

理事会全体、大規模修繕、植栽の各グループの会合や活動の日程は、それぞれのカレンダーに登録することで予定を共有しています。このように、LINE WORKSを通じてだれもがタイムラグなく情報を共有できるようになった結果、全体的に理事会への参加意識が高まっていることを感じます。

LINE WORKSの活用を今後どのように発展させたいとお考えですか。

理事長 下端さん:

将来的には区分所有者・賃貸居住者を問わず、全世帯にLINE WORKSのアカウントを付与することを構想しています。管理室で配布している各種書類の書式をダウンロードしたり、集会室など共用設備の利用をカレンダーで予約したりすることも可能になります。そのような展望を踏まえ、これまで付与したアカウントは、理事会役員の任期を終えられた方にもそのままお持ちいただいています。

 

LINE WORKSの非営利団体向け特別プランは1,000名まで利用できるので、仮に300世帯に2アカウントずつ発行することも可能です。LINE WORKSは、当マンションのコミュニティ活性化にこれからも大きく貢献してくれそうです。

 

 

【お話を伺った方】

理事長 下端 豊作さん(仮名)
理事長としてマンション管理組合の運営を統括。

 

会計 廣瀬 はるかさん(仮名)

マンション管理組合の会計業務を担当する。

 

※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2023年8月当時のものです。