医療・福祉・介護
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ユーコネクト株式会社
福岡県福岡市と太宰府市で訪問看護ステーションおよび機能訓練特化型デイサービス施設を運営しているユーコネクト株式会社は、口頭で行っていた情報共有を改善するためにLINE WORKSを導入。リアルタイムかつ正確な情報共有を実現しました。またヤマト運輸と連携したLINE WORKSのアプリ「宅急便を送る」も活用。荷物の発送手続きや経費精算の面倒な手間が軽減され、発送者および経理部門の負担が劇的に少なくなりました。 本事例のポイント -同時に複数人と連絡がとれるため、緊急時の応援要請が迅速に -記入漏れの発生しがちな備品の発注依頼はテンプレート機能を使って確認作業がゼロに -ヤマト運輸と連携したLINE WORKSのアプリ「宅急便を送る」を活用し、発送手続きや経費精算に係る手間を大幅に削減 御社の事業内容をご紹介ください。 金丸さん: 当社は、福岡市にて「訪問看護ステーションユーフィット 福岡」、太宰府市では機能訓練特化型デイサービス「ユーフィット太宰府」と「訪問看護ステーションユーフィット」と3箇所の施設を運営しています。デイサービス「ユーフィット太宰府」では、「介護施設からの卒業」を目指し、日常生活動作の訓練やトレーニングジム並みの充実したパワーマシンを活用した体力作りプログラムなどを提供しています。また両訪問看護ステーションについても、「訪問看護からの卒業」を目標としつつ、「住み慣れた自宅で療養生活を送りたい」というご利用者さまの思いに応えるため、24時間365日、訪問看護ケアサービスを提供中です。 LINE WORKSを導入する以前はどのような課題に直面されていましたか。 金丸さん: 「アナログな情報伝達手段」および「コミュニケーションツールの乱立」が以前の課題でした。例えば全社に通達をする場合も、当社代表からの口頭による伝言が現場の従業員に下りてくるような体制でした。しかし全従業員へ通知されるまでに時間がかかるほか、全員に周知できているのか管理職側として判断が付かない状態でした。 加えて、伝達事項は申し送りノートで共有したり、事業所間の各種書類のやり取りは社用車で運んで手渡しで行うケースもあるなど、情報伝達手段が非常にアナログな状況でした。また、取引先が使用しているコミュニケーションツールに合わせて都度個別に導入していたため、ツールが乱立し使い分けにも大変苦慮していました。 課題解決策として、LINE WORKSを選んだ理由は何でしょうか。 金丸さん: ビジネスチャットのなかにはメールアドレスを登録しないと利用できないケースがありますが、当社の場合、全従業員がメールアドレスを持っているわけではありません。その点、LINE WORKSであれば各アカウントの登録にメールアドレスは不要ですし、個人のスマホでも利用できます。加えて、外部サービスとの連携が可能な点もポイントでした。 LINE WORKSの活用方法および導入効果を教えてください。 【グループ】事故渋滞時などの緊急における応援要請が関係者全員に即座にできる 【掲示板】発注書のテンプレートを活用し、発注業務の効率化を実現 金丸さん: 管理者としてはLINE WORKSの各種機能を理解するのに多少時間はかかりましたが、展開自体はスムーズでした。疑問点は概ね「LINE WORKSコミュニティ」を見て解決できています。主に使用している機能はグループトークと掲示板、ヤマト運輸と連携したアプリ「宅急便を送る」です。グループトークは管理者や経営陣、職種ごとのグループのほか、社外の方も参加するプロジェクト単位のグループを作成し、リアルタイムなコミュニケーションを実現しています。 訪問看護師は車で移動しますが、事故渋滞に巻き込まれたり次の訪問先へ遅延しそうな際には、グループトークで代わりの看護師を募ることがあります。LINE WORKS導入前は、事故遅延が発生した場合、連絡を受けた管理者1人が対応を迫られていましたが、LINE WORKSを導入した現在は、グループ上で関係者全員に代わりの看護師を募ったり、対応できる看護師が「私、行けます」と連絡を入れてくれたりと、複数人での調整がスピーディになりました。 また掲示板には、各種お知らせや必読の業務連絡、社内提出書類のフォーマットなどを掲載しています。特に活用しているのが掲示板のテンプレート機能を使った「発注書のテンプレート」です。具体的には、名刺や封筒などの発注書のテンプレートを作成することで、各拠点の従業員は必要事項を入力するだけで本社の発注担当者に発注依頼が通知される仕組みです。 かつては、納期期限や発注数など必要項目が抜けた状態で依頼もあり、その都度、再確認に手間と時間がかかっていましたが、テンプレートの活用によりフォーマット化されたため、差し戻しなどがなくなりました。 ヤマト運輸とLINE WORKSが連携したアプリ「宅急便を送る」の利用に至った経緯と使ってみた感想をお聞かせください。 金丸さん: 当社は特定の宅配業者とは契約しておらず、荷物の大きさや重量に応じて、その都度、業者を選んで発送しています。また、荷物を送る従業員自身がすべて準備から手続きまでを対応しています。ただ、このオペレーションでは手間と時間がかかります。例えば、特定の宅配業者に決めていない都合上、伝票が常に手元にあるとは限りません。予備の伝票は、一度本社に印字を依頼する必要があり、ストックするにしても今度は伝票の管理をしなければなりません。また、コンビニや営業所などへ持ち込んで発送するときは、その場で伝票を手書きしなければならないほか、手続きをする従業員は送料を立て替えるため、あとで経費精算をする手間がかかります。すると、経理の仕事も当然増えるわけです。 このようなさまざまな課題を抱えていた頃、ヤマト運輸とLINE WORKSが連携したアプリ「宅急便を送る」の提供が開始されたということを知り「これは便利そうだ」と思い、利用を開始しました。 LINE WORKSから発行した「発送用二次元バーコード」をコンビニの専用端末にかざせば、発送手続きを済ませることができますし、一度発送した住所は保存されるため、2回目以降の発送手続きが楽になります。さらに送料もLINE WORKSの利用料と合算して請求がくるため、発送準備の手間、発送依頼時の窓口での手間、経費精算の手間など、あらゆる手間が削減されました。 「宅急便を送る」の利用イメージ そのほか、利用されている機能はありますか。 金丸さん: アンケートやカレンダー、ビデオ通話も使用しています。 アンケートは主にスケジュール調整に利用しており、例えば外部事業者さんとの打ち合わせ日時の調整にも活用しています。アンケートを使うことで、スケジュール調整はかなりスムーズになりました。 またカレンダーは、例えば採用担当者へ面接日のリマインドをするために利用し、ビデオ通話については、他の事業所にいるスタッフとの手軽なコミュニケーションに利用しています。 さらに、バックオフィスと管理者スタッフ間でグループフォルダを共有し、提出書類は期日までに格納するという運用にしたことで、バックオフィス業務もかなり効率化しました。 改めて、LINE WORKSを導入して良かったと感じる点を教えてください。 金丸さん: 人づてに伝え合っていた業務連絡を、一律かつ確実に全員へ届けられるようになった点です。これまで当社は、人づてに情報を伝達し合うこともあり、誰にどこまで情報が届いているか不透明な部分がありました。気の利く従業員が申し送りノートに手書きで情報共有していたのですが、ご想像の通り、それはとても大変な作業です。その点、LINE WORKSのグループトークや掲示板などの活用により、発信者が伝えたい言葉のままで迅速な情報共有ができるようになりました。 今後、LINE WORKSをさらにどのように活用していきたいですか。 金丸さん: 現状では、従業員からの発信は質問への回答程度に留まっていますが、今後はアイデアや意見が行き交う場にしていきたいと考えています。事業拡大も見据え、掲示板でのヒヤリハットの共有や、事業所独自の施策の共有など活発に活用していきたいですね。 【お話を伺った方】 -
グッドタイムリビング株式会社
関東圏と関西圏に有料老人ホームとシニア向けマンションを運営する大和証券グループのグッドタイムリビング株式会社は、24時間体制でご入居者のケアを行うスタッフ間の申し送りや業務連絡を効率化するためにLINE WORKSを導入。口頭や紙ベースで行われていた伝達がデジタルに置き換わり、重要な情報がスピーディかつ確実に担当者間で共有されるようになりました。介護スタッフや看護師など多職種間での情報連携も進み、働きやすく業務生産性の高い職場環境を実現しています。 本事例のポイント -メモや口頭での連絡をトークに置き換え情報を迅速・確実に伝達 -入居者ごとのノートを作成して個別の対応マニュアルなどを共有 -職種の枠を超えた情報連携が促進され提供するサービスの質が向上 -AIサーモカメラとの連携で入居者の離設を防止する仕組みを構築 御社の事業内容をご紹介ください。 柳下さん : 当社は、関東(東京、神奈川、埼玉、千葉)と関西(京都、大阪、兵庫)に全29拠点の有料老人ホーム「グッドタイム リビング」と、関東(東京、神奈川、千葉)に全3拠点のシニア向けマンション「プラテシア」を運営しています。有料老人ホームでは、介護スタッフや看護師、サービススタッフ、清掃や洗濯業務を担当する生活支援スタッフなどが密に連携しながらご入居者の暮らしをきめ細かにケアしています。介護記録システムや居室見守りシステム、スタッフどうしが作業や移動をしながら意思疎通するためのインカムなど、各職種が間接業務を省力化しつつサービスの質を向上させるためのITツールも積極的に活用しています。 LINE WORKS導入前はどのような課題がありましたか。 柳下さん : 現場業務に携わるスタッフの大半が、会社のPCやメールアドレスを持っていません。そのためご入居者に関する情報の共有や、早番・遅番・夜勤間の申し送りなどが文書や口頭で行われており、より迅速・確実な業務連絡ができる環境を構築することが以前からの課題となっていました。 星野さん : 現場は24時間365日稼働しています。ご入居者の入居・退去や入退院、新型コロナウイルスの濃厚接触者発生など、全体に素早く周知すべきことはたくさんあるのですが、3交替制で勤務するスタッフに情報を一斉発信する手立てがないのは非常に不便でした。 田中さん : 現場スタッフが業務中に装着しているインカムは込み入った会話をするには適さず、記録も残りません。重要な伝達事項は手書きのノートで共有されていたためスピーディに伝わらず、確認のためにノートのある場所まで都度行かなければならないのも業務効率の妨げとなっていました。 筒井さん : ご入居者の外出やご家族などとの面会予定はすべてのセクションの担当者が把握しておく必要がありますが、その情報を共有する手段も紙のカレンダーで、迅速・確実な情報共有ができないのが悩みの種でした。 木村さん : ケアマネジャーは介護スタッフと密接に連絡を取り合って情報を共有しなければなりません。しかしお互いにさまざまな業務に追われる中で、対話する時間をとるのは難しく、手軽にコミュニケーションを図れる手段があればと思っていました。 塚本さん : 看護部門では、ホームドクターが処方した軟膏を所定の時間に所定の部位に塗布してもらうためにご入居者ごとの軟膏の一覧表を作成して印刷し、介護スタッフに渡していました。しかしその方法では、新しい処方が出たときにその情報を伝えるのにタイムラグが発生してしまいます。また、一覧表を作成・出力する手間もかかるので、この業務を何らかの方法で効率化したいと考えていました。 柳下さん : 会社からの通達・通知はグループウェアで社員に発信していますが、PCをほとんど利用しない現場スタッフは情報を受け取ることができません。各セクションのPCを有する一部のスタッフが紙出力して事務所などに掲示していましたが、その作業は煩雑なうえに情報の周知が徹底されないので、そうした状況も改善する必要がありました。現場には、スタッフが介護記録システムに入力した内容を手元で確認できるようにするため、各自1台携行できる共用のiPadとiPhoneを配備していたので、それらを活用した新たなコミュニケーションツール導入を検討するようになりました。 課題解決の手段としてLINE WORKSを選んだ理由と、導入準備から運用開始までの経緯をお聞かせください。 柳下さん : PC、スマホ、タブレットなど会社から貸与しているあらゆるデバイスで活用でき、スマホの小さな画面でも見やすいこと、そして何より多くのスタッフがプライベートで使い慣れているLINEに操作感が近く、抵抗感を抱かずに受け入れてもらえそうなツールとしてLINE WORKSに注目しました。これらの条件をすべて満たすものはほかになかったので導入を決めました。運用コストが比較的手頃なのも選定理由の1つとなりました。 当社が運営する全施設への導入を前提に、まずは東京都のグッドタイム リビング 町田中町など3施設で利用を開始。運用に際してはセキュリティを担保するため会社が貸与したPC、スマホ、タブレットでのみの利用とし、外部のLINE WORKSやLINEなどとつながれる外部トーク連携機能の使用は制限しました。それ以外は特に制限を設けず、社内での自由な活用を促進しています。 先行導入した施設の中では、グッドタイム リビング 町田中町が特に活用法を積極的に試行錯誤しながら、多くの業務を効率化させています。私もグループのメンバーとなって利用状況をつぶさに把握するようにしており、その後、段階的に他の施設に導入を広げる過程で、町田中町の事例をモデルケースとして共有してもらうようにしています。 LINE WORKSによってスタッフ間のコミュニケーションはどう変化しましたか。 【グループ】伝達手段が文書・口頭からトークに移行し業務情報を確実に周知 【ノート】入居者ごとの情報や業務マニュアルを共有 星野さん : グッドタイム リビング 町田中町全体や各セクション、また各セクションの管理者だけといった、多くのグループトークルームがつくられて活発なコミュニケーションが図られるようになりました。紙やメモ、口頭で行われていた伝達がトークに置き換わり、各スタッフがそれぞれの現場で業務をしながらリアルタイムで情報を共有できるようになったことが大きな変化です。 ジェネラルマネージャーとしては、介護記録システムに記録されたご入居者に関する膨大な情報の中から、特に留意してほしい事項が記載された画面のスクリーンショットをLINE WORKSのグループや個々の担当者に発信し、詳しい内容を介護記録システムで閲覧してもらうことを促しています。 田中さん : -
高島市民病院
救急車で搬送される急患に対応する滋賀県の高島市民病院は、LINE WORKSと連携した救急情報連携システムを導入。患者の容体に関する事前情報を確実に受け取り、救急対応にあたる院内の職員に迅速に周知することを可能にしている。救急隊が患者を搬送中に入力した情報が、LINE WORKSのBotによって病院の救急対応チームのグループトークに瞬時に共有される環境を構築。口頭での説明が難しい患者の容体も文章と画像で共有できるようになり、救急対応の質を大きく高めています。 本事例のポイント -電話では聞き取りにくかった救急隊の伝達する患者の容体を正確に把握 -一人ひとり電話で行っていた院内伝達を救急対応チーム全体にタイムリーに一斉共有 -容体の事前情報を入手することで万全な受け入れ準備が可能に 高島市民病院の概要をご紹介ください。 武田病院長: 琵琶湖西岸の高島市にある当院は210床を有する湖西医療圏唯一の総合病院で、滋賀県災害拠点病院や地域がん診療病院、初期緊急被ばく医療機関にも指定されています。周産期医療、予防医療、へき地医療、新型コロナウイルス感染症などにも対応するほか、内科系・外科系の救急医療に365日24時間体制で応じ、高島市で発生する救急搬送の8割以上を受け入れています。隣の大津市からの受け入れ要請に応えることもあり、広大な湖西地方全域の救急医療を担うのも当院の重要な使命です。 これまでどのような課題を抱えていましたか。 武田病院長: 救急搬送の受け入れに際しては、救急隊から患者さんの容体などに関する情報を事前に提供してもらうのですが、搬送中の救急車からの電話の音声は不明瞭になりがちで、電話を受けた救急外来の受付担当者が正確に聞き取ることが難しいといった状況でした。担当者が患者の容体などの情報を医師や看護師で構成される院内の救急対応チームに伝えるのも電話なので、全員に伝達するまでに時間がかります。救急隊からの搬送前情報を迅速かつ正確に入手し、それを院内で速やかに共有する仕組みを整えることが、救急医療を受け入れる病院として大きな課題となっていました。 八田事務員: 119番通報で救急車が出動すると市の消防本部から受け入れを打診され、承諾すると救急隊からの電話で患者さんに関する情報が伝えられます。その内容は直ちに救急対応チームに伝達しなければならないのですが、担当の医師や看護師がすぐに電話に応答できない状況がよくありました。 また、私のような救急隊と救急対応チームの間に入って情報の橋渡しをする救急外来の事務担当者には、医療に関する専門知識がありません。救急隊に伝えられた聞き慣れない専門用語をそのまま伝達するとき、「この言葉で本当に合っているのだろうか?」という不安が常につきまといました。 搬送された患者さんに医療を施すには、その患者さんのカルテが用意されていなければなりません。既存の電子カルテを検索するにも新規のカルテを作成するにも、患者さんの氏名や生年月日などの情報が必要ですが、救急隊からの電話ではよく聞き取れないことが多く、氏名の漢字を確かめたりすることも煩雑でした。 薬師川看護師: 搬送されてくる患者さんの容体を事前に知ることは救急医療において極めて重要ですが、救急外来から電話で聞いた内容をメモして、短時間でチーム全体に周知させるのは困難です。複数の急患受け入れ要請が重なると現場は混乱しがちで、そのメモがどの患者さんのものか判別するのに時間がかかることもありました。 谷口医師: 社会全体でDXの重要性が叫ばれる中、医療現場におけるこうした困りごともデジタルツールをうまく活用することで解決できないだろうかと以前から思っていました。 病院との情報連携に関して救急隊ではどのような課題を感じておられましたか。 高島市消防本部 警防課 梅村参事: 皆さんが指摘されるように、救急車はサイレンを鳴らしながら走行するので、電話はお互いの声が聞き取りづらく、電波もよく途切れます。そもそも複雑な状況を言葉だけで伝えようとすることに無理があり、例えば交通事故で怪我をした患者さんの状態や事故の状況を口頭で説明するといったことに限界を感じていました。 課題解決に向けて導入した、救急情報連携システムとLINE WORKSの活用についてお聞かせください。 武田病院長: 当院は総務省が2020年度に実施した「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に参加し、院内外でのリアルタイムな高精細画像情報の共有による遠隔診療や遠隔技術指導等を実証する取り組みを行いました。その中でTXP Medical社が開発した救急外来情報管理システムNEXT Stage ERを使ったところ、救急対応の業務効率が向上したことから、実証事業の終了後も継続利用しました。しかし、前述した救急隊とのコミュニケーションや、搬送される患者さんの事前情報を院内で共有するうえでの課題は依然として残ったままでした。 そこで注目したのが、TXP Medical社がリリースした救急情報連携システムのNSER mobile*です。これは救急隊が従来の電話に替わって患者情報をアプリに入力し、そのデータを病院に送信し情報連携します。(音声認識やカメラで撮影した画像解析といったデータ入力を補助する機能を有し、簡便な入力が可能)入力された患者情報は、院内にある専用パソコンに即時に共有されるとともに、自動で個人情報を加工したテキストデータがAPI連携したLINE WORKSのBotから救急外来の事務担当者、医師、看護師などの所有するスマホに同時に送信されます。折しもコロナ禍で救急隊と病院との情報連携を強化する必要も増していたことから、高島市消防本部と協力し、この仕組みを活用することを決めました。 具体的な利用方法とその効果について教えてください。 ・患者の容体に関する情報が院内関係者に一斉に届く送信 ・院内での口頭による情報伝達が不要に 高島市消防本部 警防課 梅村参事: 消防本部からの要請から受け入れ可能な病院が決まると、患者情報を搬送先の病院に共有します。以前ではそのやり取りは電話でしたが、患者さんの情報をデータにして共有するようになってからは、電話で発生しがちだった、言い間違いや聞き間違いが一切なくなりました。データは音声だけではなく画像のOCRによっても入力でき、救急車内のモニターに表示されるバイタルデータや、患者さんの免許証や保険証、お薬手帳などに記載された内容も端末のカメラで撮影するだけでテキストデータにして、病院の専用パソコンに送信できます。 救急隊が所持している端末にインストールされているNSER mobileアプリに、 音声や画像OCRでテキストに変換された患者データが入力される 八田事務員: 消防本部からの要請による急患の受け入れが決まると、事務担当から救急対応チームのリーダーにほどなく患者さんが到着することを伝えます。以前は、搬送中の救急隊から患者さんに関する情報が救急外来に電話で伝えられ、事務担当からその内容を救急対応チームに電話で伝達していました。救急隊からは追加情報を伝える電話が2~3回あるのが常で、その都度救急対応チームに伝達しなければなりませんでしたが、NSER mobileを運用するようになってからは、救急隊からの情報がテキストや画像で「外科系」と「内科系」それぞれ必要な関係スタッフが入っているLINE WORKSのグループに瞬時に送信されるので、救急外来がわざわざ伝達する必要がなくなりました。 高島市消防本部 警防課 梅村参事: 以前は「心室性期外収縮が1分に5回の割合で出ています」などと口頭で行っていた説明も、今は救急車内のモニターに表示される心電図データの写真を撮ってもらえば確実に伝わります。同様に患者さんの怪我の様子なども写真で把握できるようになりました。 NSER mobile から送信した画像をLINE WORKSに共有できるようになったことで、 情報の伝達効率が飛躍的に高まった 高島市消防本部 警防課 梅村参事: 情報入力に手間取る場合もありますが、口頭での説明が短縮されたり、不要になった伝達項目も多いので、病院への到着が遅くなるといった影響はまったく出ていません。大半の搬送にNSER mobileを使っていますが、患者さんの容体が重篤で情報を入力する余裕がないときは、病院との合意のもとで従来どおり電話でやり取りするというように、状況に応じて臨機応変に運用しています。 谷口医師: -
北見赤十字病院
北海道東部・北見市にある北見赤十字病院は、少子高齢化や医師不足を背景に、今後ますます求められる医師の働き方改革や地域医療・介護・福祉との連携強化を図るツールとしてLINE WORKSを導入。電話連絡をトークに置き替え、現場のコミュニケーションが効率化されました。さらにカレンダーの活用により医師の予定が見える化されたことで、業務時間の短縮にもつながり、業務負荷の低減のみならず、迅速な医療提供体制の構築を実現しています。 本事例のポイント -カレンダーで予定を管理し、手の空いている医師へピンポイントでヘルプ要請が可能に -医師と連携室の連携が強化され、患者のスピーディな受け入れ体制を構築 -医師どうしや診療科を超えた情報共有にテンプレートを活用し、相談業務を効率化 -緊急性の高いレポートを担当医師が即時確認できる仕組みを整備 北見赤十字病院の概要をご紹介ください。 上林さん: 1935年に開設された当院は、北海道指定の地方センター病院、地域医療支援病院として3次救命救急センターを有し、網走市や紋別市などを含むオホーツク3次医療圏で中核的な役割を担っています。総職員数は北見市の人口の約1%にあたる1,192名、そのうち医師数は126名です。また近年の沿革としては、2005年1月に地域がん診療連携拠点病院指定を受け、2014年12月には新病院をオープンし、2018年4月、北海道の委託を受けて道立北見病院を指定管理し、二病院一体運営を開始しています。 2022年10月には院内体制を変更して新たに「患者支援センター」を開設するなど、地域に根ざして歩みを進めてきました。職員一同が、オホーツク医療圏の最後の砦として、地域医療・介護・福祉と連携しながら、医療を提供しています。 LINE WORKSを導入された経緯を教えてください。 上林さん: 当院のある北見市を含むオホーツク医療圏は超高齢社会が進んでいます。例えば、高齢化が最も進んでいる留辺蘂(るべしべ)自治区では、約2.2人に1人が高齢者です。現在進行形で医療・介護度の高い患者さんが増えている状況です。 もともと医師数は全国や北海道平均に比べて少ない地域でしたが、医師以外の職種も働き手が少なくなっていきます。こうした現状に対応するためには、「医師や他職種、地域医療・介護・福祉との連携強化と、医師のタスクシェア・タスクシフトをすすめ、効率的で適切な医療を提供できる体制を整えること」がポイントで、そういった体制の実現のために重要なのが「情報共有」になります。 当院は、北海道大学大学院医学研究院消化器内科学教室の関連病院です。大学院で「肝臓」、「内視鏡」、「化学療法」、「胆膵」、「炎症性腸疾患」の専門分野を修めた医師が分野別に指導医師として派遣され、若手医師とともに現在は計10名で診療に携わっています。 当科の役割を24時間365日、絶え間なく果たすためには、指導医師と若手医師の協働は当然として、指導医師間でも各々の専門分野を互いに指導しあって、全員が「総合消化器内科」医師としてタスクシェアする必要があります。そのためには「情報共有」が何より大切です。 例えば緊急時にどこで誰が困っているのか、誰の助けが必要なのか、誰が手助けできるのか、最も皆で助け合わなければならない時に、そもそも緊急事態になっていること自体の「情報共有」が難しい、という課題がありました。また、各指導医師との相談業務が時間外となりがちなことも課題でした。 現場の情報共有の促進と、医師のスケジュール管理の徹底と業務環境の改善を図るため、LINE WORKSの導入を進めたのです。 院内でのLINE WORKS展開までの流れを教えてください。 上林さん: 幹部クラスのスタッフにスマホが支給されたタイミングでLINE WORKSを試験的に使い始めました。主に新型コロナ感染症関連の業務連絡で使用してみたところ、徐々に私を含め多くのスタッフがその使いやすさと活用の幅に魅力を感じ、私が所属する消化器内科・腫瘍内科の医師10名でも運用を開始しました。 その後、当科で一定の効果が出たこともあり、外科や麻酔科などほかの診療科にも運用範囲が広がっていきました。 LINE WORKSは医師の働き方改革にどう活用されていますか? 【カレンダー】医師の予定が見える化され、効率的なヘルプ要請を実現 【グループ】電話からグループに置きかえ、患者受け入れ連絡をスムーズに 【テンプレート】事前に共有事項が整理され、効率的な「報・連・相」を実現 上林さん: 消化器内科・腫瘍内科の医師はLINE WORKSのカレンダーに予定を登録して、「予定の見える化」を進めています。この予定の見える化により、電話効率の向上ひいては業務時間の短縮に寄与しました。 若手医師が指導医師にヘルプを呼ぶ場合、以前は誰の手が空いているか分からず、何となく手が空いていそうな先生に電話をかけていました。ただそれでは、何人にも電話をかけなければならず、無駄な業務が発生していました。 現在は、若手医師が指導医師の予定をカレンダーで確認してから、ピンポイントでヘルプの電話をかけられます。多忙な指導医師へ架電をするという「電話のかけづらさ」もなくなり、心理的なストレスも減ったように思います。 また、電話を受ける側の指導医師にとっても、医療行為中やインフォームドコンセント(IC)の時など、緊急の呼び出し以外の電話が受けにくい状況下での着信の数が軽減しました。 情報の共有スピード向上という観点では、一斉送信ができるグループトークも役に立っています。例えば、緊急で患者さんを受け入れる場合、以前は救急担当医師が関係者一人ひとりに電話をかけて、受け入れ患者さんの詳細を伝えていました。現在は、医師を含め関係者が所属するグループに患者さんのIDと受け入れ病棟の情報を一斉送信すれば、即座に情報共有が完了します。複数の関係者に情報が伝達されるので、「いま手伝えるよ」「すみません、その時間は対応できません」といったやり取りも生まれ、タスクシェアも進みました。 さらに、以前は困難だった診療科をまたいだカンファレンスの開始時間の調整もスムーズに行うことができています。 グループトークを用いてスピーディな情報共有とタスクシェアを実現。診療科をまたいだ調整業務もスムーズに 松田さん: テンプレートを活用することにより、医師どうしの相談に係る業務も改善されました。若手医師が専門分野の指導医師に相談したい際に、指導医師に事前に共有するべき項目をまとめたテンプレートもつくりました。 相談を受ける指導医師は、テンプレートで事前に把握した相談内容をもとに対応できるので、相談も短時間で済むようになりました。「いまちょっと良いですか?」とその場で情報を拾い合いながら対応するのとでは、相談を受ける側の負担がまったく異なります。さらに、テンプレートには回答期限も記載するようにしているので、急がずカルテ記載で回答できる場合、相談を受ける医師は自分の都合の良い時間で対応が可能となっています。 内視鏡分野の指導医師へ、「早期がんを疑う病変に対して、追加検査の必要性の判断や、専門的検査のスケジュール調整」などの相談について、指導医師が事前に欲しい情報をテンプレートにしています。 このように相談相手から事前に欲しい情報をまとめたテンプレートを活用することで、相談に係る業務時間の短縮と負担軽減になり、またタスクシェアや医師としてのナレッジ共有の効率化なども実現しています。 テンプレートを活用し、医師どうしのコミュニケーションが効率化 (左図)若手医師から内視鏡分野の指導医師への相談(右図)外科医師からの腫瘍内科医師への症例相談 そのほか、カンファレンス資料や着任時のマニュアルなど各種資料をフォルダに格納して、情報の集約およびペーパレス化をすすめています。さらに、会議日程や若手医師の曜日担当の変更などに関する調整や医師の意見収集にアンケート機能を活用しています。 医師への業務改善に関する調査をアンケートで実施 地域連携課と医師とのコミュニケーションはどのように変化しましたか? 西岡さん: 地域連携課では、1日に60件程度、外部医療機関からの紹介受診を対応しております。以前は紹介があった際、対応を急ぐか判断に迷う場合は、外来病棟で忙しく働く看護師に電話をして、さらにその看護師が医師と相談した上で、受診日や入院日の対応を決めていました。そのため、すぐ近くのクリニックで待っている患者さんに、一度帰宅していただくこともあるなど、受け入れ判断までに時間を要していました。
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