FAX削減・ペーパーレス
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岡山県 新型コロナウイルス感染症対策室
岡山県の新型コロナウイルス感染症対策室(以下、県本部)は、各保健所の利用要請に応じて、患者を自宅から療養施設に移送する専用車両を確保する手配業務を省力化するためLINE WORKSを導入。カレンダーに「共用設備」として車両を登録することで、保健所の職員が県本部の職員に空き状況を電話で確認することなく、LINE WORKS上で利用したい日時を予約できるようにしました。時間を問わず迅速に手配できるようになったことで、保健所と県本部双方の職員の業務負担が大きく軽減しています。 *本事例はLINE WORKSのカレンダー機能にある「共有設備」を主に活用しています。共有設備についてはこちらを参考ください。 本事例のポイント 車両と看護師を「共用設備」としてカレンダーに登録して運用を管理 空き状況を電話で確認する必要がなくなり予約業務がスピードアップ 属人的な管理によるダブルブッキングを防止 職員の勤務時間外でも24時間いつでも予約を入れることが可能に 岡山県では、新型コロナウイルス感染症に感染した患者さんをどのような手段で療養施設へ移送していますか。 和田さん : 岡山県は感染者を自宅から療養施設に移送するため、民間企業に委託して運転席と後部客席をパーティションで仕切った専用車両7台を手配しています。車両の運用を管理する県本部の職員は、県内11の保健所から新規陽性者の発生に伴う移送要請の電話を受けると、県本部のホワイトボードに記載された車両予約表と照らしながら利用日時を調整します。 車両の仮予約後、調整した日時で問題ないか保健所に確認をとり、確定となったら移送先等の情報が記載された「移送依頼書」を保健所からFAXで受信し、県本部から委託会社にFAXで転送することで予約手配が完了するという流れになっていました。 しかし、このフローは、県本部職員への負荷が大きく、新規感染者が多数発生した2021年の第5波に際しては、保健所からの予約電話が相次ぎ対応に苦慮しました。車両の予約状況をホワイトボードで管理していたため、見間違いや書き間違いなどによるダブルブッキングも起こりがちでした。車両は岡山市を基地としており、岡山市から遠い地域の患者さんを移送した車両が戻る途中で、次の移送対応が可能か予測しなければならないのも煩雑な状況でした。 また、患者さんの容体急変などに対応するため、移送には保健所の職員が同行することになっています。しかし第5波の感染拡大時にはその人員を割くことが困難となり、保健所職員に代わって同行する看護師3名を県が手配。その看護師の運用もホワイトボードで管理していたため、車両と同様にダブルブッキングをするおそれがありました。 こうした煩雑な状況を改善するために、属人化した業務の仕組みを根本的に見直し、電話とホワイトボードに替わって予約作業を合理化するツールの導入を検討するようになりました。 課題解決の手段としてLINE WORKSを選ばれたのはなぜですか。 和田さん : 保健所は基本的に都道府県が設置するものですが、政令指定都市の岡山市と、人口40万超の中核市である倉敷市は、県ではなく市が保健所を設置しています。そのため、県が使っているグループウェア上でネット予約できるシステムを構築したとしても、岡山市と倉敷市の保健所はそれを利用することができません。 そうした状況の中で、インターネット上で使えるツールとしてLINE WORKSを利用することを思いつきました。私が2021年度まで所属していた防災関連部門では、非常時にLINE WORKSのアンケート機能で職員の安否確認を行うトライアルをしたことがあります。LINE WORKSのカレンダーにある設備予約機能を活用すれば車両の予約管理もスムーズにできると考え、導入を提案。11の保健所に1アカウントずつ、県本部に3アカウントを発行して運用することになりました。 運用に先立って準備されたことはありますか。 和田さん : 第5波が落ち着いた2021年11月に保健所職員が県の会議に参集した際、公用のスマホやタブレット端末を持参してもらい、LINE WORKSの操作法をレクチャーする30分の研修を実施しました。予約業務に携わる他の保健所職員も閲覧できるよう、操作マニュアルも配付して運用をスタートさせました。それ以降は、県本部に予約の電話がかかってきてもLINE WORKSで手配するよう促し、新しい予約の仕組みに慣れてもらうようにしました。その甲斐あって、2022年1月に感染の第6波が到来したときには、関係者全員が問題なく活用できるようになっていました。 カレンダーの設備予約機能を使った予約の具体的な手順と、その効果を教えてください。 和田さん : まず、予め7台の車両と3名の看護師を管理画面から「共有設備」として登録しました。患者さんを移送したい各保健所の職員は空き状況を保健所のタブレットやPCからLINE WORKSのカレンダーで確認し、職員自身で予定を作成して利用時間や使用車両、看護師を登録し「移送依頼書」を県本部にFAXで送信します。その「移送依頼書」と予定が合っているか確認し、委託会社に転送します。委託会社までLINE WORKSで情報を共有することを考えていましたが、委託会社から紙で出力してほしいという要望があったため、FAXで送るフローを残しています。県本部から委託会社にFAX転送することで手配が完了するという流れは従来と同じですが、保健所と県本部の職員が電話でやり取りする必要は一切なくなりました。 煩雑だった予約業務がスマホやタブレット端末上でスピーディにできるようになったのはもちろん、予約管理がホワイトボードからカレンダーに移行して電子化され、ダブルブッキングを防げるようになったのも、LINE WORKSの大きな導入効果です。 予定は、全保健所と県の職員のアカウントが入っているグループカレンダーに登録してもっています。そうすることで、新規で予約が登録されたときや修正、キャンセルされる度にタイムリーにグループメンバーに通知が届き、さらにトークグループでその内容がぱっとわかるので、状況の把握がしやすくなりました。 保健所の職員の皆さんは、LINE WORKSをどう受け止めておられますか。 和田さん : 導入した当初は新しいICTツールに対して消極的な反応を示す保健所職員もいましたが、予約画面はシンプルで操作も簡単なことから、すぐに全員に定着しました。感染者が多数出ている時期に県本部の電話が通話中でつながらないといったこともなくなり、誰もが業務改善効果を実感しているはずです。 予約管理をしていたホワイトボードは県本部の職員しか目にすることができなかったため、希望日時の予約を取れなかった保健所が、「人口の多い保健所が優先的に車両を押さえているのではないか」と問い合わせを受けたこともありました。しかしLINE WORKSのカレンダーにはどこの保健所が使用するのか等、予約状況の全体が可視化されるので、誤解を抱かれることもなくなりました。 県本部の職員が電話で予約を受け付けていたときは勤務時間内にしか対応できませんでしたが、今は時間を問わずに予約状況の確認や仮予約ができます。そうした面でも便利になったことを、多くの保健所が感じていると思います。 LINE WORKSの活用を、今後どのように発展させたいとお考えですか。 和田さん : 前述のとおり「移送依頼書」は、現状では保健所や委託会社との間でFAXによるやり取りを残しています。何らかの方法でセキュリティ上の課題をクリアして、予約から手配完了までがLINE WORKS上で完結するようになれば、業務のさらなる効率化とスピードアップが実現すると思います。また、LINE WORKSにはさまざまな機能が備わっているので、今後はカレンダー以外の機能も活用して保健所とのスムーズな情報共有に役立てていきたいです。 【お話を伺った方】 和田 章さん 新型コロナウイルス感染症の患者さんを自宅から療養施設へ移送する車両をLINE WORKSで予約する仕組みを構築し、その運用管理に携わる。 ※掲載している内容、所属やお役職は取材を実施した2022年3月当時のものです。 -
社会福祉法人 信愛報恩会
在宅系でも施設系でも、職員どうしの情報連携がとにかく大切になる介護現場。やるべきことが増えるなか、円滑なコミュニケーションの重要性も高まっていきます。もっと密に、楽しく簡単に、正確に伝え合えるようにする工夫は、業務の負担を軽くして職場を明るくするだけでなく、高齢者と向き合う時間を長くすることにもつながります。 慣れ親しんだ電話、メール、FAXなどを主な伝達手段としている事業所は今なお多い一方で、時代が変化する中で介護業界も旧来のやり方を変えていく転換期を迎えた、という認識は以前よりだいぶ広がっています。 スマートフォンやセンサーの活用、記録の電子化など、その先進的な取り組みで自治体からも高い評価を受けている東京の有力法人といわれている特養やデイ、訪問、居宅、グルホ、看多機、包括などを幅広く運営している社会福祉法人 信愛報恩会も率先して従来の伝達手段を変えていくために、法人全体でLINE WORKSの導入を推進しています。 先頭に立ってICT化を進めている情報管理室の北川美歩室長、ヘルパーステーションでサービス提供責任者を担う関根さんにLINE WORKSの必要性や活用について話をうかがいました。 デジタル化が進む時代で慣れ親しんだ電話、メール、FAXに替わる伝達手段が必須 電話はサービス中にかかってくると応答できず、会話の記録が残らないため、「言った」「言わない」の応酬にもなりがち。一斉の情報共有にも不向きで、伝言ゲームになれば話に尾ひれが付くこともあります。 メールは作成に時間がかかり、頑張って送った文面を読んでくれたかどうかも分からず、「今メールを送ったので確認お願いします」という電話を事務所内で見ることも少なくありません。国をあげてデジタル化を進める時代となり、FAXは他の効率的なツールに代えることが求められています。 「今もまだ不完全だが、3年後もこのまま変わっていなければまずい、という思いを常に持って1つずつ進めてきました」と北川さんは語ります。 「慣れてる人が多く、すぐ浸透」 — LINE WORKSを導入することになった経緯を教えて下さい。 北川さん: 医療や介護はとにかく情報連携に労力とコストを使っていますよね。そのことが現場では十分に意識されていなかったので、改善の余地があると考えました。 業務の効率化と言うと、一般に見守りセンサーやロボット、報酬請求・記録ソフトなどをイメージする人も多いですが、コミュニケーションツールも非常に重要ではないでしょうか。電話やメール、FAXなどに多くの時間を割いている実態を踏まえ、我々は数年かけて職場で全職員にスマホを配ることに決めました。既に7割くらいまで達成しており、LINE WORKSの導入はスマホ配布と同時に進めてきました。 現場ではまだPHSなども活用していますが、電話には急に相手の時間を奪う側面があり、専門職も電話の多さに苦慮していました。トークであれば、個々の職員が自分のタイミングで読むことができます。いちいち相手の業務を中断させることがなくなり、問い合わせる方も気が楽になりました。文面の作成もメールより圧倒的に楽ですよね。 会話の履歴が記録として残ること、誰が読んでいないか既読の仕組みで分かることなども、とても喜ばれています。未読の際は電話などで直接確認することができ、仕事の正確さも向上しました。例えば訪問介護の管理者は、稀に発生する訪問忘れが更に減らせたと報告しています。また、写真、メモ、書類、URLなどの共有が簡単にできる点もやっぱり大きいようです。 — 電話など慣れている方法を変えていくのは大変でしたか? 北川さん: LINEに慣れている人が多いため、かなりスムーズにいきました。年齢を重ねていても、今はお孫さんとLINEしていたりしますので。スマホを使ったことがない職員へのスマホのレクチャーは必要でしたけどね。 人によってはパソコンやタブレットでも使っています。自然に、皆どんどん活用していく感じで浸透していきました。逆にデジタルに強い医師などにとっては、スマートウォッチで通知が受け取れる点なども非常に便利なようです。 「職種ごとのトークグループも有効」 — 運用のルールなどは設けていますか? 北川さん: 読めば必ず「既読」と付くので、相手が上司であっても場面に応じて”既読スルー”でOKとしました。プライベートのスマホへのインストールは、我々の法人ではNGとして運用しています。勤務時間外のやり取りは避けることが原則ですが、施設系、在宅系などサービスの特性に応じて判断しています。 — トークだとコミュニケーションが殺伐とするようなことはありませんか? 北川さん: むしろ加速しました。職員どうしのグループも自由に作れるようにしているので、自然と職種ごとのグループなども生まれ、情報共有の有意義さが増したと感じています。産休の職員なども連絡手段がある安心感を持てると思います。 あとはやはりスタンプでしょうか。ワンタップでリアクションでき、文章を考えなくても感情を伝えられる機能は便利ですよね。仕事中のシーンを想定したスタンプも多く、皆たくさん使っていますよ。 — トークのやりとり以外でもご活用されているそうですね。 北川さん: LINEにはない「掲示版」機能で、ヘルプデスクのような社内の問い合わせ対応を行なっています。また、現場や病棟ごとにあった紙の連絡ノートでのやりとりはLINE WORKSに置き換え、医師・職員間の情報共有を効率化しています。 「今は無くてはならないアプリ」 — ヘルパーステーションでの活用はいかがですか? 関根さん: コロナ禍になって一段と役に立ちました。直行直帰が増え、シフトなどの連絡はほとんどLINE WORKSで行っています。 また、トークの既読の仕組みで伝わったことが確実に分かるので安心です。以前は個別に電話をかけていましたが、一斉にメッセージを送れるようになってありがたいです。 介護保険証や負担割合証の写真、傷やかゆみの患部の写真なども訪問時に撮って送ってもらうこともあるので、保険証などの紛失リスクもゼロになりました。今はもう無くてはならないアプリになっていますね。 — 今後の活用について教えて下さい 北川さん: 今後は「アンケート機能」を使い、職員の意見を汲み取るツールとしても活かしたいですね。BCP(業務継続計画)の文脈の緊急連絡網としても使っていくでしょう。利用者さんが行方不明になった時などもうまく活用できないか、既に検討を始めているところです。 ※本記事は2021年11月22日にて公開された介護のニュースサイトJOINTの記事をリライト掲載したものです。
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