製造業DXとは|IT化との違い、進め方と課題、取り組み例を解説

製造業DXとは、データとデジタル技術を使い、製品やサービス、業務、組織のあり方まで変えて競争力を高める取り組みです。   IT化や電子化は出発点で、データを使った業務や事業の見直しまでつなげるのがDXです。

目次

    製造業DXとは|IT化・デジタル化との違い

    製造業DXは、設計から保全、販売までのデータを使い、工程の組み方や事業のあり方まで見直す取り組みです。ITツールを入れるIT化や紙の情報を電子化するデジタイゼーションは出発点で、データをもとに業務・組織・事業のやり方を変えるところまで進めた段階をDXと呼びます。

    経済産業省は「デジタルガバナンス・コード3.0」で、DXを次のように定義しています。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(出典: 経済産業省「デジタルガバナンス・コード」)。製造業では、設計・生産・保全・品質・調達の各工程で生まれるデータをつなぎ、工程の組み方や人の配置、製品の売り方まで変えていく取り組みを指します。

    IT化・デジタイゼーション・デジタライゼーションとの違い

    DXと混同されやすい言葉に、IT化、デジタイゼーション、デジタライゼーションがあります。製造業の例で並べると次のとおりです。

    言葉 意味 製造業での例
    IT化 ITツールや機器を業務に取り入れる タブレットや業務システムを現場に配る
    デジタイゼーション 紙やアナログの情報をデジタルデータにする 紙の日報や点検表を電子化する
    デジタライゼーション 個別の業務や工程をデジタルで効率化する 生産管理システムで工程の進み具合を自動で集計する
    デジタルトランスフォーメーション(DX) データをもとに業務・組織・事業のやり方を変える 設備の稼働データをもとに、生産計画の立て方や保守サービスの売り方を変える

    IPA(情報処理推進機構)の「DX白書2023」は、デジタイゼーションからDXまでの3つの段階に沿って、日米企業の成果を比べています。DXの取り組みで成果が出ていると答えた日本企業218社のうち、アナログデータのデジタル化と業務の効率化で成果が出ている企業は、それぞれ約80%でした。米国とほぼ同じ水準です。一方、新しい製品・サービスの創出やビジネスモデルの根本的な変革で成果が出ている企業は20%台で、米国の約70%を大きく下回っています(製造業を含む19業種の企業への調査。出典: IPA「DX白書2023 エグゼクティブサマリー」)。電子化と効率化から始めて、その先の事業の変革までつなげられるかどうかで、製造業DXの成果は変わります。

    製造業DXで目指すこと|QCDの向上と事業機会の拡大

    経済産業省 製造産業戦略企画室の資料「製造業のDXについて」は、製造業のDXで可能になることを、QCD(品質・コスト・納期)の向上と事業機会の拡大の2つに分けて示しています。

    QCDの向上は、設計・生産・保守をつなぐエンジニアリングチェーンや、調達・生産・販売をつなぐサプライチェーンをデジタルでつなぎ、全体の流れを良くする取り組みです。事業機会の拡大には、デジタル化した製造の技術を使って事業の規模を広げることや、製造の技術を標準化してサービスとして他社に提供することが含まれます。

    社内の効率化を守りのDX、新しい付加価値を生む取り組みを攻めのDXと呼んで分けることもあります。中小企業なら、ペーパーレス化や工程の見える化、現場の連絡手段の見直しといったQCD側の取り組みから始めると進めやすいでしょう。そこで生まれたデータと時間を、新しい事業の検討に回せます。

    製造業でDXが求められる背景

    背景には、働き手の減少と技能継承、古い基幹システム、関税や調達をめぐる外部環境の急な変化があります。2026年版ものづくり白書では製造業の就業者数が2025年に1,033万人まで減り、経済産業省の総括レポートでは調査に回答したユーザー企業の61%がレガシーシステムを持っていました。

    働き手の減少と技能継承

    2026年版ものづくり白書によると、製造業の就業者数は2002年の1,202万人から、2025年には1,033万人に減りました。中小企業の従業員数過不足DIは、「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いた値です。製造業は2025年にマイナス17.9で、感染症が広がる前の2019年に近い水準でした(出典: 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2026年版ものづくり白書 概要」)。

    人数の減少に加えて、技能の引き継ぎも課題です。同白書で紹介されたJILPT(労働政策研究・研修機構)の調査では、ものづくり企業4,262社に技能継承のために取り組んでいることをたずねています(複数回答)。最も多かったのは「再雇用や勤務延長などにより高年齢者従業員に継続して勤務してもらう」の54.8%です。次いで「継承すべき技能の見える化(テキスト化・マニュアル化・デジタル化)を図る」が31.2%でした。段取りや加工条件、設備ごとの癖といったベテランの知識を作業記録や映像、設備のデータとして残すことも、製造業DXの取り組みに含まれます。

    2025年の崖と古い基幹システム

    経済産業省は2018年9月のDXレポートで、複雑化・ブラックボックス化した既存システムの問題を指摘しました。この問題を解決できなければ、2025年以降に最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があるとして、これを2025年の崖と呼んでいます。

    経済産業省が2025年5月にまとめた「レガシーシステムモダン化委員会総括レポート」によると、調査に回答したユーザー企業の61%がレガシーシステムを持ち、大企業では74%でした。レガシーシステムは、技術の老朽化やシステムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化などによって、運用・保守や機能の改良が難しくなったシステムです。生産管理や購買、原価計算の基幹システムからデータを取り出しにくいままだと、工程や部門をまたいでデータをつなぐ取り組みも進めにくくなります。

    外部環境の急な変化

    2026年版ものづくり白書で紹介された調査で、影響の大きかった国際情勢の出来事として多く挙がったのは、米国の関税措置、米国による対中半導体規制の強化、中国によるレアアースの輸出制限でした。経済安全保障の取り組みを行っている製造事業者は約6割で、2024年度の約4割から増えました。

    部品がどこから届き、在庫がどこに滞っているかをすぐに把握できないと、調達先の切り替えや生産計画の見直しが遅れます。前述の経済産業省の資料「製造業のDXについて」によると、脱炭素や人権保護の実現には、企業の枠を越えたサプライチェーン全体での取り組みが必要です。あわせて、デジタル技術で事業者全体の取り組みを見える化し、連携させることの重要性も挙げています。

    製造業DXで得られる効果

    製造業DXの主な効果は、生産性の向上、品質の安定、技能の継承、判断の速さ、現場の働きやすさの5つです。最初に変化を確かめやすいのは売上や利益より現場の作業時間で、日報の記入や帳票の転記、連絡の往復にかかっていた時間が減ると、その分を加工や検査、改善活動に回せます。

    効果 具体的な変化
    生産性の向上 設備の停止や段取り替えの待ち時間がどこで起きているかが分かり、改善する工程を絞り込める
    品質の安定 検査データと工程データを照らし合わせ、不良が出やすい条件を見つけられる
    技能の継承 ベテランの作業を映像や加工データで残し、若手が見返せる形にできる
    判断の速さ 前日の生産実績を翌朝の会議で確認でき、部門をまたいで同じ数字をもとに話し合える
    働きやすさ 日報の記入や転記、人を探す移動や呼び出しが減り、加工や検査に使える時間が増える

    売上や利益の変化は、こうした改善を積み重ねた先で確かめることになるでしょう。

    製造業DXの主な領域と取り組み例

    製造業DXの取り組みは設計から現場の連絡まで幅広く、どの領域でもデータを集める、つなぐ、使うの順に進めます。生産・製造なら工程の進み具合や設備稼働の見える化、保全なら故障の予兆をとらえる予知保全、現場の連携ならライン間・拠点間の連絡が取り組み例です。

    領域 取り組み例 主な技術・ツール
    設計・開発 図面や部品表の一元管理、試作前のシミュレーション 3D CAD、PLM(製品のライフサイクル全体のデータを管理する仕組み)、デジタルツイン
    生産・製造 工程の進み具合や設備稼働の見える化、作業手順の電子化 IoTセンサー、MES(製造実行システム)、生産管理システム
    保全・設備 保全記録の電子化、故障の予兆をとらえる予知保全 振動・温度センサー、保全管理システム
    品質 外観検査の自動化、ロット単位のトレーサビリティ 画像検査AI、検査データの管理システム
    サプライチェーン 在庫と納期の見える化、受発注データの電子化 EDI(企業間の電子データ交換)、需要予測
    現場の連携 ライン間・拠点間の連絡、トラブル時の即時共有、指示の記録 ビジネスチャット、音声で連絡できるアプリ、タブレット

    IoTで設備のデータを集める

    多くの取り組みで最初に必要になるのが、IoT(機器をネットワークにつなぎ、データを集める仕組み)による設備データの収集です。稼働状況や振動、温度、電流を自動で記録すると、設備がいつ、どんな状態で動いていたかを後から確認できます。

    古い設備には通信機能がないことも多く、外付けのセンサーを取り付けたり、設備の信号を取り出したりする作業が必要です。全ラインを一度に対応させるより、停止や手待ちの多い工程から計測を始めると、投資の効果を確かめやすくなります。

    スマートファクトリーと予知保全

    スマートファクトリーは、集めたデータをシステムやAIで分析し、工場全体の生産を最適化・自動化していく考え方です。代表的な使い方が予知保全で、設備データから故障の予兆を見つけ、故障する前に部品交換や修理を行います。定期点検でまとめて部品を交換する方法や、故障してから直す方法と比べると、まだ使える部品の交換と突発的な停止の両方を減らせます。

    予知保全には、正常に動いているときのデータの蓄積が欠かせません。AIの導入を検討する前に、保全台帳や点検記録を電子化し、設備ごとの稼働データをためておくと、分析に使えるデータがそろいます。

    現場の連絡と情報共有

    人と人の連絡も、製造業DXの対象です。異常を画面で検知できても、現場の作業者が応援や指示をすぐに呼べなければ、対応は遅れます。広い工場やフロアをまたぐ現場では、呼びかけが届かない、伝言が途中で抜けるといったことも起きやすくなります。

    連絡手段の見直しは1つのラインや1つの工程から試しやすく、現場の人が変化を確かめやすい取り組みです。

    スマートフォンをトランシーバーのように使えるアプリには、LINE WORKSラジャーのようなサービスもあります。ボタンを押して話すと、インターネット回線を通じて、フロアや拠点をまたいで音声が届く仕組みです。届いた音声は履歴に残り、アドバンストプランでは発話を文字起こしして読み返せます。

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    製造業DXの進め方|6つのステップ

    進め方の基本は、現場の困りごとから対象を絞り、小さく試して効果を確かめてから広げることです。中小企業では、課題の把握から小さな試行までを1つの工程で回すところから始めると、投資額を抑えながら社内の理解を得やすくなります。

    ステップ やること ポイント
    1. 現状と課題の把握 工程・部門ごとに困っていることと、かかっている時間を書き出す 抽象的な目標より、具体的な困りごとから始める
    2. 目的と指標の設定 何をどれだけ改善するかを決め、経営層が方針として示す 稼働率・不良率・リードタイム・残業時間など、測れる指標にする
    3. 小さく試す 1ライン・1工程・1拠点に絞り、期間を決めて試す(PoC=本格導入前の小規模な検証) 効果の数字と、運用上の困りごとの両方を集める
    4. 現場を巻き込む体制づくり 工程リーダーや保全担当など、現場の中心になる人を推進メンバーに入れる 使う人の声を仕組みの設計に反映する
    5. データ基盤の整備と横展開 成果が出たやり方を似た工程・拠点へ広げ、ネットワークやセキュリティを整える 基幹システムの刷新はこの段階で検討する
    6. 効果測定と見直し 決めた指標を定期的に確認し、効果の出ない施策は止める 結果を社内で共有し、次のテーマ選びに生かす

    ステップ1の現状把握には、IPAが公開しているDX推進指標も使えます。経営者や事業部門、IT部門などの関係者が設問に答え、現在のレベルと3年後に目指すレベルを0〜5の6段階で評価する自己診断です。結果をIPAに提出すると、ほかの企業や業界と比べた自社の位置づけを示すベンチマークレポートを受け取れます。

    生産日報のペーパーレス化、設備稼働の簡易な計測、現場の連絡手段の見直しなどは、比較的小さな費用で始めやすいテーマです。どのテーマから始めるかは、工場で取り組める効率化の方法と改善のアイデアから自社の困りごとに近いものを探すと選びやすくなります。連絡手段から始める場合は、工場で使う無線機とアプリ型インカムの違いを確かめてから、試すラインを決めましょう。

    IoT化と同時にセキュリティ対策を計画する

    設備をネットワークにつなぐと、工場のシステムがインターネットや社内の情報システムと接続する機会が増えます。IPAは、スマート工場化を進めるときには、既存の工場設備も含めた工場システム全体のセキュリティ対策を検討する必要があるとしています。

    経済産業省は2022年11月に「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を公開しました。IPAは、先進的なスマート工場の事例をもとに対策を整理した報告書を公開しており、設計・開発、運転・運用、保守、廃棄の段階ごとに対策をまとめています(出典: IPA「スマート工場化でのシステムセキュリティ対策事例 調査報告書」)。ステップ5でネットワークを広げる前に、どの設備をどこにつなぎ、誰が管理するかを決めておくと、後からの手戻りを減らせます。

    製造業DXが進まない理由と対策

    製造業DXが進まない背景には、データを生かす仕組みと人材の不足、部門ごとの壁、現場の負担への懸念があります。2026年版ものづくり白書で紹介された調査(1,338事業者が回答)では、AI・デジタル技術を活用するうえでの課題として、「知識やノウハウの取得」が57.2%、「導入に必要な人材の確保」が47.9%で上位でした。

    2026年版ものづくり白書で紹介された製造事業者への調査(2,851事業者が回答)では、一連の製造プロセスのデータを何らかの目的で取得している事業者が66.0%でした。取得したデータを活用している事業者は51.4%、活用して効果が得られた事業者は43.9%です。サプライチェーン内の企業とデータ連携を実施している事業者は、2023年調査の19.8%に対して2025年調査では16.4%で、白書は2年前からほぼ変化がないとしています(出典: 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2026年版ものづくり白書 概要」)。

    つまずきやすい点と対策の方向性を、層ごとに整理すると次のとおりです。

    つまずく層 起きやすいこと 対策の方向性
    経営 DXを情報システム部門だけの仕事にしてしまう、短期の費用対効果だけで判断する 経営課題として位置づけ、中期計画に指標と投資枠を組み込む
    組織 部門ごとにコードや業務ルールが違い、データがつながらない 部門横断のチームをつくり、権限と評価の仕組みで支える
    現場 ツールが使いにくい、教育が足りない、負担が増える不安がある 現場の作業が軽くなるテーマから始め、使いやすさを優先して選ぶ
    技術・人材 古いシステムと連携できない、データを扱える人がいない 段階的にシステムを刷新し、外部の専門家と社内育成を組み合わせる

    現場の負担を先に軽くする

    現場がDXに慎重になる理由は、デジタルへの苦手意識だけとは限りません。入力の手間が増える、使い方を覚える時間がないといった負担への懸念も、自然な反応です。最初のテーマを現場の作業が軽くなる施策にすると、次の取り組みへの協力も得やすくなります。経営層と現場の間に立つ管理職が、現場の声を計画に反映できるかどうかも大切です。

    人材は外部の力と社内育成を組み合わせる

    白書の調査で課題の上位に挙がった知識・ノウハウと人材は、外部の力と社内の育成を組み合わせて補えます。データ分析やクラウド基盤の設計のような専門的な作業は、外部の専門家やパートナー企業の力を借りると進めやすくなります。自社の工程と製品を理解し、現場とデジタルの橋渡しをする人は、社内で育てるのが基本です。公的な支援機関や地域の商工団体の相談窓口を利用する方法もあります。

    製造業DXに使える補助金

    製造業DXの主な支援策は、デジタル化・AI導入補助金、中小企業省力化投資補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金です。既存の工程を自動化・省力化したい場合は中小企業省力化投資補助金、新製品の開発や新分野への進出を伴う場合は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が選択肢になります。

    制度名 支援の対象 製造業DXでの使いどころ
    デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) 業務のデジタル化などのための、AIを含むITツールの導入 販売管理・在庫管理システム、業務管理ソフト、業務自動化ツール
    中小企業省力化投資補助金 人手不足に悩む中小企業等の省力化投資 カタログに掲載された汎用製品の導入、現場に合わせた設備導入やシステム構築
    新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新製品・新サービスの開発、新市場・高付加価値事業への進出、輸出に向けた国内体制の強化 新製品の開発や新分野への進出に伴う設備やシステムの導入

    IT導入補助金は、令和8年度からデジタル化・AI導入補助金に名称が変わりました。補助の対象になるのは、IT導入支援事業者が登録したITツールだけです。ITツールの導入にこの補助金を使う場合は、申請枠と補助率、申請の流れを確かめてから、IT導入支援事業者に相談しましょう。

    中小企業省力化投資補助金には2つの類型があります。カタログに掲載された省力化効果のある汎用製品から選ぶカタログ注文型と、個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築を支援する一般型です。既存の工程を自動化・省力化したい場合は、この補助金が選択肢になります。

    新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、新製品・新サービスの開発や新市場への進出を支援する制度です。事務局は、「中小企業新事業進出補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金だと案内しています。革新的新製品・サービス枠では、既存の製品・サービスの生産プロセスを改善するだけの事業や、機械やシステムを導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わない事業は対象外です。工程の効率化が目的なら、ほかの2つの制度から検討すると選びやすくなります。

    補助率や上限額、公募期間は公募回ごとに変わります。申請前に、各事務局の最新の公募要領を確認してください。

    よくある質問

    スマートファクトリーと製造業DXはどう違いますか?

    スマートファクトリーは、IoTやAIで工場の生産を最適化・自動化する取り組みで、製造業DXの一部にあたります。製造業DXは工場の中だけでなく、設計や調達、販売、組織のあり方まで含む、より広い考え方です。工場の現場をどう変えるかがスマートファクトリー、事業全体をどう変えるかが製造業DXと考えると区別しやすくなります。

    製造業DXに使うツールにはどのようなものがありますか?

    解決したい課題によって選ぶツールが変わります。工程や設備の見える化にはIoTセンサーやMES、生産計画や在庫の管理には生産管理システム、紙の帳票を減らすにはワークフローや電子帳票のツールが使われます。現場の連絡や情報共有に使うのは、ビジネスチャットや音声で連絡できるアプリです。先に解決したい課題を決めておくと、候補を絞り込みやすくなります。

    製造業DXにはどれくらいの期間がかかりますか?

    対象の範囲によって大きく変わります。1つの工程で試す小規模な検証なら数か月で効果を確かめられることもありますが、基幹システムの刷新や全社の業務改革まで含めると、数年がかりの取り組みです。短期で成果を確かめる計画と中長期の計画を分けて立てると、経営層と現場で進み具合を共有しやすくなります。

    まとめ

    製造業DXは、データを使って工程や組織、事業のあり方まで見直していく取り組みです。進めるうえで押さえておきたい点は次のとおりです。

    • IT化や電子化は出発点で、データを使った業務や事業の見直しまでつなげるのがDX
    • 背景には働き手の減少と技能継承、古い基幹システム、外部環境の急な変化がある
    • 現場の困りごとから対象を1つに絞り、小さく試して効果を確かめてから広げる
    • 設備をネットワークにつなぐときは、セキュリティ対策も計画に入れる
    • 補助金は目的に合う制度を選び、最新の公募要領で要件を確かめる

    何から始めるか迷ったときは、1つの工程を選び、どの作業に誰がどれだけ時間を使っているかを書き出してみてください。紙の記録や連絡の往復など、デジタルで減らせる作業が見えてきます。

    現場の連絡手段を見直す場合は、スマートフォンをトランシーバーのように使えるLINE WORKSラジャーも選択肢の一つです。フリープランは0円で試せます(会話は40分で一度切断)。有償プランは30日間の無償トライアルがあります。

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