製造業の現場では、今なお現場のコミュニケーションに課題が残っています。
機械の稼働、保全の呼び出し、不良発生、品質部門への問い合わせ、設備調整、作業指示…。
これらの多くは「すぐに伝えたい」情報であるにもかかわらず、従来の連絡手段では事務所を介した内線対応が中心となり、“情報伝達の遅れや人的コスト”が避けられません。
2025年11月25日に名古屋で開催した製造業向けカンファレンス「LINE WORKS HANDS ON TOUR @NAGOYA」では、東豊工業株式会社様をゲストに迎え、製造現場でのリアルな LINE WORKS 活用についてトークセッションを行いました。製造業の方々にとっても、明日から参考にできる実践的なヒントが詰まったセッションとなりました。
本記事では、その内容をダイジェストでご紹介します。
■登壇者
東豊工業株式会社 管理本部 営業企画領域 領域長 山口 諒輔様
LINE WORKS株式会社 Industry Development Sales 第4本部 本部長 豊田 慎介
■東豊工業株式会社様のご紹介
1966年に創業し、愛知県豊田市に本社を構える自動車部品メーカーです。ホイールバランスウェイトやホイールナットの設計・製造をはじめ、軸受(ブシュ)、ターボ部品の組付など、多様な製品を手がけています。現在は約150名の従業員が在籍しています。

1.LINE WORKS導入前の課題
最初に語られたのは、「全社員がコミュニケーションをとるた手段がそもそも存在しなかった」という課題でした。
【主な課題】
・メールアドレスを持たない社員が多数
・誰かを呼び出すために 人を探しに行く手間が発生
・連絡手段が固定電話に集中し、事務所への負荷が大きい
「全社に情報を共有したいとき、誰かを呼び出したいとき、手段がなかった」と語られたように、東豊工業様にとって“誰に対しても簡単に連絡できない”ことが課題でした。
また、メールやメッセージだと、スマートフォンに通知が来ない、PCの前にいないといけないといった制約もあり、リアルタイムに連絡を取る手段がありませんでした。
- 2.LINE WORKSを選んだ理由
その中で、東豊工業様がLINE WORKSを最も高く評価したポイントは、「とにかく使いやすい。LINEと同じ感覚で使える」という点でした。
【主な評価ポイント】
・新しい操作を覚える必要がない
・現場の人でも1分で理解できる使い勝手の良さ
・トークをすぐに始められ、メールや電話よりスピーディ
そのため研修やマニュアルもほとんど不要で、導入は非常にスムーズに進んだといいます。

3.製造業全体が抱える課題
セッションでは、東豊工業様のケースを超えて、日本の製造業全体の課題にも話が及びました。
① 今も固定電話文化が根強い
多くの工場では、各部署に設置されている固定電話が連絡の中心。電話を受けた庶務が、人を探し、内線を回し、折り返しを待つ。これは中小から大企業まで、製造業では当たり前のように存在する現状です。
② 社用スマホを全員に配れない
中小企業だと特に、コスト・管理などを考えるとスマホの配布が現実的には難しい状況です。その点、LINE WORKSは“個人スマホにアプリを入れるだけ”で使うことができます。導入ハードルが低く、管理もでき、セキュリティ面も担保できます。
③ Wi-Fiがない工場が多い
東豊工業様もかつては工場にWi-Fiがありませんでしたが、従業員の通信料負担を防ぐために、工場内にWi-Fiを導入し、現場環境を改善しました。
製造業では内部のコミュニケーションしか使わないという人も多くいる中で、LINE WORKSは導入の障壁も含め最適なツールでした。
4.導入後に起きた“目に見える効果”
① 内線電話が半減
最もインパクトがあったのは、内線電話が30件→半減したことです。
これは事務所の工数削減だけでなく、「現場で困ったときの一次対応」が格段に速くなりました。
② 現場のコミュニケーションが活性化
社員間のトークが自然に増え、グループ機能を活用して品質部門・製造現場・技術部門の連携がスムーズになりました。「情報の粒度が細かくなった」と評価されています。
1日700、800件程トークも飛び交い、LINE WORKSは現場に根付いているそうです。
③ 海外工場との距離がゼロに
ベトナム工場とも LINE WORKS を介してすぐにやり取りができるようになり、「海外とやり取りをしている感覚がないほど、ベトナム工場の存在を近く感じられるようになった」とのこと。動画・写真の共有により判断も速まりました。
④ 掲示板の活用で“全社への確実な連絡”が可能に
・健康診断のお知らせ
・総務からの連絡
など、口頭や紙では漏れがちな情報もLINE WORKSの掲示板を活用することで確実に共有できるようになりました。
⑤ 全社テストをアンケート機能で実施
情報セキュリティテストなどをアンケート機能で実施。年数回、全社員がスマホで手軽に受けられるようになりました。管理者は回答結果もわかるので、そこも便利とのことです。
5.現場のリアクション
導入時、「通信料を個人が負担する」点に懸念はあったものの、工場内Wi-Fiの整備により解決。いまでは、「新しい人が入ったので、すぐLINE WORKS入れてください!」
と現場側から依頼が来るほど当たり前のインフラになりました。操作が誰でも簡単なため、年配の社員でもすぐに使いこなせるようになったといいます。
6.もしLINE WORKSがなくなったら?
この質問に対し、「仕事が止まります」と山口様は断言します。家族とLINEで連絡が取れなくなるのと同じ感覚であり、LINE WORKSは“現場の安心を支えるインフラ”になっていると話されました。
すでにLINE WORKS が、東豊工業様の現場に欠かせない存在となっている点が印象的でした。

7.今後、LINE WORKS製品に期待すること
スマホでトランシーバー「LINE WORKSラジャー」への期待
手袋をしている、油で手が汚れているなど“スマホを触れない”状況が日常の現場では、頻繁に起こります。そのような中、音声操作は大きな魅力です。コミュニケーションのハードルをより下げるという意味で、現場で使えるのではないかと期待が寄せられています。
まとめ
今回のトークセッションでは、製造業の現場が抱える課題と、LINE WORKS が実際の業務改善にどう結び付いているかが非常に具体的に語られました。
東豊工業様のお話から見えてきたLINE WORKS活用結果のポイントは以下の通りです。
・現場のスピードが上がる
・呼び出しや確認にかかる手間が減る
・海外との距離感覚が縮まる
・安全にデータ連携ができる
・社内文化がオープンになる
そして最も印象的だったのは、“現場にとって、なくてはならないインフラ”となったというコメントが象徴するように、LINE WORKS が日常業務に適したツールであることが伝わってきた点でした。
製造現場のコミュニケーション改善を検討している企業様にとっても、多くのヒントが得られるセッションだったのではないでしょうか。
本カンファレンス全体のレポートは note にまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。
→全体レポートはこちら
https://note.com/lineworks/n/n64a1b304444c?sub_rt=share_pb
またイベント当日の様子は、こちらの動画でもご覧いただけます。
会場の雰囲気や臨場感をぜひ動画からも感じてみてください。

