離職率とは|計算方法・平均・業界別の数値と下げる方法を解説

離職率とは、一定期間に会社を離れた人が在籍者に占める割合で、令和7年の全国平均は13.7%です。   この記事では、計算方法と業界別・雇用形態別の平均、新卒3年以内の離職率、高くなる原因と下げる方法を解説します。

目次

    離職率とは|意味と定着率・入職率との違い

    離職率は、ある時点で在籍していた人のうち、一定期間に会社を離れた人の割合で、人材の定着の度合いを見る基本の指標です。

    厚生労働省の雇用動向調査では、離職率を「常用労働者数に対する離職者数の割合」と定めています。ここでいう離職者には、自分の都合で退職した人のほか、解雇された人や他の企業への出向者も含まれます。同じ企業の別の事業所へ異動した人は含まれません(出典: 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況(PDF)」)。

    離職率とあわせて使われることが多いのが、定着率と入職率です。

    指標 意味 計算の考え方
    離職率 一定期間にどれだけの人が辞めたか 期間中の離職者数 ÷ 起算日の在籍者数 × 100
    定着率 一定期間、辞めずに残った人の割合 起算日の在籍者のうち期末も在籍している人数 ÷ 起算日の在籍者数 × 100
    入職率 一定期間にどれだけの人が入ったか 期間中の入職者数 ÷ 起算日の在籍者数 × 100

    入職率から離職率を引いた値は入職超過率と呼ばれ、プラスなら人が増えている、マイナスなら減っていることを表します。同じ離職率15%でも、入職率が20%の職場と10%の職場では、人手の状況は大きく違います。なお、退職率という言葉は雇用動向調査では定義されておらず、社内では離職率と同じ意味で使われることもあります。数字を比べるときは、何を数えているかを先にそろえておきます。

    離職率の計算方法|厚生労働省の式と自社での計算例

    離職率は、1年間の離職者数を起算日の在籍者数で割り、100を掛けて求めます。起算日と数える範囲を先に決めておきます。

    厚生労働省の計算式と計算例

    雇用動向調査で使われている式は次のとおりです。

    離職率(%)= 1年間の離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100

    たとえば、1月1日時点で200人が在籍し、1年間に20人が辞めた場合は、20÷200×100で10%です。50人の会社で9人が辞めた場合は18%になります。

    在籍者が少ない会社ほど、1人の退職で数字が大きく動きます。50人の会社では1人辞めるだけで2ポイント上がりますが、500人の会社なら0.2ポイントです。小さな組織では、月ごとの数字よりも1年単位や複数年の推移で見るほうが実態をつかみやすくなります。

    自社で計算するときに決めておくこと

    社内で計算するときは、起算日を年度の初めや会計期間の初めに置いても問題ありません。ただし、次の点を決めて毎回同じ条件で計算しないと、前の年や他社の数字とは比べられなくなります。

    • 起算日と期間(1月1日からの1年間、4月1日からの1年度など)
    • 分母(起算日の在籍者数か、期首と期末の平均か)
    • 対象にする雇用形態(正社員だけか、パートタイムや契約社員も含めるか)
    • 定年退職や契約期間の満了、グループ会社への転籍を離職に含めるか

    分母を期首の人数にすると、期中に採用を増やした年は離職率が高めに出やすくなります。採用サイトなどで数字を示す場合は、どの条件で計算したかを添えておくと誤解を避けられます。

    新卒・中途の3年以内離職率の計算

    入社した年ごとの定着を見たいときは、同じ時期に入社した人だけを分母にします。たとえば、ある年の4月に入社した新卒社員が30人で、3年以内に9人が辞めた場合、3年以内離職率は9÷30×100で30%です。中途入社の人も、入社した年度ごとにまとめて同じように計算できます。

    離職率の平均|全国・雇用形態別・業界別(令和7年)

    令和7年の全国の離職率は13.7%です。雇用形態や業界による差が大きく、業界別では6%台から20%台まで開きがあります。

    全国平均と雇用形態別の離職率

    厚生労働省の令和7年雇用動向調査(令和8年8月公表)では、入職率が14.7%、離職率が13.7%でした。前年と比べて離職率は0.5ポイント下がり、入職超過率は1.0ポイントです。離職率は令和5年の15.4%から2年続けて下がっています。性別では、男性が12.5%、女性が15.1%でした(出典: 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」)。

    区分(令和7年) 入職率 離職率
    全体 14.7% 13.7%
    一般労働者 12.0% 11.4%
    パートタイム労働者 21.7% 19.9%

    パートタイム労働者の離職率は、一般労働者の1.7倍ほどです。自社の数字を平均と比べるときは、雇用形態の構成をそろえることが欠かせません。

    業界別の離職率一覧

    産業別では、宿泊業・飲食サービス業が23.7%で最も高く、金融業・保険業が6.6%で最も低くなっています。

    産業(令和7年) 離職率(全体) 一般労働者 パートタイム労働者
    宿泊業,飲食サービス業 23.7% 21.5% 25.0%
    サービス業(他に分類されないもの) 21.2% 20.3% 23.8%
    生活関連サービス業,娯楽業 20.1% 16.1% 25.1%
    教育,学習支援業 15.1% 9.8% 26.6%
    医療,福祉 14.3% 13.6% 15.9%
    不動産業,物品賃貸業 12.1% 10.5% 19.6%
    卸売業,小売業 11.9% 8.5% 17.6%
    学術研究,専門・技術サービス業 11.7% 10.0% 26.7%
    情報通信業 10.4% 10.0% 21.9%
    鉱業,採石業,砂利採取業 10.2% 9.8% 19.0%
    製造業 9.8% 9.2% 14.2%
    運輸業,郵便業 9.0% 8.1% 12.2%
    電気・ガス・熱供給・水道業 8.8% 8.0% 19.6%
    建設業 8.7% 7.9% 19.3%
    複合サービス事業 8.6% 7.7% 12.6%
    金融業,保険業 6.6% 6.3% 10.6%

    出典は同じく令和7年雇用動向調査です。離職率が高い産業は、接客などの対人業務が多く、パートタイムで働く人の割合が高いという共通点があります。一方で、離職率(割合)と離職者数(人数)は別の見方です。離職者の人数が最も多いのは医療,福祉の約120万人で、卸売業,小売業、宿泊業,飲食サービス業が続きます。働く人の多い産業では、率が平均並みでも毎年多くの人が職場を移っています。

    新卒の3年以内離職率|学歴別・事業所規模別

    令和4年3月に卒業して就職した人の3年以内離職率は、大学卒33.8%、高校卒37.9%で、小さな事業所ほど高くなります。

    厚生労働省が令和7年10月に公表した最新の集計です(出典: 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」)。

    学歴 3年以内離職率 前年との差
    中学卒 54.1% 3.6ポイント上昇
    高校卒 37.9% 0.5ポイント低下
    短大等卒 44.5% 0.1ポイント低下
    大学卒 33.8% 1.1ポイント低下

    中学卒で5割、高校卒で4割、大学卒で3割という構図は、七五三現象と呼ばれてきました。大学卒と高校卒はわずかに下がったものの、大学卒でもおよそ3人に1人が3年以内に辞めている状況は続いています。

    就職した事業所の規模による差は大きく、同じ大学卒でも、1,000人以上の事業所では27.0%、5人未満の事業所では57.5%です。

    事業所規模 高校卒 大学卒
    5人未満 63.2% 57.5%
    5〜29人 54.6% 52.0%
    30〜99人 45.2% 41.9%
    100〜499人 36.7% 33.9%
    500〜999人 29.9% 31.5%
    1,000人以上 26.3% 27.0%

    産業別では、宿泊業,飲食サービス業(高校卒64.7%・大学卒55.4%)と生活関連サービス業,娯楽業(同61.5%・54.7%)が高くなっています。自社の新卒離職率は、全国の平均だけでなく、同じ規模・同じ産業の数字と比べると実態に近い判断ができます。

    自社の離職率が高いかどうかの見方

    自社の離職率が高いかどうかは、全国平均との比較だけでなく、同じ業界・同じ雇用形態の数字と比べて判断します。

    たとえば離職率15%の会社は、全国平均の13.7%と比べるとやや高めです。正社員中心の会社なら一般労働者の平均11.4%と比べることになり、はっきり高いといえます。パートタイムで働く人が多い宿泊業や飲食業なら、産業平均の23.7%を下回っています。

    比べる相手をそろえたら、次の点も確かめます。

    • 部署別・勤続年数別に分けて、特定の層に退職が集中していないか
    • 入職率を下回っていないか(人が減り続けていないか)
    • 1年だけでなく、3年ほどの推移で上がっていないか

    全社の数字が平均並みでも、特定の部署や入社1年未満の人だけが続けて辞めていることはよくあります。気になる動きが見つかったら、そこから話を聞き始めると原因に近づけます。

    離職率が高くなる主な原因

    離職率が高くなる背景には、入社前後のずれ、評価への納得感の不足、人間関係と情報共有のすれ違い、業務量の偏りがあります。

    令和7年雇用動向調査で転職した人が前の勤め先を辞めた理由をみると、女性では「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(12.9%)が最も多く、「職場の人間関係が好ましくなかった」(11.5%)が続きます。男性では、定年・契約期間の満了を除くと「給料等収入が少なかった」(9.9%)が最も多くなっています(いずれも「その他の個人的理由」などを除く。出典: 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況(PDF)」)。こうした理由の背景として、職場では次のような状態がよく見られます。

    原因 職場で見られる状態 起きやすいこと
    入社前後のずれ 求人や面接での説明と、実際の仕事・勤務時間が違う。配属後に相談できる相手がいない 入社数か月での退職
    評価への納得感の不足 評価の基準が見えず、昇給や昇格の見通しが立たない 中堅層や成果を上げている人の退職
    人間関係と情報共有のすれ違い 指示が一部の人にしか届かない。勤務帯の違う人との申し送りが食い違う 自分だけ知らされていないという不信感
    業務量の偏り 特定の人にしかできない仕事がある。休みを取りにくい 残業の常態化、体調を崩しての退職

    こうした原因は一つずつではなく、重なって表れることがほとんどです。1人が辞めると残った人の負担が増え、次の退職につながることもあります。退職が続く流れと止め方は、連鎖退職の原因と対策をまとめた記事で紹介しています。

    離職率を下げる方法

    まず退職が集中している層と理由をつかみ、受け入れ・評価・情報共有・業務の偏りのうち、原因に合う対策から始めます。

    1. 退職が集中している層と理由をつかむ

    最初に取り組みたいのは、部署別・雇用形態別・勤続年数別に離職率を出し直すことです。どこで退職が集中しているかが分かれば、限られた時間をそこに集中できます。

    数字だけでは、なぜ辞めたのかは分かりません。退職する人との面談に加え、在籍している人へのアンケートや定期的な面談で、表向きの理由の奥にある事情を聞き取ります。直属の上司には話しにくいこともあるため、人事や別の部署の担当者が聞くと本音を聞きやすくなります。日頃から不安や意見を口にしやすい職場をつくる考え方は、心理的安全性を高める方法をまとめた記事が参考になります。

    2. 採用と入社後の受け入れを見直す

    入社前の説明と実際の仕事の差を小さくすることが、早い時期の退職を減らす近道です。

    • 求人の段階で、仕事の内容・配属先・勤務時間をできるだけ具体的に伝える
    • 入社1か月・3か月・6か月などの節目で面談する
    • 気軽に相談できる先輩(メンター)を決めておく

    3. 評価と待遇の考え方を説明する

    待遇をすぐに大きく変えられなくても、評価の基準や昇給・昇格の条件、求める役割を言葉にすることはできます。なぜ今の評価なのかを管理職が部下に直接説明するだけでも、受け止め方は変わります。

    4. 日々の情報共有を整える

    評価面談は年に数回ですが、連絡や申し送りは毎日のことです。すれ違いが続くと、人間関係の不満として積み重なっていきます。制度の見直しと違い、連絡の仕組みは数週間で変えられます。

    • 指示や決定事項を、口頭だけでなく文字でも残る形で共有する
    • 勤務帯をまたぐ申し送りの項目と時間を決める
    • 全員向けの連絡と、チーム内の連絡の経路を分ける

    現場で働く人が多く、全員がパソコンの前にいるわけではない職場では、スマートフォンで音声と文字を扱える連絡手段も選択肢になります。その一つがLINE WORKS ラジャーです。スマートフォンをトランシーバーのように使え、ボタンを押して話すとグループに音声が届きます。音声は履歴に残り、あとから確認できます。アドバンストプランでは発話を自動でテキストに変換できます。

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    5. 業務の偏りを減らし、管理職を支える

    特定の人にしかできない仕事が多いと、その人は休みを取りにくくなり、辞めたときの影響も大きくなります。手順を書き出して複数の人が担えるようにしておくと、負担が分散します。業務が特定の人に偏る状態の見直し方は、属人化の原因と解消ステップをまとめた記事で整理しています。

    現場の仕事を抱えながら部下の育成も担う管理職にも、支えが必要です。1on1の進め方を相談できる相手をつけたり、業務の一部を人事や他の管理職が引き受けたりします。管理職を1人にしない体制が、取り組みを続ける土台になります。

    よくある質問

    パートやアルバイトも離職率の計算に含めますか?

    厚生労働省の雇用動向調査では、パートタイム労働者も含めて計算しています。期間を定めずに雇われている人と、1か月以上の期間を定めて雇われている人が常用労働者として扱われるためです。自社で計算するときは、全体の数字に加えて雇用形態別にも出しておくと、平均と比べやすくなります。

    離職率や離職者数は求職者に伝える必要がありますか?

    新卒者などを対象に募集する場合は、若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)により、応募者などから求められたときに職場の情報を提供することが義務づけられています。提供する情報の項目には、直近3事業年度の新卒採用者数・離職者数が含まれます(厚生労働省「職場情報の提供制度」)。

    離職率の数値目標は掲げたほうがよいですか?

    離職率だけを目標にすると、退職の申し出を受け止めにくくなるなど、運用に無理が出ることがあります。入社1年目の定着率、1on1や退職面談の実施率など、取り組みの進み具合を表す指標と組み合わせて追うと、無理なく改善を続けられます。

    まとめ

    離職率は、人が定着しているかどうかを数字でつかむための基本の指標です。押さえておきたい点は次のとおりです。

    • 厚生労働省の式は「1年間の離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100」
    • 令和7年の全国平均は13.7%。一般労働者11.4%、パートタイム労働者19.9%と雇用形態で大きく違う
    • 業界差も大きいため、同じ業界・同じ雇用形態の数字と比べて判断する
    • 下げるには、退職が集中している層と理由をつかんでから、原因に合う対策を選ぶ

    まずは自社の離職率を、雇用形態別と部署別に分けて計算してみてください。平均と比べてどこが高いかが分かると、最初に話を聞く相手と手をつける対策が見えてきます。

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