スプリアス規格改正とは?旧規格の使用期限・罰則・対応策をわかりやすく解説

スプリアス規格の改正について2025年最新情報を解説。旧スプリアス規格の無線機の使用期限は「当分の間」延長中ですが、条件付きです。 罰則(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)や対象機器の確認方法、具体的な対応策まで網羅的にご紹介します。

目次

    スプリアス規格の改正とは?最新情報でわかりやすく解説

    スプリアス規格の改正は、電波を利用するすべての企業に関わる重要なルール変更です。

     

    ここでは、スプリアスとは何かという基礎知識から、なぜ規格が改正されたのか、そして新旧の規格で何が違うのかを解説します。

     

    この変更を正しく理解することが、意図しない法令違反を防ぐための第一歩となります。

    スプリアス規格とは何か?不要電波(スプリアス発射)の基礎知識

    スプリアスとは、無線設備が通信のために定められた周波数(正規の周波数)から外れて発射する、不要な電波(不要電波)のことを指します。

     

    この不要な電波が強いと、他の無線通信、たとえば携帯電話やテレビ、消防・救急無線などに干渉し、通信障害を引き起こす原因となります。

     

    スプリアス規格は、この不要な電波の強さを一定の許容値以下に抑えるための技術的な基準であり、電波利用の秩序を維持するために不可欠なルールです。

    なぜスプリアス規格が改正されたのか?国際基準との整合性

    スプリアス規格が改正された主な理由は、国際的な基準との整合性を図るためです。2005年に世界無線通信会議(WRC-03)で、より厳しいスプリアス規格が採択されました。

     

    日本もこれに合わせ、電波利用環境の向上と国際的な調和を図る目的で、電波法関連法令を改正しました。

     

    携帯電話やWi-Fiなど、電波の利用がますます多様化・高度化する現代において、電波干渉のリスクを低減し、よりクリーンな電波環境を確保することが、この改正の背景にあります。

     

    参考元:総務省 電波利用ポータル|免許関係|無線設備のスプリアス発射の強度の許容値

    参考元:総務省PDF|スプリアス発射とは

    参考元:総務省PDF|無線機器のスプリアス規格の変更に伴い規格にあった無線機器の運用が必要です

    「旧スプリアス規格」と「新スプリアス規格」の違い

    「旧スプリアス規格」と「新スプリアス規格」の違い

    旧スプリアス規格と新スプリアス規格の最も大きな違いは、不要電波の許容値です。新規格では、旧規格よりもさらに厳しい基準が設けられています。

     

    項目 旧スプリアス規格 新スプリアス規格
    適用時期 2007年11月30日以前に製造 2007年12月1日以降に製造
    不要電波の許容値 相対的に緩やか より厳しい

     

    たとえば、パーソナル無線や市民ラジオなど、一部の無線設備では、新規格の許容値が旧規格の100分の1から1000分の1と、大幅に厳しくなっています。

     

    このため、旧規格で製造された無線機は、新規格の基準を満たせない可能性が高くなります。

     

    参考元:総務省PDF|スプリアス発射とは

    旧スプリアス規格の無線機はいつまで使える?猶予期間の最新状況

    「旧規格の無線機はすぐに使えなくなるのか?」という点が、多くの企業担当者にとって最大の関心事でしょう。

     

    ここでは、当初の予定から変更された猶予期間の最新情報と、使用を続けるうえでの注意点、そして混同されがちな「アナログ無線機の廃止」との違いについて詳しく解説します。

    「当分の間」延長された猶予期間とは?終了時期の見通し

    旧スプリアス規格の無線機の使用期限は、当初2022年11月30日までとされていました。

     

    しかし、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響などを考慮し、この期限は「当分の間」延長されることになりました。

     

    ただし、これは恒久的な使用を認めるものではなく、あくまで暫定的な措置です。

     

    明確な終了時期はまだ示されていませんが、今後、総務省からの発表があり次第、対応が必要になることを念頭に置いておく必要があります。

     

    参考元:総務省PDF|新スプリアス規格への移行期限の延長

    参考元:総務省PDF|スプリアス発射とは

    令和4年12月1日以降の使用条件「他局への妨害禁止」の意味

    猶予期間が延長されたとはいえ、無条件で使い続けられるわけではありません。

     

    2022年12月1日以降、旧規格の無線機を使用する際は、「他の無線局の運用に妨害を与えない場合に限る」という条件が付きます。

     

    万が一、自社の無線機が原因で他の通信に干渉を与えた場合、電波法に基づき、その無線機の使用を停止するよう命じられる可能性があります。

     

    つまり、常に運用停止のリスクを抱えながら使用を続けることになるため、根本的な解決にはなりません。

     

    参考元:総務省PDF|新スプリアス規格への移行期限の延長

    参考元:総務省PDF|スプリアス発射とは

     

    旧スプリアス規格と「2024年12月アナログ無線機廃止」の違いに注意

    スプリアス規格の改正と混同されやすいのが、「アナログ無線機の廃止」です。これらはまったく別の規制であり、注意が必要です。

     

    • スプリアス規格改正:すべての無線機が対象。不要電波の強さに関する規制。
    • アナログ無線機廃止:350MHz帯および400MHz帯の周波数を使用する簡易業務用アナログ無線機が対象。電波の有効利用を目的としたデジタル化の推進。

     

    対象となる無線機の種類や規制の目的が異なります。自社でお使いの無線機がどちらの対象になるのか、あるいは両方の対象になるのかを正確に把握することが重要です。

     

    参考元:総務省|中国総合通信局|簡易無線局のアナログ方式の周波数の停波について

    参考元:総務省PDF|スプリアス発射とは

    違反した場合の罰則は?懲役・罰金のリスクを解説

    スプリアス規格の改正について、「よくわからないから」と対応を後回しにすると、重大なリスクを負う可能性があります。

     

    ここでは、電波法に違反した場合の具体的な罰則と、コンプライアンス上のリスクについて解説します。企業の信頼を守るためにも、必ず確認してください。

    電波法違反の具体的な罰則内容(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)

    旧スプリアス規格の無線機を、猶予期間終了後も免許の更新を受けずに使用し続けた場合、電波法違反となります。

     

    この場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則が科される可能性があります。

     

    さらに、公共性の高い無線通信に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役または250万円以下の罰金と、さらに厳しい罰則の対象となることもあります。

     

    これらは法人だけでなく、実際に使用していた個人も罰せられる可能性がある厳しいものです。

     

    参考元:総務省資料(PDF)

    参考元:総務省|東海総合通信局|電波監視のQ&A

    「知らなかった」では済まされない?違法使用のリスク

    「法改正について知らなかった」「猶予期間が延長されたから大丈夫だと思った」という言い分は通用しません。無線機を使用する事業者は、関連法規を遵守する責任があります。

     

    法令違反が発覚した場合、罰則だけでなく、企業の社会的信用の失墜にもつながりかねません。取引先や顧客からの信頼を失うリスクは、罰金以上に大きな損害となる可能性があります。

     

    コンプライアンス遵守の観点からも、早期の対応が不可欠です。

    お使いのトランシーバー・無線機が旧スプリアス規格かを確認する方法

    自社で使っている無線機が対応必須の「旧スプリアス規格」なのか、それとも安心して使える「新スプリアス規格」なのか、見分ける方法がわからずお困りではないでしょうか。

     

    ここでは、ご自身で簡単に確認できる3つの具体的な方法をご紹介します。

    総務省「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」での確認手順

    総務省のウェブサイトで、お使いの無線機が新旧どちらの規格に対応しているかを確認できます。

     

    1. 総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」ページにアクセスする
    2. 無線機の「技術基準適合証明番号」または「型式又は名称」を入力する
    3. 検索結果の詳細情報から「スプリアス発射及び不要発射の強度」の項目を確認する
    4. 「新スプリアス規格」や「スプリアス規定改正後」と記載があれば、新規格対応です

     

    この方法であれば、メーカーや機種を問わず、公的な情報として正確に確認することができます。

     

    参考元:総務省 電波利用ポータル | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索

    技適マーク・シリアルナンバーからの見分け方

    無線機本体や取扱説明書に付いている「技適マーク」の近くに記載された番号からも確認が可能です。

     

    • 技術基準適合証明番号:この番号を基に、前述の総務省のサイトで検索します。
    • 製造年月日:シリアルナンバーなどから製造年月日がわかる場合、2007年12月1日以降に製造された機器であれば、新スプリアス規格に対応している可能性が高いです。

     

    ただし、製造年月日だけでは確実ではないため、最終的には総務省のサイトで確認することをおすすめします。

    メーカーへの問い合わせも有効な手段

    ウェブサイトでの確認方法が難しい場合や、情報が見つからない場合は、無線機のメーカーや販売代理店に直接問い合わせるのが最も確実です。

     

    問い合わせの際は、無線機の機種名(型番)やシリアルナンバーを事前に控えておくと、スムーズに確認できます。

     

    多くのメーカーがスプリアス規格に関する問い合わせ窓口を設けているため、積極的に活用しましょう。

    スプリアス規格改正への具体的な対応策3選

    スプリアス規格改正への具体的な対応策3選

    お使いの無線機が旧スプリアス規格だった場合、どのような対応を取ればよいのでしょうか。

     

    ここでは、企業が取りうる具体的な3つの対応策をご紹介します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の運用状況やコストに合わせて最適な方法を選択してください。

    【対応策①】新規格に対応した無線機へ買い替える

    最も確実で根本的な解決策が、新スプリアス規格に対応した最新の無線機に買い替えることです。

     

    これにより、将来にわたって安心して無線機を使用し続けることができます。ただし、導入コストが高額になる点が最大のデメリットです。

     

    たとえば、1台数万円のトランシーバーを数十台規模で入れ替える場合、数百万円単位の費用が発生する可能性もあります。

     

    予算を確保し、計画的に入れ替えを進める必要があります。

    【対応策②】スプリアス確認保証を受ける(アマチュア無線の場合)

    この「スプリアス確認保証」は、主にアマチュア無線向けの制度です。

     

    企業が使用する業務用無線機(簡易無線、一般業務用無線など)の場合、免許の更新時に新スプリアス規格への適合が求められるため、この保証制度だけでは対応できません。

     

    業務用無線機については、免許局であれば免許更新時に新規格への適合確認が行われます。

     

    【業務用無線機(簡易無線、一般業務用無線など)の場合】

     

    • 免許局:免許の更新時に新スプリアス規格への適合が確認されます
    • 登録局:登録の有効期間は5年で、更新時に新規格への適合が求められます
    • 旧規格のままでは免許・登録の更新ができません

     

    つまり、業務用無線機については、実質的に免許・登録の更新時期が使用期限となります。

    【対応策③】無線機の使用を停止・廃止する

    現在使用している無線機の利用頻度が低い場合や、他の通信手段で代替できる場合は、無線機の使用を停止し、総合通信局へ「無線局廃止届」を提出するという選択肢もあります。

     

    この方法であれば、新たなコストは発生しません

     

    ただし、現場のコミュニケーション手段を失うことになるため、代替策を事前に確保しておくことが不可欠です。業務に支障が出ないか、慎重に検討する必要があります。

    法改正を機に検討したい!免許不要で使える音声コミュニケーションツールとは

    スプリアス規格改正を機に、まったく新しい選択肢としておすすめなのが、スマートフォンでトランシーバーのような音声コミュニケーションを実現するLINE WORKSラジャーです。

     

    LINE WORKSラジャーは、インターネット回線を利用して音声のやり取りを行うため、従来の無線機のようにスプリアス規格など無線機特有の法規制を気にせず導入しやすいのが特長です。

     

    さらに、離れた拠点やフロア同士でもリアルタイムにつながり、発話内容を文字として残せるため、聞き逃しや伝達ミスの防止にも役立ちます。

     

    スマホ1台で運用しやすく、専用端末の管理負担を抑えやすい点も魅力です。

     

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    スプリアス規格改正後も安心して使える通信手段へ移行を進めよう

    今回は、スプリアス規格の改正について、その概要から猶予期間、罰則、具体的な対応策までを解説しました。

     

    重要なポイントは、旧スプリアス規格の無線機の使用猶予期間は「当分の間」延長されたものの、恒久的な使用が保証されたわけではないということです。

     

    「知らなかった」では済まされない罰則のリスクを回避するためにも、まずは自社でお使いの無線機が対象かどうかを確認し、早期に対応策を検討することが不可欠です。

     

    無線機の買い替えには高額なコストがかかりますが、本記事でご紹介したスマホインカムアプリのような新しい選択肢も登場しています。

     

    この法改正を、単なるコストのかかる対応と捉えるのではなく、自社のコミュニケーションインフラを見直し、業務効率を向上させる絶好の機会と捉え、計画的に移行を進めていきましょう。

     

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