業務用インカムの値段はいくら?種類別の価格相場と導入費用を比較

業務用インカムの値段は、種類と調達方法によって本体代・月額・登録の費用のかかり方が変わります。   本体の安さだけで決めず、台数と使う年数をかけた総額で比べると、方式ごとの差がはっきりします。

目次

    業務用インカムの価格相場|種類別の一覧

    業務用インカムの本体は1台1万〜10万円程度、アプリ型は1ユーザー月額0〜3,000円前後が目安です。販売各社の目安では、本体価格は特定小電力トランシーバーが1万〜4万円程度、デジタル簡易無線が3万〜8万円程度、IP無線が6万〜10万円程度です。

    業務用インカムには主に4つの種類があります。免許のいらない近距離用の特定小電力トランシーバー、総合通信局に登録して使うデジタル簡易無線、携帯電話の回線を使うIP無線、スマホにアプリを入れて使うアプリ型です。本体をまとめて買う種類と月々の料金を払い続ける種類があり、1台あたりの費用は次の表のように分かれます。

    種類 本体価格(1台) 続けてかかる費用 免許・登録 届く範囲の目安
    特定小電力トランシーバー 1万〜4万円程度 電池やイヤホンマイクの買い替え 不要 見通しのよい屋外で1km前後、建物の多い市街地や屋内で100〜200m程度
    デジタル簡易無線(登録局) 3万〜8万円程度 電波利用料が1台あたり年200円または290円 登録が必要(手数料は電子申請で1,500円から) 見通しのよい屋外で1〜5km程度、市街地や屋内で数百m〜1km程度
    IP無線 6万〜10万円程度 通信料が1台あたり月額1,500〜4,000円程度 不要 携帯電話の回線が届く範囲
    アプリ型 スマホの端末代(業務用のスマホを配っていれば追加なし) 利用料が1ユーザーあたり月額0〜3,000円前後 不要 携帯電話の回線やWi-Fiが届く範囲

    ※本体価格・通信料・利用料は、販売各社と各サービスの公開情報をもとにした目安で、税込と税抜が混在しています。届く範囲は販売各社の案内による目安で、建物や地形によって変わります。登録の手数料と電波利用料は2025年10月1日改定の額です(関東総合通信局「デジタル簡易無線局(CR)登録局のページ」)。

    無線機のなかで初期費用が最も安いのは特定小電力トランシーバーで、そのぶん届く範囲は4種類のなかで最も狭くなります。1フロアの店舗や施設なら特定小電力、屋外の広い現場ならデジタル簡易無線、フロアや拠点をまたぐならIP無線かアプリ型が候補です。使う場所の広さで種類を絞ってから値段を比べると、見積もりを取る数を減らせます。

    使う場所の広さに合う種類が分からない場合は、必要な通信距離から方式を選ぶ方法で先に候補を絞ってください。

    種類ごとの費用の内訳

    業務用インカムの費用の中心は、特定小電力が本体代、デジタル簡易無線が本体代と登録の費用、IP無線とアプリ型が月々の料金です。デジタル簡易無線は登録したあと電波利用料が1台あたり年200円または290円かかり、IP無線の通信料は1台ごとに月額1,500〜4,000円程度です。

    特定小電力トランシーバー|費用はほぼ本体代だけ

    特定小電力トランシーバーは、無線局の免許も無線従事者の資格もいらない無線機です(総務省 電波利用ポータル「特定小電力無線局」)。免許がいらないため電波利用料もかからず、費用のほとんどは1台1万〜4万円程度の本体代です。

    業務用に必要な耐久性や性能を備えた機種は、1台2万円以上が目安です。

    デジタル簡易無線|本体代に登録の手数料と電波利用料

    デジタル簡易無線の本体は1台3万〜8万円程度です。登録局は、総合通信局に登録してから使います。登録には、無線機を1台ずつ登録する個別登録と、2台以上をまとめて登録する包括登録があり、手数料は電子申請の場合、個別登録が1,500円、包括登録が1,950円です(書面申請は2,730円と3,330円)。

    登録したあとは、電波利用料が1台あたり年200円(個別登録)または290円(包括登録)かかります。登録の有効期間は5年で、使い続けるには有効期間が満了する3か月前から1か月前までに再登録を申請します。再登録の手数料は電子申請で個別700円、包括1,050円です。登録の手間も含めて比べたい場合は、登録局の手続きの流れを見ておくと、本体代以外の負担もつかめます。

    レンタルでは、レンタル会社が登録人として手続きをするため、借りる側の登録は必要ありません(北海道総合通信局「デジタル簡易無線Q&A」)。

    IP無線|本体代に毎月の通信料

    IP無線は携帯電話の回線を使う無線機で、使う側の免許や登録はいりません。本体は1台6万〜10万円程度で、高機能な機種はそれ以上の価格です。

    通信料は1台ごとに月額1,500〜4,000円程度で、台数と使う月数に比例して増えます。

    アプリ型|1ユーザーあたりの月額

    アプリ型は、スマホに専用のアプリを入れて、トランシーバーのようにボタンを押して話す方式です。費用の中心は1ユーザーあたりの月額利用料で、業務向けのプランは月額0〜3,000円前後が目安になります。年額契約にすると月あたりの料金が下がるサービスもあります。

    業務用のスマホをすでに配っている場合、端末の費用は追加でかかりません。スマホを持っていないスタッフの分は、端末代と月々の通信費を足して計算します。プランによって使える機能や人数の上限が違うので、料金表では月額と機能の範囲をあわせて確かめてください。候補のサービスを決めるときは、無料と業務用のアプリの違いと料金相場を比べておくと、月額に見合う機能かを判断しやすくなります。

    本体以外にかかる費用

    無線機では、イヤホンマイク、電池の交換、中継器、修理の費用が本体代に上乗せされます。イヤホンマイクは1本4,000円〜1万円前後で使う人数分が必要になり、台数に比例して合計額が増えます。電池の交換は1台あたり年2,000〜1万円程度が目安です。

    本体価格だけで組んだ予算には、次の費用が入っていません。

    費用 金額の目安 かかる場面
    イヤホンマイク 1本4,000円〜1万円前後 使う人数分。断線などで買い替えることがある。ヘッドセット型は1万〜2万円台の製品もある
    電池の交換・予備電池 1台あたり年2,000〜1万円程度 充電池の劣化に合わせて交換する。長時間使うなら予備も用意する
    中継器 1台4万〜10万円程度 特定小電力で届く範囲を広げたいとき
    修理・買い替え 機種と故障の内容による 落下や水濡れで故障したとき
    アプリ型のイヤホン・ヘッドセット 製品による スマホにつなぐBluetoothイヤホンなど。手持ちの製品を使えることもある

    ※販売各社が公開している価格をもとにした目安です。見積もりは、本体とイヤホンマイク、充電器などを1台分のセットにして比べると、抜けが出にくくなります。

    購入・レンタル・アプリ型の費用比較

    年に数回ならレンタル、毎日使うなら購入かアプリ型が安くなりやすく、分かれ目は利用回数から計算できます。購入価格を1回分のレンタル料金で割った回数が目安で、1台5万円のデジタル簡易無線を1泊2日2,500円のレンタルと比べると、20回借りた時点で購入価格に並びます(試算)。

    無線機は買うほかに、必要な期間だけ借りる方法もあります。1台あたりのレンタル料金の目安を、種類別にまとめました。

    種類 1泊2日 1か月
    特定小電力トランシーバー 750〜3,000円程度 3,000円台から
    デジタル簡易無線 1,100〜4,500円程度 5,000〜8,000円程度
    IP無線 3,000〜6,000円程度 1万〜1万5,000円前後

    ※レンタル各社が公開している料金をもとにした目安で、税込と税抜が混在しています。送料や補償料、イヤホンマイクなどの付属品が別料金になる会社もあります。

    1台5万円のデジタル簡易無線を毎月借り続ける場合は、1か月5,000〜8,000円程度の料金で6〜10か月ほどで購入価格に届きます(試算)。

    レンタルに決めたら、レンタル会社を選ぶときに確かめる点を見ておくと、送料や補償料を含めて比べられます。

    アプリ型は、レンタルのような機器の手配や返却がなく、使う人数分の月額を払う方式です。人数の増減に合わせて契約数を変えやすい一方、携帯電話の回線もWi-Fiも届かない場所では使えません。山間部や地下など回線が届きにくい現場では、携帯電話の回線を使わない特定小電力やデジタル簡易無線が候補になります。

    10台・3年で見る総額の試算

    初期費用が安い種類が総額でも安いとは限らず、月額のかかる方式は台数と年数に比例して差が開きます。10台を3年間使う試算では、特定小電力トランシーバーが約20万〜80万円、通信料のかかるIP無線は約124万〜284万円になります。

    10人の現場で3年間使う場合の総額を、この記事の目安の金額で試算しました。

    種類(10台・3年) 最初にかかる費用 3年間の継続費用 3年間の合計
    特定小電力トランシーバー 約14万〜50万円(本体とイヤホンマイク) 約6万〜30万円(電池の交換) 約20万〜80万円
    デジタル簡易無線 約34万〜90万円(本体、イヤホンマイク、包括登録の手数料) 約7万〜31万円(電波利用料と電池の交換) 約41万〜121万円
    IP無線 約64万〜110万円(本体とイヤホンマイク) 約60万〜174万円(通信料と電池の交換) 約124万〜284万円
    アプリ型(業務用のスマホを配っている場合) 0円 月額500円なら18万円、1,000円なら36万円 継続費用と同じ
    デジタル簡易無線を毎月レンタル 0円 約180万〜288万円(1か月5,000〜8,000円) 継続費用と同じ

    ※この記事の目安の金額をもとにした試算で、税込と税抜が混在しています。修理や買い替え、中継器の費用と、アプリ型でスマホやイヤホンを新たに用意する費用は含めていません。

    3年で比べると、IP無線は通信料の合計が本体代とほぼ同じか、それを上回る額になることがあります。特定小電力は総額でも安く収まりますが、届く範囲が足りずに中継器を足すと、1台につき4万〜10万円程度が加わります。アプリ型は業務用のスマホを配っていれば初期費用がかからない代わりに、費用が人数と月数に比例して増えるのが無線機との違いです。

    アプリ型の料金の一例として、LINE WORKSラジャーの1ユーザーあたりの料金(税抜)を挙げます。フリープランは0円、スタンダードプランは年額契約で月450円(月額契約は月540円)、アドバンストプランは年額契約で月800円(月額契約は月960円)です。発話を自動でテキストに変換する文字起こし機能は、アドバンストプランのみで使えます。10人がスタンダードプランを年額契約で3年間使うと、16万2,000円(税抜・試算)になります。最新の料金は公式サイトでご確認ください。

    LINE WORKSラジャーの資料請求をする

    LINE WORKSラジャー公式サイトをみる

    インカムの費用を抑えるポイント

    届く範囲に合う種類を選び、付属品まで含めて見積もり、増減する台数はレンタルや月額型で補うと無駄が減ります。本体の安さだけで決めると、イヤホンマイクや予備電池の費用があとから増えたり、電波が届かずに中継器を買い足したりすることがあるためです。

    起きやすいことと、事前にできる対策を表にまとめました。

    起きやすいこと 事前にできる対策
    本体の安さで決め、付属品の費用があとから増える イヤホンマイクや予備電池を含めた1台分のセットで見積もる
    電波が届かず、中継器や上位の機種を買い足す 使う場所で電波が届くかを、デモ機やレンタルで事前に試す
    繁忙期に合わせて台数を買い、普段は使わない機器が残る いつも使う台数だけを買い、増える分はレンタルで補う
    人の入れ替わりのたびに買い足しや余りが出る 入れ替わりの多い現場では、ユーザー単位で契約できる月額型も比べる
    故障したときに同じ機種が手に入らない 購入前に、修理の受付期間や後継機の見通しを販売店に確認する

    よくある質問

    インカムの導入に補助金は使えますか?

    使える場合があります。中小企業・小規模事業者向けのデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、事務局の審査を受けて登録されたITツールが補助の対象で、申請はIT導入支援事業者と組んで行う仕組みです。インカムアプリがITツールとして登録されていれば、対象になることがあります。枠や補助率、対象の経費は公募ごとに決まるため、提供会社かIT導入支援事業者に確認してください(中小機構「デジタル化・AI導入補助金」)。

    無料のインカムアプリは業務で使えますか?

    少人数で短い連絡をするなら使えることがあります。ただし無料のプランには、参加できる人数や続けて話せる時間、履歴を残せる期間などに上限があるのが一般的です。業務で使う場合は、退職した人のアカウントを止められる管理機能があるかも確かめ、足りなければ有料プランと比べてください。

    スタッフにスマホがない場合、アプリ型の費用はどうなりますか?

    月額の利用料に、スマホの端末代と月々の通信費が加わります。端末代は機種によって大きく変わるため、必要な台数分の端末代と通信費を含めた総額を出し、無線機の総額と同じ台数・年数で比べると判断しやすくなります。

    まとめ

    業務用インカムの値段を比べるときに押さえておきたい点は次のとおりです。

    • 本体の目安は特定小電力1万〜4万円、デジタル簡易無線3万〜8万円、IP無線6万〜10万円程度
    • デジタル簡易無線は登録の手数料と年200〜290円の電波利用料、IP無線は月額1,500〜4,000円程度の通信料がかかる
    • アプリ型は1ユーザーあたり月額0〜3,000円前後。スマホがない人の分は端末代と通信費が加わる
    • 年に数回ならレンタル、毎日使うなら購入かアプリ型。台数と年数を決めて総額で比べる

    使う場所の広さと人数、使う期間を書き出して候補を2つほどに絞り、付属品まで含めた見積もりを取ると、自社に合う値段が分かります。

    連絡に使う端末をスマホ1台にまとめたい現場では、アプリ型も比べる候補になります。スマートフォンをインカムのように使えるLINE WORKSラジャーも、その一つです。フリープランは0円で試せます(会話は40分で一度切断)。有償プランは30日間の無償トライアルがあります。

    LINE WORKSラジャーの資料請求をする

    LINE WORKSラジャー公式サイトをみる