繁閑の波に影響されない、求職者の方が “安心できるコンタクトセンターづくり”を目指して

「はたらく力で、イキイキをつくる。」をミッションに掲げ、1995年創業以来、無期雇用派遣事業を通じて、製造業を中心とする人材派遣業を行っているUTグループ株式会社。

同社では、求職者の求人応募、面接予約を受け付ける採用コンタクトセンターを約50人規模のオペレータで対応をしています。
今回は採用コンタクトセンターで担っている以下3つの役割に
① アウトバウンド:求職者からの面接予約受付、面接予約者に対するリマインドコール
② インバウンド:求職者からの面接予約受付
電話応対AIサービス「LINE WORKS AiCall」を導入し、求職者のCX向上にも寄与することを実感しながら運用いただいております。

導入に至った背景、開発時エピソード、今後の採用コンタクトセンターの在り方含めて、お話しをお伺いしました。


 ※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

 

本事例のポイント

-求職者の求人応募、面接予約を受け付ける採用コンタクトセンターへLINE WORKS AiCallの導入
-10社以上を比較した中で最終的な決め手は、「1社で、すべて自己完結する分かりやすい開発/導入体制」
-ユーザーボイスの「AIだからこそ、気を遣ったコミュケーションをしなくて済み、話しやすかった」は、今後の求職者体験(CX)向上のヒント

 

全体の約8割の求職者の方が電話で、求人応募&面接予約

採用コンタクトセンターというと、最近ではインターネットでのお問い合わせが、一般的になりつつあると思うのですが、電話でのお問い合わせというのも、多くあるのでしょうか。

田口さん :

弊社でもインターネットやLINEなどを使用した自動応答形式のご予約形態をもちろん整備しております。ですが、やはり製造や建築などの現場で働く方がご利用しやすいチャネルが電話でのお問合せということもあり、求職者の約8割の方が電話にて求人応募や面接予約などを行っていただいております。

約8割が、電話での予約なのですね…!想定以上に多く驚いています。
「採用」と聞くと、季節繁忙などのイメージもありますが、業界特性上のトレンドなどはありますでしょうか。

田口さん :

一般的に「求人・採用業界」と言うと、春先に求職者・求人件数が増え、その後一度落ち着き、秋口に再度増え、しばらくして新年から徐々に回復するという傾向ですが、我々が取り扱う製造や建築などの求人は、そうした一般的なトレンドだけではなく、採用する企業様の生産計画によっても大きく左右されます。

更に、今回LINE WORKS AiCallの導入を検討したきっかけにもなった、新型コロナウィルス感染症による工場での生産停止/再開には求職者の方も、弊社としても大きく影響を受けました。

繁閑の波に影響されない、求職者の方が“安心できるコンタクトセンターづくり”を目指してAI導入を検討

新型コロナウィルス感染症による影響も含めて、LINE WORKS AiCallの導入を検討された背景を教えてください。

田口さん :

ニュースなどで盛んに報道されていたので、覚えている方も多いかと思いますが、2020年春に新型コロナウィルス感染症の流行が日本でも始まり、工場での生産などの業務が停止することが多くありました。
この場合、新規の雇用といった採用の流れも停滞するため、我々としても非常に気を揉みました。
その後、2020年9月頃に自動車工場を中心に生産業務が再開。それに合わせて求人数も増え、我々の”はたらく人のための、プラットフォーム”というビジョンを実現していくためにも、1件でも多くの雇用を創出しようと思い、広告・宣伝費用もかけて促進していきました。
結果として、多くの応募をいただきましたが、その約8割が電話による応募で面接の予約登録などの対応が追い付かない、というのが実情でした。

なるほど。これが先ほど冒頭でもお話しに出ていた、一般的な採用トレンドだけではない、UTグループ様ならではのご事情で、働く人が欲しい!応募も沢山ある!でもオペレータだけでは対応しきれないという状況だったのですね。

田口さん :

はい、そうですね。その時に感じたのは、求職者の方のCX体験向上を目指すのであれば、こうしたお問合せ数にバラつきがある繁閑の波や、繁忙期に合わせて上がるコスト面でも振り回されない環境構築が必要、ということです。求職者の方が”安心して応募や予約ができるコンタクトセンターづくり“の必要性を強く感じ、AIの導入検討を開始しました。

「1社で、すべて自己完結した分かりやすい開発/導入体制」と、AI応対で得られた「意外な反応」

実際に導入検討をした際、10社以上にお問合せをし、お話しを聞いたと、伺っています。
その中でもLINE WORKS AiCallに決めた理由は何だったのでしょうか。

田口さん :

2020年11月から本格的に導入検討をし、約半年かけて最終的にはLINE WORKS AiCallに決めました。音声合成や音声認識の性能はもちろん見ていますが、最終的な決め手は、「1社で、すべて自己完結した分かりやすい開発/導入体制」という点でした。
企業様によっては、AIエンジンは、自社ではなく●●社製、でも音声エンジンは自社の××を使用していて…というところが、結構多かったです。それらと比較して、LINE WORKS AiCallは、自社ですべてを完結できる開発/導入体制でご対応いただけたことに加え、十分なノウハウもお持ちだったので、私や弊社デジタル推進部門の責任者からも好印象でした。
そういった面もあり、最終的にLINE WORKS AiCallの導入で決定いたしました。

導入決定後、どの様なプロセスで本格導入を行っていったのでしょうか。

田口さん :

LINE WORKS AiCallの導入にはそれなりの費用がかかるので、経営層への説明責任も十分に果たしつつ進める必要があります。
なので、テスターの方を対象に実証試験を行い、その結果をもとに経営層へきちんと導入する意味なども含めながら説明していきました。
少し弊社の社内プロセスのお話しになりますが、主に6点「①導入のステップ ②実証実験の結果/課題 ③費用 ④投資の内容(工数や開発内容の妥当性) ⑤自社連携システムとの接続状態⑥投資回収計画」を書類としてまとめ、該当部門に提出する必要があります。
大きな投資ということもあり、約半年ぐらい承認に時間を要しましたが、その際もLINE側の担当営業の方や開発の方に必要な情報の提供などでご協力いただけたことがとても助かったのを今、お話ししていて思い出しました。

なかなか大変なプロセスですね…
社内承認を取る過程で行った実証試験の結果や実際に体験したテスターさんの反応はいかがなものだったのでしょうか。

田口さん :

実証実験のテスターさんからは、AIが応対することに対してはポジティブな反応が多かったです。
その中で印象的だったのは、寡黙な職人気質の方から「AIだからこそ、気を遣ったコミュケーションをしなくて済み、話しやすかった」という意外なお声をいただいて、求職者の特性に合わせたコミュニケーションのヒントになりましたし、自分たちが想像していた以上の結果で嬉しかったです。

イケてるコールセンターで、“これからのはたらき方のプラットフォーム”を目指す

最後に事前アンケートにも、びっしりと書いていただいていた、UTグループ様の「採用コンタクトセンターのあり方と、目指す姿」が印象的でした。そのあたりを、詳しく教えてください

田口さん :

我々、UTグループは”はたらく人のための、プラットフォーム”です。幸せな人生を歩んでいただきたいですし、ただ仕事をするのではなく、その人のバックグラウンドを知った上で、求職者体験を高められるお仕事につないでいきたい。それが、求職者・求人を募った企業様において、安心安全かつ、定着率を高められる雇用環境を創れると思っています。

求職者の方にとって、最初のタッチポイントが、この「採用コンタクトセンター」です。
そこでいかに求職者体験を高められるのか、がプラットフォーマーにおいて重要なポイントです。
日本最先端の技術をうまく使いながら、求職者体験を高められる、“イケてるコールセンター”を目指していきたいと思っています。

LINE WORKS AiCallの3つの導入理由

-インバウンドだけではない、アウトバウンドでも活用可能
-繁閑の波や突発的な対応にも安心・安定運用を実現
-AI開発~導入まで、1社完結の分かりやすい体制

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2023年2月当時のものです。

「顧客接点のデジタル化が進んでも、電話での問い合わせは0にはならない」 ヤマト運輸が集荷受付にLINE AiCallを導入し、 電話窓口の利便性向上に踏み切った理由

本事例のポイント

-課題:

・繁盛期や夜間帯など、お客様からのお電話がつながりにくい状況を改善したい
・オペレータの業務量を緩和することで、ゆとりのある働き方を可能にしたい

-期待:

・いつでも、お客様からのお電話がつながりやすい環境
・コールセンターを利用するお客様の満足度向上
・お客様とのコミュニケーション手段が多様化する中、
電話でもストレスフリーな体験を届けたい

-成果:

・実証テスト後のお客様アンケートでは、満足度80%以上
・「電話の待ち時間がない」「AIオペレータとのやりとりがスムーズ」
とポジティブな反応が多数
・さらにAIオペレータの作業完了率が想定以上となり、有人対応を必要とする
緊急性の高い問い合わせに対し、これまで以上に時間をかけられるようになった

 

宅急便は「止めてはならない」。ヤマト運輸が電話窓口にLINE WORKS AiCallを導入した理由

有薗さん :

ヤマト運輸株式会社では、お電話による集荷依頼の一次受付として、AIオペレータによる対応を実施しています。2020年11月に法人向けサービスを開始し、2021年1月にエリアの拡大、4月に個人向けサービスを開始しました。

かつては“電話一本で集荷”という手軽さが好評をいただいていましたが、時代の変化に寄り添い、今ではWebやLINE公式アカウントからの集荷依頼など、デジタルチャネルも増やしています。しかし、電話による集荷依頼が無くなることはありません。私たちとしては、「お客様が使い慣れている手段を使って、ストレスなく集荷依頼をしてほしい」と考えていますので、電話も大切な接点の1つとして、お客様の満足度を上げるためにはどうしたら良いかを常々考えておりました。

長い間コールセンター運営の課題となっていたのは、「安定した人材確保の難しさ」です。これは弊社に限ったことではありませんが、そもそも採用が難しいこと、時期や時間帯によって人員が増減してしまうため、お客様からのお電話がつながりにくい時間帯が発生していました。

そしてその状況に追い討ちをかけたのが、新型コロナウィルスの蔓延です。コールセンターが密になることを避けて、出勤人数を大幅に減らすことになりました。一方で、巣ごもり需要から宅急便の需要は激増。宅急便を送りたいとご連絡くださるお客様が増える中で、その電話を受けるスタッフがいないという事態になりました。
社員の安心安全を守るために仕方がないとはいえ、お客様の要望に応えられないこの状況が、悔しくて仕方がなかった。二度とこの状況を繰り返さないため、「つながるコールセンター」を実現する選択肢として出てきたのが、AIの活用でした。

我々は「ものを運ぶ」という社会的インフラを担っています。お客様が送りたいのは、荷物ではなく、想い。だから、止めてはならない。この使命感のもと、一次受付となる集荷依頼に音声AIを導入することで、お客様がストレスを感じることなくつながる環境を構築することを決めました。

お客様とLINEとともに、「ヤマト運輸のAIオペレータ」を創りあげる

 

有薗さん :

AIオペレータの導入にあたり、同様のサービスを提供している2〜3社のデモを体験しました。その中でもLINE WORKS AiCallでの会話は圧倒的に機械感がなく、「これだ!」と直感的に選びましたね。

社内検討の際、正直社内からは「認識精度は大丈夫なのか?」と心配の声もありました。そのような声には、まずご自身で体験してもらうことで、ほとんどの方の心配が解消されたようです。そして、実は導入前のSTEP0として、法人のお客様100社を対象としたテスト導入も実施させてもらいました。ヤマト運輸のサービスは日本全国で提供しているので、方言やなまりをしっかり聞き取れるかを、事前に確かめたかったんですね。そのため100社は日本各地から偏りなく選びましたが、問題なく聞き取れるという結果が出ました。

AIオペレータによる集荷依頼の対応完了率の高さ、そしてどの地域であっても問題なく使用できるという認識率の高さによって、お客様からポジティブな反響をいただけました。

LINEさんには様々なリクエストをしましたが、この実証テストの成果が想定以上だったことで、その後のエリア拡大や個人向けサービスの提供はスムーズに進みました。

LINE WORKS AiCallは定型化されたパッケージのサービスではなく、実際の現場の環境やオペレーション、ユーザーの性質に合わせて細かくチューニングしてくれると捉えています。私たちとしては、「ヤマト運輸にとって最適な音声AIとはなにか?」をLINEのご担当者さんが一緒に検証していただけたことが、何よりも心強かったです。そして、実証テストにご協力いただいたお客様からのご意見をもとにサービスをブラッシュアップしていきました。お客様・LINE社・ヤマト運輸で協力して「ヤマト運輸のAIオペレータ」をつくりあげた結果、多くのお客様から支持を得られるサービスになったのだと思います。

AIオペレータの存在により、有人対応はより親身に。
LINE WORKS AiCallはヤマト運輸の「大切な仲間」になった

有薗さん :

AIオペレータが対応できない要望は、自動的に有人対応窓口につながるようになっています。そのため、複雑性や緊急性が高い要望に対しては、人が直接丁寧に対応できるようになりました。また、これまでは有人での対応を行っており、集荷依頼を承った後、内容をシステムに打ち込みセールスドライバーに送るという手作業があったのですが、LINE WORKS AiCall導入後は、自動でその情報が送られるようになり、作業の軽減へつながり、入力ミスもなくなりました。

本格的に導入した後の反響ですが、「待ち時間がなくスムーズ」「AIの技術がすごい」など、一般のお客様からの反応も肯定的です。ヤマト運輸が何か新しいことを始める時、その判断基準は「お客様にとって良いものかどうか」なので、LINE WORKS AiCallを導入して良かったのだと、安心しています。

365日、LINE WORKS AiCallは大切なお客様からのお電話にいつでも対応してくれています。ヤマト運輸にとっては、もはや仲間のような存在です。これまで世になかったものをこれからの当たり前にしていくために、今後はさらにお客様がご利用しやすいサービス範囲の拡充や、品質向上を行っていきます。

ツールを入れることが目的ではない。「お客様にとって良いものか」を模索して選んだ

 

有薗さん :

急速なデジタル化に伴い、企業とお客様とのコミュニケーションツールは多種多様になりました。確かにデジタルツールは便利です。しかし、だから電話が不要かと言われると、それは違うと考えています。

コミュニケーションの手段が多様化するのであれば、お客様が希望するチャネルを準備し、選んでいただきたいと考えています。電話を使い慣れているお客様は当然いらっしゃるので、そのようなお客様にも向き合い、発生する課題をきちんと解決するため、LINE WORKS AiCallという選択肢を選びました。

現時点での機能には満足していますし、今後は更なるアップデートに期待しています。今後は集荷依頼以外にもLINE WORKS AiCallの技術を適用していければと考えています。理想としては、あらゆるサービスへの分岐点になってもらうこと。現状、サービスごとに電話番号が異なるなど、Webチャネルが点在しているのため、AIオペレータに要望を伝えるだけで適切な窓口へと導いてくれる存在になったらいいなと思っています。より、人との会話に近いサービスを提供していきたいですね。

すべては、お客様にとって良いサービスを提供し続けていくためです。テクノロジーを活用して変化していくことは大事です。試せるものはどんどん試して、ヤマト運輸のコールセンターは、お客様にとってよりつながりやすく、身近な存在であり続けます。

 

LINE WORKS AiCallの5つの導入利点

-「スムーズにつながる」ストレスフリーな問い合わせ体験を提供
-人に近い形でのお客様とのコミュニケーションを実現
-顧客満足度の向上
-AIと人の作業分担により、複雑性の高い問い合わせに時間をかけられるように

-集荷受付完了後自動で集荷ドライバーに情報を連携、有人オペレータの作業軽減

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2021年10月当時のものです。

飲食業界の課題を音声AI活用で解決! ピークタイムの電話応対負担を半減、 顧客満足度も向上したLINE AiCallの活用

本事例のポイント

-課題:

・飲食店予約内容のデジタル化とデータ活用
・店舗負担の多い当日予約電話応対の自動化
-期待:

・電話応対Alサービスによる予約内容のデジタル化
・音声AI技術、複数予約サイトコントローラーの活用による電話予約応対の自動化
-成果:

・自動化により電話応対負担が半減
・店舗サービスの拡充
・顧客満足度の向上
・データ活用によるサービス価値の向上

 

株式会社エビソルとは?

株式会社エビソルは、「“体験”をアップデートして社会に貢献する」をミッションに掲げ、飲食サービスや観光サービスのDX推進を支援。
飲食店予約管理システム「ebica」を基軸に外部システム連携により様々なデータを蓄積し、業界初となるグルメサイトコントローラーや、空席データと連動したAI電話予約応対サービス「AIレセプション」により、全ての予約管理の自動化を実現。顧客減少や人手不足など様々な課題に直面している外食産業において、スタッフが接客や調理など「ヒトにしかできない仕事」に集中できる環境を創ることで、顧客の満足度を高め、スタッフの生産性向上を支援するサービスを提供しています。

 

コロナ禍で新たに生まれた飲食業界の課題とは

田中さん :

飲食業界はこれまで長い間、少子高齢化と働き手不足の問題に悩まされてきました。現在はそれに加えて新型コロナウイルスの流行による店舗運営体制の変化やGo To Eatキャンペーンの対応など、わずか1年未満の間に状況が目まぐるしく変化しています。特にコロナ禍で大きく変化したのが、消費者のニーズです。

緊急事態宣言で外食ができなくなり、消費者はデリバリー・テイクアウト・お取り寄せなどで食を楽しむ方向にシフトチェンジしました。その後、緊急事態宣言が解除されてからも、外食を楽しむ方は以前の水準に戻っていません。飲食店様の予約数を見ても、客数が戻っていないことは明白です。

その状況を打破するためにGo To Eatキャンペーンが実施されていますが(※)、コロナ禍の影響は大きく、席の間隔を空けての営業やグループサイズの変化(1グループ平均4名から平均3名に減少)があり、満席でも売上は例年の7〜8割という飲食店様も多い状況です。

現場の状況からも、コロナ禍の影響による消費者のニーズには大きな変化が見て取れます。「テイクアウトでも十分」「デリバリーであの味が家で楽しめる」となると、飲食店側がお客様に対して「外食することの価値」をこれまでよりもわかりやすく示す必要性があるといえます。

場や雰囲気、スタッフとのコミュニケーション、お店でしかできない体験を楽しむことや、家にはないものを求めて、「外食」を積極的に選んでもらえるような理由付けが必要になってくるのです。

飲食業界の新たな課題解決に欠かせない「データ活用」

田中さん :

外食でしかできない体験を楽しみに来てくれるお客様を増やすために欠かせないのが、「データの活用」です。そもそも弊社が飲食店向けにネット予約サービスを始めた理由の1つは、「ホテルや航空券などはネットで即予約できるのに、なぜ飲食店だけはネット予約が進まないのか」と感じたことにあります。ネット予約が進めば来店データが自動でデジタル化でき、予約いただいたお客様のデータが蓄積されます。

これまでの来店でどんなものを召し上がったのか、食やお酒の好み、ご家族・友人・パートナーなどの利用パターン、普段使いかそれとも特別な日にご来店いただいたのかなど、さまざまなデータがないことには、お客様1人1人に最適な「お店でしかできない」サービスを提供できません。

外食を選んでもらうにはこのようなデータを蓄積し、新しい体験を提供できるような準備が必要です。しかし、このようなデータを蓄積できている飲食店はまだ少ない状況で、飲食業界の大きな課題の一つだと言えます。

 

 

「ebica予約データ分析」からもわかるように、2012年はネット予約が1割ですが、2019年の最近になってもまだネット予約の割合は半数にも満たない状態です。

Go To Eatキャンペーンなどの新しい施策を取り入れるにも、データ活用が欠かせません。ただ制度を受け入れるだけでは、キャンペーンによる単価減少と、コロナ禍によるグループサイズの減少で客数は伸びても売上があまり上がらず、逆に利益を圧迫する結果を招いてしまいます。

自店舗の利用頻度・シーン・パターンなどがデータ化できていなければ、施策を利用して成長するのはとても難しいです。データ活用を可能にするデジタル化、そして“ヒト”がやらなくていいことをAIに任せ、“ヒト”は外食を楽しみに来たお客様の接客や、外食ならではの料理の提供に注力できる環境を創ることが今後の飲食業界にとって重要になると考えています。

そこで予約のネット化を進めるべく奔走していたのですが、飲食店の予約=電話というユーザーの消費行動を変えることは難しく苦しみました。その後は消費行動を変えずに電話予約をデジタル化できないかと試行錯誤し、自動音声通話やコールセンターなどにトライしました。しかし、どれも一長一短で課題解決にフィットするサービスが見つけられていなかったのです。

 

LINEの音声AI技術を活用し、『AIレセプション』をリリース

 

田中さん :

「どうやったら予約をデジタル化できるのか…?」と方法を模索し続けていたところ、2019年のLINE CONFERENCEで電話応対AIサービス「LINE AiCall」(※)に出会ったことが大きな転機となりました。「これなら電話予約のデジタル化とデータ蓄積が実現できる!」と強く感じ、その滑らかで自然な会話と音声にとても驚いたことを鮮明に覚えています。

※「LINE CONFERENCE 2019」当時は、音声AIプラットフォーム「DUET」という名称で発表

LINEさんとすぐに話を進め、お店の負担を軽減しながら電話予約をデジタル化できる音声AIサービスを開発することになりました。

 

まずは、特にお店の負担が大きく、かつ音声AIでも応対できる当日の電話予約に的を絞り、LINEさんと商品開発に着手。2019年11月〜「LINE AiCall」を活用した実証実験をスタートし、2020年10月1日に『AIレセプション』というサービスをリリースしました。

AIレセプションとは?

飲食店にかかってくる予約電話に「LINE WORKS AiCall」(AIスタッフ“さゆり”)が応対し、そこで聞き取った内容と飲食店向け予約管理システム「ebica」の空席データをリアルタイムで参照することで、さらに予約登録までを自動化するサービスです。
お客様はいつも通りお店に電話をかけて、「◯日の✕時から△名で予約したい」と伝えるだけでOK。その後はヒトと会話しているような自然な音声が特徴のAIスタッフ“さゆり”の質問に答えるだけで、簡単に予約が完了します。
お客様との会話内容はすべて記録されているので、情報がわからないと心配する必要もありません。スタッフが電話対応をしなくても予約が完了するため、目の前のお客様に集中することができます。

※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

 

店舗の電話応対負担を半減!サービスの拡充を叶えた実証実験

証実験前の仮説通り、当日店舗にかかってくる電話の50%が予約関連の電話で、残りの50%はその他のお問い合わせや相談でした。実証実験を行った店舗では、1日にかかってきた電話の28件中15件が予約の電話で、この15件をすべて『AIレセプション』が応対しました。

お客様が指定された時間の予約が無理な場合は、他の空いている時間への誘導、もしくはお断りまで応対します。「今から入れますか?」という問い合わせにも、複数のサイトの予約情報とリアルタイムの空席情報を突き合わせてすぐにご案内します。

店舗スタッフ(ヒト)が電話応対した場合を考えると、75分間(最大5分×15件)動けなくなる可能性があるのですが、『AIレセプション』を利用することで、この75分間はヒトで応対する必要なくなります。

 


このデータを見ても、コロナ禍でピークタイムの直前予約による電話応対が増加しています。ピークタイムに電話応対で最大75分も取られる状況と、電話を気にせず接客・サービスに集中できる状況に大きな違いがあることは飲食業界の皆様ならわかっていただけるはずです。

 

コロナ禍に店舗が抱える3つの課題をクリアした『AIレセプション』

田中さん :

現在店舗が抱えているリアルな課題は、①コロナ禍で人手不足の状態、②当日の直前予約電話の増加、③Go To Eatキャンペーンによる忘年会シーズン並の繁忙、の3つです。人手不足の状態で来客対応だけでも忙しい状況下で、電話応対の増加によって負担が増えているため、店舗スタッフはかなり苦しい状況に立たされていることがわかります。

この状況を打破するためにも、音声AIを活用した『AIレセプション』が活躍しています。

 

導入店舗の声

俺のフレンチ・イタリアン青山店 店長様 

 

AIレセプションを導入した一番の成果は、ご案内・お会計・電話の3つを担当するアテンド係の負担が減り、目の前のお客様により集中できる環境が作れたことです。飲食業では電話一本を受けるところからサービスが始まるため、かかってくる電話が取れないのは大きな機会損失です。ご案内はお客様との初対面となるのでとても重要ですし、お会計でお待たせすることもサービス提供者としてNGだと考えています。

弊店には子機が2台あるので、アテンド係が対応中の場合はもう1人がカバーするような体制になっていますが、AIのおかげで余裕を持った対応ができるようになっています。ご案内・お会計対応だけでなくサービス提供に集中できるので、とても助かっています。

電話をAIにお任せできるという安心感は、想像以上に大きな効果だったと実感しています。

 

『AIレセプション』の導入前、導入後の変化 :

『AIレセプション』を導入する前は、AIといっても「なんとなく便利になるんだろうな」という程度で具体的にどんなメリットがあるのか、あまりイメージできていませんでした。

『AIレセプション』を導入した当初は慣れませんでしたが、AIで電話を受けてもらえる効果が想像以上に大きいことに気づきました。

電話を気にせずお客様に集中でき、店舗でのサービスが充実すると実感できたのはもちろん、精神的にも大きな影響があると感じます。今ではお店のスタッフ同様、“さゆり”と名前で呼ぶほどお店に欠かせない存在になっています。

 

AIレセプションを利用したお客様の声

 

実際に『AIレセプション』を利用されたお客様の声としては、好意的な反応が約9割と高い結果になりました。(※店舗で行っている『AIレセプション』を利用されたお客様に対するアンケート結果より)

 

●ご利用いただいた感想
●初めてAIを利用した予約を行ったが、とても便利でした。
●初めてのAI体験でおもしろかったです。
●びっくりしましたが、ちゃんと会話ができました。
●お店のスタッフが相手だと忙しいところに電話して申し訳なく思って焦ったり、相手の話し方が早くて聞き取りづらくても聞き返しにくかったりする。AIによる案内を今後もぜひ続けていただきたいです。

 

上記のようにお客様の声としては、最初は驚いたけれど思った以上にしっかり会話ができた、無事予約できたのでAIでも満足などの好意的な意見が多く見られました。

 

エビソルが今後目指したい未来

田中さん :

弊社が展開する飲食OMO事業は、リアルな飲食業とオンラインをつなげるマーケティングを目指す事業です。集めたデータをグルメサイトなどの周辺事業者やITと連携することによって、飲食業の販促に役立つシステム構築を目指しています。『AIレセプション』も、その一環となるサービスです。

弊社のサービスを活用いただくことで、消費者には、好きなタイミングにお店の状況を気にすることなく、『AIレセプション』で簡単に予約ができる環境を提供することができます。また、来店された際に召し上がったメニューがオンラインにデータとして蓄積され、そのデータを元に次回は好みのメニューをご提案し、新たな外食体験を楽しんでもらう、そんなことを可能にします。

対消費者だけでなく、飲食業の成長にも蓄積されたデータを活用できます。客数・客単価・回転数・時間帯ごとの人気メニュー・利用シーンなどのデータがあれば、より繁盛店舗になるためのヒントが得られます。

もともと日本の飲食店が持つ「おもてなし」の素晴らしさは、このようなマーケティングをすればさらなる価値向上ができますし、消費者にとってもそういった外食体験ができることは大きな楽しみとなるでしょう。また、おもてなしを体験したことのない諸外国の方にとっても、きっと素晴らしい体験となるはずです。

本来日本の飲食業が持っているポテンシャルを最大限に引き出し、消費者・飲食業双方が幸せになる世界を実現するために、これからも飲食店をサポートし、飲食業界の活性化に貢献していきたいと思っています。例えば、受付表を使っていたある企業では、その帳票をSHIORIに代替することで、タブレット上で手書きした文字をデータ化し、CSV出力することができるようになります。現場では変わらず手書きで受付ができるためオペレーションを大きく変えるなどの負担が少ないですし、本部では受付で得た情報をデータ化してCSV出力し、情報を活用することもできます。我々はただ作業を効率化したいのではなく、あくまでお客様ファーストなので、お客様対応の品質向上と作業効率化を両立したいと思っているんです。

 

LINE WORKS AiCallの5つの導入理由

-当日予約の電話を自動化することで店舗負担を半減
-自動化による店舗サービスの拡充
-電話予約を自動でデータ化することで、マーケティングへの活用が可能に
-顧客満足度の向上
-データ活用によるサービス価値の向上

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2020年11月当時のものです。

お客様をお待たせせず、適した対応窓口への スムーズなご案内をAIオペレータで実現

 

本事例のポイント

・傷害保険の契約窓口と、自動車保険の事故受付窓口対応へのLINE WORKS AiCallの導入
・ワンストップ国内開発のLINE WORKS AiCallで、導入後のシナリオ変更も柔軟に対応
・応答率の改善と、「TNPS調査」のスコアも向上で、業務効率と、顧客満足度向上を同時に実現

 

複数のチャネルを通じて、幅広い保険サービスを提供するチューリッヒ保険会社。
ダイレクトマーケティング手法で保険の提供をしているホールセール事業、インターネットや電話を通じて保険を提供しているダイレクト事業は、それぞれ契約窓口と事故受付窓口があり、4つのコンタクトセンターを複数拠点で運営しています。

同社では、傷害保険の契約窓口と自動車保険の事故受付窓口対応に、LINEが提供する電話対応AIサービス「LINE WORKS AiCall」を導入し、お客様へのスムーズなご案内を実現しています。
導入に至った背景、開発時エピソード、その後の効果でTNPS調査のスコアが向上した話も含めて、お伺いしました。

 

専門知識のトレーニングが必要・24/365が求められる保険業界

チューリッヒ保険といえば、インターネットでの問い合わせ導線が、かなり整備されている印象があるのですが、電話でのお問い合わせというのも、多くあるのでしょうか。

 

皆川さん :

はい。それぞれの窓口ではインターネット上での手続きもありますが、内容によっては、電話での問い合わせも多いです。契約窓口では、連休明けや、引っ越しに伴う、住所変更や車の変更の電話問い合わせが2月~4月にかけて多く、自動車保険では、事故というシーンにおいて、電話での問い合わせが圧倒的大半を占めるのが現状です。

契約窓口、自動車保険、それぞれ、お客様からの問い合わせ内容の特性や、そこに付随する御社にとっての課題はどの様なものがあるのでしょうか。

 

皆川さん :

契約窓口でのコンタクトセンタースタッフは、保険契約手続きという業務の特性上、専門知識のトレーニングを受けていないと契約手続きをする電話応対ができず、繁忙期だけ人材を増やすというのは、容易にはできないことです。
また、自動車保険においても、事故というシーンにおいての問い合わせは、圧倒的に電話での問い合わせが多く、迅速且つ丁寧な対応が24時間365日求められるシーンです。
ただ、この事故受付窓口に、お客様から契約関連のお問い合わせをいただくこともあり、その場合の適した窓口へのご案内というオペレーションが、現場では課題となっていました。

 

お客様をお待たせしない、適した窓口へのスムーズなご案内を実現するためにAI導入

チューリッヒ様は21年2月に、傷害保険の契約窓口での運用を開始し、その後、22年7月には自動車保険の事故受付窓口でもLINE WORKS AiCallの運用を開始しています。
まずは、21年2月に、傷害保険の契約窓口でのLINE WORKS AiCallを導入するきっかけになった、当時の背景について教えてください。

 

皆川さん :

契約窓口での課題は、連休明けの午前中や、引っ越しシーズンに伴う月での住所変更のお電話での問い合わせが集中し、お客様をお待たせしてしまうことでした。当社はお客様中心主義に基づいた『ケア』の精神を非常に重んじている会社です。電話をかけたまま、お客様をお待たせしてしまうことを解決したいと思い、LINE WORKS AiCallを使用して、コールバック予約を提供しました。

 

コールバック予約とは、電話が込み合っている際に、入電時のIVRアナウンスで、本日中のオペレータからのコールバックを予約できることを案内し、ここでのコールバック予約の予約情報をLINE WORKS AiCallが受付ける、といったものです。

この取り組みはお客様からご好評いただき、『どこのコールセンターも待ち時間が長いものだと思っていたが、お客様を待たせないこの仕組みは素晴らしい』とTwitter上でもツィートいただきました。

 

 

※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

お客様から実際のお声をSNSで投稿いただけるのは、嬉しいですね。22年7月には自動車保険の事故受付窓口での導入も、傷害保険の契約窓口での運用結果を受けて、導入!という形に至ったのでしょうか。

皆川さん :

自動車保険においては、21年2月にLINE公式アカウントを活用し、事故対応の進捗状況のご連絡サービスを既に、開始していました。この取り組み自体がお客様からご好評いただき、事故受付~事故対応まで一貫したLINEによるコミュニケーション手段を検討し、導入に至りました。

コミュニケーション導線を、LINEに集約されているのですね。自動車保険の事故受付窓口でのLINE WORKS AiCallの役割は、どういったものなのでしょうか。

皆川さん :

自動車保険の事故受付窓口では、事故以外の電話問い合わせが来てしまうという場面において、入電時にお客様から用件を伺い、用件に応じてお繋ぎする先を振り分け、適した窓口にご案内する、という振り分け機能の役割をLINE WORKS AiCallで実現するために導入しました。

 

お客様がお電話をする際も、LINE コールPlusと連携することで、LINE上で通話ができ、LINE WORKS AiCallで適した窓口へご案内し、初回受付後は、LINE公式アカウントを通じて、お客様に事故対応の進捗状況を連絡する、といった仕組みです。

お客様も普段、接点の多いLINE上でコミュニケーションが一貫して取れますし、LINE WORKS AiCallによる適切なナビゲーションで、同社の担当者が、お客様の必要とされる本来の業務に集中できる環境を整えることができたので、コンタクトセンターのスタッフからも好評の声をいただいています。

※LINE AiCall → LINE WORKS AiCall

 

国内開発拠点の強み。One teamで、よりよいサービスの提供を実現

21年2月に、傷害保険の契約窓口での導入の際、複数社検討されたとのことでしたが、その中でLINE WORKS AiCallを選んだ、決め手はどの様なものだったのでしょうか。

皆川さん :

LINE WORKS AiCallのデモを聞いた時に、非常に流暢な日本語を話していたこと。それと、当社が導入したいと思っていた繁忙期(21年2月~)の導入までに間に合わせる開発・導入スケジュールを組んでいただいたことですね。
国内に開発拠点があるからこその、スムーズな連携は実際の開発・導入の際にも生きました。

-LINE WORKS AiCallの国内での開発拠点が生きたというお話ですが、実際の開発導入の際、どの様な場面でそれを感じたのでしょうか。

 

皆川さん :

LINE WORKS AiCall導入直後に、契約窓口のお電話にて、お問い合わせをしてくださるシニアのお客様の喋る速度が、想定よりも少しゆっくりだということが分かりました。そこで即座に開発チームに連携し、シニア層をターゲットとしたユーザーテストを経て、音声認識の受付時間を適した長さに延長したところ、認識率が向上しました。

また、当初我々は、シニアのお客様に分かりやすいようにと、長く丁寧な説明でご案内するシナリオを組んでいましたが、 実はそれは逆効果で、短い会話でやり取りできるご案内のほうが、お客様にとって発話しやすく、その後のスムーズな会話につながる、 という知見を得て、シナリオも見直しました。

こうしたチューニングも、当社とLINE WORKS AiCallの開発チームと、One teamで密に連携できたことが、我々にとっても、よりよいサービスの提供につながっていったのではないかと思います。

 

「ケア」の精神と「イノベーション」の発想に基づいた、サービス提供を目指して

LINE WORKS AiCallを導入して、得られた結果や効果は、どのようなものがありましたでしょうか。

 

皆川さん :

LINE WORKS AiCallを導入して、応答率が改善したとともに、TNPS調査(お客様の利用経験に基づいた推奨意向を把握する、トランザクショナルNPS調査)のスコアが向上したことが何より嬉しく、非常に大切な結果だと思っています。

単に業務の効率化というこだけでなく、お客様の満足度も向上できたといことですね。そちらもふまえて今後の御社の展望も教えてください。

 

皆川さん :

当社の企業理念は、お客様中心主義と高い倫理観に立脚し、『ケア』の精神と『イノベーション』の発想に基づいたビジネス展開を行うことです。AIがオペレータの代行をすることで、本来の業務に担当者が集中し、よりきめ細かなサービス提供が行えます。

 

AIとオペレータが協業することで、お客様の期待を上回るサービスを今後も提供していきたいと思っています。 まだまだここで終わらずに、LINE公式アカウント含め、今後のマーケティング施策への連携も思案中ですので、より、お客様への『ケア』と『イノベーション』の提供を行っていければと考えています。

 

LINE WORKS AiCallの3つの導入理由

-お客様の音声を正しく聞き取る、高い音声認識の技術と、振り分け精度の高さ。
-流暢な日本語で、自然な応答を実現。
-ワンストップ国内開発で、導入後のシナリオ見直しもスムーズ。

 

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年9月当時のものです。

得意先からメール・FAXで届く出荷伝票月 2,000枚を自動でデータ化!1日100枚のペーパーレス・ 毎月60時間の業務時間削減を達成

 

本事例のポイント

-課題:

・取引先からFAXやメールで毎日届く出荷伝票を全て印刷し、紙ベースで入力業務を行っていた
・別のAI-OCRを導入していたが、認識精度が悪く業務負荷がほとんど減らなかった
・複数の帳票を取り扱うため事前設定を簡単に行え、自動配車システムと連携する必要があった
-成果:

・出荷伝票2,000枚/月の読み取りを効率化
・60時間/月の業務時間削減、1人あたり1時間/日削減
・100枚/日をペーパレス化
・複数帳票でも読み取りが早く、画面上で簡単に確認や修正が出来るようになった
・自動配車システムとAI-OCRを連携することで業務全体を効率化

 

株式会社ロジス・ワークスとは?

1923年に貨物自動車運送事業として創業、時代の流れに即した幾多の変遷を経て1965年に昭和電線グループの一員となった。2006年には株式会社ロジス・ワークスが誕生し、総合物流会社としてサービスを提供しており、常時多種多品目の電線を取り扱い、得意先からの注文に合わせて、切断加工・全国への輸配送を請負っている。また、物流機器の製造・販売、電線ケーブルのリサイクルなどもおこなっている。

 

 

毎日メールやFAXで届く出荷伝票を印刷して手入力していた。自動配車システムとの連携のため、出荷伝票のCSV化が必須に

ー 御社の配送グループの業務内容とLINE WORKS OCRをどのように活用いただいているか教えてください。

 

齋藤さん:

当社は主に電線を製造する工場に隣接した「工場部門」と全国のお客様にお届けするための「流通センター部門」の2つの部門に分かれております。

流通センター部門は管理・配送・倉庫と2つのグループに分かれており、その中で配送グループは管理グループから指示される電線の注文情報を取りまとめ、翌日の配車作業を行い、トラックの運転手さんに配送指示を出す役割を担っています。

 

野村さん:

LINE WORKS OCRを活用している作業としては、毎日昼と夕方の2回に分けて翌日の出荷伝票がメールやFAXで届くので、その書類をCLOVA OCRで読み取り、CSV化し、主に2種類の出荷伝票を、1日100枚程度、月2,000枚ほどを読み取っています。

伝票には納品先住所・電話番号・電線の種類・サイズ・数量などが記載されていて、項目が多いものだと160項目くらいにもなり、これまでの手作業による入力作業から解放されました。

 

<実際読み取っている伝票>

ー LINE WORKS OCR導入前に他社のAI-OCRを利用していたとお聞きしましたが、そもそもAI-OCRを導入されたのは、どういった課題からでしょうか?

 

齋藤さん:

AI-OCRでCSV化した出荷伝票のデータを自動配車システムと連携する、とお話しましたが、この配車の作業がなかなか手間のかかるものなのです。

 

システムが入る前は、出荷伝票をすべて紙に印刷して机一面に並べ、「このトラックはこのルートで配達すれば、無駄なく配達できる」と人の手で配車を組んでいました。だいたい17時から始めるのですが、伝票は次々にくるので少なくとも20時頃まではかかっていたと思います。

 

この業務を効率化しようと自動配車システムの導入を検討したのですが、それを活用するためには出荷伝票をCSV化したデータが必須でした。大多数はCSV化が可能でしたが、どうしても紙の伝票でしか発行できない場合もあり、紙伝票の存在は避けられないものだと考えていました。

 

そんな中でAI-OCRの存在を知り、「AI-OCRで紙伝票の入力作業を自動化し、データ化したものを自動配車システムと組み合わせれば、配車作業を大幅に自動化できる」と考え、最初は他社のAI-OCRを導入しました。

 

 

読み取り精度向上を求めて他社のAI-OCRからLINE WORKS OCRに乗り換え。決め手は「読み取りたい項目だけ」を、「高い認識精度で読み取れる」こと

ー 他社のAI-OCRから乗り換えを考えたきっかけは、どのようなものでしたか?

 

齋藤さん:

読み取り精度があまり良くなかったことが、大きなきっかけですね。

費用的には比較的安価だったので利用しやすかったのですが、修正作業が発生してしまうこと、読み取りたい部分をあらかじめ書類に線で囲むといった新たな作業が発生してしまい、「これなら手入力したほうが早い」「そもそもあまり利用する意味ないな」と感じていました。

 

ー「AI-OCRは使えない」という印象を持たれてしまったのではと思ったのですが、そうはならなかったのでしょうか?

 

齋藤さん:

ならなかったですね。紙書類を自動でデータ化する技術がある、ということを学んだので、「他の製品だとどうなんだろう?」と興味が湧きました。

そんな時に親会社の協力部署からLINE WORKS OCRについてご紹介いただき、「無料トライアルがあるから試してみよう」と決まりました。実際使ってみると、想像以上に読み取り精度が高くびっくりしましたね。

 

ー 導入検討にはどれくらいの期間をかけ、またどのように検証しましたか?

 

齋藤さん:

検証自体は2週間程度です。

導入済みのAI-OCRと読み取り精度の比較をするために、それぞれで同じ伝票を読み取り、1文字ずつ検証しました。

 

ー 導入の決め手はどのようなところだったのでしょう?

 

 

齋藤さん:

一番は読み取り精度の高さです。また、読み取りたい項目を簡単に事前登録できることもよかったですね。

 

野村さん:

弊社はWeb上で使えるLINE WORKS OCR ReaderとTemplateを導入したのですが、このテンプレート設定が非常に使いやすいです。書類を読み取ると管理画面上でデータ化できる項目を自動的に枠で囲ってくれるので、私たちは読み取りたいところだけをぽちぽちと感覚的に選べばいいだけ。とても簡単です。

 

齋藤さん:

以前のAI-OCRは紙書類に書いてある文字をすべて読み取ってしまったため、不要な部分を消す作業が必要でした。

必要なところだけを読み取れるとその後の作業が楽ですし、修正も少なくて済みます。

小さなことのように思えますが、日々取り扱う枚数が多いので、こういった手間が積み重なると大変なんですよ。

CSV化はグループに所属する9名で日毎に担当しているのですが、使い方が簡単なので、みんなすぐに使えるようになりました。

 

野村さん:

50歳を過ぎたスタッフもいますが、問題なく使えています。

一人だけしか使えない難しいツールだと、その人が休んでしまったら業務がストップしかねません。

LINE WORKS OCRはその点でもグループ内の共有が簡単だったことが助かりました。

 

 

3人分で60時間/月の削減。他部署でExcelに手入力していた他の書類を読み取れる汎用性と費用対効果の高さも魅力

ー その他に、乗り換える上での懸念点などはありませんでしたか?

 

齋藤さん:

正直費用の増加は気になるところでしたが、総合的な費用対効果を考え、導入を決めました。

前がかなり安価だったこともあり、単純に費用だけを比べれば金額はあがっています。

しかし、それによって配車作業にかける時間の短縮が叶い、一人当たりの生産性が上がると考えれば、投資する価値はありましたね。

 

ー その他に、乗り換える上での懸念点などはありませんでしたか?

 

齋藤さん:

読み取り精度が上がったことで出荷伝票をデータ化する作業時間を、1日1人あたり1時間ずつ削減できています。

1人あたり1ヶ月で20時間の削減、3人で作業したと想定すると、60時間/月の削減になります。

 

野村さん:

また、これまで手で配車作業するためにメールで送られてきたPDFをプリントアウトしていた工程が減り、1日100枚ほどのペーパーレス化ができました。

 

齋藤さん:

この成果を見て、実は他の部署にもLINE WORKS OCRを勧めているんですよ。

業務IT化プロジェクトという取り組みが社内にあるのですが、そこでLINE WORKS OCRを紹介させてもらったところ、経理部門から「この伝票もデータ化できますか?」と相談がありました。

 

当社にもいろいろな基幹システムがあるのですが、そこと紐付けるための書類がPDFでしか出力できないため、それを見ながらExcelシートに手打ちしていたそうなんです。

そのPDFをLINE WORKS OCRで必要な項目だけを読み取ってCSV化すればかなり作業効率化できそうだ、という考えで、今まさにチャレンジしています。
LINE WORKS OCRはライセンスを50ユーザーまで登録できるので、一部署にとどまらず、他の部署にも広げやすいなところがいいですよね。

 

ー 他の部署にも勧めていただけていることが、とても嬉しいです。

 

齋藤さん:

導入時は想定してなかったことなのですが、LINE WORKS OCRは一枚の書類にテキスト表形式の図が混在していても読み取れるんですよね。これを知ってからさらに、活用の幅が広がりそうだと期待を感じています。

 

ー 例えば、どのような書類ですか?

 

齋藤さん:

物流の現場でフォークリフトを使うのですが、この機械を点検するための点検表があるんですね。

インターネット上にベースとなる点検表があって、それを弊社用にアレンジしたものを作るのですが、似たものをExcelで作ろうとしても結構手間がかかるんですよ。

LINE WORKS OCRは表形式の図などもそのまま読み取ってくれるので、うまくアレンジできればさらに活用の幅を広げていけそうです。

 

 

人手不足にどう向き合うか。単純作業をAIで置き換え、人にしかできない業務に時間をかけられる体制を目指す

ー 齋藤様のようにLINE WORKS OCRを御社の業務に役立つように色々とトライしていける方がいらっしゃると、業務効率化が社内全体に広まりそうですね。業務改革部では、今後どのようなことを目標とされていますか?

 

齋藤さん:

物流業界は人手不足の問題と常に隣り合わせです。

私たちはこの問題に対して、ITツールやAI技術を使って業務効率化できる作業はあるか?と、アンテナを張り続けている状態ですね。

 

今後はロボットの導入なども可能性としてはあると思いますが、それらは人の作業時間を短縮し、人の手を空けるための手段です。そうして浮いた時間を使って、人にしかできない価値作りを追求していきたいです。

 

ーありがとうございました。最後に、御社の展望をお聞かせください。

 

齋藤さん:

当社はメーカー物流子会社であり、物流全般についてソリューション提案が可能です。

輸配送業務はもちろんのこと、パレットなどの物流機器の製造販売、梱包業務全般、設備移設作業、その他受託業務など幅広く対応が可能です。物流に関して困った時には「株式会社ロジス・ワークス」まで是非お問合せいただけますと幸いです。

 

 

LINE WORKS OCRの5つの導入利点

-精度高く伝票を読み取り、誰でも簡単に画面上ですぐにデータ化できる。
-他のシステムとの連携で業務全体を効率化。
-他部署へも横展開しやすい汎用性。
-ペーパーレス化による印刷時間削減とコスト削減。
-点検表などの表とテキストが混在する書類でも、表を表のままCSV化できる。

 

製品に関する詳細はこちら→

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年10月当時のものです。

請求書の処理作業時間を40%削減!さらに膨大な紙書類の保管と業務の属人化から解放 経費精算システムSAP Concur+LINE WORKS OCRの導入事例

 

本事例のポイント

-課題:

・経費書類や請求書が増え、保管スペースが圧迫・保管費がかかる
・業務の属人化による業務全体の非効率さ
・Concur導入で業務効率化を実現したが、データ入力業務は残る
-期待:

・データ入力の手間や確認作業の簡略化
・リモートワークの促進
・LINE WORKS OCRとConcurをセットで提案することで、お客様の請求書業務自動化への貢献
-成果:

・業務時間を削減でき、コア業務への時間に充てることができた
・場所に捉われない働き方ができるようになった
・お客様への提案の際に、安価かつ高品質な提供価値(武器)を得る事ができた

 

IMGコンサルティング株式会社とは?

日本企業の競争力強化に貢献するために、デジタル変革を伴うERPの導入を支援しています。また、間接費業務改革を目的に世界標準の経費精算・請求書クラウドシステム-Concur(コンカー)をライセンスの再販売から導入支援までサポートしています。

 

 

膨大な紙書類の保管と属人的な経費精算業務の改善を目指し、SAP Concurを導入、さらにLINE WORKS OCRを連携

―― 御社の業務内容について教えてください。

 

小野里さん:

弊社はデータを効率的に処理し、組織における情報をスムーズに行き渡らせるためのソリューション開発を行う、SAPに特化した領域のコンサルティングの会社です。主には、クライアント企業のDX推進サポートを行なっています。

―― 御社がLINE WORKS OCR導入検討されたきっかけをお伺いできますか?

小野里さん:

2022年4月で6期を迎えたのですが、保管しなければならない過去の請求書類の量が膨大になってきたことが1つのきっかけです。それらの管理を中谷が1人で行なっていたため、今後のためにも属人的な業務は極力なくしたほうが良いのではと、気になっていました。

―― LINE WORKS OCR導入以前は、どのように作業していたのですか?

 

中谷さん:

経費精算は各社員から経費明細のExcelと領収書の原紙を受け取り台帳に張り付けて当社で保管し、

Excel及び領収書コピーを親会社経理に送付。請求書も確認後に親会社へ送付していました。

親会社側で受け取った経費明細と請求書を経理システムに登録していました。

―― 台帳に貼り付けとなるとリモートワークも難しそうですね…。膨大な紙書類の保管方法と、経費精算業務が属人的であることが大きな課題だったのですね。

 

中谷さん:

そうですね。紙書類の保管については、管理コストも馬鹿にならないと思っています。

毎年増える紙書類のために、キャビネットは満杯になり、保管場所の確保など、そのコストは少なくないですよね。もっとオフィスのスペースを有効活用出来ればと考えていました。

―― 御社は、経費精算システムのSAP Concurを導入後、LINE WORKS OCRを連携されていますよね。その経緯を教えていただけますか?

 

小野里さん:

まず、経費精算をいつでも申請・承認できるConcur Expenseを導入後、請求書のデジタル化と支払い管理を自動化するConcur Invoiceを導入しました。

Concur Invoiceは、外部のソリューションを連携させることで機能が拡充されます。

その中にOCRを用いた請求書の自動読み取りがあったため、これらを連携することでConcur Invoiceのメリットを最大限享受したいと思っていました。

―― 連携できるOCRは他サービスもあると思いますが、なぜLINE WORKS OCRを選ばれたのですか?

 

小野里さん:

比較検討したところ、金額面や機能面などのバランスがよい印象でした。

読み取り精度もICDAR(文書解析と認識に関する国際会議) で世界No.1を数多く獲得していることで技術への信頼感も持てましたし、「LINE」というブランド(当時)自体、我々や接するお客様にとって親近感があり、ご提案がしやすいと感じました。

 

中谷さん:

使い勝手も比較検討しましたが、安価でコスト面のハードルの低さも魅力でしたね。

―― 導入したことで、課題解決以外に得られた効果はありますか?

 

小野里さん:

僕が個人的に思ったことは、新たなソリューションを加えることで、これまで属人的になっていた運用体制を社内で話し合えたことで、共通認識ができたことです。

「これからどう運用していこうか」と組織として建設的な話し合いができますし、何かあった場合でもフォローできる体制になったのではないかと思いますね。

 

 

Concur InvoiceにLINE WORKS OCRを掛け合わせれば、お客様のDX推進にもっと貢献できる

―― 御社はSAP ConcurパートナーとしてConcurを導入したい企業様のサポートもされていらっしゃいますよね。そのサービス内容を、お聞かせいただけますか。

 

中谷さん:

弊社はもともとSAP・ERP導入ビジネスから始まったのですが、提供するサービスの幅をさらに広げ、お客様のお役に立てれればという意味合いで、経費精算システムのSAP Concurの導入サポートを始めました。

 

小野里さん:

経費精算や請求書の処理にお困りのお客様は少なくない印象でしたので、その分野を効率化できるソリューションとして、お客様にご提案しております。

 

中谷さん:

また、コロナ禍の影響もあり、経費精算業務もリモートワークで行いたいとご希望される企業様がとても増えました。リモートワークのニーズが高まると同時に、紙書類をデータ化するOCRもかなり普及していくのではないかと予測したことがきっかけです。

ご提案時には、お客様の課題解決に繋がりやすいAI-OCRを必ずセットにして提案しています。

 

小野里さん:

LINE WORKS OCRをConcur Invoiceと掛け合わせることで、よりお客様のDX推進に貢献できるのではないかと考え、弊社事業の新しい柱として考えている状況です。

 

―― 経理業務全体の課題に対して、OCRが役に立つのはどういった理由からでしょうか?

 

小野里さん:

そうですね。そもそも経費精算も請求書処理も、「紙の存在がある」ことで生まれる弊害があると思っています。それが経理業務のリモートワークが進まない理由でもありますよね。

領収書の情報を入力して原紙を台帳に貼るなどの手作業、確認事項は目検で行うためマンパワーが必要など、人による作業が多く残っていることが課題としてあると思います。

 

中谷さん:

システムを導入されている企業様は多いと思います。

しかし、システムへの登録は、あくまで「手で」入力しているケースが多いと考えられます。

 

大森さん:

AI-OCR導入のメリットは、大事な項目を自動で読み取ってくれる点です。

現金などの項目はできるだけ手入力は避けたい項目になりますので、自動で読み取ってくれるのは、かなり嬉しいのではないかなと思いますね。現金などの項目を間違えないということは、経理担当者にとってはとても重要です。絶対間違えちゃいけないところを間違えなくて済むことは、結構嬉しいのではないかなと思いますね。

 

中谷さん:

そうですね。作業時間の削減だけではなくて、そういった間違いもなくしてくれます。

何か不明点があったときに過去情報を調べるのが紙だと大変です。単純な入力ミスが原因だったということも多いですが、その原因を突き止めるのに時間がかかってしまう。

―― 作業の効率化だけではなく、そのような見えにくい課題の改善にもつながるんですね。

 

中谷さん:

それは絶対にあります。

 

小野里さん:

申請者の立場からすると入力の正しさ、管理者の立場からすると目検チェックの大変さ。

そういった課題の解決に加えて、ガバナンス的な部分での改善にも大きく寄与すると思います。

経営層の立場からすると、紙による運用では経費精算や請求書処理の先、経営的な分析が難しいと思うんです。

蓄積データの活用がおそらくあまり進んでいないのかなと、そういった課題もありますね。

 

中谷さん:

これはLINE WORKS OCRとSAP Concurと連携するメリットになりますが、こういった経費精算システムを活用することで、蓄積データを経営資源として分析に活用することができます。

経営者が画面を見るだけで、「なんでこんなに経費使っているんだ?」と判断できます。どの企業様も何らかの経理システムは入れられていると思いますが、SAP Concurの場合は企業の基幹システムと連携できることがメリットかなと思います。

 

小野里さん:

また、グループ会社をお持ちの企業様ですと、個社ごとにシステム構築していて運用体制がバラバラ、グループ全体で見たときに最適化になっていないケースも耳にします。

そうすると、グループ間の異動もある中で、異動先で新しく業務を覚えなきゃいけないといった、教育的な目線での弊害も聞きますね。

 

中谷さん:

我々がお手伝いするお客様は中堅企業もいらっしゃいます。

まだまだ、経理業務における投資が後回しになっているケースもありますので、そういった方々にもしっかりとメリットを感じていただけるよう、SAP Concurをご提案しています。

 

 

進化したAI-OCRに驚いた!複数の請求書フォーマットを自動で振り分けができるところは本当に助かる機能

 

進化したAI-OCRに驚いた!複数の請求書フォーマットを自動で振り分けができるところは本当に助かる機能。

 

―― お客様にご提案するときは、どのようにおすすめされているんですか?

 

小野里さん:

まずConcur Invoiceを導入していただくだけで、一定の効果が出ると思います。そのタイミングで運用などを見直すのですが、一方で「まだ紙は残るよね」と言った新たな課題が出てきます。

そのフォローのソリューションとして、「AI-OCRがあるといいですよね」とセットで必ず提案しています。

 

そして、AI-OCRの中でも処理枚数などを加味しつつ、「なるべく手軽に、かつ品質が良い」との理由からCLINE WORKS OCRがおすすめです とお伝えしています。

 

 

―― ありがたいお話です。LINE WORKS OCRはじめ弊社の技術については、率直にどう思われましたか?OCRは昔からある技術なので、精度が高くないだろうと思われてしまうことも多いのですが…、その辺りは問題なかったでしょうか。

 

中谷さん:

そうですね、私は昔のOCRの精度を知っている人間ですが、LINE WORKS OCRの読み取り精度は非常に高いです。

不定型の請求書が毎月来る企業様には、特にLINE WORKS OCRが良いと思います。

処理する請求書のフォーマットが毎月バラバラであったり、明細も全然違うみたいな書類を処理する経理担当者にはおすすめで、業務がとても楽になると思います。

さらにLINE WORKS OCRは書類をPDF化し、Web上でCLOVA CR Readerにドロップするだけで、綺麗に読み取り、操作も簡単です。

 

補足事項

Concur Invoiceと連携しているのは、LINE WORKS OCRの中でも請求書特化型のOCR。

通常のAI-OCRは読み取りたい項目を事前設定をしないと読み取れないが、特化型モデルでは事前設定が不要。項目の仕訳の分類ができることや、精度の高さが特長。

 

―― ありがとうございます!ご満足いただけているようで安心しました。

 

大森さん:

経理担当者にとっては、操作がシンプルであることはとても大切です。

書類を取り込むまでに工程が少ないのもすごくいいです。現場レベルでの使いやすさは重要で、せっかく良いソリューションを導入しても使いにくいと心理的にも負担になりますし、ITへの苦手意識も高めてしまいます。

その点、LINEはB to Cビジネスも強いからでしょうか、ユーザー目線で設計されているなと感じます。

新しい人に教えるときにも、一度「操作はこうね」とお伝えすると迷いなく作業ができるので、そういった点では教育の時間も減りますよね。マニュアルも大層なものを作らなくて済みますし、そういうところも喜んでいただけています。

 

中谷さん:

入力が格段に楽になりました。

親会社の経理担当者が毎月の請求書業務のために手で入力していたことに「感謝」しています。

 

―― 紙書類は身近にあるのでそういった手で入力することも当たり前になりすぎている感はありますが、便利になった時に振り返るとよりその楽さは実感しますよね。

 

小野里さん:

そうですね。紙はどうしても残ってしまうものだと思うので、やはりそこのフォローができるのはAI-OCRの魅力です。導入やランニングコストも抑えながらスタートできますし、ご利用いただいているお客様には「入れてよかった」と実感していただけているかと思います。

 

―― 体感として、LINE WORKS OCRをおすすめした場合に何割ぐらいの方が一緒に導入されていますか?

 

小野里さん:

そうですね、8〜9割は一緒に導入してくださっている印象です。

そもそも私たちが提案する前からAI-OCRに興味を持たれている企業様もいらっしゃいますので、割合としては高いですね。

 

―― 導入検討する際に、クライアント様が気にされるのは特にどういった部分でしょうか?

 

小野里さん:

費用対効果は、特に気にされる企業様が多いです。初期費用が高いと導入のハードルが少し上がってしまいますが、LINE WORKS OCRは初期費用もランニングコストも抑えられるので、そこまで費用がかからずに追加できるとのことで、選んでいただけますね。

 

 

請求書の処理作業時間を40%削減!それだけに留まらない、SAP Concur+LINE WORKS OCR導入の成果

―― SAP Concur+LINE WORKS OCR導入での成果を教えてください。

 

小野里さん:

「月末月初に出勤しなければならない環境」からの脱却です。

いつでも、どこでも、だれでも請求書処理ができるようになりました。もちろん紙保管が不要になったため、管理もラクです。毎月請求書が多いお客様ほど、紙のコスト削減効果も高いでしょう。

弊社の成果としては、紙の書類をPDF化してOCRで読み取り、結果をチェックしてそのまま申請といった一連の流れにより、請求書の処理作業時間が40%削減されました。

 

中谷さん:

マニュアル制作や作業説明がすごく簡素化したところも、導入の成果としてお話しできると思います。

 

大森さん:

申請者目線からすると、Concur Invoiceへの登録作業が非常に楽になりました。

経理担当者目線としては、SAP Concurから後続の会計システムへと繋ぐところも併せてシステムかしたので、今まで1件1件、仕訳データを手入力していたものが、一括でデータ化され、会計システム側のインポート機能を使用してデータの取り込みができるようになり、かなり作業が楽になったと思います。

 

―― その他にも、実感されている効果はありますか?

 

中谷さん:

「探す手間」がかなり省略されました。

紙で管理していると、何か不具合があった場合に膨大な量から手で探さなければなりません。3年前の書類を探してくる、などはとても大変です。

 

その点、SAP Concurには検索機能がありますので、対象が絞り込めるという点で次元が違う。そこに電子化された領収書もついていますし、請求書も付いているので、紙で残さなくても実際にはあったという証明ができます。

経理的にも監査的にも、楽になるのではないかなと思いますね。

 

――これらをパッケージとして活用するメリットはありますか?

 

中谷さん:

自社独自のシステムを作るかパッケージを導入するかという観点で言うと、パッケージは法律が変わったり変化があった際に対応しやすいメリットがありますね。

 

――変化によっては、オペレーションも変わってしまう可能性がありますよね。

 

中谷さん:

そうですね。新たな法律への対応などはConcur社が行ってくれますので、企業側が特別な対策をしなくて良いのは、パッケージを導入するメリットだと思います。

 

小野里さん:

国に働きかけているのがむしろConcur社だったりするので、リーディングカンパニーのソリューションを活用できることはユーザーにとって大きなメリットになるのではないでしょうか。

 

――ありがとうございました。最後に、御社の今後の展望をお聞かせください。

 

小野里さん:

弊社は SAPに特化した領域のコンサルティング業務を行って参りましたが、そもそもSAPは基幹システムを扱うため、企業様にとって大きな変化となります。

まだそこまでの投資を考えていないと言う企業様でもDXを進めていけるようにと、そのファーストステップとなる経費精算システムのSAP Concurの導入サポートをしています。

今後さらに貴社と密接にお付き合いさせていただく中で、弊社にはないネームバリューをお借りしながら、しっかりとお客様のニーズにマッチした形でご提案していきたいと思っています。

そしてゆくゆくは、SAPもご提案していきたいですね。

 

中谷さん:

私どもも、まだまだ成長過程です。

親会社の情報技術開発株式会社のグループの一員として、SAPというキーワードのもとIMGコンサルティングは存在しておりますから、その流れへの期待もあります。これから当社が成長していく中で、幅広いサービスをお客様に提案し、よりも良いものを使っていただく。そういった形で業績を上げていきたいなと考えております。

 

小野里さん:

情報技術開発株式会社グループ全体でのフォローができますので、SAP関連のご相談がある際には、弊社にお声がけいただけますと幸いです。グループ全体でのソリューションをご提案していきます。

 

 

LINE WORKS OCRの5つの導入利点

-データ入力の手間や確認作業の簡略化。
-業務時間を削減し、注力すべきコア業務への時間に充てることができる。
-場所に捉われない働き方(リモートワーク)の推進。
-金額面や機能面などのバランスがよく、導入ハードルが低い。
-自社のクライアントへ、安価かつ高品質な提供価値(武器)を得る事ができる。

 

製品に関する詳細はこちら→

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年8月当時のものです。

以前のOCRより5倍の枚数を読み取り、ランニングコストを抑えて導入。建設業界DXの第一歩は紙書類のデジタル化から

 

本事例のポイント

-課題:

・建設業界におけるDX推進をリードするポジションの確立

・すでに導入しているOCRよりも、読み取り精度が高く作業効率が上がるOCRに乗り換えたい
・社内にエンジニアがいないので、開発なしで、知識がなくても簡単に使いたい
-期待:

・導入費用が安く、かつランニングコストを抑えられること
・RAPや自社システムと連携でき、作業の自動完了率を高めたい
・ITリテラシーが高くなくても活用できること
・AI-OCRの読み取り後の作業工程が簡素化できること
-成果:

・読み取り作業のスピードが向上し、作業を効率化
・ランニングコストの削減
・慣れないPC作業や入力ミスへの心理的負担を軽減

 

株式会社七和とは?

 

昭和56年に沖縄県で創業し、主に道路舗装をはじめとする公共土木工事とアスファルト合材製造の2つの事業を行っている。沖縄の空港工事、道路工事、駐車場工事、アスファルト工事、無電柱化工事は30年以上の実績を持つ。社名に込められた7つの信念のもと新たな挑戦を絶えず繰り返す社風であり、DX化もその一貫である。

 

 

建設業界におけるDX推進の第一歩。製造に関わる各種伝票・特定書類の入力を自動化したい


山崎さん:

株式会社七和は、「未来と繋がる七和」をコンセプトとして掲げ、建設業界ではまだ珍しいDXにも、積極的に取り組んでいます。DXの第一歩として選んだのが、紙の書類を自動で読み取りデータ化してくれるOCR技術の導入でした。

建設業界はあらゆる場面で紙の伝票を用いたやりとりが多く、それらをデータ化して蓄積していくために、これまでは人の手で1枚1枚自社システムに入力していました。

 

他業種では最新のシステムを積極的に活用し、あらゆる場面での自動化が進んでいると思いますが、建設業界で働く人々の多くは、パソコン作業や最新システムに明るくないのが現状です。

七和がまず試してみることで、建設業界にとって使い勝手の良いシステムを見つけることができたら、との思いから、思い切って私が在籍している製造部から導入してみることにしました。

 

私たち製造部がAI-OCRで読み取りたい書類は、主に2種類ありました。

1つはアスファルトの買掛伝票で、「資材」購入時の伝票や「経費」・「運搬」伝票があり、月に500枚程あります。これは原価計算管理のために月ごと・年度ごとにデータを集計したいのですが、扱う伝票は業者ごとにフォーマットが異なり、さらには手書きとPC打ち込みが混在しています。

そのため、弊社独自のフォーマットを作成し、そこに伝票からデータを手入力することでまとめていました。

 

もう1つは、弊社で請け負う産業廃棄物の処理を証明する手書き伝票(マニフェスト)の帳簿付で、月に200枚程あります。マニフェストはA4横書きの専用用紙にみっちりと情報が書き込まれたもので、カーボン用紙7枚綴りの4枚目が弊社保有となるため、薄い文字などでも読み取り精度の高いAI-OCRを探していました。

 

※実際に七和様が読み取っている買掛伝票・産業廃棄物の処理を証明する手書き伝票。複写やテンプレートの異なる伝票を読み取っている

 

実はLINE WORKS OCRを利用する前に、2019年から1年間他社のAI-OCRサービスを利用していました。

私自身初めてのAI-OCRということでコストが手軽で試しやすいものを選びましたが、段々と使い勝手がわかってきた中で、さらに読み取り精度が高く、作業効率を高められるAI-OCRを探し始めた中で、LINE WORKS OCRと出会いました。

今まで手入力で行っていた伝票集計作業にAIの力を用いることで、入力ミスを減らしながら作業時間を短縮できるかもしれない。そういった期待を抱き、2021年4月よりLINE WORKS OCRを導入しています。

 

 

LINE WORKS OCRは以前導入していたAI-OCRより「早く」「安く」書類を読み取りデータ化できる。ランニングコストを抑え、読み取る量は以前の5倍!

 

山崎さん :

弊社では2020年11月に、使っている別のクラウドサービスの担当者の薦めでLINE WORKS OCRの存在を知り、2021年4月に導入を決定しています。LINE WORKS OCRに乗り換えるにあたって、特に比較した点は2点。

 

1つめは、帳票の種類を気にせず、一括で大量に読み取りができるかどうかです。

以前のAI-OCRは帳票ごとにボタンを押して読み取る必要があり、例えば種類の違う50枚を読み取りたい場合、50回そのボタンを押さなければなりませんでした。

LINE WORKS OCRは、読み込んだ書類をAIが自動で振り分けてくれるので、ボタンを1回押すだけで、一気に読み取ることができ、作業時間の短縮を期待できました。

 

2つ目は、ランニングコストです。

初めに月額料金だけを比較した際は、以前のAI-OCRの方が手頃に感じまし た。

しかし、月額料金以外でかかってくる金額があり、それらを合わせたトータル金額で比較すると、LINE WORKS OCRの方が安価でした。

これはどういうことかというと、1枚の書類を読み取らせたときに、前社は1項目(フィールド)ごとに課金され、対するLINE WORKS OCRは50項目まで月額料金内で読み取れるとの違いがあったのです。

 

おかげで、読み取る書類の枚数は以前の5倍に増えたにもかかわらず、ランニングコストを抑えられています。

 

 

買掛伝票の入力・手書き伝票ともにスピーディにデータ化ができた!本来集中したい作業に取り組め、他部署への展開も視野に。

 

山崎さん :

LINE WORKS OCRを導入したことで、買掛伝票の入力作業時間は2割減。

マニフェストの入力作業時間は1割減を実現しました。

 

導入前は「紙書類を自動でスピーディーにデータ化できること」が一番期待していたことではあるのですが、それ以上に、「間違えてはいけない」という自分たちのプレッシャーが減ったことが嬉しいです。

なぜなら、私たちは事務作業以外にも現場に出て建設作業をすることが多く、時には150度以上にもなるアスファルトの近くで現場仕事をした後にデータ入力作業をすることもあるので、集中力の持続にも限界があるからです。

 

AI-OCRにデータ入力の大枠を任せられるおかげで、人の力が必要なデータの見直しに集中できるようになりましたし、慣れないPC作業による目の負担軽減も我々にとっては大きな収穫です。

そういった部分でも、建設業界にもっともっとAIの技術を取り入れていけば、日々の業務が楽になるのではと期待が持てますね。

 

そして何より、AIの技術を業務に取り入れることで、未来を先取りしている満足度が高いです。

社内では、「次は総務部が取り扱う請求書を読ませたい!」と盛り上がっています(笑)。

ゆくゆくは他部署でも応用したいと考えており、最大1,500枚/月の書類を読み取れるようにしたいと考えています。

 

読み取りたい伝票の中には字が薄いなど、人の目でも判別しにくいものがあり、これらは伝票の書き方から見直す必要があると感じています。

 

しかし、LINE WORKS OCRを導入したことでAI技術の理解度が上がったこと、営業・CS担当者さんとやりとりをしていく中で、RPA作成時など他の技術への応用なども身につけることができ、さらにDXを推進していくための課題も見つかりました。

 

営業の担当者さんは、「CSVデータ出力後はエクセルにこうやってまとめたい」という要望にも応えてくれ、加工したエクセルも納品してくれました。

我々の現場に合わせたサポートをしてくださり、いつも相談しやすい距離感にいて、こちらからの要望に親身に向き合い解決策を見出してくれる姿勢に、安心感を覚えています。

 

 

PC作業が得意でなくても、AI技術への知見がなくても、LINE WORKS OCR ReaderならAI-OCRを簡単に使える!

 

山崎さん :

建設業界で働く人々は、PC作業への苦手意識を持つ人も多いですし、スマホではなくガラケーを愛用している人もまだまだ多いです。そういった方にとっては、DXと言われてもピンとこないかもしれません。

しかし、世の中の技術開発は進んでおり、実は自分たちの仕事を手助けしてくれる技術があるのに、それを活用しないままでいるのはもったいないことだと考えます。

 

「七和さんと付き合っていたら、最新技術について知ることができる、未来へと向かえる」そんな風に思ってもらえるように、我々がまずAI-OCRを使いながら、発展させていきたいです。

目指すのは、七和の発展ではなく、建設業界全体のDX推進です。

 

「LINE WORKS OCR Reader」は理系やエンジニアの人じゃなくても、PCや最新技術に詳しくない僕でも使えるツールですし、これからの技術開発にも期待しています。

七和としては、私たちと同じような事業をしている会社さんをはじめ、建設業界にとって役に立つ技術開発を進め、関わる人や会社の未来に役に立つサービスとして、提供していけたらと考えています。

 

 

LINE WORKS OCRの5つの導入利点

-LINE WORKS OCR ReaderはITリテラシーが高くなくても簡単に導入でき、DX推進できる。
-多種多様な伝票を一度で読み取り、自動で振り分けできる。
-資料1枚ごとの料金体系のため、ランニングコストを抑えられる。
-自社にとって必要な情報を効率よく得るためのカスタマイズが可能。
-現場仕事とPC作業、ハードになりがちな建設業界の作業負担を軽減。

 

製品に関する詳細はこちら→

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年3月当時のものです。

インボイス制度対策|経理の電子データ化促進と仕訳作業効率化をLINE WORKS OCRで実現!検討した他社と比べ1/10のコストで導入

 

本事例のポイント

-課題:

・低価格でさらに便利な新しい財務会計システムを提供したい
・開発コストや工数を抑えて自社サービスにAI-OCRを組み込みたい
・膨大な量のレシートや領収書を読み取る認識精度の高さ
・膨大な量のレシートや領収書を読み取る処理速度
-期待:

・導入費用が安く、開発コストを抑えられること
・API連携により、迅速に自社システムに組み込めること
・読み取り精度の速さと正確さ
-成果:

・財務に必要な情報をレシート・領収書から精度高く読み取り、人的リソースを抑えてデータ化
・財務に必要な情報をAIが項目分類しデータ化するので、仕訳作業も効率化
・自社システムとのAPI連携により、スピード感を持って新たなサービスのベータ版をリリース
・導入コスト・運用コストの低さにより、ベータ版としてクライアントへのモニタリングを実施可能に

 

株式会社シスプラとは?

「財務の力を経営の力に」をコンセプトに、財務会計ソフト・給与計算ソフトを開発。東京と大阪に支社を持ち、全国の2,000件の会計事務所を顧客としながら、それらの会計事務所とともに顧問先企業の財務を支えている。

人の手による作業が大半を閉めていた財務会計業務の効率化を目指し、従来の財務会計ツールをアップデートし続け、「プロの会計人が活用する財務会計ソフト」の開発に取り組んでいる。

 

 

2023年開始のインボイス制度を見据え、全国の会計事務所にのしかかる膨大な仕訳の入力作業を自動化したい


 

椛沢さん :

株式会社シスプラは、財務会計と給与計算のパッケージソフトを開発・販売している会社です。

全国2,000件の会計事務所様をクライアントとして、その顧問先である約2万社の中小企業様に、弊社のシステムをご活用いただいています。

1988年設立、創立34年とIT企業の中では「老舗」と呼ばれる部類ですが、IT企業として、そして財務会計の一端を担う企業として、中小企業の健全経営に役立つソフトウェアの開発・アップデートに取り組んでおります。

 

今回LINE WORKS OCRを導入したきっかけは2つあります。

1つは、電子帳簿保存法の改正に伴う証憑書類の電子的保存に対応するため。

もう1つは、2023年10月に開始される適格請求書等保存方式(インボイス制度)により膨大な仕訳入力作業の増加が予想されるため、入力の自動化に対応しようと思ったからです。

 

※インボイス制度とは 消費税の仕入れ税額控除の方式のこと。
日本が軽減税率制度を導入したことにより、企業の経済活動においても複数の税率が発生するようになったため、税率ごとに仕入れ税額控除を計算する義務が発生。その根拠となるように、請求書を発行する際にはこれまで義務付けられていなかった「適用税率・税額の表示」が必要となる

 

 

槇野さん :

インボイス制度の開始は、消費税導入時と同じくらい、会計業界にとっての大きなターニングポイントになると言われています。経理の仕事のうち多くの割合を占める「仕訳」の入力作業、これは何十年と人の手で続けられてきた作業ですが、まず「仕訳」のために入力する項目が増えます。

また、インボイス制度は「原始証憑書類」と言って、領収書・請求書・納品書などの他社が発行した紙書類を見ながら入力しなければならないため、作業負担が何倍にもなってしまうと危惧されています。

 

椛沢さん :

ただでさえ「仕訳の入力」というのは作業であって、生産性の低い仕事と言われています。

それにもかかわらず、経理業務全体の中で時間の比率として大きなウェイトを占めてしまう。

この作業を軽減するために「入力の自動化を進めよう」と、弊社では企画・販促担当が5名・開発が5名、各部署から精鋭を集め、「次世代を担うメンバー」として2019年にプロジェクトチームを結成しました。

 

これまでも財務会計システムにおいて「仕訳入力の自動化」は、少しずつ進められてきました。

例えば、売上であれば販売管理システムとデータ連携したり、銀行の取引明細やクレジットカード明細も、ネット上から取得したCSVファイルと連携し仕訳変換するなど、作業の効率化に取り組んできました。

 

しかし、その中でどうしても解決できない課題として、「紙の存在」があったのです。

今回なぜAI-OCRを手段として選んだかというと、経理財務の作業において領収書・請求書・納品書と、紙の書類を処理する割合がまだまだ高いからです。「紙の書類をどうしたら自動でデータ化して仕訳にできるのだろう?」ということの答えが、AI-OCRだったわけです。

 

「ではどのAI-OCRが良いのだろうか?」と模索する中で、私がたまたま広告を見かけたことがきっかけで、LINE WORKS OCRと出会いました。

すぐに開発メンバーからLINE WORKS OCRの担当者さんにアプローチしたところ、検証するためのテスト環境の準備も早く、すぐに試してみることができました。

 

さらには我々が想像していた以上の読み取り精度を実感したため、導入を決定したという経緯です。

 

 

請求書や納品書の文字データの中から、「欲しい項目」を「自動で認識して読み取る」精度の高さに驚いた


 

槇野さん :

今回AI-OCRを導入するにあたって話を聞いたのは、5社です。

そのうちLINE WORKS OCRともう1社で、実際にシステムを使って100枚ずつ読み取り、検証・比較しました。

比較する上で重要視した項目は、読み取り精度と導入・運用コスト、そしてAPI連携ができるかどうかです。

 

まず読み取り精度に関しては、「仕訳に必要な情報」を「正しく」読み取れるかという着眼点で検証しました。というのも、仕訳に必要な情報というのはすでに決まっていて、【相手先】・【日付】・【消費税額】・【消費税率】・【決済方法】・【合計金額】の6つなんです。

 

さまざまなレイアウトや記載項目の異なる書類を用意して検証した結果、LINE WORKS OCR レシート・領収書特化型の優秀さは、期待を軽々と超えるものでした。今の時点でこの精度であれば、AIに学習を続けさせることでさらに精度が高くなっていくことも期待できましたね。

 

また、請求書や納品書というのは、手書きのものや印刷が薄いもの、字が小さいものなど、状態が悪いまま送られてくることも十分想定ができます。

 

また、長いレシートはどこまで読み取れるかといったテストも実施しましたが、これらもしっかりと読み取れました。世界レベルの認識率を誇るLINE WORKS OCRへの信頼はもちろん前提としてありましたが、「こんなに有能なのだな」と実感できたことが、導入への大きな決め手になったと思います。

 

レシートの読み取りイメージ

 

椛沢さん :

またコスト面で言うと、他社さんの初期費用と比べて1/10程度での実装が可能だったことが、大きなメリットとなりました。

他社サービスを導入しようとすると、弊社側で対応が必要なシステム構築費用も含め、1,000万円単位の投資が必要でしたから、導入ハードルの低さにも驚きましたね。

スピード感を持ってシステムを開発し、現場で活用しながらアップデートしていきたいと考えていた我々にとっては、すごく魅力的でした。

 

そしてもう一つは、自社のシステムと簡単にAPI連携できることです。

我々の目的は、紙の書類内にある文章や数字などの情報をデータ化するだけではなく、読み取った情報を弊社のシステムと紐付け、仕訳にするところまでを自動化することです。

そのためのシステム構築や連携が簡単だったことも、大切な検証項目でした。

 

また、これも他社さんでは実現しなかったことの1つなのですが、検証時のテスト環境そのものも大枠を用意してくださっていたので、弊社の開発側で用意するものが少なかったんです。

検証プログラムの開発言語はPHPでしたので、弊社で用意したのはPHPを動かすLinuxサーバーと、ファイルを送信するプログラム、返却結果を解析するプログラムの3つだけで、それがすごく助かりましたね。

 

LINE WORKS OCRに出会ってからは、想定していた期間よりも短く、テスト環境の構築や検証が簡単にできました。他社さんだったらスタート切るまでにさらに工数があったと思うので、想像以上にスムーズに進めたことは大きなメリットでした。

 

槇野さん :

2021年3月にお問い合わせをしてから、約半年。

2021年10月1日にLINE WORKS OCRを新サービスクラウド仕訳作成ツール「KiCHO」の1機能として搭載し、ベータ版として公開しました。レシート・領収書などをスマホで手軽に撮影したり、スキャナで取り込んだりして画像データとして「KiCHO」にアップロードすることで、CLOVA OCRを通じて自動で文章データ化され、仕訳登録ができるようになります。

 

「KiCHO」の全体図イメージ

※CLOVA OCR → LINE WORKS OCR

 

2022年3月までの半年間は、200社限定でAI-OCR(自動仕訳作成機能)をお試しいただく予定です。

こういった形で提供できることもLINE WORKS OCRの導入費用の安さのおかげです。

2万社の経理財務の一端を担っている身として、「安全に」新しいチャレンジを進めていくことは必須なので、この企画自体、LINE WORKS OCRなくしては実現しなかっただろうとありがたく思っています。

 

 

仕訳の入力作業時間を1/10に短縮!余剰時間は、売上向上や付加価値向上のために有効活用してもらいたい


 

槇野さん :

10月1日にサービス提供を始めたベータ版では、会計事務所の顧問先様1社につき、月100枚までの読み取りを試していただけます。クライアントさんに実際にご利用いただくことで、現場での使用感やシステムの利用価値をあげていくためのフィードバックをいただき、ユーザー様にご満足いただけるサービスとして、本リリースに向けてアップデートを重ねています。

 

椛沢さん :

「KiCHO」によってどれくらいの作業効率化が見込めるかと言うと、入力作業においては1/10まで作業時間を削減できると考えています。

この根拠をお話しすると、一般的な中小企業では、大体月300枚程度の証憑を処理すると言われているんですね。

 

今まで1枚の紙書類を見ながら仕訳を入力するのに30秒かかっていたと想定すると、300枚分入力するには2時間半ほどかかってしまいます。その作業が、スキャナを使って「KiCHO」経由でLINE WORKS OCRで文章データ化すると、15分で完了する想定です。

 

もちろん、これは読み取り精度が100%だった場合の結果なので、いかなるAI-OCRを使っても、全て100%で読み取りができることはできません。

その前提にたつと例えばスキャンがきちんとできていなかったり、そもそもの帳票の状態が悪くて読み取れない、などの場合は人の手でダブルチェックすることも必要です。

それでも人とAI-OCRの特性をうまく活用すれば、相当な業務効率化が期待できます。

 

一般的な会計事務所は顧問先が100社程度、それらの仕訳を入力するスタッフが5名くらい在籍している場合が多いです。その方々の作業時間がそれぞれ1/10になったら、スタッフ1人当たりの担当件数を増やすことができますから、それはすなわち、会計事務所の収益拡大につながるということになります。

 

経理の仕事というのはどうしても作業に手間がかかってしまい、大変だけど、頑張った分だけお給料が増えるという世界ではありませんでした。

 

しかし、テクノロジーの力を借りて作業を効率化することで、スタッフ一人の生産性が上がる、会計事務所の売上が上がる、そうしてスタッフの給料や待遇がよくなれば、経理の仕事を目指す人が増え、採用の面でも楽になるかもしれない。そういう好循環が生まれていけばと、願っています。

 

 

「財務の力を経営の力に」LINE WORKS OCRとだから実現できた紙書類の自動データ化で、全国の中小企業の力に


 

椛沢さん :

我々が今回LINE WORKS OCRと一緒に取り組んだことは、「紙の書類から文章データを読み取り、仕訳する」という一つの作業の自動化に過ぎません。

 

しかし、それによって経理の現場で働く方々のお力となり、会計事務所に人員的なゆとりが生まれ、その先にある「顧問先への経営相談や付加価値の高いサービスを提供するための時間」を生み出していくと考えております。これこそがまさに、「財務の力を経営の力に」するということです。

ベータ版のサービスを開始したばかりですが、クライアント様からは「まずは試してみたい」というニーズが非常に高いです。

 

改めて、会計事務所にとって「どのように入力の手間を減らすか」は大きな課題であると実感しましたし、そういった意味でも、AI-OCRをどう自社のサービスに組み込んでいくかは我々の大きな課題でした。

実際、大手会計事務所向けのサービスベンダーは一斉にAI-OCRを活用したサービスを提供し始めています。しかし、導入費用が高いため、大企業しか活用しきれていない現実がありました。

 

槇野さん :

弊社はLINE WORKS OCRを活用したことで導入コストをかなり抑えられましたし、さらにはランニングコストも低いため、会計事務所様にとっても導入しやすいサービスになりました。

他社さんと比べたら、1/10くらいの費用で導入できると言っても過言ではないです。

 

椛沢さん :

日本の場合は紙で取引を証明することが圧倒的に多いので、AI-OCRの存在無くして経理業務を効率化するのは不可能です。我々ベンダーとしても2023年10月までが勝負というところで、「早くサービス提供をスタートしたい」という想いが強かったため、貴社のスピード感に本当に助けられました。

 

まずベータ版をクライアント様に試していただいて、この価値を理解していただいて、有償化したとしても元が取れるメリットを感じてもらいたいです。

我々はLINE WORKS OCRの読み取り精度の高さを信頼しておりますので、このサービスは実装後かなりのスピード感で広がっていくのではと期待しています。

 

そして、実はもう一つ「KiCHO」にAI-OCRを活用することでのメリットが見えてきました。

それは、2022年1月1日から始まる電子帳簿保存法の改正ですね。スキャナ保存された帳票の保存方法が緩和されるという改正で、これまでは帳票類を紙ベースで規定期間保存することが義務付けられていましたが、「KiCHO」でスキャンしたデータを仕訳と紐付けてクラウド上に保存することで、原紙を取っておく必要がなくなったんです。

AI-OCRを用いて紙の書類をデータ化できるからこそ「KiCHO」を用いて電子データを作るだけで、さらには電子帳簿も保存しておける。一石二鳥のサービスになったと思います。

 

槇野さん :

今回はレシート・領収書特化型を導入しましたが、この実績を見て、請求書や表計算オプションも検討しています。引き続きLINE WORKS OCRと一緒にサービスをアップデートしていけたらいいなと思いますね。

 

椛沢さん :

財務会計ソフトメーカーとして30年以上事業を続けていますが、これまでの財務会計では、経営に役立てることが難しい側面がありました。

当社のビジョンは、「財務の力を経営の力に」です。経営者の役に立つ財務会計のシステムを提供していきたい。そういった意味で、今回のLINE WORKS OCRの取り組みも、これによって財務作業が軽減されれば余剰時間を使って付加価値を高められるし、最終的には経営の役に立つような財務数値の見方ができる仕組みになっていくと考えているので、その路線に則って進めていきたいと考えています。

 

変化の多い今の時代、何もかも一社でできる時代ではないですし、ましてスピードが必要となると、その技術やノウハウを持っているところと一緒にやって行った方がお客様の役に立てます。

 

全国の中小企業にとって、LINE WORKS OCRを活用した仕訳作業の軽減は、今までよりも生産性を高める道筋ができるはずです。社会的な影響も大きいと信じておりますので、弊社とともに、高めていけると嬉しいです。

 

 

LINE WORKS OCRの5つの導入利点

-請求書・納品書・レシートなどから仕訳に必要な項目を精度高く読み取れる。
-自社システムと簡単にAPI連携できることにより、スピード感を持ったサービス開発が可能に。
-導入コストが他社のAI-OCRと比べて1/10と初期費用を抑えられた。
-自社システムと掛け合わせることで、従来の仕訳作業時間を1/10に短縮。
-インボイス制度に向けて、他のベンダーに先駆けてAI-OCRを活用したサービスを提供開始できた。

 

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2022年1月当時のものです

DX推進の大きな第一歩。LINE WORKS OCRで約60%の業務時間を削減し、RPAとの連携で95%もの作業を自動化

 

本事例のポイント

-課題:

・日々大量の業務の中で繰り返される単純な業務を自動化し、注力したい業務にリソースをさきたい
・レシート・領収書情報のデータ入力を自動化することで業務効率化を実現したい
・RPAと連携して作業の自動化率を上げDX推進に繋げたい
-期待:
・LINE WORKS OCRを導入し、RPAと連携することで作業の自動化、業務効率化を実現する
・データ入力にかかる時間を削減し、自社サービスの付加価値創造に取り組める業務体制を作る
-成果:
・作業時間を約4割に削減、大幅な業務効率化を実現
・約6割もの時間創出で、人にしかできない自社サービスの付加価値を高める業務への取り組みが可能に
・単純作業においては95%もの自動化を達成

 

トリプルエス株式会社/中央みらい会計事務所とは?

中央みらい会計事務所は、中小企業経営者や個人事業主の方を対象に、「お客様の理想のみらいの実現のために、あらゆる側面から全力でサポート」することをクレドに掲げて税務代理業務を行っています。

トリプルエス株式会社は人手が足りず記帳ができない経営者・個人事業主の方の代わりに、経理記帳代行業や保険代理店業を行っています。経営者・個人事業主の皆様が、事業に集中できる環境をつくることを私たちの使命と考え、日々の仕事に取り組んでいます。

 

 

月のレシートは1万枚、作業時間は45時間超え!業務効率化が切実な悩みだった


 

奥村さん :

私たちが運営しているのは、中央みらい会計事務所とトリプルエス株式会社のふたつです。

中央みらい会計事務所は税務代理業務を、付随する経理記帳代行業・保険代理店業をトリプルエス株式会社が行っています。

 

今回LINE WORKS OCRを導入したのは、経理記帳代行業の部分。クライアントの多くは中小企業で、設立間もない新設法人や小規模法人なども多く、経理がいない企業の経理記帳を弊社が代行しています。

記帳するときには、レシートや領収書の内容を人が入力してデータ化し、専用ソフトで扱えるようにしなければなりません。特に確定申告前の1~3月にかけては、膨大なレシート・領収書の入力作業が集中します。締め切りもあり、作業時間も限られているため、以前は社員総出で入力作業にあたっていました。

 

スタッフからは「もっと時間があればそれぞれのクライアントの目指す未来に向けた提案ができるのに」という声も聞いていたのですが、決算時期は正しい書類を作って納品することが重要なため、時間が足りません。

この入力にかかる作業時間を削れれば、よりお客様のためになる提案ができるのではないかと、非常に課題を感じていました。

 

近年、ご依頼いただく経理記帳代行の数が右肩上がりで増えている状況と、膨大な数のレシートを手作業でデータ入力することに限界を感じていたこともあって、テクノロジーを活用し、DXを推し進めることで解決できればと思っていました。

 

 

手書きやかすれ文字、フォーマットがバラバラでも正しく認識し、明細情報まで項目分類ができる!インボイス制度にも対応できると確信


 

小棚木さん :

もともと私は他業界にいた関係で業務効率化などに興味をもっており、税務・会計の業界に飛び込んだ時に単純作業にリソースを多く割いている業界特有の問題が気になっており、幣所ではその問題を解決すべく積極的にDXを推進しています。

その関係で既にRPAを導入していたこともあって、「レシート・領収書のデータ入力を自動化できれば、大幅な業務効率化ができる。

そうすれば人にしかできない付加価値の高い業務=提案に時間がかけられるようになる」という思いがありました。

 

AI-OCRに限らずさまざまなツールを探している中でAI-OCRの存在を知り、AI-OCRを扱う複数の企業から試用版をいただいて使ってみたところ、LINE WORKS OCR 特化型(レシート・領収書対応)の読み取り精度が群を抜いて高いことがわかりました。

数値の差でいうと他AI-OCRの精度が65~80%のところ、LINE WORKS OCRの精度は90%超えという結果でした。

 

「これはいける」、とすぐに手ごたえを感じましたね。

 

レシート・領収書は様々なフォーマットがあり、金額や品目が記載されている場所もバラバラです。

ぼやけていたり、文字が薄くなっていたり、提出いただく画像が曲がっていたりと、認識しづらいものも多く含まれます。かつ、フォーマットの種類が多いレシート・領収書を読み取る必要があるため、様々なレシート・領収書を精度高く読み取れるLINE WORKS OCRは、非常に魅力的でした。

 

 

LINE WORKS OCR(レシート/領収書特化型)で読み取り可能な例


※金額だけでなく「アイスコーヒー 100円」と購入した商品名もしっかり認識・データ化し、
明細情報まで項目分類する「LINE WORKS OCRレシート/領収書特化型」

 

 

整然と情報が並んでいるレシートはある程度どの企業のAI-OCRも問題なく読み込めましたが、一部のレシートや領収書には手書き風のロゴ、フォントが独特なもの、現金払い・クレジット払いなどの文字情報が混在している場合があります。それらをすべて読みこめたのは、LINE WORKS OCRだけでした。

 

また、その認識精度の高さから今後インボイス制度が始まってデータ化すべき情報が増えた場合にも、LINE WORKS OCRなら問題なく業務ができるという確信を持ちました。

出典:国税庁特集ページ 「特集インボイス制度」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm

 

そこから導入に向けて本格的な検討を始め、3ヶ月ほど検証をして導入を決定しました。

認識精度はほぼ問題なかったので、検証期間中には、LINE WORKS OCRで読みとった情報のなかで会計上必要のない情報を省くためのマクロの作成、RPAとの連動を図ったときに問題がないかなどを実運用で試しました。

 

また、現場でスタッフが運用するにあたり、「本当に税務・会計に使えるデータが得られるのか」、「AIを導入することで逆に手間が増えるのでは」などの不安を払拭したかったので、デジタルリテラシーのない人でも自発的に扱えるようにするためマニュアルを作成し、スタッフが迷うことなく操作できるようにオペレーションのフォローアップを行いました。

 

 

「作業自動化率95%」を目指してLINE WORKS OCRとRPAを連携し、見事に目標を達成!


 

小棚木さん :

これまでにRPAを活用した決算書の自動印刷、財政状況の自動グラフ化は導入ができていたので、ワンアクションで仕事を完了できる状態になっていました。あとは紙のレシートや領収書をデータにできれば、大方の作業が自動化できる段階まで来ていました。

今回LINE WORKS OCRを導入し、人が入力していたレシートのデータ入力業務をでき、RPAと連携することでこの作業の95%もの自動化を実現できました。

 

具体的な作業工程としては、専用スキャナでレシート・領収書の画像を読み取り、JPG形式に変換した後、APIを呼び出しAI-OCRでの処理を実行。並行して特定のクラウドストレージに読み取った証憑書類をデータで自動保管しつつ、APIで取得したjsonデータをCSV形式に自動変換する、ここまでの一連の流れをRPAと連携し自動で行っています。

 

その後、弊所で作成した税務・会計向け仕様のCSVチェックシステムを使って全体の約5%弱を手動で修正。最後に、専用ソフトに自動で取り込み、データ作成を行うという流れです。

 

結果、レシートをスキャナに差し込むだけで、証憑書類を物理的に保存し、LINE WORKS OCRによって情報がデータ化され、項目別に整列された状態でCSVデータに変換することが出来るようになりました。

全体フローのイメージ


※CLOVA OCR → LINE WORKS OCR

 

実は、導入当時はAPIやjsonについて私自身まったくわからない状態でしたが、それらを理解してからは簡単に所内で運用している既存のシステムと連携させることができました。

LINE WORKS OCRとRPAを連携したことで単純作業の95%が自動化、業務全体から見てもかかる時間も以前の4割ほどに削減できています。

 

 

ITテクノロジーと人の力をかけ合わせ、「納期スピードと正確な処理」を両立。効率性の改善により浮いた時間でサービス・コンサルの付加価値を提供していきたい

 

奥村さん :

LINE WORKS OCRを導入し時間に余裕ができたおかげで、「今後税制が変わるのでこういった対策をしましょう」「今のやり方ではなく、こう変えたほうがより経営にとって良いのでは」などの提案に時間を使えるようになりましたし、新たな税務知識を習得する時間もでき、よりスピード感を持ってお客様に応じた提案ができるようにもなりました。

 

我々の税理士業界でも、フィンテック・AI・RPAなど、日々、すごい速さでITテクノロジーが進化しDX化が進んでいるのを感じています。その流れに付いていく・対応していくことにより、クライアントに対しては「納期スピードと正確な処理」を両立したバックオフィス機能の提供が可能になると考えています。

また、当事務所のスタッフには効率性の改善により時間的余裕を生み出すことができ、税務顧問サービスや経営コンサル業務に比重を置けることで、サービスの質的向上が図れると考えています。

 

また、先程小棚木も申し上げたように、LINE WORKS OCRをインボイス制度で変わるレシート・領収書の処理にも活用できることが判明しました。

このように、導入時には想定していなかったシナジーが、これからもどんどん生まれてくると思います。

 

今後も人がやらなくていい部分はテクノロジーの力で解決し、人でしかできない領域に注力することで、お客様の「理想のみらい」の実現に取り組んでいきたいと思っています。

 

 

LINE WORKS OCRの5つの導入利点

-LINE WORKS OCR 特化型を導入し、約6割の業務時間を削減。
-LINE WORKS OCRとRPAの連携により、作業の95%を自動化。
-APIの連携・実装が容易かつ、導入ハードルが低い。
-手書きやかすれ文字、フォーマットがバラバラでも正しく認識。明細情報まで項目分類。
-自社(事務所)の付加価値創出への取り組みを可能に。

 

 

製品に関する詳細はこちら →

※掲載している内容(製品名含む)、所属やお役職は取材を実施した2021年12月当時のものです。