医療DX、医師の働き方改革など様々な取り組みが求められている医療業界。厚生労働省は医療DXを通じ、国民の健康増進、 質の高い医療等の効率的な提供、業務効率化などの実現を目指しています。
ビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」もその一助になれるよう、日々サービスの改善やより良い使い方の検討を行っています。
2025年7月に開催された「ナースまつり2025」にて、見事「日本一働きやすい病院アワード2025」大賞を受賞された済生会横浜市東部病院では、LINE WORKSを活用しDXを実践しています。本連載では、計3つの部署で働くナース(看護師)・助産師のみなさまにお話をお伺いしました。
日本一働きやすい病院” 済生会横浜市東部病院・産科 6階西病棟

産科病棟の師長として日々マネジメントにも取り組んでおられる淵上さんと、スマートフォン導入時に担当として任命され、LINE WORKSについても担当になった廣田さん。
お二人が取り組んだ、産科病棟のLINE WORKSの導入・運用はどのように進んでいったのでしょうか。
【紙を削減・時間短縮】申し送りを掲示板やノートに移行、朝会の時間も短縮
ー LINE WORKS導入当時のご状況をお聞かせください。
淵上さん:
LINE WORKSの導入が決定し、まず今まで紙のノートに書いていた申し送り事項(申し送りノート)をLINE WORKSに移管していきました。最初に、主任会とリーダー会のフォルダを作り、申し送りの内容をそこに格納して発信するようにしました。
日々のやりとりはトークが中心でしたが、遡らないとわからなくなってしまうため、次にノートの機能を使い始めました。トークもそうですが、ノートも既読がつくのが良いですね。
元々紙のノートには委員会のお知らせなどたくさん資料も挟まっていて、現在も紙で届く情報はありますが、それも画像データ等でLINE WORKSに載せるようにしています。

廣田さん:
現在は掲示板とノートを使い分けています。緊急性が高いものや全員に共有しないものはノート、全体のお知らせは掲示板、というのが大まかな括りです。例えば、病棟会の議事録やシフトはノート、インフルエンザの予防接種のお知らせは掲示板、という形です。
掲示板は、師長が情報を持ってきてくれて載せることが多いですが、主任や代行が不在時に代わりに載せてくれることもあります。

全体へのお知らせは掲示板を活用。ノートと使い分けて情報を整理。(画像左および中央:ノート、画像右:掲示板)
淵上さん:
病棟の係会もLINE WORKSでやりとりすることが多くなり、「締め切り○○日までだからやりましょうね」などの呼びかけもしやすくなりました。他にも、新人(1年生)メンバーに自分で進捗状況をノートに載せてもらうようにしたことで、チーム会の時間も短縮できています。
ー 他の部署でも「朝会」が行われているそうですが、産科では変化がありましたか。
淵上さん:
これまで8時30分から20分ほどかかっていた朝会も、5分程度で済むようになり、外来は9時からなので十分間に合うようになりました。朝会では、患者さんの情報や患者さんの数など、大きな申し送り事項だけ共有しています。業務に就く前の「前残業」もなくなって、病院全体が変わったと感じます。
勤務表も、これまではコピーをしたりナースステーションに張り出したりしていましたが、LINE WORKSで共有する形に移行したのでコピーは廃止できそうです。
ー LINE WORKSの導入はスムーズでしたか?
淵上さん:
産科全体で35名のメンバーが所属していますが、多くのメンバーが自身の端末(個人スマホ)にLINE WORKSを入れて使っています。現場では病院のスマートフォンを交代で使っており、それでLINE WORKSを確認することもできます。これまでの「申し送りノート」同様、必ず確認しないといけないというルールなので情報が行き届かないということはありません。現場からも、「LINEと似ていて使いやすい」という声をもらっています。
【導入の秘訣】病院トップクラスの浸透レベル、どうやって実現?
ー 導入後、コミュニケーションに変化はありましたか?
淵上さん:
これまでは個人の電話番号を教えることもあり、LINEでつながっていないメンバーとはショートメッセージでやりとりしていたこともありました。住所録なども作成していましたが、現在はLINE WORKSで連絡が取れるので不要になりました。チームディスカッションもトークで気軽にしやすくなるなど、コミュニケーションはかなり変化したと思います。
廣田さん:
以前は、師長の携帯によく電話がかかってきていましたよね。

淵上さん:
色々な連絡が電話で来ていましたね。現在も勤務調整やお休みの連絡は病棟に入れてもらっていますが、その後の連絡、例えば「明日は行けます」といったやりとりはLINE WORKSですることが多いです。私は会議が多いので電話に出られない時もあり、LINE WORKSで送ってくれるのは助かりますね。
廣田さん:
師長は既読がつくのが早いんです(笑)
淵上さん:
ベテランが使いこなすことで、メンバーも「自分たちもやってみよう」と素直に思えるのかもしれません(笑)。最近では、LINE WORKSで電話(通話機能)がかかってくることもあります。直接話したい時に私からかけたりもします。
気軽なやりとりがしやすくなったのか、産休入りしたメンバーが「子どもが生まれました」とLINE WORKSで報告をくれたりして、嬉しかったです。

ー 師長自ら積極的にLINE WORKSを活用し、院内でもお手本としてお知らせが掲示されていると伺いました。導入のコツは何だったのでしょうか。
淵上さん:
導入が決定し、全部LINE WORKSに変えるよ、と皆に伝えて手書きで行っていたことをやめたんです。LINE WORKSに移行したから、見ないのは自分の責任だよ、という感じですね。「病院に来たら必ず病院のPC(今はスマホ)必ず見るようにしてね」と伝えていました。
導入を進めていくにあたって5人くらいコアメンバーになる人がいるといいなと思い、最初に私(師長)を入れて5人選出しました。例えば、ノートの投稿の仕方や、写真をこうやって載せられるよ、など聞きたい時に誰かがいた方が心強いですよね。
廣田さん:
私が所属している、スマホやLINE WORKSの推進チームのグループでも、使い方について相談したりしています。お互いに声を掛け合える環境は大切だなと感じます。

【ナレッジの蓄積・共有】会議にビデオ通話で参加、LINE WORKS上に情報が蓄積され情報の確認も容易に。
淵上さん:
「プリプリ会」というのがありまして、プリセプター(先輩看護師)とプリセプティー(新人看護師)の「プリ」からつけられた名前なんですが、会議に「勤務の都合で来れない」「家からなら参加できる」という人にはLINE WORKSのビデオ会議で参加してもらっています。後から共有する必要がなくなったので、すごく助かりました。
また、普段関わりのない、他の部署の先生がお産の時に関わってくれたことがありました。本件に関わった部署のスタッフが振り返りをしたいと考え、先生のお名前をLINE WORKSで探し、関わった方たち含めてグループに招待したんです。スタッフがそのグループで「今回の事例はどうでしたか?」とアンケートを作成し送信したところ、みなさんスムーズに回答してくださいました。スタッフがLINE WORKSを使いこなし自主的に行動してくれたおかげで、良いフィードバックを得ることができました。
【AI議事録ツールを活用】議事録作成にLINE WORKS AiNoteを活用
淵上さん:
会議の議事録作成に、「LINE WORKS AiNote」を使い始めました。まだ使い始めたばかりですが、要約機能もあるので便利だなと思います。
会議が多いので、議事録作成にも時間を要していました。これで作業時間が短縮できるのではと期待しています。
LINE WORKS AiNoteで会議の議事録を作成
廣田さん:
産休、育休中でもLINE WORKSに情報が残っているので、いつでも情報収集することができます。復職する時の安心感につながると思います。
休職中のメンバーにも「書類を準備してください」「わからない時はここに聞いてください」とお知らせの内容がまとまっているので、助かっています。
ー 導入の進め方や、情報共有の仕方など、大変参考になりました。淵上さん、廣田さん、ありがとうございました!

次回は、ICUの皆さまにお話を伺います。
もっと詳しく!横浜市東部病院の実践内容
済生会横浜市東部病院では、「働きやすい医療現場の実現」を掲げ、看護師の皆さまのほか医師や職員の方々もLINE WORKSを活用し院内におけるコミュニケーションを円滑に行なっています。
導入事例インタビューはこちら
https://line-works.com/cases/tobu-saiseikai/
LINE WORKSについてのご相談は「そうだん窓口」をご活用ください。
https://line-works.com/blog/businesschat/lineworks-sodanmadoguchi/





