社内コミュニケーションツールの選び方|種類と比較のポイント

社内コミュニケーションツールとは、チャットやWeb会議、トランシーバーアプリなどで社内の連絡と情報共有を行うツールです。   製品名を比べる前に、解決したい課題から必要な種類を絞ると選びやすくなります。

目次

    社内コミュニケーションツールとは

    社内コミュニケーションツールは、社内の連絡と情報共有をスマホやPCで行い、記録に残せるサービスの総称です。メールや電話、口頭で連絡している会社が、返信待ちや伝言の食い違いを減らすために使います。アカウントや閲覧できる範囲を会社が管理できる点が、個人向けのメッセージアプリとの違いです。

    社内連絡ツールや情報共有ツールと呼ばれることもあります。メールや電話、口頭での連絡と比べると、主に次の点が変わります。

    従来の手段 困りやすいこと ツールを使った場合
    メール 返信を待つ時間が長く、CCが増えるほど必要な情報を探しにくくなる 短い文でやりとりでき、話題ごとに経緯を追える
    電話・内線 相手の作業を止めてしまい、話した内容が記録に残らない 相手は都合のよいときに読めて、やりとりが履歴に残る
    口頭・朝礼 その場にいない人に届かず、伝言を重ねるうちに内容が変わる 全員に同じ内容が届き、後から読み返せる

    やりとりが記録に残るので、異動や休みのときの引き継ぎがしやすくなり、特定の担当者しか知らない情報も減らせます。本社と拠点が離れていても全員が同じ内容を同時に受け取れるため、情報が届く早さに差が出にくくなります。

    この記事で扱うのは、連絡と情報共有のためのツールです。

    社内コミュニケーションツールの主な種類

    主な種類は7つあり、文字で連絡するチャットや社内SNSから、声で連絡するトランシーバーアプリまで幅があります。残りの4つは、グループウェア、ナレッジ共有、Web会議、タスク・プロジェクト管理です。複数の種類を兼ねる製品もあるため、導入を検討する会社は、製品名より先に必要な種類を決めると候補を絞れます。

    種類 主な使い方 使う場面
    ビジネスチャット 1対1やグループで、文字のメッセージをやりとりする 日々の報告・連絡・相談、部署やプロジェクトごとの相談
    社内SNS タイムラインに投稿し、コメントやリアクションで反応する 経営層からの発信、社内報、拠点をまたいだ取り組みの共有
    グループウェア 掲示板、スケジュール、ファイル共有、チャットなどを1つのサービスで使う 連絡や予定、書類の置き場を1か所にまとめたいとき
    ナレッジ共有 マニュアルや手順書、よくある質問をためておき、検索して読む 新人教育、手順の統一、同じ質問への回答
    Web会議 映像と音声で離れた相手と話し、画面を共有する 定例会議、拠点間の打ち合わせ、研修
    タスク・プロジェクト管理 作業ごとに担当者と期限を決め、進み具合を共有する 複数人で進める案件、依頼した仕事の抜け漏れ防止
    トランシーバーアプリ ボタンを押して話し、同じグループの全員に声を届ける 店舗・施設・倉庫など、手を止めずに短い連絡を交わす現場

    ビジネスチャットと社内SNS

    どちらも文字でやりとりしますが、ビジネスチャットは相手を決めた連絡に、社内SNSは多くの社員への発信に使います。日々の業務連絡はチャット、全社へのお知らせや部署を越えた交流は社内SNSという分け方が基本です。全社へのお知らせ機能を備えたチャットもあるため、1つの製品で両方をまかなう選び方もできます。

    グループウェアとナレッジ共有

    グループウェアは、チャットに加えて掲示板やスケジュール、ファイル共有、申請などの機能を1つにまとめたサービスです。すでに導入している会社は、その中のチャットや掲示板で足りるかを先に確かめておくと、同じ役割のツールを重ねて契約せずに済みます。

    ナレッジ共有ツールは社内Wikiとも呼ばれ、マニュアルや手順書のように繰り返し見る情報をためておくためのツールです。チャットや社内SNSでは、投稿が増えるほど古い情報を探しにくくなります。同じ質問に何度も答えている、手順が人によって違うといった職場では、チャットとは別にナレッジ共有ツールを用意しておくと、情報を探す手間を減らせます。

    Web会議とトランシーバーアプリ

    同じ声のやりとりでも、Web会議は日時を決めて話し合うとき、トランシーバーアプリは作業をしながら短く伝えるときに使います。トランシーバーアプリはインカムアプリとも呼ばれ、多くはPTT(Push-to-Talk)方式です。スマホの画面やイヤホンマイクのボタンを押して話すと、同じグループの全員に声が届きます。売場での応援の呼び出しや施設のフロア間の連絡のように、文字を打つ余裕がない場面に適しています。

    オフィス中心か現場中心かで選び方が変わる

    PCで働く人が中心なら文字のツールを、手がふさがる現場スタッフが多いならスマホと声で使えるツールを先に検討します。店舗や施設、倉庫、工場のように社員の多くがPCの前にいない職場では、移動しながらの短い連絡や応援の呼び出しが連絡の中心になるためです。

    オフィス中心の職場と現場中心の職場では、端末や連絡のしかたが次のように違います。

    比べる点 オフィス中心の職場 現場中心の職場
    主な端末 会社支給のPC、スマホ 会社支給・共用・私物のスマホ、イヤホンマイク
    連絡のしかた 文字での相談、会議 移動しながらの短い連絡、呼び出し、応援の要請
    アカウントの発行 会社のメールアドレスで発行 メールアドレスを持たないスタッフにも発行できるか
    重視したい機能 検索、ファイル共有、ほかのサービスとの連携 片手や声での操作、通知の分かりやすさ、シフトに合わせた運用
    中心になりやすい種類 ビジネスチャット、グループウェア、Web会議 スマホで使うビジネスチャット、トランシーバーアプリ

    現場中心の職場では、導入前に次の点を確かめておくと安心です。

    • 社員番号やIDなど、メールアドレス以外でアカウントを発行できるか
    • 共用端末で、使う人ごとにログインを切り替えられるか
    • 私物のスマホで使う場合に、退職時の利用停止や履歴の扱いを会社で管理できるか
    • 調理や介助、荷物の運搬など、手がふさがった状態でも連絡できるか
    • 外国籍のスタッフがいる場合に、翻訳などで言葉の違いを補えるか

    私物のスマホで使う場合は、私物の端末を業務に使うときのルールとセキュリティ対策を導入前に決めておくと、退職時の利用停止や履歴の扱いで迷わずに済みます。

    手がふさがった状態での連絡は、文字のツールだけでは補いにくい部分です。オフィスはチャット、現場は声と、場所によって手段を分けて組み合わせる方法もあります。声の連絡にトランシーバーアプリを使うなら、無料のアプリと業務用のアプリの違いを先に比べておくと、候補を絞りやすくなります。

    現場の声の連絡に使えるアプリの一つが、LINE WORKSラジャーです。スマホをトランシーバーのように使えるアプリで、ボタンを押して話すとチャンネルの全員に声が届きます。アドバンストプランでは、発話を自動でテキストに変換することもできます。

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    社内コミュニケーションツールを選ぶ6つのポイント

    解決したい課題から必要な種類を決め、候補のサービスを機能、端末、使いやすさ、管理、連携、費用の6項目で比べます。課題を決めないまま機能の多さで比べると、使わない機能の分まで費用を払うおそれがあるためです。

    解決したい課題から種類を絞る

    今の連絡で困っていることを1つか2つに絞ると、優先して検討する種類が決まります。

    困っていること 優先して検討したい種類
    メールの返信待ちや電話の取り次ぎで、仕事が止まる ビジネスチャット
    本社の方針や全社の取り組みが、拠点まで伝わらない 社内SNS、グループウェアの掲示板
    同じ質問に何度も答えている、手順が人によって違う ナレッジ共有
    頼んだ仕事の担当者や期限が、チャットのやりとりの中で分からなくなる タスク・プロジェクト管理
    拠点が離れていて、打ち合わせのたびに移動している Web会議
    売場やフロアにいるスタッフを、歩いて探しに行っている トランシーバーアプリ
    部署ごとに連絡手段がばらばらで、情報がまとまらない グループウェア、または複数の種類を兼ねる製品

    比較するときの6つの確認項目

    候補の種類が決まったら、個別のサービスを次の6項目で比べます。

    確認項目 見るポイント 見落としやすい点
    目的に合う機能 解決したい課題に必要な機能がそろっているか 毎日使う人にとって、その機能が使いやすいか
    端末とアカウント スマホ・PC・タブレットで使えるか、メールアドレスなしで発行できるか 共用端末や私物スマホでの使い方
    使いやすさ 説明を受けなくても操作を覚えられるか、画面が見やすいか 管理者と現場スタッフで評価が分かれる場合がある
    セキュリティと管理 通信の暗号化、権限や閲覧範囲の設定、退職者の利用停止、操作の記録 ISO/IEC 27001にもとづくISMS認証などの第三者認証、データの保存場所
    既存ツールとの連携 すでに使っているメール、カレンダー、ファイル共有、グループウェアとつながるか 連携できないと、同じ情報を二重に入力する手間が出る
    費用とサポート 初期費用、1ユーザーあたりの月額、人数が増えたときの総額、問い合わせ窓口 無料プランの上限、日本語でのサポートの有無

    導入の進め方と定着のコツ

    小さな部署で試し、運用ルールを決めてから全社に広げると、導入したツールが使われないまま終わるのを防げます。管理者には使いやすく見えても、毎日使う現場のスタッフには手順が多くて続かない場合があり、試験導入でその差を確かめられるためです。

    1. メールや電話、口頭、紙の伝達票など、今の連絡手段と困っている場面を部署ごとに書き出す
    2. 導入の目的と、効果を確かめる指標を決める
    3. 候補を2〜3つに絞り、実際に使う人がトライアルで試す
    4. 1つの部署や店舗で試験導入し、運用ルールと教え方を固める
    5. ほかの部署や拠点へ広げ、使われ方を定期的に見直す

    トライアルには、管理する側に加えて、毎日使う現場のスタッフにも参加してもらいましょう。

    決めておきたい運用ルール

    試験導入の段階で次のようなルールを決めて共有しておくと、使い方が人によってばらつくのを防げます。

    • 日々の連絡はチャット、手順はナレッジ共有のように、連絡の内容ごとに使うツール
    • 返信の目安と、急ぎの連絡の送り方
    • 勤務時間外や休日の通知の扱い
    • グループやチャンネルを作る人と、名前の付け方
    • 投稿してはいけない情報と、私物のスマホに残してよい情報の範囲

    導入後につまずきやすい点と対処

    導入後に起こりうるつまずきと対処は、次のとおりです。

    つまずき 起きること 対処
    従来の手段との並行運用が続く メールや電話に戻り、新しいツールに情報が集まらない 最初の数週間は業務連絡をツールに集めると決め、管理職から使い始める
    雑談と業務連絡を同じグループでやりとりしている 通知が増えて、大事な連絡を見落とす 業務用と雑談用のグループを分け、全員宛ての通知を絞る
    現場での使い方が想定されていない PCでの操作が前提になり、現場のスタッフが使わなくなる 朝礼、申し送り、応援の要請など、現場の場面ごとの使い方の例を配る
    困ったときの相談先がない 使い方が分からないまま、利用をやめてしまう 部署ごとに、気軽に相談できる担当者を1人決めておく

    ツールが定着しても、それだけで社内の会話が増えるとは限りません。

    よくある質問

    個人向けのメッセージアプリを業務連絡に使ってもよいですか?

    少人数で一時的に使う程度なら連絡はできますが、日常の業務連絡には会社で管理できるツールをおすすめします。個人のアカウントで使うアプリでは、退職したスタッフのアカウントを会社が停止できず、業務のやりとりも本人の端末に残ったままです。私的な連絡と業務連絡が同じアプリに届くため、勤務時間外の通知が負担になることもあります。

    無料のツールだけで運用できますか?

    使い勝手を確かめる段階なら、無料のツールやフリープランで足ります。ただし無料の範囲では、使える人数や履歴を保存できる期間、管理機能に上限があるのが一般的です。業務で使い続けるなら、本番で必要な人数と機能を早めに見極め、有償プランのトライアルでも試しておくと、後から乗り換える手間を減らせます。

    少人数の会社でも導入する意味はありますか?

    あります。少人数の職場では1人が担う仕事の幅が広く、担当者が休むと仕事の状況が分からなくなりやすいため、やりとりを記録に残しておく意味は大きくなります。全員に一度に広げられ、運用ルールも決めやすい点は、少人数の職場の利点です。

    導入の効果はどのように確かめればよいですか?

    導入前に決めた目的に合わせて、数えられる指標を導入の前後で比べます。たとえば、電話や内線の件数、連絡してから対応するまでの時間、引き継ぎ漏れの件数、同じ質問に答えた回数などです。使い方が落ち着くまでには時間がかかるので、試験導入の直後に加えて、数か月たった時点でも見直してください。

    まとめ

    社内コミュニケーションツールを選ぶときに押さえておきたい点は、次のとおりです。

    • 主な種類は、ビジネスチャット、社内SNS、グループウェア、ナレッジ共有、Web会議、タスク・プロジェクト管理、トランシーバーアプリの7つ
    • 製品名を比べる前に、解決したい課題から必要な種類を絞る
    • 現場スタッフが多い職場は、スマホでの使い勝手、アカウントの発行方法、手がふさがった状態での連絡まで確かめる
    • 候補を2〜3つに絞って現場のスタッフも参加するトライアルで比べ、運用ルールを決めてから広げる

    まずは、今の連絡で困っている場面を部署ごとに書き出してみてください。困りごとが1つ決まれば、比べるツールの種類も絞れます。

    現場の声の連絡を見直すなら、LINE WORKSラジャーも候補の一つです。スマホをトランシーバーのように使えるアプリで、ビジネスチャットのLINE WORKSと連携して使うこともできます。フリープランは0円で試せます(会話は40分で一度切断)。有償プランは30日間の無償トライアルがあります。

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